JP6539732B2 - ダイナミックダンパ,乗り物用シート,及び乗り物用装備品 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイナミックダンパと、ダイナミックダンパを備えた乗り物用シート及び乗り物用装備品と、に関する。
乗り物用シートやバッテリなどの乗り物用装備品に生じる振動は、その振幅が大きくなり過ぎないようにできるだけ減衰する必要がある。
特に、乗り物用シートにおける周波数が20Hz以下の振動は、人体に感じやすいため、着座した乗員の快適性が維持されるよう減衰することが望まれる。
特許文献1には、乗り物用シートに生じる大きな振動を減衰させるため、シートバック内にダイナミックダンパを設けることが記載されている。
すなわち、乗り物用シートにダイナミックダンパを設け、ダイナミックダンパの固有振動数をシートに生じる大きな振動の周波数に合わせることで、その周波数の振動を抑制するようになっている。
実開平1−167926号公報
ところで、乗り物に装備される、乗り物用シートやバッテリなどの乗り物用装備品は、複数の振動源からの振動が乗り物の構造体(車両など)を通して伝達される。そのため、一つの周波数のみならず複数(例えば二つ)の周波数で、大きな振動が生じ易くなっている場合がある。
この場合、複数の周波数の大きな振動を、一つのダイナミックダンパで抑制するのは難しく、振動周波数それぞれに対し固有振動数を合わせた複数のダイナミックダンパを用いる必要があった。
そのため、コスト増加及び乗り物用装備品の質量増加を招き、改善が望まれていた。
そこで、本発明は、コスト増加及び質量増加を抑えながら、振動を減衰することが出来るダイナミックダンパ,乗り物用シート,及び乗り物用装備品を提供することを目的とする。
本発明の第の態様によれば、ベース部と、 錘ユニットと、ベース部に対し、錘ユニットを第1の支持位置で弾性支持する第1の弾性支持ユニットと、ベース部に対し、錘ユニットを第1の支持位置から第1の方向に所定の距離だけ離隔した第2の支持位置で弾性支持する第2の弾性支持ユニットと、少なくとも第1の支持位置を第1の方向に移動して所定の距離を調整可能とする支持位置移動調整機構と、を備えたダイナミックダンパが提供される。
本発明の第2の態様によれば、ベース部と、錘ユニットと、ベース部に対し、錘ユニットを第1の支持位置で弾性支持する第1の弾性支持ユニットと、ベース部に対し、錘ユニットを第1の支持位置から第1の方向に離隔した第2の支持位置で弾性支持する第2の弾性支持ユニットと、少なくとも第1の支持位置を第1の方向に移動可能とする支持位置移動調整機構と、を備え
支持位置移動調整機構は、ベース部に設けられた第1の方向に延びるベース部側ラックと、錘ユニットに設けられた第1の方向に延びる錘ユニット側ラックと、第1の弾性支持ユニットに設けられた、ベース部側ラックに歯合する第1のピニオン,錘ユニット側ラックに歯合する第2のピニオン,第1のピニオンの回転の規制と許容とを選択的に行う第1のラチェット部,及び第2のピニオンの回転の規制と許容とを選択的に行う第2のラチェット部と、を含むダイナミックダンパが提供される。
本発明の第3の態様によれば、シートバックフレームとクッションフレームとを有し、乗り物に装備される乗り物用シートであって、シートバックフレームとクッションフレームとの少なくとも一方に、第1又は第2の態様に記載のダイナミックダンパが、第1の方向を乗り物用シートの幅方向に直交する方向として取り付けられている乗り物用シートが提供される。
本発明の第4の態様によれば、乗り物に装備される乗り物用装備品であって、第1又は第2の態様に記載のダイナミックダンパが取り付けられている乗り物用装備品が提供される。
本発明は、コスト増加及び質量増加を抑え、振動を減衰することができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態に係るダイナミックダンパの実施例1であるダイナミックダンパ8とそれを備えたシート1とを説明するための斜視図である。 図2は、シート1に備えられたダイナミックダンパ8を説明するための図1における部分拡大図である。 図3は、ダイナミックダンパ8を説明するための模式的平面図である。 図4は、二自由度のダイナミックダンパの基本モデルを示す図である。 図5は、ダイナミックダンパ8の特性を説明するためのグラフであり、図5(a)は変位の並進成分、図5(b)は、変位の回転成分を示している。 図6は、実施例2のダイナミックダンパ18を説明するための斜視図である。 図7は、ダイナミックダンパ18が備える弾性支持部21aを説明するための三面図である。 図8は、ダイナミックダンパ18を備えたシート51のフレーム体52を説明するための斜視図である。 図9は、ダイナミックダンパ18を有するバッテリ61を搭載した乗り物60を示す一部破断の斜視図である。
図1〜図9を参照し、実施の形態に係るダイナミックダンパなどを、好ましい実施例1,2により説明する。
(実施例1)
実施例1としてダイナミックダンパ8及びそれを備えた乗り物用シート1(以下、シート1)を説明する。
まず、図1を参照してシート1の概略構成について説明する。図1では、シート1が車両の床面Fに取り付けられた状態での、車両の前進方向を前方として前後左右上下の各方向を、FR,RR,LH,RH,UP,LWRとして示してある。車両は、例えば、乗り物60(図9参照)が自動車の場合の車両である。
シート1は、一人乗り用のシートであるが、左右方向(幅方向)に広い複数人乗り用のシートであってもよい。
図1示されるように、車両の床面Fには、左右方向に平行に離隔して一対の固定レール41が取り付けられている。
この一対の固定レール41に対してシート1が、前後方向に移動可能に取り付けられている。
シート1は、骨組みになるフレーム体2と、フレーム体2を包むように設けられたクッション体31と、を有する。図1ではフレーム体2を実線で示し、クッション体31の外形を二点鎖線で示してある。
フレーム体2は、一対の固定レール41,41それぞれに係合装着された一対の可動レール部3,3と、可動レール部3,3の上側に跨るように連結された枠状のクッションフレーム4と、を有する。さらに、フレーム体2は、クッションフレーム4の後部において、左右方向に延びる回動軸線CL5のまわりに回動可能に連結された細長枠状のシートバックフレーム5と、を有する。
クッション体31は、クッションフレーム4を内部に収めて形成された着座部分であるシートクッション32と、シートバックフレーム5を内部に収めて形成された背もたれ部分であるシートバッククッション33と、を含んで構成されている。
すなわち、シート1は、クッションフレーム4及びシートクッション32を含む座部としてのシートクッション部1Aと、シートバックフレーム5及びシートバッククッション33を含む背もたれ部としてのシートバック部1Bと、を有して構成されている。
シートバック部1Bは、シートクッション部1Aに対し、回動軸線CL5のまわりに所定の角度範囲で起倒可能とされている。
図1は、シートバック部1Bの起立状態が示されている。
シートバックフレーム5における上部には、左右方向に離隔して一対のヘッドレストホルダ6,6が設けられている。
ヘッドレストホルダ6,6には、ヘッドレストフレーム7が上方側から挿抜自在に取り付けられている。
ヘッドレストフレーム7における上側部分はヘッドレストクッション34に包まれている。ヘッドレストフレーム7及びヘッドレストクッション34を含みヘッドレスト35が構成されている。図1において、ヘッドレストクッション34の外形は、二点鎖線で示されている。
シートバックフレーム5は、左右方向に離隔し、図1に示される起立状態において概ね上下方向に延びるよう並設された一対のサイドフレーム5a,5aを有する。
一対のサイドフレーム5a,5aの先端部分同士は、左右方向に延びるトップフレーム5bで連結されている。
既述の一対のヘッドレストホルダ6,6は、トップフレーム5bに取り付けられている。
一対のサイドフレーム5a,5aは、中央部において左右に延びるミドルフレーム5cで連結されている。また、サイドフレーム5a,5aは、下部において左右に延びるロアフレーム5dで連結されている。
シートバックフレーム5は、トップフレーム5bとミドルフレーム5cとの間において、一対のサイドフレーム5a,5aを連結し、上下方向に離隔して設けられたクロスフレーム5e,5fを有している。
クロスフレーム5e,5fは、サイドフレーム5aに沿って延びるステー5g,5hで連結されている。
ステー5g,5hは、左右方向に平行離隔して設けられている。
ダイナミックダンパ8は、クロスフレーム5e及びステー5g,5hに支持されている。
すなわち、シート1は、シートバックフレーム5にダイナミックダンパ8を有する。ダイナミックダンパ8は、例えば、図1に示されるように、シートバックフレーム5の、左右及び上下の概ね中央部であって、シートバック部1Bに装着されたヘッドレストフレーム7と干渉しない位置に設けられている。
次に、ダイナミックダンパ8の詳細を、図2及び図3も参照して説明する。
図2は、図1におけるダイナミックダンパ8及びその近傍の部材を示した拡大図である。図2では、クロスフレーム5eの延在方向をY方向、ステー5g,5hの延在方向をZ方向とし、Y方向とZ方向とに直交する方向をX方向としてある。
X方向,Y方向,及びZ方向は、それぞれシートバック部1Bの起立状態における前後方向、左右方向、及び上下方向に概ね対応する。
図3は、ダイナミックダンパ8を説明するための模式図であり、図2におけるX方向の紙面手前側から見た平面図である。図3において、描画煩雑さを避けるため、次に説明するベースプレート8aは、中央上部と中央下部とを破断してある。
ダイナミックダンパ8は、ベース部である矩形板状のベースプレート8aと、錘ユニット8dと、ベースプレート8aに対し錘ユニット8dを弾性支持する弾性支持ユニット9と、を有して構成されている。この例では、弾性支持ユニット9として、四つの弾性支持部9a〜9dを有している。
詳しくは、ベースプレート8aは、ボルト及びナットなどの締結具8eによって、クロスフレーム5e及びステー5g,5hに取り付けられている。
ベースプレート8aの四隅には、L字状のブラケット8b1〜8b4が取り付けられており、ブラケット8b1〜8b4それぞれに連結された弾性支持部9a〜9dを介して、錘ユニット8dが支持されている。
弾性支持部9a〜9dは、それぞれ少なくとも弾性部材8c1〜8c4を有している。
弾性部材8c1〜8c4として、この例ではコイルスプリングが用いられている。以下、コイルスプリング8c1〜8c4とも称する。
更に詳細には、ベースプレート8aの四隅には、Y方向に延びる長孔8a1〜8a4が形成されている(図2)。ベースプレート8aには、ブラケット8b1〜8b4が、長孔8a1〜8a4それぞれに通されたボルト8a5と、ボルト8a5に螺合するナット(図示せず)と、によって取り付けられている。
従って、ベースプレート8aに対するブラケット8b1〜8b4の取り付け位置は、Y方向について長孔8a1〜8a4の長さに応じて調整可能である。
ブラケット8b1〜8b4には、貫通孔を有するフックプレート8b5〜8b8が取り付けられている。
弾性部材としてのコイルスプリング8c1〜8c4は、その一端側のフックが、フックプレート8b5〜8b8の貫通孔にそれぞれ引っ掛けられて、フックプレート8b5〜8b8を介しブラケット8b1〜8b4に取り付けられている。
錘ユニット8dは、矩形板状の錘8d1が複数枚重ねられて柱状を呈するように一体化された錘体8d2と、複数のL字状のホールドブラケット8d3と、を有して構成される。
詳しくは、錘8d1は、長手方向の両端部に近い位置において、幅方向に離隔して形成された二対の貫通孔(一対の貫通孔は、図2において錘8d1の下方において前後に形成された二個の孔を意味し、他の一対の貫通孔は、錘8d1の上方において前後に形成された二個の孔を意味する)を有する。
錘ユニット8dは、錘8d1を複数枚(この例で8枚)重ね合わせた状態で、厚さ方向の両側から二対のホールドブラケット8d3で挟み、これらを二対の貫通孔に通したボルト8d4,8d6とそれに螺合するナット8d5,8d7とで締結することで、一体形成されている。
錘ユニット8dに取り付けられたホールドブラケット8d3には、コイルスプリング8c1〜8c4のフック部を引っ掛けるためのフックホルダ8d7が取り付けられている。
錘ユニット8dは、フックホルダ8d7それぞれにコイルスプリング8c1〜8c4の一方のフック部が掛けられている。
これにより、錘ユニット8dは、ベースプレート8aに対し弾性支持されている。
この例において、弾性支持部9a〜9dは、それぞれフックプレート8b5〜8b8,コイルスプリング8c1〜8c4,及びフックホルダ8d7を含むものとされている。
このようにして、錘体8d2は、二対のホールドブラケット8d3が取り付けられている支持位置P1,P2において弾性的に支持されている。
ここでは、コイルスプリング8c1,8c2を介して連結されている支持位置を支持位置P1とし、コイルスプリング8c3,8c4を介して連結されている支持位置を支持位置P2とする。
コイルスプリング8c1〜8c4は、それぞれの軸がY方向を向く姿勢で取り付けられている。
図3に示されるように、支持位置P1と支持位置P2とは、錘体8d2の長手方向に離隔している。錘体8d2の長手方向において、支持位置P1と支持位置P2とは、錘ユニット8dの重心Gを挟む位置として設定されるとよい。換言するならば、支持位置P1と支持位置P2とは、それらの離隔方向に対して直交する方向から見たときに、錘ユニット8dの重心は、第1の支持位置P1と第2の支持位置P2との間に位置するように設定される。
二対(合計四つ)のホールドブラケット8d3は、ダイナミックダンパ8の中心線CL8に対し対称となる位置にある。
従って、錘体8d2の幅方向における一方の端面8d2aの支持位置P1,P2と、他方の端面8d2bの支持位置P1,P2とは、支持位置P1同士及び支持位置P2同士が錘体8d2における長手方向の同じ位置にある。
支持位置P1と支持位置P2との長手方向距離を距離Laとする。また、錘体8d2の長手方向の長さを距離hとする。
ダイナミックダンパ8における錘体8d2の姿勢は、錘体8d2の長手方向が、並設された一対のサイドフレーム5a,5aに沿う方向となるように設定されている。
錘体8d2の長手方向において、支持位置P1は、錘体8d2の一方の長手端部8d2cに近い位置に設定され、支持位置P2は、他方の長手端部8d2dに近い位置に設定される。
これは、錘体8d2は、その長手方向がシートバック部1Bの起立状態で上下方向となることから、錘体8d2を、弾性支持部9a〜9dを介して安定的に支持するためである。この観点において、距離Laは、距離hにより近い方が好ましい。
距離hは、例えば、La≧h/2 とするとよい。より好ましくは、La≧3h/5 である。
この例において、支持位置P1と支持位置P2とは、X方向において同じ位置にある。
錘8d1は、例えば鉄板で形成される。錘8d1の質量をm1aとし、重ねた枚数をnとすると、錘体8d2の質量m1は、m1a×nである。質量m1は、錘8d1の重ねる枚数nを変えることで、質量m1aを調整単位として容易に調整できる。
錘体8d2が揺動した際にベースプレート8aに当たらないように、錘体8d2とベースプレート8aとの間には十分大きな間隙が設けられ、コイルスプリング8c1〜8c4のばね定数が調整されている。
ダイナミックダンパ8は、図3において中心線CL8に対し左右対称形状とされている。
また、四つのコイルスプリング8c1〜8c4のばね定数は、異なる二つのばね定数となるように設定されている。
すなわち、ダイナミックダンパ8は、一つの錘体8d2を、異なるばね定数を有する二種の弾性支持ユニット91及び弾性支持ユニット92で支持したものとなっている。
具体的には、起立させたシートバック部1Bにおいて上方側に位置するコイルスプリング8c1及びコイルスプリング8c2のばね定数を、等しいばね定数k1とする。また、下方側となるコイルスプリング8c3とコイルスプリング8c4のばね定数を、等しく、かつ、ばね定数k1とは異なる値のばね定数k2とする。
従って、弾性支持ユニット91は、弾性支持部9a及び弾性支持部9bを含んで構成され、弾性支持ユニット92は、弾性支持部9c及び弾性支持部9dを含んで構成されている。
例えば、上方側のコイルスプリング8c1,8c2のばね定数k1を、下方側のコイルスプリング8c3,8c4のばね定数k2よりも大きくして、下方側よりも変形しにくくする。
すなわち、ダイナミックダンパ8は、弾性体としてコイルスプリング8c1,8c2を含み、ばね定数k1で錘ユニット8dを支持位置P1で支持する弾性支持ユニット91を有する。さらにダイナミックダンパ8は、弾性体としてコイルスプリング8c3,8c4を含み、ばね定数k1と異なるばね定数k2で錘ユニット8dを支持位置P2で支持する弾性支持ユニット92を有する。そして、例えば、ばね定数k1をばね定数k2よりも大きく設定する。
換言するならば、シートバックフレーム5とクッションフレーム4との連結部位に近い支持位置P2で支持する弾性支持ユニット92のばね定数k2よりも、遠い支持位置P1で支持する弾性支持ユニット91のばね定数k1を大きくする。
ばね定数k1及びばね定数k2の値の調整は、例えば、コイルスプリング8c1〜8c4の仕様を変えて行う。具体的には、コイルの線径,コイルの有効径,コイルの有効巻き数,コイルの全巻き数,及びコイルの線材質のいずれかを異ならせて調整可能である。
上述のダイナミックダンパ8は、いわゆる2自由度のダイナミックダンパとして構成されている。この2自由度のダイナミックダンパの基本モデルが、図4に示されている。図4では、基本モデルの部材等の符号に、その部材等に対応するダイナミックダンパ8の部材等の符号を適用している。
基本モデルにおけるマスMとパラメータとの関係は次のとおりである。
マスMの、Z方向の長さ(高さ)をhとし、Y方向の長さ(幅)をwとする。
マスMの質量をm1とする。
マスMは、固定部材Jに対し、ばね定数k1の弾性支持ユニット91により支持位置P1で支持され、ばね定数k2の弾性支持ユニット92により支持位置P2で支持されている。
また、マスMの重心Gの位置から支持位置P1までのZ方向の距離をL1、重心Gの位置から支持位置P2までのZ方向の距離をL2とする。
これらのパラメータを用い、重心GにおけるX軸まわりの慣性モーメントを、Ixxとして表すと、(式1)となる。
Figure 0006539732
重心GのY方向の並進変位をy、重心GにおけるX軸まわりの微小回転変位をθ、としたときの、図4に示される基本モデルにおける力とモーメントとの釣り合いは、(式2)で示される。
Figure 0006539732
(式2)から、(式3)の運動方程式が導かれる。
Figure 0006539732
(式3)を行列表記した(式4)から、[m1]−1[k]の固有値λ及びλを算出する。得られたλ及びλから、角振動数ω=sqrt(λ)によって固有振動数freqとしてfreq,freqを得る(式5)。
Figure 0006539732
Figure 0006539732
以上から明らかなように、ダイナミックダンパ8の二つの固有振動数freq,freq(以下、f1,f2とも記載)は、m1,Ixx,k1,k2,L1,L2の各パラメータによって設定される。
このように、ダイナミックダンパ8は、錘として錘体8d2を一つ有するものでありながら、固有振動数f1と固有振動数f2とを有する。
従って、任意設定可能な、錘体8d2の形状(幅及び高さ),質量m1,及び重心Gの位置から支持位置P1,P2までのZ方向距離L1,L2、並びに、コイルスプリング8c1〜8c4のコイルの線径,コイルの有効径,コイルの有効巻き数,コイルの全巻き数,及びコイルの線材質のいずれかを調整設定して、ダイナミックダンパ8の固有振動数を、所望の、異なる二つの振動数に決めることができる。
ダイナミックダンパ8が異なる二つの固有振動数を有することについて、更に、試験結果を基に説明する。
試験には、図2で示されるダイナミックダンパ8を、次に示す仕様で製作して供した。この試験では、コイルスプリング8c1,8c2のコイルの有効巻き数N1及びコイルの全巻き数N1aと、コイルスプリング8c3,8c4のコイルの有効巻き数N2及びコイルの全巻き数N2aと、を異なる値とした。
<製作したダイナミックダンパ8の仕様>
錘体8d2の質量m1:1.4kg
錘体8d2の外形寸法〔X方向(奥行d),Y方向(幅w),Z方向(高さh)〕:
30mm,40mm,150mm
コイルの有効巻き数N1:4
コイルの全巻き数N1a:7
補正係数(N1a/N1):1.75
コイルの有効巻き数N2:7.5
コイルの全巻き数N2a:10
補正係数(N2a/N2):1.33
L1:60 mm
L2:60 mm
k1:10.0 N/mm
k2:4.0 N/mm
尚、La/hは、120/150で0.8である。
この仕様で製作したダイナミックダンパ8を、Z方向が鉛直方向となる姿勢で加振台に取り付け、Y方向の振動を、全振幅0.2mm、周波数10〜30Hzの範囲のスイープで加えた。
このスイープ加振での、錘体8d2の3次元変位を測定し、測定データから、X〜Z方向それぞれの並進成分と、X〜Z方向をそれぞれX軸〜Z軸としたときの各軸まわりの回転成分と、を得た。
図5(a)は並進成分(mm)を示すグラフであり、図5(b)は回転成分(rad)を示すグラフである。
図5(a),(b)から明らかなように、スイープした周波数域(10Hz〜30Hz)において、並進成分として、加振方向(Y方向)に一つの共振点が顕著に生じているのがわかる。共振周波数は、約13Hzである。
一方、回転成分としては、Y軸及びZ軸まわりにおいて、一つの共振点が生じているのがわかる。共振周波数は約13Hzである。また、X軸まわりにおいて、二つの共振点が顕著に生じているのがわかる。二つの共振周波数は、約13Hz及び約23Hzである。
この二つの共振周波数は、仕様の各値から(式5)を用いて得られた固有振動数freq1,freq2の値とよく一致した。
このように、ダイナミックダンパ8は、加振方向(Y方向)と錘体8d2の支持位置P1,P2の離隔方向(Z方向)とに直交する方向(X方向)を軸とする軸まわりの回転で、二つの異なる周波数で共振が生じる。
同様に、加振方向がX方向の場合には、Y軸まわりの回転において、二つの異なる周波数で共振が生じる。
また、加振方向がZ方向の場合には、加振方向と支持位置P1,P2の離隔方向とが一致するため、二つの異なる周波数での共振は顕著ではない。
すなわち、ダイナミックダンパ8は、加振方向と支持位置P1,P2の離隔方向とが一致する特定の方向を除く、あらゆる方向を振動方向とする振動に対し、回転成分において二つの固有振動数に基づく二つの有効な共振点を設定できる。
これにより、ダイナミックダンパ8を備えたシート1は、少なくとも二つの大きな振動を抑制可能である。その結果、シート1は振動が生じにくい。
また、シート1は、ダイナミックダンパ8を一つのみ備えるものであるから、複数のダイナミックダンパ8を備えた場合と比べて、低コスト及び小質量で製造できる。
これらの効果は、ダイナミックダンパ8が、シート1以外の乗り物用装備品に備えられた場合も同様に得られる。
また、ダイナミックダンパ8は、錘体8d2を、複数枚の錘8d1を分離可能に組み付けて一体化している。そのため、錘8d1の枚数を変えることで錘体8d2の質量m1の増減を容易に行える。質量m1の増減は、錘8d1の厚さを薄くすることで調整単位をより細かくすることができ、錘体8d2の質量m1の微調整が可能である。
これにより、ダイナミックダンパ8の固有振動数の調整は大変容易である。
(実施例2)
実施例2としてダイナミックダンパ18を説明する。図6は、ダイナミックダンパ18の斜視図である。ダイナミックダンパ18も、実施例1のダイナミックダンパ8と同様に、2自由度のダイナミックダンパとして構成されている。
ダイナミックダンパ18は、ベース部としてのベースプレート19と、錘ユニット20と、ベースプレート19に対し錘ユニット20を弾性支持する弾性支持ユニット21と、を有して構成されている。この例では、弾性支持ユニット21として、四つの弾性支持部21a〜21dを有している。
詳しくは、ベースプレート19は、矩形平板状の基部19a及び基部19aのY方向の両縁部から同方向に折り曲げられた側壁19b,19cを有する。
基部19aのZ方向の両縁部には、ボルト及びナットなどの締結具によって、例えばシート1のクロスフレーム5e,5fなどに締結固定するための固定用鍔部19a1〜19a4が張出形成されている。
側壁19b,19cの内面19b1,19c1は、対向する平行面とされている。内面19b1,19c1には、それぞれZ方向に延びる姿勢でラック22a,22bが取り付けられている。
錘ユニット20は、角柱状を呈し、Z方向を長手とする姿勢でベースプレート19に対し弾性支持部21a〜21dによって弾性的に支持されている。
錘ユニット20におけるY方向の側面20a,20bには、それぞれラック22c,22dが取り付けられている。ラック22cはラック22aと対向し、ラック22dはラック22bと対向している。
錘ユニット20は、実施例1の錘ユニット8dと同様に、複数枚の矩形板状の錘が分離可能に重ねられて一体の角柱状とされたものでもよい。
弾性支持部21a〜21dは、同一のアッセンブリユニット部材であり、ここでは、それぞれの配置位置を把握できるように異なる符号を付してある。以下、代表として弾性支持部21aの構造を説明する。
図7は、弾性支持部21aの三面図である。図7(a)は図6におけるX方向紙面手前側から見た正面図に相当し、図7(b)は図6におけるZ方向上側から見た上面図に相当し、図7(c)は図6におけるY方向右側から見た右側面図に相当する。
弾性支持部21aは、四角柱状に形成された弾性部材23と、弾性部材23の左右両端部を固定支持する一対の歯合部24a,24aと、を有する。
弾性部材23は、弾性を有する材質(例えばゴム)で形成されており、Y方向の両端部にZ方向に張り出したフランジ部23a,23aを有する。
歯合部24aは、YZ平面方向に延在するL字状のプレート24a1と、プレート24a1に対しX方向に延びる軸線CLaまわりに回転可能に支持されたピニオン24a2と、ピニオン24a2の回転の許容及び規制を選択的に行うためのラチェット部24a3と、を有している。
ラチェット部24a3は、プレート24a1に対しX方向に延びる軸線CLbまわりに回動可能に支持された爪部24a4と、爪部24a4を指などで回動させるために爪部24a4から軸線CLbと直交する方向に延出したレバー24a5と、を有している。
レバー24a5を軸線CLbまわりに回動させることで(矢印Da)、爪部24a4を、ピニオン24a2の歯に噛ませてピニオン24a2の回転を規制する規制位置と、歯から離脱させてピニオン24a2の回転を許容する許容位置と、で選択的に位置決めできるようになっている。
爪部24a4は、図示しないばね部材によって、通常、規制位置にあるよう付勢されている。爪部24a4は、図7において規制位置で示され、図6において便宜的に許容位置で示されている。
プレート24a1は、展開状態でZ方向に帯状に延出する保持部24a6を有する。そして、保持部24a6をプレスにより弾性部材23に巻きつけるように折り曲げ、さらにカシメることで、歯合部24aは弾性部材23の端部に取り付けられている。
これにより、二つの歯合部24aが弾性部材23の両端部にそれぞれ取り付けられる。この二つの歯合部24aは、レバー24a5の延出する向きがZ方向において互いに逆向きとなるように、弾性部材23に取り付けられている。
図6に示されるように、弾性支持部21a,21dは、Y方向に延在する姿勢で、側壁19bと錘ユニット20との間に取り付けられている。より詳しくは、二つの歯合部24aの各ピニオン24a2が、それぞれラック22aとラック22cとに歯合し、かつ爪部24a4が規制位置とされて配置されている。
すなわち、弾性部材23は、錘ユニット20の自重で生じる撓み量が、ピニオン24a2とラック22a又はラック22cとの噛み合いが外れない程度に小さい弾性特性を有するものとされる。
弾性支持部21aは、二つの爪部24a4を許容位置にすることで、二つのピニオン24a2をラック22a,22cに歯合したたまま回転させて、Z方向に移動可能となっている。
そして、弾性支持部21aは、所望のZ方向位置において、二つの爪部24a4を規制位置にすることにより位置決め固定される。
すなわち、ダイナミックダンパ18は、弾性支持部21aをZ方向に移動し、任意位置で移動規制することで支持位置P11aをZ方向に移動調整可能な支持位置移動調整機構TKを有している。
支持位置移動調整機構TKは、錘ユニット20とベースプレート19とに対向配置されたラック22a,22cと、各ラック22a,22cに歯合するピニオン24a2を有する二つの歯合部24aと、を含み構成される。
この支持位置移動調整機構TKは、弾性支持部21b〜21dについても同様に、錘ユニット20を支持する位置である支持位置P11b〜P11dをZ方向に調整可能として備えられている。
このように、支持位置移動調整機構TKによって、弾性支持部21a〜21dは、ベースプレート19と錘ユニット20との間において、それぞれ独立してZ方向に移動可能、かつ所望の位置で位置決め固定できるようになっている。これは、図4に示された基本モデルにおけるL1とL2の値を任意に設定できることを意味する。
これにより、ダイナミックダンパ18は、弾性支持部21a〜21dのZ方向の位置を任意に決めることにより、錘ユニット20の支持位置P11a〜P11dと重心GとのZ方向における距離をそれぞれ調整して、二つの固有振動数f1,f2を任意の値に設定できる。
ダイナミックダンパ18は、弾性支持部21a〜21dそれぞれが有する弾性部材23の弾性を異なるものとしてばね定数を調整し、少なくとも二つの固有振動数を得ることができる。
例えば、弾性部材23をゴムで形成し、弾性支持部21a,21bの弾性部材23を、弾性支持部21c,21dの弾性部材23よりも硬質のゴムとする。これにより、弾性支持部21aと弾性支持部21bとを合わせた弾性支持系のばね定数を、弾性支持部21cと弾性支持部21dとを合わせた弾性支持系のばね定数よりも大きくすることができ、二つの固有振動数を調整設定できる。
ゴムは、厳密には一定値となるばね定数は得られないが、ダイナミックダンパ18の動作という限られた条件下においては、実質的に一定値のばね定数を設定可能である。
また、四つの弾性部材23のばね定数を同じにした場合でも、弾性支持部21a〜21dのZ方向の固定位置をそれぞれ独立に調整することで、少なくとも二つの固有振動数を得ることができる。
例えば、弾性支持部21a,21bの固定位置を、弾性支持部21c,21dの固定位置よりもZ方向において重心Gに近い位置とする。
これにより、弾性支持部21aと弾性支持部21bとを合わせた弾性支持系のばね定数が、弾性支持部21cと弾性支持部21dとを合わせた弾性支持系のばね定数よりも大きくなるので、二つの固有振動数を調整設定できる。
ダイナミックダンパ18は、複数の弾性支持部21a〜21dを有する場合に上述のようにすべての支持位置をZ方向に調整設定できるものでなくてよい。少なくとも一つの弾性支持部について、錘ユニット20の支持位置を調整可能であればよい。
ダイナミックダンパ18は、ダイナミックダンパ8と同様に、特にY方向の振動減衰に効果を発揮する。
そのため、ダイナミックダンパ18は、乗り物用シートに対し、ダイナミックダンパ8と同様の姿勢で取り付けるとよい。
図8には、ダイナミックダンパ18を、乗り物用シートであるシート51のフレーム体52に取り付けた例が、斜視図で示されている。具体的には、シートバックとなる部位及びシートクッションとなる部位の少なくとも一方にダイナミックダンパ18を有する。ここでは、シートバックとなる部位及びシートクッションとなる部位の両方にダイナミックダンパ18を有している例を説明する。
図8に示されるように、フレーム体52は、背もたれとなるシートバックの骨格となるシートバックフレーム53と、着座するシートクッションの骨格となるクッションフレーム54と、を有する。
シートバックフレーム53は、Y方向に延びるクロスフレーム53a,53bを有する。ダイナミックダンパ18は、ベースプレート19がクロスフレーム53a,53bに対しボルト及びナットなどによって固定されることで、シートバックフレーム53に取り付けられている。
クッションフレーム54は、Y方向に延びるロアクロスフレーム54a,54bを有する。ダイナミックダンパ18は、ベースプレート19がロアクロスフレーム54a,54bに対しボルト及びナットなどにより固定されることで、クッションフレーム54に取り付けられている。
ダイナミックダンパ18は、シートバックフレーム53及びクッションフレーム54において、弾性支持部21a〜21dがY方向に延在する姿勢で取り付けられている。
クッションフレーム54へは、ダイナミックダンパ18の替わりにダイナミックダンパ8を取り付けてもよい。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
シート1,51において、ダイナミックダンパ8,18が取り付けられる位置は、フレーム体2,52における幅方向の中央であることに限定されない。幅方向のいずれか側に偏倚した位置でもよい。
ダイナミックダンパ8,18を支持するシートバックフレーム5,53などのフレーム構成は限定されない。ダイナミックダンパ8,18は、シートバックフレーム5,53或いはクッションフレーム54に支持されていればよい。
複数組み合わされて錘体8d2を構成する錘8d1の形状は自由であり、板状であるものに限定されない。
シート1において、ダイナミックダンパ8のばね定数k1とばね定数k2とは、シートバック部1Bの起立姿勢で上方になる側を大きくするものに限らない。下方となる側を大きくしてもよい。錘体8d2の安定支持の観点からは、上方側を大きくする方が好ましい。ダイナミックダンパ18についても同様である。
また、上述の実施形態では、錘ユニット8d,20を、四個の弾性支持部9a〜9d,21a〜21dに介して四点で支持したが、二個又は三個の弾性支持部を介して、二点又は三点で錘ユニット8d,20を支持してもよい。但し、複数の弾性支持部のうち少なくとも一つは、そのばね定数が他の弾性支持部のばね定数と異なるのが望ましい。
ダイナミックダンパ8において、錘ユニット8dを支持し、異なるばね定数を有する弾性支持ユニット91,92は、二つに限定されるものではなく、三つ以上であってもよい。弾性支持ユニット91,92は、支持位置P1,P2それぞれにおいて錘ユニット8dの幅方向の両側を支持する例を説明したが、支持位置P1,P2それぞれにおいて錘ユニット8dの幅方向の一方側を支持するものであってもよい。錘体8d2を支持する弾性部材としてコイルスプリング8c1〜8c4を説明したが、弾性部材はコイルスプリングに限定されず、コイルスプリング以外の周知の弾性部材を用いることができる。
例えば、波型座金や皿ばねを用いてもよい。波型座金や皿ばねを用いると、コイルスプリングを用いた場合よりも高い振動数の振動の抑制が可能となる。
実施例1,2のダイナミックダンパ8,18は、乗り物用シート以外の乗り物用装備品に備えてもよい。
シート以外の乗り物用装備品としては、アームレスト,画像表示装置やアンプなどの電装品,撮像装置,バッテリなどがある。
図9は、乗り物60(この例では自動車)の装備品であるバッテリ61に、ダイナミックダンパ18を取り付けた例が示されている。
ダイナミックダンパ18は、弾性支持部21a,21b,21c,21dの延在方向が、バッテリ61における減衰させたい振動の振動方向と一致する姿勢で取り付けられる。
図9に示された例では、弾性支持部21a〜21dの延在方向は、乗り物60の幅方向となっている。
乗り物は、自動車に限らず、航空機,船舶,鉄道など、シートを有する構造体を備え、乗員をシートに着座させて移動する移動体であればよい。
本発明は、乗員を着座状態で移動させる乗り物(自動車、航空機、船舶、鉄道車両、など)に搭載されるシートやバッテリなどの装備品に利用できる。

Claims (5)

  1. ベース部と、
    錘ユニットと、
    前記ベース部に対し、前記錘ユニットを第1の支持位置で弾性支持する第1の弾性支持ユニットと、
    前記ベース部に対し、前記錘ユニットを前記第1の支持位置から第1の方向に所定の距離だけ離隔した第2の支持位置で弾性支持する第2の弾性支持ユニットと、
    少なくとも前記第1の支持位置を前記第1の方向に移動して前記所定の距離を調整可能とする支持位置移動調整機構と、
    を備えることを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. ベース部と、
    錘ユニットと、
    前記ベース部に対し、前記錘ユニットを第1の支持位置で弾性支持する第1の弾性支持ユニットと、
    前記ベース部に対し、前記錘ユニットを前記第1の支持位置から第1の方向に離隔した第2の支持位置で弾性支持する第2の弾性支持ユニットと、
    少なくとも前記第1の支持位置を前記第1の方向に移動可能とする支持位置移動調整機構と、
    を備え
    前記支持位置移動調整機構は、
    前記ベース部に設けられた前記第1の方向に延びるベース部側ラックと、
    前記錘ユニットに設けられた前記第1の方向に延びる錘ユニット側ラックと、
    前記第1の弾性支持ユニットに設けられた、前記ベース部側ラックに歯合する第1のピニオン,前記錘ユニット側ラックに歯合する第2のピニオン,前記第1のピニオンの回転の規制と許容とを選択的に行う第1のラチェット部,及び前記第2のピニオンの回転の規制と許容とを選択的に行う第2のラチェット部と、
    を含むことを特徴とするダイナミックダンパ。
  3. 前記錘ユニットの重心位置と前記第1の支持位置との間の前記第1の方向の距離と、前記重心位置と前記第2の支持位置との間の前記第1の方向の距離と、が異なる状態で前記第1のピニオン及び前記第2のピニオンの回転が規制されていることを特徴とする請求項記載のダイナミックダンパ。
  4. シートバックフレームとクッションフレームとを有し、乗り物に装備される乗り物用シートであって、
    前記シートバックフレームと前記クッションフレームとの少なくとも一方に、請求項1〜のいずれか1項に記載のダイナミックダンパが、前記第1の方向を前記乗り物用シートの幅方向に直交する方向として取り付けられていることを特徴とする乗り物用シート。
  5. 乗り物に装備される乗り物用装備品であって、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のダイナミックダンパが取り付けられていることを特徴とする乗り物用装備品。
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