JPH0218981B2 - - Google Patents

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JPH0218981B2
JPH0218981B2 JP7062885A JP7062885A JPH0218981B2 JP H0218981 B2 JPH0218981 B2 JP H0218981B2 JP 7062885 A JP7062885 A JP 7062885A JP 7062885 A JP7062885 A JP 7062885A JP H0218981 B2 JPH0218981 B2 JP H0218981B2
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JP
Japan
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resin
weight
metal powder
epoxy resin
layer
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JP7062885A
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Inventor
Minoru Kitayama
Yasuhiko Mitsuyoshi
Shigeaki Nagatsuma
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は高耐食性燃料タンク用鋼板に係り、特
にアルコールあるいはアルコール混合ガソリンタ
ンク材料としてすぐれた耐食性、プレス加工性、
抵抗溶接性を有する高耐食性燃料タンク用鋼板に
関する。 (従来技術および問題点) 北米、中南米、欧州ではエネルギー政策として
石油依存率の低減を国策とする国が多く、自動車
用新燃料としてアルコール(メタノール、エタノ
ール)そのもの、あるいはこれらをガソリンに5
〜20%混合したいわゆるガソホールの導入比率が
年々拡大の傾向にある。 しかしながら、これらアルコール系燃料は (a) 水を含みやすい、 (b) 水混入量の増加、温度の低下により相分離が
生じ、下層にアルコールと水を主成分とする分
離量を生じる、 (c) 酸化劣化して有機酸を生成する可能性があ
る、 あるいは (d) メタノールを40%以上含むアルコールとガソ
リン混合物に対して、現行タンク材料の主流で
あるターン(Pb―Sn合金)メツキ鋼板はメツ
キ層が溶解する、 など通常のガソリン燃料に比べて一段と強い腐食
性を有している。 しかるに自動車の燃料タンクは安全確保の意味
から最重要部品として位置付けられており、この
材料としてはまず腐食による穴あきが発生しない
こと、さらには燃料循環系統でフイルターの目詰
まりを発生するような浮遊性の腐食生成物が生じ
ないことが要求される。 ところで、現在通常の自動車用燃料タンク材料
は、たとえば特公昭57−61833号公報に示される
ようなPb―Sn合金溶融メツキ鋼板とか、特公昭
53−19981号公報に示されるようなZnメツキ鋼板
に厚クロメート処理を施したものが使用されてい
る。これらの材料のガソリン、アルコールあるい
はアルコール混合ガソリンに対する耐食性につい
て見ると、Pb―Sn合金溶融メツキ鋼板に関して
いえば、このようなPb―Sn合金がメタノールに
非常に溶解しやすい特性を有している点が問題で
あり、メタノール混合ガソリンに対しては実用が
困難と考えられる。一方、電気Znメツキ鋼板に
厚クロメート処理を施した材料については、Zn
はFeより卑な電位の金属であるから、メツキ層
が損傷したプレス加工部ではZnの犠性防食作用
により赤錆、穴あきの発生は抑制されるが、Zn
の溶出速度が大きく、浮遊性の白色沈澱物を多量
に生成して燃料循環系統でフイルターの目詰まり
が発生しやすい欠点を有する。 (問題を解決するための手段) そこで本発明者らは、このような現行タンク材
料の欠点を解消し、アルコール単独あるいはアル
コール混合ガソリン、とりわけ腐食性の強いメタ
ノール系燃料に対してすぐれた耐食性を発揮し、
かつタンク製造工程においてすぐれたプレス加工
性、抵抗溶接性を発揮する高耐食性燃料タンク用
鋼板を提供するため種々検討した結果、鋼板表面
に下層としてPb―Sn合金メツキ層、上層として
金属粉末を含む有機樹脂被膜、又は上下の中間層
として、さらにSnメツキ層を有する構成とする
ことによつてこれらの問題を一挙に解決しうると
いう全く新たな知見を得て本発明を成したもので
ある。 (発明の構成・作用) すなわち、本発明の要旨とするところは、鋼板
表面にSnを3〜20%含むPb―Sn合金メツキ層を
目付量10〜200g/m2有し、その上層にZn,Al,
Mg,Ni,Sn,10%Cr以上のステンレスまたは
これらの合金の金属粉末の1種以上を樹脂成分と
該金属粉末の合計量の20〜95重量%含み、さらに
上記の樹脂成分は全樹脂分に対して40〜90重量%
のフエノキシ樹脂とゴム成分含有率が5〜35重量
%であるゴム変性エポキシ樹脂とから成り、残部
は通常のエポキシ樹脂塗料に用いられる硬化剤、
硬化促進材、添加剤等を適量含む金属粉含有有機
樹脂被膜を厚さ2〜50μm有し、または前記下層
と上層の間にさらに中間層としてSnメツキ層を
目付量1g/m2以上有することを特徴とする高耐
食性燃料タンク用鋼板にある。ここで上記の有機
樹脂被膜形成用材料について説明すると金属粉末
については 金属粉末(重量)/金属粉末(重量)+樹脂成分(重
量)×100 が20〜95重量%である。 そして樹脂成分では フエノキシ樹脂(重量)/フエノキシ樹脂(重量)+
ゴム変性エポキシ樹脂(ゴム成分含有量5〜35重量%)
(重量)×100 が40〜90重量%である。 以下、本発明について詳細に説明する。 まず、本発明の高耐食性燃料タンク用鋼板は、
鋼板表面に下層としてSnを3〜20重量%含むPb
―Sn合金メツキ層を有する。該Pb―Sn合金メツ
キ層は、アルコールおよびアルコール混合燃料中
では自然電極電位列において鉄と電位が逆転して
鉄に対して卑な電位となり、鉄を犠性防食する特
性を有するので、該Pb―Sn合金メツキ層を鋼板
表面に存在させるとタンクの孔あき寿命を延長さ
せるのに効果的である。 しかしながら、一方において該Pb―Sn合金メ
ツキ層はメタノールに腐食する弱点を有するの
で、メタノール系燃料に対しては後述する上層の
金属粉末を含む有機樹脂被膜あるいは中間層の
Snメツキ層と複合し、鋼板被覆タイプの防食層
として耐食性の向上に寄与する。 該Pb―Sn合金メツキ層のSn含有量に関して
は、実用的なSn含有量は後述する上層、あるい
は中間層の耐食性とのかね合い、メツキ製造時の
作業性などを考慮して決定される。本発明におい
ては、該Pb―Sn合金メツキ層中に含まれるSn含
有量が3重量%未満では、通常の製造法である溶
融メツキを行う場合に鋼板表面におけるメツキ濡
れ性が劣り、不メツキ部発生の原因となる。ま
た、20重量%を超えると下層として必要とされる
耐食性が飽和する。 さらに該Pb―Sn合金メツキ層のメツキ目付量
についても、前述のSn含有量と同様、後述の上
層、あるいは中間層の耐食性などを考慮して決定
される。該Pb―Sn合金メツキ層のメツ目付量が
10g/m2未満ではピンホール、不メツキ等のメツ
キ欠陥が多く、下層として必要とされる耐食性が
不充分である。また200g/m2を超えると下層と
しての耐食性が飽和する。 なお、必要に応じてPb―Sn合金メツキ層のさ
らに下層として公知のプレメツキ処理を行い、1
〜3g/m2程度のNi,CoあるいはNi―Co合金か
ら成るプレメツキ層を設ければ、該Pb―Sn合金
メツキ層のピンホール、不メツキ部の発生を解消
することが出来る。 以上に述べたようなPb―Sn合金メツキは、公
知の溶融メツキ法あるいは電気メツキ法により形
成出来る。たとえば溶融メツキの場合は、冷延鋼
板の前処理(電解脱脂、電解酸洗)を行つた後、
湿式フラツクス法(40%ZnCl2水溶液)により目
的とするSn濃度に調整したPb―Sn合金メツキ浴
中に350〜380℃で5〜10秒浸漬することにより得
ることが出来る。メツキ付着量は高圧気体絞り法
により調整する。また電気メツキ法の場合は、市
販のホウフツ化鉛―スズ浴を用いて実施出来る。 また、前述のようにPb―Sn合金メツキ層を施
す前にプレメツキとしてNiあるいはCoを微量メ
ツキする場合はNiSO4・7H2O、NiCl2・6H2O、
H3BO4の混合溶液、CoSO4・7H2O、CoCl2
6H2O、H3BO3の混合溶液で電気密度2〜50A/
dm2、温度室温〜80℃でメツキを行い0.5〜3
g/m2の微量メツキを得ることが出来る。 次に、本発明においては、該Pb―Sn合金メツ
キ層の上に上層としてZn,Al,Mg,Ni,Sn,
10%Cr以上のステンレスまたはこれらの合金の
金属粉末の1種以上を樹脂成分と該金属粉末の合
計量の20〜95重量%含み、さらに上記の樹脂成分
は全樹脂分に対して40〜90重量%のフエノキシ樹
脂とゴム成分含有率が5〜35重量%であるゴム変
性エポキシ樹脂とから成り、残部が通常のエポキ
シ樹脂塗料に用いられる硬化剤、硬化促進剤、添
加剤等を適量含む金属粉含有有機樹脂被膜を厚さ
2〜50μm有するものである。該有機樹脂被膜
は、メタノールに溶解する下層のPb―Sn合金メ
ツキ層を、メタノールに対してすぐれた耐食性を
示す金属粉末と樹脂成分とを含む金属粉含有有機
樹脂被膜で被覆しPb―Sn合金メツキ層とメタノ
ールの直接反応を阻止するための防食層として重
要である。 まず金属粉添加の目的は、主として抵抗溶接性
の確保にある。すなわち有機樹脂被覆は一般に高
い電気絶縁性を有しており、これを鋼板表面に複
合させたものは抵抗溶接が困難である。そこで本
発明では有機樹脂被膜中に金属粉末を必要量分散
させ、被膜の電導性を高めるのである。この場
合、金属粉末としてZn,Al,Mg,Ni,Sn,10
%Cr以上のステンレスまたはこれらの合金を選
んだ理由は、これらの金属がいずれもガソリン、
アルコールとりわけメタノールに対してすぐれた
耐食性を有するからで、これら金属粉末のうち1
種以上を有機樹脂被膜中に適正量添加することで
前述の目的は達成される。 なお、上記以外のたとえばPb,Fe,Cuの金属
粉末はメタノールに対して耐食性が劣り、使用出
来ない。 ここで金属粉末の形状に関しては、粒状、フレ
ーク状いずれも適用出来る。 金属粉末の大きさに関しては、大きいほど少量
の添加で抵抗溶接性が向上するが、粒状の場合粒
径として50μmφ超、フレーク状の場合厚さとし
て10μm超になると被膜が多孔質となりこのため
耐食性が劣化し、さらにプレス加工時における金
型の損傷が問題となるので、本発明においては、
粒状の場合平均粒径として50μm以下、フレーク
状の場合平均厚みとして10μm以下の金属粉末を
用いることが望ましい。 次に、金属粉末の添加量を20〜95%の範囲とし
た理由は、20重量%未満では抵抗溶接が困難なた
めであり、95重量%を超えると被膜の連続性が断
たれ、耐食性、密着性、プレス加工性が劣化する
ためである。 次に本発明で用いられる樹脂成分に関しては、
これはいうまでもなくガソリン、アルコール系燃
料に対してすぐれた耐食性、耐久性を有し、かつ
素地原板に対する塗膜密着性、プレス成形性にお
いてすぐれた特性を発揮するものである。すなわ
ち、フエノキシ樹脂によりすぐれたプレス成形性
が実現し、さらにゴム変性エポキシ樹脂によりア
ルコール系燃料に対する耐食性および素地原板に
対する塗膜密着性が確保される。この場合、ゴム
変性エポキシ樹脂中のゴム含有量を調整する目的
で樹脂成分の混合時に後からエポキシ樹脂を添加
しても良く、この添加によつて本発明の趣旨はい
ささかも変えるものではない。 まず、フエノキシ樹脂としては、すぐれたプレ
ス成形性を確保するため、分子量20000〜100000
の範囲の高分子量フエノキシ樹脂が好ましい。フ
エノキシ樹脂含有量としては、全樹脂成分に対し
て40〜90重量%であることが必要であつて40重量
%未満であると充分なプレス成形性が得られず90
重量%を超えるとアルコール系燃料に耐する耐食
性、耐久性が低下する。 また本発明にいうゴム変性エポキシ樹脂とはエ
ポキシ樹脂とカルボキシル基を有するブタジエン
アクリロニトリル共重合体ゴムとを反応させて得
られるものが好ましい。 この場合、本発明に於いてゴム変性エポキシ樹
脂を得るために用いるエポキシ樹脂としては、ビ
スエノールA型エポキシ樹脂、ビスフエノールF
型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、ヒダ
ントイン型エポキシ樹脂、ノボラツク型エポキシ
樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等を挙
げることが出来るが、耐食性の点からノボラツク
型エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。またエポ
キシ樹脂のエポキシ当量としては通常100〜3500
程度のものが用いられる。このゴム変性エポキシ
樹脂は共重合ゴムのカルボキシル基とエポキシ樹
脂のエポキシ基と反応後もエポキシ樹脂としての
反応性を有するために、エポキシ樹脂中には1分
子中に平均2個以上のエポキシ基を有するべきで
ある。 また本発明において変性エポキシ樹脂を得るの
に用いられるカルボキシル基を有するブタジエン
―アクリロニトリル共重合ゴムとしては、分子構
造がリニアーで、分子量が1000〜5000、1分子当
り含有するカルボキシル基の数は平均的に1.5〜
2.5であり、分子両末端にカルボキシル基を有す
るものが好適である。 ゴム変性エポキシ樹脂中のゴム成分含有率とし
ては5重量%未満では素地原板に対する有機樹脂
被膜の密着性が不足する。またゴム成分含有率が
35重量%を超えるとアルコール系燃料に対する耐
食性耐久性が劣化する。 またゴム変性エポキシ樹脂は、ゴム質ポリマー
のカルボキシル基がすべてエポキシ基と反応後も
エポキシ樹脂としての反応性を保持するべきであ
る。かかるゴム変性エポキシ樹脂のエポキシ当量
は200〜5000当量、特に250〜4000当量が好まし
い。 このようなゴム変性エポキシ樹脂を得るには、
たとえば該樹脂の製造時、カルボキシル基1当量
に対してエポキシ基2.3当量以上となるようにカ
ルボキシル基含有ゴム質ポリマーおよびエポキシ
樹脂を配合する。 なお前述の如く樹脂成分の混合時にさらにエポ
キシ樹脂を追加する場合には、ゴム変性エポキシ
樹脂中のゴム成分含有率はエポキシ樹脂総量とし
て追加されたエポキシ樹脂量を加算した量を用い
て求めるものとする。 以上に述べたように本発明においては前記の金
属粉末と上述の樹脂成分とを含む有機樹脂被膜を
上層として設けるものであるが、その厚さを2〜
50μmの範囲とした理由は、2μm未満では上層と
して必要とされる耐食性が不充分なためであり、
50μmを超えると耐食性が飽和するうえプレス加
工性、抵抗溶接性に不都合が生じるためである。
このような樹脂被膜を形成させる具体的手段とし
ては、前記の金属粉末及び樹脂成分を主体として
これに適量の有機溶剤あるいは硬化剤、さらには
その他一般的に使用される添加成分を配合した塗
料組成物として、塗布、乾燥して形成せしめるこ
とが出来る。 即ち上層の金属粉含有有機樹脂被膜の形成に際
しては、まずゴム変性エポキシ樹脂は、エポキシ
樹脂とゴム質ポリマーを80〜180℃程度で0.5〜4
時間溶融混合することで得ることが出来る。次に
目的とする金属粉末と樹脂成分に有機溶剤、硬化
剤、その他添加剤を加えて混練し懸濁液を作る。
この場合用いる有機溶剤の量は、懸濁液全体に対
して60〜85重量%が好ましい。次にこれをロール
塗装により必要な厚さに塗装し乾燥後板温150〜
300℃の範囲で焼付ければ良い。 なお本発明で用いる有機樹脂被膜形成用材料に
含まれる硬化剤、添加剤については、まず硬化剤
としては、たとえばジシアンジアミド系硬化剤、
ヒドラジド系硬化剤、フエノール系硬化剤、ホウ
素系硬化剤、イミダゾール系硬化剤等を挙げるこ
とができ、樹脂成分を充分に硬化させうる量を用
いる。 また添加剤としてはカツプリング剤、顔料、チ
クソトロピツク剤、分散剤等の種類を挙げること
ができる。 以上に記述したとおり、本発明の高耐食性燃料
タンク用鋼板は、鋼板表面にPb―Sn合金メツキ
層と金属粉含有有機樹脂被膜を積層した複合材で
あるが、タンク形状との関係で通常条件に比して
一段と苛酷なプレス加工を必要とする用途に対し
ては、プレス加工時に上層の金属粉含有有機樹脂
被膜が損傷した部分においてもアルコール系燃料
に対して充分な耐食性を保持するために下層の
Pb―Sn合金メツキ層と上層の金属粉含有有機樹
脂被膜との中間層としてSnメツキ層を目付量1
g/m2以上有することが出来る。即ち下層として
Pb―Sn合金メツキ、中間層としてSnメツキ層、
上層として金属粉含有有機樹脂被膜から構成され
る複合材とすることが出来る。この中間層として
のSnメツキ層は、メタノールに溶解する下層の
Pb―Sn合金メツキ層をメタノールに対してすぐ
れた耐食性を示すSnで被覆しPb―Sn合金メツキ
層とメタノールの直接反応を阻止するための防食
層として重要である。Snのメツキ目付量に関し
ては、充填の対象である燃料の組成、上層の金属
粉含有有機樹脂被膜の厚みと耐食性、プレス加工
度などを考慮して決定される。Snメツキ目付量
が1g/m2未満であると下地のPb―Sn合金メツ
キ層に対する被覆が不充分となり、上層の有機樹
脂被膜がきびしいプレス加工工程で損傷を受ける
とその部分では微量のSnの付着により下層のPb
―Sn合金メツキ層の溶出が促進される傾向を示
し、タンクの寿命を短縮するので好ましくない。
一方、当然のことながらSnのメツキ付着量を増
やせば下地への被覆効果が向上し、防食被膜とし
ての性能も向上するが、上層の有機樹脂被膜の厚
みおよび耐食性とのかね合い、などを考慮する
と、自ずから上限は決定される。以上の理由から
本発明におけるSnメツキ目付量は1g/m2を下
限とする。上限は特にもうけないが、メツキ層の
厚さの均一性を確保しつつ工業的に生産しうる限
界を考慮すると、望ましい上限は100g/m2と考
えられる。 また、この場合中間層のSnメツキ層に対して
上層との密着性を向上させるためにクロム酸処理
などの公知の化成処理を施しても良い。 なお中間層のSnメツキ層は、下記に例示する
ようなフエロスタン浴あるいはホウフツ化浴を用
いて形成せしめることが出来る。 ●フエロスタン浴 硫酸第1スズ 30〜100g/ フエノールスルフオン酸 5〜20g/ ENSA 5〜15g/ 温 度 25〜45℃ 電流密度 1〜10A/dm2 ●ホウフツ化浴 Sn(BF42 100〜500g/ HBF4 50〜150g/ H3BO3 15〜30g/ ゼラチン 3〜10g/ β―ナフトール 0.5〜3g/ 温 度 45〜55℃ 電流密度 20〜30A/dm2 Snのメツキ付着量は電流密度、メツキ時間よ
り調整すれば良い。 本発明の高耐食性燃料タンク用鋼板は以上の如
き構成を有するものであるが、その最外層にさら
に有機結合固形潤滑被膜を形成すると、プレス加
工時における金属粉含有有機樹脂被膜の損傷防止
に有効である。 該固形潤滑被膜の構成に関してはプレス加工後
の抵抗溶接工程において該固形潤滑被膜が10μm
以上残留すると通電不良、電極汚れなどの抵抗溶
接上の問題が生じるので、固形潤滑被膜としては
抵抗溶接工程前に湯洗あるいはアルカリ脱脂など
の簡便な手段により溶解脱膜するようなものであ
ることが望ましい。 このような被膜として、水溶性のアクリル樹脂
あるいはアクリル酸/メタクリル酸共重合体を主
成分とし、これに潤滑性を高める意味でステアリ
ン酸Ca(Zn)、ポリスチレンワツクスなどを添加
したもの、あるいは水素化ヤシ油のような潤滑性
油脂を適用出来る。 以上本発明の構成について説明したが、さらに
実施例により本発明の効果を具体的に説明する。 (実施例) 板厚0.8mmの冷延鋼板(Spcc)を原板として、
本発明の高耐食性燃料タンク用鋼板および各種北
較材を得た。製造に際して、下層のPb―Sn合金
メツキは前処理(電解脱脂、電解酸洗)を行つた
後、溶融メツキ法を、また該Pb―Sn合金メツキ
前のNiプレメツキは前処理(電解脱脂、電解酸
洗)を行つた後、電気メツキ法を適用した。上層
の金属粉含有有機樹脂被膜は、エポキシ当量約
175、分子量約370のノボラツク型エポキシ樹脂に
分子量3400、平均カルボキシル基数1.9、アクリ
ロニトリル含有量18%のカルボキシル基を有する
ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴムを反応
させて得たゴム変性エポキシ樹脂、フエノキシ樹
脂、金属粉末、硬化剤(ジシアンジアミド、テト
ラメチルグアニジン)、有機溶剤(エチルセロソ
ルブアセテート)を混合、混練して懸濁液を作り
これをロールコーターにより鋼板表面に塗布し、
乾燥、焼付することで得た。また中間層として
Snメツキを設ける場合はフエロスタン浴による
電気メツキ法を適用した。 なお比較材としては、複合層の構成要件が本発
明の要件を満さないものを用いた。 以上の本発明の高耐食性燃料タンク鋼板および
比較例について、以下に示す評価法によりプレス
加工性、抵抗溶接性、耐食性の評価を行つた。 (A) プレス加工性評価法 ○イ 円筒成形 形 状 …80mmφ平底円筒 クリアランス …1mm ブランクサイズ …160mmφ しわ押え力 …4Kg/mm2 成形高さ …40mm ○ロ 角筒成形 形 状 …80mm四方の平底角筒 クリアランス …2mm ブランクサイズ …140mmφ しわ押え力 …2Kg/mm2 成形高さ …25mm (B) 抵抗溶接性評価法 電 極 …クロム―銅合金、台形電極 溶 接 …二重かさね、ラツプシーム溶接 加圧力 …400Kg 通電時間 …3サイクルon 2サイクルoff 冷 却 …内部、外部水冷 溶接スピード …2.5m/min 溶接電流 …12kA (C) 耐食性評価法 ○イ メタノール 100% ○ロ メタノール混合ガソリン ガソリン 81.82% メタノール 15% イソプロピルアルコール 3% 水(1%NaCl水) 0.15% 15%ギ酸メタノール溶液 0.03%容積% 80mmφ、高さ40mmの平底円筒、および80mm角、
高さ25mmの平底角筒に成形後、この中へ上記の燃
料○イ、○ロを100〜130ml入れて、常温で1ケ月の浸
漬試験を行つた。 結果を第1表および第2表に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 同表中×は不良、△は概ね良好、○は良好を示
す。
これらの表に見られるように、本発明の高耐食
性燃料タンク用鋼板はすぐれた耐食性、プレス加
工性、抵抗溶接性を有するものであり、アルコー
ルおよびアルコール混合ガソリン用タンク材料と
して好適である。 (発明の効果) 以上の実施例も示すとおり、本発明によればア
ルコールおよびアルコール混合ガソリンに対して
すぐれた耐食性を有し、かつすぐれたプレス加工
性、抵抗溶接性を有する高耐食性燃料タンク用鋼
板を提供することが可能となり、産業の発展に貢
献するところ極めて顕著なものがある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鋼板表面に下層としてSnを3〜20重量%含
    むPb―Sn合金メキ層を目付量10〜200g/m2
    し、その上層にZn,Al,Mg,Ni,Sn,10%Cr
    以上のステンレスまたはこれらの合金の金属粉末
    の1種以上を樹脂成分と該金属粉末の合計量の20
    〜95重量%含み、さらに上記の樹脂成分は全樹脂
    分に対して40〜90重量%のフエノキシ樹脂とゴム
    成分含有率が5〜35重量%であるゴム変性エポキ
    シ樹脂とから成り、残部は通常のエポキシ樹脂塗
    料に用いられる硬化剤、硬化促進剤、添加剤等を
    適量含む金属粉含有有機樹脂被膜を厚さ2〜50μ
    m有することを特徴とする高耐食性燃料タンク用
    鋼板。 2 鋼板表面に下層としてSnを3〜20重量%含
    むPb―Sn合金メツキ層を目付量10〜200g/m2
    し、その上に中間層としてSnメツキ層を目付量
    1g/m2以上有し、さらにその上層としてZn,
    Al,Mg,Ni,Sn,10%Cr以上のステンレスま
    たはこれらの合金の金属粉末の1種以上を樹脂成
    分と該金属粉末の合計量の20〜95種量%含み、さ
    らに上記の樹脂成分は全樹脂分に対して40〜90%
    のフエノキシ樹脂とゴム成分含有率が5〜35重量
    %であるゴム変性エポキシ樹脂とから成り、残部
    は通常のエポキシ樹脂塗料に用いられる硬化剤、
    硬化促進剤、添加剤等を適量含む金属粉含有有機
    樹脂被膜を厚さ2〜50μm有することを特徴とす
    る高耐食性燃料タンク用鋼板。
JP7062885A 1985-04-03 1985-04-03 高耐食性燃料タンク用鋼板 Granted JPS61228949A (ja)

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