JPH0325350B2 - - Google Patents

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JPH0325350B2
JPH0325350B2 JP21268186A JP21268186A JPH0325350B2 JP H0325350 B2 JPH0325350 B2 JP H0325350B2 JP 21268186 A JP21268186 A JP 21268186A JP 21268186 A JP21268186 A JP 21268186A JP H0325350 B2 JPH0325350 B2 JP H0325350B2
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resin
metal powder
weight
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plating layer
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JP21268186A
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JPS6369632A (ja
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Shigeaki Nagatsuma
Yasuhiko Mitsuyoshi
Tadao Azami
Joji Oka
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH0325350B2 publication Critical patent/JPH0325350B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は高耐食性燃料タンク用鋼板に係り、特
にアルコールあるいはアルコール混合ガソリンタ
ンク材料としてすぐれた耐食性、プレス加工性、
抵抗溶接性を有する高耐食性燃料タンク用鋼板に
関する。 〔従来技術〕 北米、中南米、欧州ではエネルギー政策として
石油依存率の低減を国策とする国が多く、自動車
用新燃料としてアルコール(メタノール、エタノ
ール)そのもの、あるいはこれらをガソリンに5
〜20%混合したいわゆるガソホールの導入比率が
年々拡大の傾向にある。 しかしながら、これらアルコール系燃料は (a) 水を含みやすい、 (b) 水混入量の増加、温度の低下により相分離が
生じ、下層にアルコールと水を主成分とする分
離層を生じる、 (c) 酸化劣化して有機酸を生成する可能性があ
る、 あるいは、 (d) メタノールを40%以上含むアルコールとガソ
リン混合物に対して、現行タンク材料の主流で
あるターン(Pb−Sn合金)メツキ鋼板はメツ
キ層が溶解する、 など通常のガソリン燃料に比べて一段と強い腐食
性を有している。 しかるに自動車の燃料タンクは安全確保の意味
から最重要部品として位置付けられており、この
材料としてはまず腐食による穴あきが発生しない
こと、さらには燃料循環系統でフイルターの目詰
まりを発生するような浮遊性の腐食生成物が生じ
ないことが要求される。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところで、現在通常の自動車用燃料タンク材料
は、たとえば特公昭57−61833号公報に示される
ようなPb−Sn合金溶融メツキ鋼板とか、特公昭
53−19981号公報に示されるようなZnメツキ鋼板
に厚クロメート処理を施したものがしようされて
いる。これらの材料のガソリン、アルコール、あ
るいはアルコール混合ガソリンに対する耐食性に
ついて見ると、Pb−Sn合金溶融メツキ鋼板に関
していえば、このようなPb−Sn合金がメタノー
ルに非常に溶解しやすい特性を有している点が問
題であり、メタノール混合ガソリンに対しては実
用が困難と考えられる。一方、電気Znメツキ鋼
板に厚クロメート処理を施した材料については、
ZnはFeより卑な電位の金属であるから、メツキ
層が損傷したプレス加工部ではZnの犠牲防食作
用により赤錆、穴あきの発生は抑制されるが、
Znの溶出速度が大きく、浮遊性の白色沈澱物を
多量に生成して燃料循環系統でフイルターの目詰
まりが発生しやすい欠点を有する。 〔問題を解決するための手段〕 そこで本発明者らは、このような現行タンク材
料の欠点を解消し、アルコール単独あるいはアル
コール混合ガソリン、とりわけ腐食性の強いメタ
ノール系燃料にたいしてすぐれた耐食性を発揮
し、かつタンク製造工程においてすぐれたプレス
加工性、抵抗溶接性を発揮する高耐食性燃料タン
ク用鋼板を提供するため種々検討した結果、鋼板
表面に下層としてPb−Sn合金メツキ層、上層と
して金属粉末を含む有機樹脂被膜、又は上下の中
間層として、さらにSnメツキ層を有する構成と
することによつてこれらの問題を一挙に解決しう
るという全く新たな知見を得て本発明を成したも
のである。 すなわち、本発明の要旨とするところは、鋼板
表面にSnを3〜20%含むPb−Sn合金メツキ層を
目付量10〜200g/m2有し、その上層にZn、Al、
Mg、Ni、Sn、Cr、10%以上含有のステンレス
またはこれらの合金の金属粉末の1種以上を樹脂
成分、直鎖状パーフルオロアルキル基をその分子
内に有する有機溶剤可溶性のノニオン性フツ素系
界面活性剤及び該金属粉末の合計量の20〜90重量
%含み、同時に上記の界面活性剤は樹脂成分と金
属粉成分と該界面活性剤の合計量の0.5〜5重量
%含み、さらに上記の樹脂成分は全脂肪分に対し
て40〜90重量%のフエノキシ樹脂とゴム成分含有
率が5〜35重量%であるゴム変性エポキシ樹脂と
から成り、被膜形成剤として硬化剤、硬化促進
剤、添加剤を含む金属粉含有有機樹脂被膜を厚さ
2〜50μm有し、又は前記下層と上層の間にさら
に中間層としてSnメツキ層を目付量1g/m2
上有することを特徴とする高耐食性燃料タンク用
鋼板にある。ここで上記の有機樹脂被膜形成用材
料についてさらに判りやすく説明すると金属粉末
については、 金属粉末(重量)/金属粉末(重量)
+樹脂成分(重量)+界面活性剤(重量)×100 が20〜90重量%である。 そして樹脂成分では、 フエノキシ樹脂(重量)/フエノキシ樹脂(重量)+ゴ
ム変性エポキシ樹脂(ゴム成分含有量5〜35重量%)(
重量)×100 が40〜90重量%である。 さらに界面活性剤については、 界面活性剤(重量)/金属粉末(重量
)+樹脂成分(重量)+界面活性剤(重量)×100 が0.5〜5重量%である。 以下、本発明について詳細に説明する。 まず、本発明の高耐食性燃料タンク用鋼板は、
鋼板表面に下層としてSnを3〜20重量%含むPb
−Sn合金メツキ層を有する。該Pb−Sn合金メツ
キ層は、アルコールおよびアルコール混合燃料中
では自然電極電位列において鉄と電位が逆転して
鉄に対して卑な電位となり、鉄を犠牲防食する特
性を有するので、該Pb−Sn合金メツキ層を鋼板
表面に存在させるとタンクの孔あき寿命を延長さ
せるのに効果的である。 しかしながら、一方において該Pb−Sn合金メ
ツキ層はメタノールに腐食する弱点を有するの
で、メタノール系燃料に対しては後述する上層の
金属粉末を含む有機樹脂被膜あるいは中間層の
Snメツキ層と複合し、鋼板被覆タイプの防食層
として耐食性の向上に寄与する。 該Pb−Sn合金メツキ層のSn含有量に関して
は、実用的なSn含有量は後述する上層、あるい
は中間層の耐食性との兼合い、メツキ製造時の作
業性などを考慮して決定される。本発明において
は、該Pb−Sn合金メツキ層中に含まれるSn含有
量が3重量%未満では、通常の製造法である溶融
メツキを行う場合に鋼板表面におけるメツキ濡れ
性が劣り、不メツキ部発生の原因となる。また、
20重量%を超えると下層として必要とされる耐食
性が飽和する。 さらに該Pb−Sn合金メツキ層のメツキ目付量
についても、前述のSn含有量と同様、後述の上
層、あるいは中間層の耐食性などを考慮して決定
される。該Pb−Sn合金メツキ層のメツキ目付量
が10g/m2未満ではピンホール、不メツキ等のメ
ツキ欠陥が多く、下層として必要とされる耐食性
が不充分である。また200g/m2を超えると下層
としての耐食性が飽和する。 なお、必要に応じてPb−Sn合金メツキ層のさ
らに下層として公知のプレメツキ処理を行い、1
〜3g/m2程度のNi、CoあるいはNi−Co合金か
ら成るプレメツキ層を設ければ、該Pb−Sn合金
メツキ層のピンホール、不メツキ部の発生を解消
することが出来る。 以上に述べたようなPb−Sn合金メツキは、公
知の溶融メツキ法あるいは電気メツキ法により形
成出来る。たとえば溶融メツキの場合は、冷延鋼
板の前処理(電解脱脂、電解酸洗)を行つた後、
湿式フラツクス法(40%ZnCl2水溶液)により目
的とするSn濃度に調整したPb−Sn合金メツキ浴
中に350〜380℃で5〜10秒浸漬することにより得
ることが出来る。メツキ付着量は高圧気体絞り法
により調整する。また電気メツキ法の場合は、市
販のホウフツ化鉛−スズ浴を用いて実施出来る。 また、前述のようにPb−Sn合金メツキ層を施
す前にプレメツキとしてNiあるいはCoを微量メ
ツキする場合は、NiSO4・7H2O、NiCl2
6H2O、H3BO4の混合溶液、CoSO4・7H2O、
CoCl2・6H2O、H3BO3の混合溶液で電流密度2
〜50A/dm2、温度室温〜80℃でメツキを行い
0.5〜3g/m2の微量メツキを得ることが出来る。 次に本発明においては、該Pb−Sn合金メツキ
層の上に上層としてZn、Al、Mg、Ni、Sn、
Cr10%以上含有のステンレスまたはこれらの合
金の金属粉末の1種以上を樹脂成分、直鎖状パー
フルオロアルキル基をその分子内に有する有機溶
剤可溶性のノニオン性フツ素系界面活性剤及び該
金属粉末の合計量の20〜90重量%含み、同時に上
記の界面活性剤は樹脂成分と金属粉成分と該界面
活性剤の合計量の0.5〜5重量%含み、さらに上
記の樹脂成分は全樹脂分に対して40〜90重量%の
フエノキシ樹脂とゴム成分含有率が5〜35重量%
であるゴム変性エポキシ樹脂とから成り、被膜形
成剤として硬化剤、硬化促進剤、添加剤を含む金
属粉含有有機樹脂被膜を厚さ2〜50μm有するも
のである。該有機樹脂被膜は、メタノールに溶解
する下層のPb−Sn合金メツキ層を、メタノール
に対してすぐれた耐食性を示す金属粉末と樹脂成
分とを含む金属粉含有有機樹脂被膜で被覆しPb
−Sn合金メツキ層とメタノールの直接反応を阻
止するための防食層として重要である。 まず金属粉添加の目的は、主として抵抗溶接性
の確保にある。すなわち有機樹脂被覆は一般に高
い電気絶縁性を有しており、これを鋼板表面に複
合させたものは抵抗溶接が困難である。そこで本
発明では有機樹脂被膜中に金属粉末を必要量分散
させ、被膜の伝導性を高めるのである。この場
合、金属粉末としてZn、Al、Mg、Ni、Sn、
Cr10%以上含有のステンレスまたはこれらの合
金を選んだ理由は、これらの金属がいずれもガソ
リン、アルコールとりわけメタノールに対してす
ぐれた耐食性を有するからで、これら金属粉末の
うち1種以上を有機樹脂被膜中に適正量添加する
ことで前述の目的は達成される。 なお、上記以外のたとえばPb、Fe、Cuの金属
粉末はメタノールに対して耐食性が劣り、使用出
来ない。 ここで金属粉末の形状に関しては、粒状、フレ
ーク状いずれも適用出来る。 金属粉末の大きさに関しては、大きいほど少量
の添加で抵抗溶接性が向上するが、粒状の場合粒
径として50μmφ超、フレーク状の場合厚さとし
て10μm超になると被膜が多孔質となりこのため
耐食性が劣化し、さらにプレス加工時における金
型の損傷が問題となるので、本発明においては、
粒状の場合平均粒径として50μm以下、フレーク
状の場合平均厚みとして10μm以下の金属粉末を
用いることが望ましい。 次に、金属粉末の添加量を樹脂成分、ノニオン
性フツ素系界面活性剤及び該金属粉末の合計量の
20〜90%の範囲とした理由は、20重量%未満では
抵抗溶接が困難なためであり、90重量%を越える
と被膜の連続性が断たれ、耐食性、密着性、プレ
ス加工性が劣化するためである。 次に本発明で用いられる樹脂成分に関しては、
これはいうまでもなくガソリン、アルコール系燃
料に対してすぐれた耐食性、耐久性を有し、かつ
素地原板に対する塗膜密着性、プレス成形性にお
いてすぐれた特製を発揮するものである。すなわ
ち、フエノキシ樹脂によりすぐれたプレス成形性
が実現し、さらにゴム変性エポキシ樹脂によりア
ルコール系燃料に対する耐食性及び素地原板に対
する塗膜密着性が確保される。この場合、ゴム変
性エポキシ樹脂中のゴム含有量を調整する目的で
樹脂成分の混合時に後からエポキシ樹脂を添加し
ても良く、この添加によつて本発明の趣旨はいさ
さかも変るものではない。 まず、フエノキシ樹脂としては、すぐれたプレ
ス成形性を確保するため、分子量20000〜100000
の範囲の高分子フエノキシ樹脂が好ましい。フエ
ノキシ樹脂含有量としては、全樹脂成分に対して
40〜90重量%であることが必要であつて40重量%
未満であると充分なプレス成形性が得られず90重
量%を越えるとアルコール系燃料に対する耐食
性、耐久性が低下する。 また本発明にいうゴム変性エポキシ樹脂とはエ
ポキシ樹脂とカルボキシル基を有するブタジエン
アクリロニトリル共重合ゴムとを反応させて得ら
れるものが好ましい。 この場合、本発明に於いてゴム変性エポキシ樹
脂を得るために用いるエポキシ樹脂としては、ビ
スフエノールA型エポキシ樹脂、ビスフエノール
F型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、ヒ
ダントイン型エポキシ樹脂、ノボラツク型エポキ
シ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等を
挙げることが出来るが、耐食性の点からノボラツ
ク型エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。またエ
ポキシ樹脂のエポキシ当量としては通常100〜
3500程度のものが用いられる。このゴム変性エポ
キシ樹脂は共重合ゴムのカルボキシル基とエポキ
シ樹脂のエポキシ基と反応後もエポキシ樹脂とし
ての反応性を有するため、エポキシ樹脂中には1
分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するべき
である。 また本発明において変性エポキシ樹脂を得るの
に用いられるカルボキシル基を有するブタジエン
−アクリロニトリル共重合ゴムとしては、分子構
造がリニアーで、分子量が1000〜5000、1分子当
り含有するカルボキシル基の数は平均的に1.5〜
2.5であり、分子両末端にカルボキシル基を有す
るものが好適である。 ゴム変性エポキシ樹脂中のゴム成分含有率とし
ては5重量%未満では素地原板に対する有機樹脂
被膜の密着性が不足する。またゴム成分含有率が
35重量%を超えるとアルコール系燃料に対する耐
食性耐久性が劣化する。 またゴム変性エポキシ樹脂は、ゴム質ポリマー
のカルボキシル基がすべてエポキシ基と反応後も
エポキシ樹脂としての反応性を保持すべきであ
る。かかるゴム変性エポキシ樹脂のエポキシ当量
は200〜5000当量、特に250〜4000当量が望まし
い。 このようなゴム変性エポキシ樹脂を得るには、
たとえば該樹脂の製造時、カルボキシル基1当量
に対してエポキシ基2.3当量以上となるようにカ
ルボキシル基含有ゴム質ポリマーおよびエポキシ
樹脂を配合する。 なお前述の如く樹脂成分の混合時にさらにエポ
キシ樹脂を追加する場合には、ゴム変性エポキシ
樹脂中のゴム成分含有率はエポキシ樹脂総量とし
て追加されたエポキシ樹脂量を加算した量を用い
て求めるものとする。 本発明に於いて用いるフツ素系界面活性剤とし
ては、直鎖状のパーフルオロアルキル基を分子内
に持つ、且つ有機溶剤に溶解するフツ素系化合物
が用いられる。また塗料の貯蔵安定性よりノニオ
ン性が好ましく、カチオン性やアニオン性或いは
両性等のイオンを有するフツ素系界面活性剤は、
種類によつてはエポキシ樹脂の硬化を起こした
り、樹脂分硬化剤分や溶剤との相溶性が悪いので
使用しない。而してノニオン性のフツ素系界面活
性剤としては、バーフルオロアルキルアミンオキ
サイド、バーフルオロアルキル親油性基含有オリ
ゴマー、バーフルオロアルキル含有エチレンオキ
サイド化合物や非解離性バーフルオロアルキル化
合物等が挙げられる。 フツ素系界面活性剤の添加量としては、金属粉
末、樹脂成分及び該界面活性剤の合計量に対し
0.5〜5重量%である。この範囲内に於いてフツ
素系界面活性剤を添加した場合、塗膜のピンホー
ルの発生を防ぎ、塗膜表面の潤滑性を付与し、塗
膜内部の可塑的な作用を生じる。 フツ素系界面活性剤の添加量が多くなるとエポ
キシ樹脂の硬化反応を阻害するため、塗膜が軟化
し、ガソリン、アルコール系燃料に対する耐食性
に劣る。 また、フツ素系界面活性剤を添加すると、被着
体へのぬれ性を向上させるが、更に向上させる場
合は炭化水素系界面活性剤をその他の特性を損な
わない程度に併用してもよい。この際使用される
炭化水素系界面活性剤としてもノニオン性のもの
が好ましく、例えばポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト、ポリオキシエチレンノニルフエニールエーテ
ル等を具体例として挙げることが出来る。 以上に述べたように本発明においては前記の金
属粉末と上述の樹脂成分とフツ素界面活性剤を含
む有機樹脂被膜を上層として設けるものである
が、その厚さを2〜50μmの範囲とした理由は、
2μm未満では上層として必要とされる耐食性が
不充分なためであり、50μmを超えると耐食性が
飽和するうえプレス加工性、抵抗溶接性に不都合
が生じるためである。 また本発明で用いる有機樹脂被膜形成用材料に
硬化剤、添加剤を含ませるが硬化剤としては、た
とえばジシアンアミド系硬化剤、ヒドラジド系硬
化剤、フエノール系硬化剤、ほう素系硬化剤、イ
ミダゾール系硬化剤等を挙げることができ、樹脂
成分に硬化させうる量を用いる。 また添加剤としてはカツプリング剤、顔料、チ
クントロビツク剤、分散剤等の種類を挙げること
ができる。 以上に記述したとおり、本発明の高耐食性燃料
タンク用鋼板は、鋼板表面にPb−Sn合金メツキ
層と金属粉含有有機樹脂被膜を積層した複合材で
あるが、タンク形状との関係で通常条件に比して
一段と苛酷な加工を必要とする用途に対しては、
プレス加工時に上層の金属粉含有有機樹脂被膜が
損傷した部分においてもアルコール系燃料に対し
て充分な耐食性を保持するために下層のPb−Sn
合金メツキ層と上層の金属粉含有有機樹脂被膜と
の中間層としてSnメツキ層を目付量1g/m2
上有することが出来る。即ち下層としてPb−Sn
合金メツキ層、中間層としてSnメツキ層、上層
として金属粉含有有機樹脂被膜から構成される複
合材とすることが出来る。この中間層としての
Snメツキ層は、メタノールに溶解する下層のPb
−Sn合金メツキ層をメタノールに対してすぐれ
た耐食性を示すSnで被覆しPb−Sn合金メツキ層
とメタノールの直接反応を阻止するための防食層
として重要である。Snのメツキ目付量に関して
は、充填の対象である燃料の組成、上層の金属粉
含有有機樹脂被膜の厚みと耐食性、プレス加工度
などを考慮して決定される。Snメツキ目付量が
1g/m2未満であると下地のPb−Sn合金メツキ
層に対する被覆が不充分となり、上層の有機樹脂
被膜がきびしいプレス加工工程で損傷を受けると
その部分では微量のSnの付着により下層のPb−
Sn合金メツキ層の溶出が促進される傾向を示し、
タンクの寿命を短縮するので好ましくない。一
方、当然のことながらSnのメツキ付着量を増や
せば下地への被覆効果が向上し、防食被膜として
の性能も向上するが、上層の有機樹脂被膜の厚み
および耐食性とのかね合い、などを考慮すると、
自ずから上限は決定される。以上の理由から本発
明におけるSnメツキ目付量は1g/m2を下限と
する。上限は特にもうけないが、メツキ層の厚さ
の均一性を確保しつつ工業的に生産しうる限界を
考慮すると、望ましい上限は100g/m2と考えら
れる。 また、この場合中間層のSnメツキ層に対して
上層との密着性を向上させるためにクロム酸処理
などの公知の化成処理を施しても良い。 なお中間層のSnメツキ層は、下記に例示する
ようなフエロスタン浴あるいはホウフツ化浴を用
いて形成せしめることが出来る。 ●フエロスタン浴 硫酸第1スズ 30〜100g/ フエノールスルフオン酸 5〜20g/ ENSA 5〜15g/ 温 度 25〜45℃ 電流密度 1〜10A/dm2 ●ホウフツ化浴 Sn(BF42 100〜500g/ HBF4 50〜150g/ H3BO3 15〜30g/ ゼラチン 3〜10g/ β−ナフトール 1.5〜3g/ 温 度 45〜55℃ 電流密度 20〜30A/dm2 Snのメツキ付着量は電流密度、メツキ時間よ
り調整すれば良い。 本発明の高耐食性燃料タンク用鋼板は以上の如
き構成を有するものであるが、その最外層にさら
に有機結合固形潤滑被膜を形成すると、プレス加
工時における金属粉含有有機樹脂被膜の損傷防止
に有効である。 該固形潤滑被膜の構成に関してはプレス加工後
の抵抗溶接工程において該固形潤滑被膜が10μm
以上残留する通電不良、電極汚れなどの抵抗溶接
上の問題が生じるので、固形潤滑被膜としては抵
抗溶接工程前に湯洗あるいはアルカリ脱脂などの
簡便な手段により溶解脱膜するようなものである
ことが望ましい。 このような被膜として、水溶性のアクリル樹脂
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
〔作用〕
このような樹脂被膜を形成させる具体的手段と
しては、前記の金属粉末、樹脂成分及びフツ素界
面活性剤を主体としてこれに適量の有機溶剤ある
いは硬化剤、さらにはその他一般的に使用される
添加成分を配合した塗料組成物として、塗布、乾
燥して形成せしめることが出来る。 即ち上層の金属粉含有有機樹脂被膜の形成に際
しては、まずゴム変性エポキシ樹脂は、エポキシ
樹脂とゴム質ポリマーを80℃〜180℃程度で0.5〜
4時間溶融混合することで得ることが出来る。次
に目的とする金属粉末と樹脂成分及び界面活性剤
に有機溶剤、硬化剤、その他添加剤を加えて混練
し懸濁液を作る。この場合用いる有機溶剤の量
は、懸濁液全体に対して60〜85重量%が好まし
い。次にこれをロール塗装により必要な厚さに塗
装し乾燥後板温150〜300℃の範囲で焼付ければ良
い。 以上本発明の構成について説明したが、さらに
実施例により本発明の効果を具体的に説明する。 〔実施例〕 板厚0.8mmの冷延鋼板(Spcc)を原板として、
本発明の高耐食性燃料タンク用鋼板および各種比
較材を得た。製造に際して、下層のPb−Sn合金
メツキは前処理(電解脱脂、電解酸洗)を行つた
後、溶融メツキ法を、また該Pb−Sn合金メツキ
前のNiプレメツキは前処理(電解脱脂、電解酸
洗)を行つた後、電気メツキ法を適用した。上層
の金属粉含有有機樹脂被膜は、エポキシ当量約
175、分子量約370のノボラツク型エポキシ樹脂に
分子量3400、平均カルボキシル基数1.9、アクリ
ロニトリル含有量18%のカルボキシル基を有する
ブタジエンアクリロニトリル共重合ゴムを反応さ
せて得たゴム変性エポキシ樹脂、フエノキシ樹
脂、金属粉末、ノニオン性のフツ素系界面活性剤
(パーフルオロアルキルアミンオキサイド)、硬化
剤(ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジ
ン)、有機溶剤(エチルセロソルブアテート)を
混合、混練して懸濁液を作りこれをロールコータ
ーにより鋼板表面に塗布し、乾燥、焼付すること
で得た。また中間層としてSnメツキを設ける場
合はフエロスタン浴による電気メツキ法を適用し
た。 なお比較材としては、複合層の構成要件が本発
明の要件を満さないものを用いた。 以上の本発明の高耐食性燃料タンク用鋼板およ
び比較例について、以下に示す評価法によりプレ
ス加工性、抵抗溶接性、耐食性の評価を行つた。 (A) プレス加工性評価法 (イ) 円筒成形 形 状…80mmφ平底円筒 クリアランス…1mm ブランクサイズ…160mmφ しわ押え力…4Kg/mm2 成形高さ…40mm (ロ) 角筒成形 形 状…80mm四方の平底角筒 クリアランス…2mm ブランクサイズ…140mmφ しわ押え力…2Kg/mm2 成形高さ…25mm (B) 抵抗溶接性評価法 電 極…クロム−銅合金、台形電極 溶 接…二重かさね、ラツプシーム溶接 加圧力…400Kg 通電時間…3サイクルon …2サイクルoff 冷 却…内部、外部水冷 溶接スピード…1.5m/min 溶接電流…12kA (C) 耐食性評価法 (イ) メタノール 100% (ロ) メタノール混合ガソリン ガソリン メタノール イソプロピルアルコール 水(1%NaCl水) 15%ギ酸メタノール溶液81.82% 15% 3% 0.15% 0.03%容積% 80mmφ、高さ40mmの平底円筒、および80mm
角、高さ25mmの平底角筒に成形後、この中へ上
記の燃料(イ)、(ロ)を100〜130ml入れて、常温で1
ヶ月の浸漬試験を行つた。 結果を第1表および第2表に示す。 同表中×は不良、△は概ね良好、○は良好を
示す。 これらの表に見られるように、本発明の高耐食
性燃料タンク用鋼板はすぐれた耐食性、プレス加
工性、抵抗溶接性を有するものであり、アルコー
ルおよびアルコール混合ガソリン用タンク材料と
して好適である。 〔発明の効果〕 以上の実施例も示すとおり、本発明によればア
ルコールおよびアルコール混合ガソリンに対して
すぐれた耐食性を有し、かつすぐれたプレス加工
性、抵抗溶接性を有する高耐食性燃料タンク用鋼
板を提供することが可能となり、産業の発展に貢
献するところ極めて顕著なものがある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鋼板表面に下層としてSnを3〜20重量%含
    むPb−Sn合金メツキ層を有し、その上層にZn、
    Al、Mg、Ni、Sn、ステンレス又はこれらの合
    金の1種以上の金属粉末、フエノキシ樹脂とゴム
    変成エポキシ樹脂から成る樹脂成分及び直鎖状パ
    ーフルオロアルキル基をその分子内に有する有機
    溶剤可溶性のノニオン性フツ素系界面活性剤を主
    成分とし、これに被膜形成剤として硬化剤、硬化
    促進剤、添加剤を含む金属粉含有有機樹脂被膜を
    有することを特徴とする高耐食性燃料タンク用鋼
    板。 2 鋼板表面に下層としてSnを3〜20重量%含
    むPb−Sn合金メツキ層を有し、その上に中間層
    としてSnメツキ層を1g/m2以上有し、さらに
    その上層としてZn、Al、Mg、Ni、Sn、ステン
    レス又はこれらの合金の1種以上の金属粉末、フ
    エノキシ樹脂とゴム変成エポキシ樹脂から成る樹
    脂成分及び直鎖状パーフルオロアルキル基をその
    分子内に有する有機溶剤可溶性のノニオン性フツ
    素系界面活性剤を主成分とし、これに被膜形成剤
    として硬化剤、硬化促進剤、添加剤を含む金属粉
    含有有機樹脂被膜を有することを特徴とする高耐
    食性燃料タンク用鋼板。 3 下層のPb−Sn合金メツキ層を目付量10〜200
    g/m2有する特許請求の範囲第1項及び第2項記
    載の高耐食性燃料タンク用鋼板。 4 金属粉末を金属粉末、樹脂成分及び界面活性
    剤の合計量の20〜90重量%を含む特許請求の範囲
    第1項及び第2項記載の高耐食性燃料タンク用鋼
    板。 5 界面活性剤を金属粉末、樹脂成分及び界面活
    性剤の合計量の0.5〜5重量%を含む特許請求の
    範囲第1項及び第2項記載の高耐食性燃料タンク
    用鋼板。 6 樹脂成分は全樹脂分に対して40〜90重量%の
    フエノキシ樹脂とゴム成分含有率5〜35重量%で
    あるゴム変成エポキシ樹脂から成る特許請求の範
    囲第1項及び第2項記載の高耐食性燃料タンク用
    鋼板。 7 上層の金属粉含有有機樹脂被膜厚さを2〜
    50μmとした特許請求の範囲第1項及び第2項記
    載の高耐食性燃料タンク用鋼板。 8 ステンレスとして10%以上のCrを含有する
    特許請求の範囲第1項及び第2項記載の高耐食性
    燃料タンク用鋼板。
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