JPH0218890Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、押釦スイツチ等のプツシユ型電気
部品のスライドガイド構造に係り、更に詳しく
は、操作部材の進退動がスムーズに行われるよう
にしたプツシユ型電気部品のスライドガイド構造
に関するものである。

従来のプツシユ型電気部品である押釦スイツチ
のスライドガイド構造としては第１図〜第６図に
示すようなものがある。

図中、符号１は薄型で直方体状のケースであ
り、ケース１の天面部には長方形の開口１ａが形
成されている。

ケース１内にはケース１と略同形状の操作部材
であるツマミ２が上下方向に進退自在に配設され
ており、ツマミ２の頭部２ａはケース１の開口１
ａから外部に突出させられている。３はケース１
の底部から外部に突出させられた固定端子であ
る。ケース１内にはツマミ２によつて可動させら
れる可動接点（図示せず）が配設されている。そ
して、ツマミ２の進退動によつて可動接点が固定
端子３の固定接点と接離してスイツチング動作が
行われる。ツマミ２は復帰スプリング４によつて
常時ケース１の天面部に向けて付勢されており、
ツマミ２を押動操作しないときには可動接点は固
定接点と離されている。

ケース１の互いに対向する長手方向両側壁内面
には、それぞれツマミ２を進退方向に案内する一
対のスライドガイド縦溝５，５がケース１の長手
方向に間隔を開けてツマミ２の進退方向に延在さ
れて設けられている。

一方、ケース１の長手方向両側壁内面と対向す
るツマミ２の長手方向両側面には各一対のスライ
ドガイド縦溝５，５に各々遊嵌状態で嵌合する各
一対のスライド突条６，６が穿設されている。そ
して、各スライドガイド縦溝５の溝巾はスライド
突条６の巾よりも少し大きく形成されている。こ
れはケース１とツマミ２との成形時の寸法誤差を
組み立て時に吸収させるためとスライドガイド縦
溝５とスライド突条６との嵌合状態がきついとツ
マミ２の進退動がスムーズに行われなくなること
を考慮したものである。

従つて、各スライドガイド縦溝５にスライド突
条６が緩やかに嵌合されるようにケース１にツマ
ミ２が配設されて押釦スイツチが組み合わされた
ときには、各スライド突条６がスライドガイド縦
溝５に案内されてツマミ２はスムーズに進退動し
てスイツチング動作が迅速で確実に行われる。

ところで、ケース１とツマミ２との成形時の寸
法誤差を組み立て時に完全に吸収させることは困
難であることから、各スライドガイド縦溝５の溝
巾をスライド突条６の巾よりも第３図及び第５図
に示すように余裕をもたせて少し大きくとつてい
る。

このため、例えば第６図に示すようにツマミ２
の頭部右側を押圧した時には、復帰スプリング４
のツマミ２に対する付勢力の均一な分布がツマミ
２への片寄つた押圧力によつて不均一な分布とな
つてツマミ２は時計方向に回転して傾き、図にお
いて右側のスライド突条６の上端部と左側のスラ
イド突条６の下端部とがそれぞれスライドガイド
縦溝５の互いに対向する一対のガイド溝壁のうち
ケース１の長手方向外側のガイド溝壁に当接し、
頭部右側から遠い側のスライド突条９の下端部が
浮き上がる方向でケース１の長手方向外側のガイ
ド溝壁に摺接すると共に、その頭部右側から遠い
側のスライド突条６の下端部が回転モーメント力
によりケース１の長手方向外側のガイド溝壁を押
し付けることになるため、その頭部右側から遠い
側のスライド突条６の下端部がその頭部右側から
遠い側に存在するガイド溝のうちケース１の長手
方向外側のガイド溝壁をケース１の外側に向かつ
て圧接しつつ、ツマミ２が進退されることになつ
て、つつかかりが生じ易く、操作フイーリングが
低下する。頭部左側を押圧して操作する場合も同
様の不具合が発生する。

この考案は、上記従来技術の有する不具合に鑑
みて為されたもので、その目的は、天面部に長方
形の開口を有する直方体形状のケース内にスイツ
チング動作させる直方体形状の操作部材をその頭
部がその開口から突出するようにして進退可能に
配設し、ケースの互いに対向する長手方向両側壁
内面にそれぞれ操作部材を進退方向に案内する一
対のスライドガイド溝をその長手方向に間隔を開
けて設け、ケースの長手方向両側壁内面と対向す
る操作部材の長手方向両側面には前記各スライド
ガイド溝に遊嵌状態で嵌合する各スライド突条を
設けてなるプツシユ型電気部品のスライドガイド
構造において、操作部材が傾動姿勢となつてもス
ムーズな操作フイーリングを確保することのでき
るプツシユ型電気部品のスライドガイド構造を提
供することにある。

この考案に係わるプツシユ型電気部品のスライ
ドガイド構造の特徴は、各一対のスライド突条の
ケース天面側一端部に互いに離れる方向でスライ
ドガイド溝の互いに対向する一対のガイド溝壁の
うちケースの長手方向外側のガイド溝壁に当接す
る方向に向かつて延びる外側ガイド溝壁摺接用案
内片を設けると共に、各一対のスライド突条のケ
ース底部側他端部に互いに近づく方向でスライド
ガイド溝の互いに対向する一対のガイド溝壁のう
ちケースの長手方向側のガイド溝壁に当接する方
向に向かつて延びる内側ガイド溝壁摺接用案内片
を設けたところにある。

以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第７図〜第９図は、この考案の一実施例を示す
図である。

図中、符号１１は従来例と同様な形状のケー
ス、１１ａはケース１１の天面部に形成された長
方形の開口である。

ケース１１内にはツマミ１２が上下方向に進退
動自在に配設されており、ツマミ１２の頭部１２
ａは開口１１ａから外部に突出させられている。
ケース１１の底部からは図示しないが固定端子が
突出させられている。１４はツマミ１２をケース
１１の天面部に向けて常時付勢する復帰スプリン
グである。

ケース１１の長手方向両側壁内面にはそれぞれ
ツマミ１２を進退方向に案内する一対のスライド
ガイド縦溝１５，１５がケース１１の長手方向に
間隔を開けてツマミ１２の進退方向に設けられて
いる。

一方、ケース１１の長手方向両側壁内面と対向
するツマミ１２の長手方向両側面には各一対のス
ライドガイド縦溝１５，１５に各々遊嵌状態で嵌
合する各一対のスライド突条１６，１６が突設さ
れ、各一対のスライド突条１６，１６はツマミ１
２の上下方向に延在されている。各一対のスライ
ド突条１６，１６のケース天面側一端部には、第
８図に示すように、互いに離れる方向でスライド
縦溝１５，１５の互いに対向する一対のガイド溝
壁のうちケース１１の長手方向外側のガイド溝壁
に当接する方向に向かつて延びる外側ガイド溝壁
摺接用案内片１６ａがそれぞれ設けられている。
また、各一対のスライド突条１６，１６のケース
底部側他端部には、互いに近づく方向でかつスラ
イドガイド溝１５，１５の互いに対向する一対の
ガイド溝壁のうちケース１１の長手方向内側のガ
イド溝壁に当接する方向に向かつて延びる内側ガ
イド溝壁摺接用案内片１６ｂがそれぞれ設けられ
ている。そして、各スライドガイド縦溝１５の溝
巾はスライド突条１６の巾に外側ガイド溝壁摺接
用案内片１６ａ、内側ガイド溝壁摺接用案内片１
６ｂの延出量を足した分より少し大きく形成され
ている。従つてスライドガイド縦溝１５の溝巾は
従来例のものの溝巾よりも大きくなり、スライド
ガイド縦溝１５の一対のガイド溝壁のうちケース
１１の長手方向外側のガイド溝壁はケース１１の
端部壁に近づいている。

次に作用を説明する。

例えば第９図に矢印で示すようにツマミ１２の
頭部右側を押圧した時には復帰スプリング１４の
ツマミ１２に対する付勢力の均一な分布がツマミ
１２への片寄つた押圧力によつて不均一な分布と
なつてツマミ１２は時計方向に回転して傾き、第
９図に示すように右側のスライド突条１６の上端
部と下端部とに設けられた外側ガイド溝壁摺接用
案内片１６ａと内側ガイド溝壁摺接用案内片１６
ｂとの先端部がそれぞれスライドガイド縦溝１５
の側壁面に押当させられ、そのままの状態でツマ
ミ１２は押し下げられる。このとき、図におい
て、押圧側から遠い側の左側に位置するスライド
突条１６の上端部と下端部とに設けられた外側ガ
イド溝壁摺接用案内片１６ａと内側ガイド溝壁摺
接用案内片１６ｂとはどちらもスライドガイド溝
１５の一対のガイド溝壁のいずれにもぶつから
ず、押圧側から遠い側に生じるモーメント力はツ
マミ２の進退方向の動きを阻害する力として作用
しないため、かつ、押圧側に近い側のスライド突
条に発生するモーメント力はツマミ２を進退方向
に押し込む力に較べて小さいため、ツマミ１２は
右側のスライド突条１６に設けられた外側ガイド
溝壁摺接用案内片１６ａと内側ガイド溝壁摺接用
案内片１６ｂとが右側のスライドガイド縦溝１５
によつてのみ案内されてスムーズに押し下げられ
る。

また、逆にツマミ１２の頭部左側を押圧したと
きには同様にして反時計方向に回転して今度は左
側のスライド突条１６の上端部と下端部とに設け
られた外側ガイド溝壁摺接用案内片１６ａと内側
ガイド溝壁摺接用案内片１６ｂとの先端部がスラ
イドガイド縦溝１５の側壁面に当させられ、スラ
イドガイド縦溝１５によつてのみ案内されてその
まま押し下げられる。

従つて、摩擦力も小さくなつて、ツマミ１２の
どの部分を押圧してもツマミ１２はスムーズに進
退動して操作フイーリングが良くなると共にスイ
ツチング動作が迅速で確実に行われる。

この考案は、以上説明したように、各一対のス
ライド突条のケース天面側一端部に互いに離れる
方向でスライドガイド溝の互いに対向する一対の
ガイド溝壁のうちケースの長手方向外側のガイド
溝壁に当接する方向に向かつて延びる外側溝壁摺
接用案内片を設けると共に、各一対のスライド突
条のケース底部側他端部に互いに近づく方向でス
ライドガイド溝の互いに対向する一対のガイド溝
壁のうちケースの長手方向内側のガイド溝壁に向
かつて延びる内側ガイド溝壁摺接用案内片を設け
たので、操作部材が傾動姿勢にあつても押圧側か
ら遠い側のスライド突条がそのスライド突条を遊
嵌するスライドガイド溝のガイド溝壁を外方向に
圧接することなくツマミが押圧側に近い側のスラ
イドガイド溝にのみ案内されることになるので、
操作部材が傾動姿勢であつてもスムーズな操作フ
イーリングを確保できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は従来のプツシユ型電気部品の
スライドガイド構造を示し、第１図は同スライド
ガイド構造を有する押釦スイツチの斜視図、第２
図は押釦スイツチの一部を省略した分解斜視図、
第３図は第１図の−線断面図、第４図は第１
図の−線断面図、第５図は同スライドガイド
構造を示す断面説明図、第６図は同スライドガイ
ド構造の作動状態を示す断面説明図、第７図〜第
９図はこの考案のプツシユ型電気部品のスライド
ガイド構造を示し、第７図は同スライドガイド構
造を有する押釦スイツチの一部を省略した分解斜
視図、第８図は同スライドガイド構造を示す断面
説明図、第９図は同スライドガイド構造の作動状
態を示す断面説明図である。 １１……ケース、１１ａ……開口、１２……ツ
マミ（操作部材）、１５……スライドガイド縦溝、
１６……スライド突条、１６ａ……外側溝壁摺接
用案内片、１６ｂ……内側溝壁摺接用案内片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 天面部に長方形の開口を有する直方体形状のケ
   ース内にスイツチング動作させる直方体形状の操
   作部材をその頭部が前記開口から突出するように
   して進退可能に配設し、前記ケースの互いに対向
   する長手方向両側壁内面にそれぞれ前記操作部材
   を進退方向に案内する一対のスライドガイド溝を
   その長手方向に間隔を開けて設け、前記ケースの
   長手方向両側壁内面と対向する前記操作部材の長
   手方向両側面には前記各スライドガイド溝に遊嵌
   状態で嵌合する各スライド突条を設けてなるプツ
   シユ型電気部品のスライドガイド構造において、 前記各一対のスライド突条には、前記ケースの
   天面側一端部に互いに離れる方向で前記スライド
   ガイド溝の互いに対向する一対のガイド溝壁のう
   ちケースの長手方向外側のガイド溝壁に当接する
   方向に向かつて延びる外側ガイド溝壁摺接用案内
   片を設けると共に、前記ケースの底部側他端部に
   互いに近づく方向で前記スライドガイド溝の互い
   に対向する一対のガイド溝壁のうちケースの長手
   方向内側のガイド溝壁に向かつて延びる内側ガイ
   ド溝壁摺接用案内片を設けたことを特徴とするプ
   ツシユ型電気部品のスライドガイド構造。