JPH0218805B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 走行機体に対して、植付け装置をリンク機構を
介して昇降自在に連結してある乗用田植機に関す
る。

かかる乗用田植機において、前記植付け装置
を、耕盤深さ変動に拘らずほぼ一定した植付け深
さで植付けることができるように、その耕盤深さ
変動に応じて昇降制御するに、従来は、前記植付
け装置を対本機高さ位置に拘わらず、一定の速度
で駆動上昇させるべく構成していたため、例え
ば、この植付け装置の駆動上昇速度を遅く設定す
ると、耕盤面の凹凸が小さな浅い圃場においては
安定した上昇制御を行なうことができる反面、耕
盤面の凹凸が大きい深い圃場においては、植付け
装置の上昇制御が遅れ気味となり、植付け装置に
よる泥押出し量が増大するばかりでなく、植付け
深さのバラツキなどを招き、また、これは逆に植
付け装置の駆動上昇速度を早く設定すると、深い
圃場においては、植付け装置の迅速な上昇制御に
よつて前述のような問題発生を回避することがで
きるものの、浅い圃場においては、植付け装置の
過剰上昇制御によつてハンチング現象を招来する
といつた二律背反的な問題があつた。

本発明は前述の問題に着目して、耕盤面の凹凸
が小さな浅い圃場及び耕盤面の凹凸が大きな深い
圃場の両方において、植付け装置の安定した上昇
操作が行えるように構成することを目的としてい
る。

本発明の特徴は、走行機体に対して、植付け装
置をリンク機構を介して昇降自在に連結してある
乗用田植機において、 前記リンク機構を昇降駆動する油圧シリンダ
と、この油圧シリンダに作動油を供給する可変容
量型の油圧ポンプと、前記植付け装置による植付
け深さが設定植付け深さ範囲内に維持されるよう
に前記油圧シリンダを操作する昇降制御機構とを
設けると共に、前記油圧ポンプの吐出量を変更操
作する速度変更機構を設け、前記リンク機構の上
向きの角度が大となるほど前記油圧ポンプの吐出
量が大となるように、リンク機構と速度変更機構
とを連係してあることにある。

つまり、耕盤面の凹凸が小さな浅い圃場では走
行機体に対する植付け装置の位置が低くなり、リ
ンク機構の上向き角度が小さくなる。逆に耕盤面
の凹凸が大きな深い圃場では走行機体に対する植
付け装置の位置が高くなり、リンク機構の上向き
角度が大きくなる。

従つて、この点に着目して本発明のように構成
すると、浅い圃場においては、耕盤面の小さな凹
凸に応じた小なる速度で植付け装置を駆動上昇さ
せることができるから、過剰制御に起因するハン
チング現象を抑制して安定良い植付け深さ制御を
行なうことができ、また、深い圃場においては、
耕盤面の大きな凹凸に応じた大なる速度で植付け
装置を迅速に駆動上昇させることができるから、
制御遅れに起因する泥押出し量の増大や植付け深
さのバラツキなどを抑制して、圃場条件に適応し
た的確な植付け深さ制御を行なうことができる。

従つて、浅い圃場、深い圃場の何れにおいて
も、それらの各耕盤面の凹凸に応じた適切な速度
で植付け装置を安定良く上昇制御し得るに至つ
た。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、走行機体１の後部に、平
行四連リンク機構２及び正面視ほぼ逆台形状の吊
下げリンク機構３を介して植付け装置４を昇降な
らびにローリング自在に連結支持させ、この植付
け装置４を前記走行機体１に対して駆動昇降させ
るための機構５を設けるとともに、前記駆動昇降
機構５中に、前記植付け装置４による植付け深さ
が設定植付け深さ範囲内に維持されるように、前
記植付け装置４を自動的に昇降制御する機構６を
設け、かつ、前記植付け装置４側には、次回の走
行基準線を圃場面に刻設する作用姿勢と横外側上
方に対地浮上させた非作用姿勢とに切換え自在な
左右一対の線引きマーカー７，７を装備させてあ
る乗用田植機において、前記駆動昇降機構５によ
る植付け装置４の昇降速度を、この植付け装置４
の対走行機体１高さ位置が大きくなる程、早くな
るように自動的に変更する機構８を設けている。

前記駆動昇降機構５は、油圧ポンプ９から前記
走行機体１と平行四連リンク機構２との間に架設
した単動型油圧シリンダ１０への圧油供給路途中
に、植付け装置４を駆動上昇させる状態と自重で
下降させる状態ならびに植付け装置４を任意の高
さ位置で停止保持可能な中立状態とに切換え自在
なスプール式バルブ１１を介在し、このバルブ１
１の近傍に架設した内外二重構造の回転支点軸１
２，１３のうち、外側支点軸１３に、前記バルブ
１１のスプール１１ａを上昇位置側にのみ押圧切
換え可能なアーム１４と操作レバー１５とを設け
て構成している。

前記昇降制御機構６は次の如く構成されてい
る。

即ち、前記植付け装置４に装備された一定範囲
内で上下揺動自在な３つの接地フロート１６…の
うち、中央に位置するフロート１６を、それの接
地圧変化を上下揺動に変換して検出するセンサー
フロートに兼用構成し、このセンサーフロート１
６と前記内側回転支点軸１２の一端に固着した第
１アーム１７とをワイヤ１８を介して連係すると
ともに、前記内側回転支点軸１２の他端には、前
記バルブ１１のスプール１１ａを前記の３状態に
強制切換え可能な第２アーム１９を固着し、か
つ、前記第１アーム１７、内側回転支点軸１２を
介して前記第２アーム１９を上昇位置側に付勢す
るスプリング２０を設け、以つて、前記センサー
フロート１６の接地圧検出結果に基づいて、その
接地圧が設定接地圧範囲内に維持されるように、
つまり、植付け深さが設定植付け深さ範囲内に維
持されるように、前記バルブ１１を自動的に切換
えて植付け装置４を昇降制御すべく構成してい
る。

そして、前記操作レバー１５を自動制御操作位
置Ａに操作すると、前記バルブ１１が前記センサ
ーフロート１６の検出結果に基づいて自動的に作
動制御され、また、中立操作位置Ｎ又は上昇操作
位置Ｕに操作すると、前記バルブ１１が前記の中
立状態又は上昇状態に切換えられる。

前記速度変更機構８は、前記油圧ポンプ９とし
てプランジヤポンプを使用し、このプランジヤポ
ンプ９を往復作動させる扁芯回転カム２１及び入
力プーリー２２を有する回転軸２３の支持アーム
２４を、前記入力プーリー２２にベルト２５を介
して伝動する出力プーリー２６の駆動軸２７軸芯
周りで揺動自在に取付けるとともに、前記平行四
連リンク機構２を構成する一つのトツプリンク２
Ａと左右一対のロアーリンク２Ｂ，２Ｂとのう
ち、前記トツプリンク２Ａの前端に固着した突片
２８と前記支持アーム２４とをロツド２９を介し
て枢支連結し、以つて、前記走行機体１に対する
植付け装置４の駆動上昇に連動して、前記扁芯回
転カム２１をプランジヤポンプ９側に近接揺動さ
せることにより、前記油圧シリンダ１０に対する
油圧供給量を増大変更する、つまり、植付け装置
４の上昇変度を増速側に変更するべく構成してい
る。

尚、前記油圧シリンダ１０として複動型のもの
を使用して、前記駆動昇降機構５による植付け装
置４の昇降速度を、この植付け装置４の対走行機
体１高さ位置が大きくなる程早くなるように自動
変更すべく構成しても良い。

また、前記プーリー２２，２６として割りプー
リーを使用し、この出力側割りプーリー２６の可
動プーリー片を、前記植付け装置４の上昇に連動
して増速側にシフトさせるべく構成しても良い。

前記線引きマーカー７，７の姿勢切換え装置は
次の如く構成されている。

即ち、第３図でも示すように、前記植付け装置
４の植付け伝動ケース３０から横外側方に延出し
た筒状取付けフレーム３１，３１に対して、前記
の線引きマーカー７，７を前後軸芯周りで上下揺
動自在で、かつ、スプリング３２，３２を介して
前記の作用姿勢に弾性的に付勢するとともに、前
記植付け装置４の駆動上昇に連動して、作用姿勢
にある前記線引きマーカー７，７を夫々前記弾性
付勢力に抗して非作用姿勢に自動的に切換える機
構３３と、非作用姿勢に切換えられた線引きマー
カー７，７を夫々前記の弾性力をもつて係止保持
可能なロツク機構３４，３４とを設けている。

前記切換機構３３は、前記平行四連リンク機構
２を構成する前記トツプリンク２Ａの、前記植付
け装置４の駆動昇降に伴なつて該植付け装置４と
の上下相対位置が変動する突出後端部分２ａに、
この突出後端部分２ａの長手方向に取付け位置変
更ならびに固定自在な部材３５を設け、この部材
３５と前記線引きマーカー７，７とをワイヤ３６
を介して連係している。

そして、前記植付け装置４の駆動上昇を利用し
て作用姿勢にある線引きマーカー７，７を非作用
姿勢に自動的に切換えることができるばかりでな
く、前記部材３５の取付け位置変更により、前記
線引きマーカー７，７の引上げ開始時期を自由に
調節することができる。

前記ロツク機構３４，３４は、前記線引きマー
カー７，７の揺動基端部近くに固着したピン３
７，３７に上方から嵌合して、該マーカー７，７
を前記の非作用姿勢に係止保持する揺動自在なロ
ツク部材３８，３８とこのロツク部材３８，３８
を係合方向に付勢するコイルバネ３９，３９なら
びに、前記ロツク部材３８，３８をコイルバネ３
９，３９の付勢力に抗してロツク解除するための
操作レバー４０，４０とから構成されている。

尚、前記植付け装置４の上昇速度を前述のよう
に自動変更するに当つて、この上昇速度を連続的
又は段階的に変更しても良く、また、植付け装置
４の上昇速度を、最下降位置からある高さ位置ま
では一定又はほぼ一定に維持し、それ以降は植付
け装置４の上昇量に比例して増速しても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る乗用田植機の実施例を示
し、第１図は全体側面図、第２図は植付け装置の
昇降制御系統図、第３図は線引きマーカーの姿勢
切換え系統図である。 １……走行機体、２……リンク機構、４……植
付け装置、６……昇降制御機構、８……速度変更
機構、９……油圧ポンプ、１０……油圧シリン
ダ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 走行機体１に対して、植付け装置４をリンク
   機構２を介して昇降自在に連結してある乗用田植
   機であつて、 前記リンク機構２を昇降駆動する油圧シリンダ
   １０と、この油圧シリンダ１０に作動油を供給す
   る可変容量型の油圧ポンプ９と、前記植付け装置
   ４による植付け深さが設定植付け深さ範囲内に維
   持されるように前記油圧シリンダ１０を操作する
   昇降制御機構６とを設けると共に、前記油圧ポン
   プ９の吐出量を変更操作する速度変更機構８を設
   け、前記リンク機構２の上向きの角度が大となる
   ほど前記油圧ポンプ９の吐出量が大となるよう
   に、リンク機構２と速度変更機構８とを連係して
   ある乗用田植機。