JPH02170946A - 耐食性の優れた煙突・煙道および脱硫装置用高合金ステンレス鋼 - Google Patents

耐食性の優れた煙突・煙道および脱硫装置用高合金ステンレス鋼

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JPH02170946A
JPH02170946A JP32557088A JP32557088A JPH02170946A JP H02170946 A JPH02170946 A JP H02170946A JP 32557088 A JP32557088 A JP 32557088A JP 32557088 A JP32557088 A JP 32557088A JP H02170946 A JPH02170946 A JP H02170946A
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亮 松橋
Eiji Sato
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Masayuki Abe
雅之 阿部
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安保 秀雄
Takeji Matsumoto
松本 竹二
Ryuichiro Ebara
江原 隆一郎
Hideo Nakamoto
中本 英雄
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、石炭・重油・LNGなどの専焼ボイラ−廃ガ
ス環境で生成する酸露点によって生成する硫酸および硫
酸塩環境や硫黄・硫酸を除去する装置の環境での耐食性
と熱間加工性に優れた高合金ステンレス鋼に関するもの
である。
(従来の技術〕 従来、石炭・重油・LNGなどの専焼ボイラーは、燃料
中に含まれる硫黄分によって燃焼廃ガス中に多量のSO
Xが含有され、これがさらに酸化されてSO,となり、
系の露点を上昇せしめ、煙突・煙道などの壁面に酸性の
結露水を凝縮させるため鋼製設備の場合、硫酸露点腐食
として知られる酸性環境における激しい全面腐食を引き
起こすことが知られている。
この煙突・煙道環境における鋼の硫酸露点腐食を防止す
るため、従来技術として (a)操業技術 1)SOX生成防止のため低S含有撚料の採用1i)S
O,低減のため低02燃焼方式の採用iii )煙突・
煙道の保温による酸露点防止iv)酸露点防止のために
アフターバーナーの採■)排煙脱硫設Omの採用 などが次に述べる(b)と組み合わせて採用されて来た
が必ずしも有効でなかった。
(b)耐食材料の観点から 硫酸中のおける全面腐食性を低減させるため、Cu、 
Cr、 Sbなどを0.5〜2%程度、それぞれ単独、
又は複合して添加した耐硫酸鋼が開発され実用に供され
てきた。この耐硫酸鋼は、Cu O,35%添加鋼にC
ry、 6〜0.9%およびSbO,05〜0.1%を
それぞれ単独、あるいは複合して添加し、硫酸環境中で
硫酸塩沈澱皮膜を生成することによって腐食速度を低下
することを狙ったものである。前記(a)の場合は、操
業上の管理が定常的に維持することが困難であることや
、(b)の場合、実際に使用してみると予想しえなかっ
た腐食が生じたり、低合金鋼の場合、付着物(I食反応
生成物)が廃ガスの放出とともに煙突から多量に放出さ
れ環境汚染などの社会問題が表面化しつつある。
上記の如〈従来の硫酸露点環境での耐食性を確保するた
め煙突・煙道用材料として使用されて来た低合金鋼では
設備の充分な耐食性・安全性を確保する材料として適さ
ない。
また、従来から硫酸を含む環境では、S[jS304 
5IIS316などのステンレス鋼は低合金鋼よりも耐
食性が著しく劣るなどのlがあり、使用される例が極く
限られた範囲であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明はこうした状況を踏まえてあらためて実際に使用
されている石炭・重油・LNGの専焼ボイラーの廃ガス
煙突・煙道環境を分析し、その解析結果に基づいて得ら
れた腐食環境条件下でステンレス鋼の主要成分であるC
r + Ni + Moの成分の影口、さらにCu、N
のそれぞれ単独、あるいは共存添加の耐食性(耐全面腐
食性と耐隙間腐食性;以下耐食性という)に及ぼす影響
を検討し、各元素の効果を明確にすることにより実際の
煙突・煙道系への適用においても(Iれた耐食性を示す
ことが明らかとなった従来鋼(SUS304 、511
5316など)より耐食性の優れた煙突・煙道及び脱硫
装置用高合金ステンレス鋼を徒供することを目的とする
ものである。
本発明は石炭・重油・LNGの専焼ボイラーの廃ガス煙
突・煙道用に使用される耐食性の優れた高合金ステンレ
ス鋼であり、かつ硫黄・硫酸を除去する設備材料として
使用される高合金ステンレス鋼であり、当該設備の長寿
命化・安全性・環境汚染防止等を長期にわたって確保す
ることを可能とした。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、C、0,004〜0.05%、5iH5%以
下、Mn; 2%以下、 Cr; 10〜25%、Ni
;14〜24%、Mo; 1〜4.5%、Cu;0.5
〜2.0%。
Al ; 0.05%以下、N;0.01〜0.3%を
含み、P;0.03%以下、  S; 100 ppm
以下、O;50ppm以下で、残部が実質的にFeと不
可避的不純物からなる合金において、次式の各成分の複
合添加を基本に煙突・煙道および脱硫装置環境での耐全
面腐食性と耐隙間腐食性の二つの特性を同時に確保する
ため重量パーセントで表示した G.I.値(General Corrosion I
ndex ;耐全面腐食性指数) =−Cr+3.6 
Ni +4.7 Mo+11.5 Cuが60≦G、!
、≦90でかつ、 C,1,値(Crevice Corrosion I
ndex ;耐隙間腐食性指数) =Cr+ 0.4 
Ni+ 2゜7 Mo+Cu+18.7Nが35≦c、
 r、≦50であることを特徴とする耐食性の優れた煙
突・煙道および脱硫装置用高合金ステンレス鋼と、これ
にさらにより以上の耐食性を付与するためにW、2%以
下、Nb;1%以下、■;0.5%以下、Tt;1%以
下+ Zr ; 1%以下、Sn;0.1%以下をそれ
ぞれ1種または2種以上含有せしめた耐食性の優れた煙
突・煙道およぞ脱硫装置用高合金ステンレス鋼と、さら
に熱間加工性を考慮してCaあるいはCeの1種、ある
いは2種を0.001〜0゜03%含有し、かつ、dc
mL値= 3 (Cr+1.5Si+Mo)   2.
8  (Ni+0.5Mn+30C+30N +0.5
Cu) −19,8が一10≦δ。、≦1の範囲を有し
、かつ含有成分をppmで表示した(S + O−0,
8Ca−0,3Ce) (ppm)≦40であることを
特徴とする耐食性の優れた煙突・煙道および脱硫装置用
高合金ステンレス鋼を要旨とするものである。
本発明鋼の基本的特徴は、煙突・煙道環境での耐食性(
耐隙間腐食性と耐全面腐食性の二つの特性を満足するも
の)を確保するため、Cr 、 Ni 。
Mo + Cu + Nの5成分の複合添加を基本に、
G、 I。
値とC,1,値を規制したことを特徴としている。以下
これら合金元素の添加効果について説明する。
本発明者らは、石炭・重油・LNGなどの専焼ボイラー
の廃ガス煙突・煙道の各部位から採取された煙突内付着
物を化学的に分析し、従来想定されていた煙突環境は結
露した硫酸溶液ではなく、硫酸塩を主体とした環境でア
ンモニウムイオン、第二鉄イオン、Caイオン、Naイ
オン、塩化物イオン、硫酸イオン、水素イオンを含むこ
とを初めて明らかにした。従って、煙突・煙道環境は硫
酸塩を主体とした環境で必ずしも純硫酸系でないことが
明らかになった。これまで石炭・重油・LNG専焼ボイ
ラーの廃ガス煙突・煙道環境は、純粋な硫酸が生成する
ものとして、純硫酸環境での耐食性評価をしてきた結果
、ステンレス鋼が低合金鋼よりも耐食性が劣るとされて
きた。
従って、前述の煙突内の環境を化学的に解析し、ステン
レス鋼の腐食性に影響する環境要因を明確にすることに
より、実環境をシミュレートした試験環境での耐食性評
価を行う必要がある。煙突・煙道環境は、廃ガスの流れ
る定常条件では雰囲気は比較的高温に保持され、硫酸塩
を主体とした環境における薄い液膜を生成した条件での
腐食が問題となる(定常高温環境二へ)。また、ボイラ
ーを停止したりした場合には、煙突・煙道環境は酸露点
以下の低温に曝されるため、壁面に高濃度の硫酸の液滴
が生成付着する(非定常低温環境:B)。
このようにボイラーの操業条件により煙突・煙道環境用
設備材料は前述の定常高温環境と非定常低温環境の二つ
の環境条件に曝されることになる。
定常高温環境(以下A環境という)では、硫酸塩主体の
環境で孔食・隙間腐食が問題となるが、非定常低温環境
(以下B環境という)では硫酸凝縮水主体の酸液中での
全面腐食が問題となる。
発明者らは、A環境を硫酸・硫酸塩」−第二鉄イオン+
塩化物イオンの環境(前記分析結果から硫酸第一鉄、硫
酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムを所
定の量添加調整して、環境シミュレート液を作製した。
pHは硫酸にて所定の値に設定した)で横部し、この環
境での電気化学的な隙間腐食試験(試験片形状、隙間腐
食評価法を第4図に示した)を18Cr  1ON+−
2,5Mo−lCu−0,15Nをベースに、Cr、N
i、Mo、Cu、Nをそれぞれ変化させた鋼種により実
施した。得られた隙間腐食特性値(E、l)の各合金成
分に対する依存性を多重回帰することにより、新しくE
Rに対する各合金成分の依存性を示す指数として C,
1,値(Crevice Corrosion Ind
ex ;耐隙間腐食性指数)=Cr+0.4Ni+2.
7Mo+Cu+18.7Nの関係を得た。
上記C,1,値の合金元素量依存性の関係から、耐隙間
腐食性にはCr、Ni、Mo、Cu、Nの複合添加が有
効であることが明らかである。
このC,I、(l!!と各種鋼種とのE、の関係を整理
したのが第1図である。第1図で煙道・煙突環境で隙間
腐食が生じない石炭・石油・LNG環境で求めたそれぞ
れの限界C,1,値(隙間腐食の生じないC0■−値)
は、C,1=35以上であった(第1図の矢印A)。限
界C,1,値は図中のEMEs?(自然腐食電位)がE
R(第1図参照)に等しくなる点で求められる。
ここで第1図の横軸はC,1,値(Crevice C
orro−sion Index ;耐隙間腐食性指数
) =Cr+ 0.4 Ni +2、7 Mo+Cu+
18.7Nで耐隙間腐食性を表す指標で、縦軸は環境の
電位で環境の腐食性を示す指標である。
矢印A、すなわちc、r、値35以上で煙突環境での耐
隙間腐食性は確保される。
図中、ERE!l’アは自然腐食状態での環境の腐食性
を示す自然腐食電位である。また、E、は電気化学的隙
間腐食特性値を示し、この値は、C,1,値の増大と共
に大きくなる。
また、Brri境を硫酸主体で、これに鉄イオン、塩化
イオンが共存した腐食環境条件として硫酸(50%)十
第二鉄イオン(1000ppm)土用化物イオン(10
00ppm)の環境で模擬し、この環境での腐食減量測
定試験を実施した。すなわち、18Cr−10Ni −
2,5Mo −I Cu−0,15Nをベースに、Cr
 +Ni 、 Mo + Cu 、  Nをそれぞれ変
化させた鋼種により、腐食速度の合金成分量依存性を明
確にすることにより、それぞれの合金成分について多重
回帰して得られた耐全面腐食性に対する耐全面腐食性指
数(G.I.値)を初めて明らかにした。
G、r、値(General Corrosion I
ndex ;耐全面腐食性指数) = −Cr+3.6
Ni+4.7Mo+11.5CuこのG.I.値から、
耐全面腐食性向上には、Ni +Na + Cuの共存
添加が極めて有効であり、逆に硫酸のような還元性環境
ではCrの添加は、効果が小さいことを示している。
得られたG.I.値と各種実用鋼のC,R,(Corr
osionRate  ;腐食速度)との関係を第2図
に示した。
この結果からG.I.値:60以上で腐食速度は合金成
分に依存しなくなるため、耐全面腐食性は、G。
1、 : 60以上で充分確保されることが明らかとな
った。第2図の横軸はG.I.値(Generat C
orrosionIndex  ;耐全面腐食性指数)
 = −Cr+ 3.6 Ni 十4、7Mo+11.
5Cuで、耐全面腐食性を示す指数、縦軸は腐食速度を
示す。図中、への矢印範囲は、G、 r、値60以上の
本発明鋼の有効範囲を示している。また各測定点の添字
はそれぞれが市販実用ステンレス鋼を示した。また、第
2図中の点1.2は当実験での測定点を示す。
このように煙突環境で要求される腐食特性は、耐隙間腐
食性と耐全面腐食性の二つの特性を満足する必要があり
、その観点から煙突環境中における材料の腐食特性を各
合金元素依存性で整理した結果、それぞれの特性を満足
するためにはCr、NiMo添加をベースにCu、Nを
同時に共存添加することが必須である。
G.I.値、C,1,値の指標を明確にし、それぞれの
隙間腐食特性値、全面腐食特性値の限界値を明確にする
ことにより、煙突・煙道環境に最適な傍れた耐食性を有
した高合金ステンレス鋼を開発した。
硫酸塩環境(A)は脱硫装置環境条件にも類似しており
、上記結果から脱硫装置材料としても有効である。
経済性、製造性を考慮するとG、 1.値の上限は90
以下に、C,1,値の上限は50以下とすることが望ま
しい範囲である。
従って、 C,1,値;35〜50 G、[、値:60〜90 の範囲を満足する材料で、かつ、δc−t”’10〜1
を同時に満足する高合金ステンレス鋼として求めた材料
の例を表−1に示した。また、第3図に従来鋼との比較
で、本発明の範囲(ハツチングで示した領域)と、表−
1の本発明鋼の位置を黒O点で示した。
以下にG、!、値、C,1,値を満足する成分の限定理
由を述べる。
CiCは、ステンレス鋼の耐食性に有害であるが強度の
観点からはある程度の含有量は必要である。0.004
%未満の極低炭素量では製造コストが高くなる。また、
0.05%を越えると耐食性を大幅に劣化させるため0
.004〜0.05%とした。
Si ; Stは、ステンレス鋼の硫酸環境での耐食性
を向上させ、また、耐酸化性にも有効な元素であり、5
%を越えると熱間加工性を劣化させる。
Mn;Mnはオーステナイト安定化元素であり、高価な
Niの代替として添加することが可能であるが、本発明
で対象とする硫酸塩−硫酸系での耐食性は、Mnlが2
%を越えると効果なく耐食性、耐酸化性をいずれも劣化
させるので上限を2%とした。
Cr; Crは本発明鋼の基本成分である。硫酸塩硫酸
を含む煙突環境などの高い耐食性の要求される環境では
Ni 、  Mo、 Cu、  Nと共存の形でも18
%以上の添加が必要である。多いほど耐食性。
耐酸化性は向上するが、25%を越えると耐食性は飽和
し、かつ、作り込みが難しく経済的にも高価になる。
旧;Ni はCrとともに本発明鋼の基本成分である。
硫酸塩−硫酸を含む煙突・煙道環境など高い耐食性が要
求される環境ではCr + Mo + Cu + Nと
共存して用いられ、耐食性、耐酸化性を向上させ、かつ
オーステナイト相を安定化するために14%以上の添加
が必要である。24%を越えると耐食性は飽和し経済的
にも高価となる。
Mo ; MoはCr + Ni + Cu + Nと
共存の形で硫酸塩−硫酸を含む煙突・煙道環境などで高
い耐食性を得るために必須な元素である。1〜4.5%
の添加でCr、Ni、Cu、Nと共存して極めて効果的
となる。1%未満では耐食性が不十分となるが、4.5
%を越えても耐食性の改善にそれほど寄与しないし、か
つ高価となる。
Cu ; CuはCr、Ni、Mo、Nと共存の形で硫
酸塩−硫酸を含む煙突・煙道環境などで高い耐食性を得
るために必須な元素である。0.5%以上の添加で共存
添加効果が著しく、他方2.0%を越えると耐食性は飽
和し、かつ、熱間加工性を劣化させる。
NUNはCr 、 Ni 、 Mo 、Cuと共存の形
で硫酸塩硫酸を含む煙突・煙道環境などで高い耐食性を
得るために必須な元素である。0.01%以上の添加で
耐隙間腐食性を向上させる。添加量が多いほど耐隙間腐
食性を向上させるが、0.3%を越えるとその効果はほ
ぼ飽和する。
WiWはステンレス鋼の耐食性、耐隙間腐食性を向上さ
せるので、環境に応じて2%以下で添加する。2%を越
えるとその効果は飽和する。
■:■はステンレス鋼の耐食性、耐隙間腐食性を向上さ
せるので、環境に応じて0.5%以下で添加する。0,
5%を越えるとその効果は飽和する。
Zr ; Zrはステンレス鋼の耐食性、耐隙間腐食性
を向上させるので、環境に応じて1%以下で添加する。
1%を越えるとその効果は飽和する。
Sn ; Snはステンレス鋼の耐食性、耐隙間腐食性
を向上させるので、環境に応じて0.1%以下で添加す
る。0.1%を越えるとその効果は飽和する。
Nb ; NbはNと同様にステンレス鋼の強度を増し
、またCを固定し耐食性を向上させるため、環境に応じ
て1%以下で選択添加される。1%を越えると熱間加工
性を劣化させる。
Ti;Tiは、Cを固定し耐食性を向上させ、またCa
と共存して0を固定しSi 、 Mnの酸化物の生成を
抑制し、熱間加工性と耐食性を向上させるため環境によ
って1%以下で添加される。1%を越えると熱間加工性
を劣化させる。
IV i IVは脱酸剤として0.05%以下の範囲で
添加される。0.05%を越えると耐食性、熱間加工性
を劣化させる。
FDPは耐食性および熱間加工性の観点から少ないこと
が望ましい。0.03%を越えると熱間加工性を劣化さ
せる。さらに硫酸塩−硫酸中での耐食性も著しく劣化す
る。
SO3は耐食性よりも熱間加工性に著しく影響する元素
で低いほど良い。上限を0.010%(100ppm)
とした。
Ca、Ce; Ca、Ceは脱酸・脱硫剤として0.0
01〜0.03%の範囲で添加される。これを越えても
効果がない。また、Ca 、 Ceは低S鋼中で八lと
共存してOを固定し、MnSの生成を防止し、熱間加工
性を大幅に改善する。
0;oもSと同じように熱間加工性に著しく影響する元
素であり、低いほど良い。0は50ppm以下とした。
また、S、0についてはCa 、 Ceとの複合効果に
より、(SiO−0,8Ca−0,3Ce)≦40pp
mを満足するように添加することが必要である。すなわ
ち、Ca 、 Ceは低S鋼中でA!と共存してSや0
を固定し、Cr−Ni−Mo−Cu−N合金の熱間加工
性を大幅に改善する。
さらに、各元素を重¥%で表示したδcat値=3(C
r−+−1,55i+Mo)   2.8(Ni−1−
0,5Mn+30C+30N+0.5Cu)  19.
8は、凝固組織中のδフェライl−ff1の比率を表わ
す。δフェライトが現れると、1粒界へのSやOの偏析
を軽減する。δフェラ・イト(%)足を一10%より大
きく、1%より小さい範囲で、(SiO−0,8Ca−
0,3Ce)≦40ppmの作用と相乗効果が発揮され
熱間加工性を大幅に改善する。
〔実施例〕
表−1は本発明鋼並びに比較鋼の化学成分組成を示すも
ので、それぞれ電気炉−八〇〇、及び電気炉VAC法に
よって溶製した。
これらの溶鋼を連鋳スラブに通常条件で鋳造した。さら
に、1150°Cから1250℃テ0.5〜1.0時間
のソーキング処理を施した。表面手入れ後ステンレス鋼
用条件で熱間圧延した。木調を溶体化処理後、試験に供
した。さらに、表−1は本発明鋼と比較鋼の耐隙間腐食
性、耐全面腐食性を比較したものである。
* 1  δc−L  =3(Cr+1.55i+Mo
)−2,8(Ni+0.5Mn+30C+30N  +
0.5Cu)−19,8*2  G、l値(Gener
al Corrosion Index  ;耐全面腐
食性指数) −−Cr−1−3,6Nt+4.7 Mo
+11.5Cu +3  C,1,値(Crevfce Corrost
on Index  ;耐隙間腐食性指数) =Cr+
0.4 Ni+2.7 Mo+ Cu十18.7 N *450χ1IzsOa + Fe”’ (1000p
pm)  十CZ−(1000ppm) 、 80  
°C +5 煙突環境シミュレート液中、電気化学的隙間腐食
試験による隙間腐食評価(Ell)結果、及び自然電位
(ERist)測定結果をまとめたもの。
ER>Entsr時、隙間腐食は生じない。
隙間腐食性試験は、第4図に示したようにA環境模擬試
験液中で隙間付腐食試験片を用い、自然電位(F、+t
xt)より電位をアノード方向に50111v/ m 
i nで掃引したとき電流密度が10mA/c1aに到
達した時点でその電流に10分間保持したのち、逆方向
に電位を再び50mV/minで掃引したとき電流密度
が零になる電位をE、と規定する。この電位(ER)が
自然電位(ERlst)より大きい時自然状態で隙間腐
食は生成しない。また、全面腐食性は、B環境模!疑試
験液中での腐食試験を実施し、重量減少から腐食速度を
求めた。
その結果、本発明鋼は比較鋼に対して耐隙間腐食性、耐
全面腐食性が共に優れた材料であることが明らかである
。表中の数字のアンダーラインは、本発明鋼と異なる比
較鋼の成分及び指数(δcal IC,1,値、 G、
!、値)を示している。
〔発明の効果〕
以上述べたように従来採用されていた煙突・煙道及び脱
硫装置用鋼材は硫酸環境のみを対象として来たが、本発
明は、環境同定を明確にしたことにより、煙突など実環
境に適した耐食性材料を開発したものである。従来鋼に
比して優れた耐食性を有し、かつ最小限の合金元素添加
としたので経済性にも優れたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は環境の電位と耐隙間腐食性との関係を示す図、
第2図はG.I.値とC,R,(腐食速度)との関係を
示す図、第3図は従来鋼と本発明鋼の耐全面腐食性指数
と耐隙間腐食性指数とを示す図、第4図(a)は隙間付
腐食試験片の形状を示す図、第4図(b)は隙間腐食評
価法の説明図表である。 C,l−CCrゴ+0.4CNi〕ヤ2.7Cfiブo
〕+ccwE”/fi、7cN1i1殖闇腐食・トシ酎
先 第 図 に、L−−rcr−コ+3.6ENt] +4.7rf
iブo]−/f、5ccuコfl↑金砿イ(・トLオ旨
斧丈 C,1,=EQ−コ+0.’HNt]呻2.7EMo]
十f(MCu〕十/8.7ENゴtt隙間JQ食r’i
A数 第 図 Cb) 電流苫:!!/logム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)C;0.004〜0.05%、Si;5%以下、
    Mn;2%以下、Cr;18〜25%、Ni;14〜2
    4%、Mo;1〜4.5%、Cu;0.5〜2.0%、
    Al;0.05%以下、N;0.01〜0.3%を含み
    、P;0.03%以下、S;100ppm以下、O;5
    0ppm以下で、残部が実質的にFeと不可避的不純物
    からなる合金において、次式の各成分の複合添加を基本
    に煙突・煙道および脱硫装置環境での耐全面腐食性と耐
    隙間腐食性の二つの特性を同時に確保するため重量パー
    セントで表示した G.I.値(GeneralCorrosionInd
    ex;耐全面腐食性指数)=−Cr+3.6Ni+4.
    7Mo+11.5Cuが60≦G.I.≦90でかつ、 C.I.値(CreviceCorrosionInd
    ex;耐隙間腐食性指数)=Cr+0.4Ni+2.7
    Mo+Cu+18.7Nが35≦C.I.≦50である
    ことを特徴とする耐食性の優れた煙突・煙道および脱硫
    装置用高合金ステンレス鋼。
  2. (2)さらにW;2%以下、Nb;1%以下、V;0.
    5%以下、Ti;1%以下、Zr;1%以下、Sn;0
    .1%以下をそれぞれ1種または2種以上含有すること
    を特徴とする請求項1記載の耐食性の優れた煙突・煙道
    および脱硫装置用高合金ステンレス鋼。
  3. (3)さらにCaあるいはCeの1種あるいは2種を0
    .001〜0.03%含有しかつ、δ_c_a_t値=
    3(Cr+1.5Si+Mo)−2.8(Ni+0.5
    Mn+30C+30N+0.5Cu)−19.8が−1
    0≦δ_c_a_t≦1の範囲を有し、かつ含有成分を
    ppmで表示した〔S+O−0.8Ca−0.3Ce〕
    (ppm)≦40であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の耐食性の優れた煙突・煙道および脱硫装置用
    高合金ステンレス鋼。
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