JP3294282B2 - 耐硫酸腐食性と加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐硫酸腐食性と加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼

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JP3294282B2
JP3294282B2 JP51300599A JP51300599A JP3294282B2 JP 3294282 B2 JP3294282 B2 JP 3294282B2 JP 51300599 A JP51300599 A JP 51300599A JP 51300599 A JP51300599 A JP 51300599A JP 3294282 B2 JP3294282 B2 JP 3294282B2
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雅之 相良
茂樹 東
治彦 梶村
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、硫酸腐食に対して優れた抵抗性を有すると
ともに加工性にも優れたオーステナイト系ステンレス鋼
に関する。より詳しくは、火力発電や産業用ボイラで使
用される熱交換器、煙道及び煙突、並びに各種産業で使
用される排煙脱硫装置用部材や硫酸環境で使用される設
備に用いられる構造部材など各種の部材で問題となる硫
酸露点腐食に対して優れた抵抗性を有するとともに、特
に、熱間加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
に関する。
〔背景技術〕
火力発電用や産業用のボイラ燃料として使用される石
油や石炭といった所謂「化石燃料」には硫黄(S)が含
まれている。このため、化石燃料が燃焼すると排ガス中
に硫黄酸化物(SOx)が生成する。排ガスの温度が低下
すると、SOxはガス中の水分と反応して硫酸となり、露
点温度以下にある低温の部材表面で結露し、これによっ
て硫酸露点腐食が生ずる。同様に、各種産業で使用され
る排煙脱硫装置においても、SOxを含むガスが流れる場
合、その温度が低下すると硫酸露点腐食が生じてしま
う。以下本明細書においては、簡単のためにSOxを含む
ガスを排ガスと記して説明する。
上記の現象が生ずるため、排ガス系に使用される熱交
換器などにおいては、部材表面で硫酸が露を結ばないよ
うに排ガス温度を150℃以上の高い温度に保持してい
た。
ところが、近年のエネルギー需要の増大とエネルギー
有効利用の観点から、熱エネルギーをできるだけ有効に
回収するため、例えば熱交換器からの排ガス温度を硫酸
の露点以下まで低くする動きがあり、硫酸に対して抵抗
性を有する材料が求められるようになった。
排ガス温度を150℃以上に保持しない場合、一般的な
組成の排ガスからは140℃程度の温度域で、80%程度の
高濃度の硫酸が部材表面で結露する。このような環境に
対しては、所謂「低合金鋼」が各種部材用鋼として用い
られてきた。これは、前記のような高温高濃度の硫酸に
対しては汎用のステンレス鋼よりも低合金鋼の方が耐食
性が大きいためである。
一方、防食技術(vol.26(1977年)731〜740ページ)
に述べられているように、硫酸の露点よりも20〜60℃温
度が下がった領域で硫酸による腐食が大きくなる。これ
は前記の温度領域で結露する硫酸の量が最も多くなるた
めである。このため、排ガス温度を150℃以上に保持し
ない場合には、一般に、温度的には100℃近傍が最も耐
食性を要求される領域となり、ここでは硫酸の濃度は約
70%となる。しかし、この領域では汎用のステンレス鋼
はもちろん低合金鋼でも腐食量が大きく使用できない。
硫酸環境中にある部材に対しては、特定の耐食材料を
用いれば良いことが、例えば特開昭56−93860号公報、
特開平2−170946号公報、特開平4−346638号公報や特
開平5−156410号公報で提案されている。
特開平6−128699号公報には、硫酸イオン、ハロゲン
化物イオン、酸化性金属イオンを同時に含む環境中で優
れた耐食性を有する高合金オーステナイト系ステンレス
鋼が開示されている。特開昭64−21038号公報には、耐
孔食性、耐隙間腐食性、耐応力腐食割れ性と耐酸性に優
れたオーステナイトステンレス鋼が提案されている。更
に、特開昭58−52463号公報には、硫化水素を含有する
環境下での腐食に耐え、しかも機械的性質に優れたステ
ンレス鋼が開示されている。
〔発明の開示〕
耐硫酸腐食性材料として提案された技術のうち、特開
昭56−93860号公報に開示された「耐硫酸腐食性合金」
は、温度が100℃前後で濃度が95%以上の硫酸環境中で
優れた耐食性を有するものである。しかし、この公報で
提案された合金は、Cu含有量が0.5〜3.0%と低いので、
例えば前記した100℃近傍で硫酸の濃度が約70%となる
環境下での耐食性が低い。一方、上記の合金は、前記し
た硫酸環境中(温度が100℃前後で、濃度が95%以上)
での耐食性を高めるために、1.5%以上の高い量のSiを
含有させたものである。このため、本発明が目指す環境
下(例えば100℃近傍で硫酸の濃度が約70%となる環境
下)での耐食性を高めることを目的に、上記の合金をベ
ースにこれに多量のCuを含有させただけでは、熱間加工
性が著しく低下してしまう。
特開平2−170946号公報に開示された「耐食性の優れ
た煙突・煙道及び脱硫装置用高合金ステンレス鋼」は、
確かに50%濃度の硫酸に1000ppmのFe3+と1000ppmのCl-
とを添加した環境下で耐食性には優れている。しかし、
この公報で提案されたステンレス鋼も、Cu含有量が0.5
〜2.0重量%と低いため、例えば、既に述べた100℃近傍
で硫酸の濃度が約70%となるような環境下での耐食性が
低い。
特開平4−346638号公報に開示された「熱間加工性に
優れた耐硫酸露点腐食ステンレス鋼」は、0.05重量%以
上のN(窒素)を含有させてオーステナイト組織の安定
化と耐食性の確保を図ろうとするものである。しかし、
本発明者らの検討の結果、Nを0.05重量%以上含有させ
た場合には、Cu、Cr及びMoを複合添加したオーステナイ
ト系ステンレス鋼の耐硫酸腐食性が却って低下してしま
うことが明らかになった。更に、N含有量が0.05重量%
以上の場合には、耐硫酸腐食性を高めるためにCu含有量
を増やして行くと、1000℃を下回る温度域での熱間加工
性の低下が著しくなることもわかった。
特開平5−156410号公報で提案された「高温・高濃度
硫酸用ステンレス鋼」は、Cuを含有していないので、例
えば前記した100℃近傍で硫酸の濃度が約70%となる環
境下での耐食性が低い。
一方、特開平6−128699号公報に開示された「熱間加
工性と耐局部腐食性に優れた高合金オーステナイト系ス
テンレス鋼」は、都市ゴミなどの焼却系の洗煙設備に対
して、耐食性、なかでも、耐局部腐食性を確保させるこ
とを目的に提案されたものである。このため、硫酸イオ
ン、ハロゲン化物イオン、酸化性金属イオンを同時に含
む環境中では優れた耐局部腐食性を有する。しかし、前
記の100℃近傍で硫酸の濃度が約70%となるような環境
下では必ずしも充分な耐食性が得られない場合がある。
これは、「局部腐食」が塩化物イオン(Cl-)による孔
食、隙間腐食や応力腐食割れであるのに対し、「硫酸露
点腐食」は硫酸によって鋼が活性溶解、つまり均一に溶
解減肉する現象であり、「局部腐食」とはその腐食の原
理が異なるためである。なお、この公報で提案されたス
テンレス鋼の場合、Cr含有量の下限が20重量%で、Cu含
有量の上限が4重量%であるため、良好な熱間加工性と
前記した硫酸環境の下での優れた耐食性とを同時に確保
することが難しい場合がある。
特開昭64−21038号公報に開示された「熱間加工性に
優れる高耐食性オーステナイトステンレス鋼」は、N含
有量を0.4%以下としているものの、その実体は実施例
中の第1表における発明鋼の記載や、成分元素の限定に
おけるNの項の記載からも明らかなように、オーステナ
イト安定化元素であり、しかも、耐孔食性と強度の確保
に有効なNを0.1%以上含有させるものである。しか
し、既に述べたように、Nを0.05%以上含有させた場合
には、Cu、Cr及びMoを複合添加したオーステナイト系ス
テンレス鋼の耐硫酸腐食性が却って低下してしまう。更
に、N含有量が0.05%以上の場合には、耐硫酸腐食性を
高めるためにCu含有量を増やして行くと、1000℃を下回
る温度域での熱間加工性の低下が著しくなる。
特開昭58−52463号公報に開示された「耐食性および
機械的性質にすぐれたステンレス鋼」は、硫化水素及び
塩化物イオンを含有する環境下での耐食性に優れた、フ
ェライト相とオーステナイト相からなる2相ステンレス
鋼である。上記の硫化水素及び塩化物イオンを含有する
環境で問題となるのは「局部腐食」としての孔食であ
り、既に述べたように「硫酸露点腐食」とはその腐食の
原理が異なる。このため、この公報で提案されたステン
レス鋼は硫酸露点腐食環境下での耐食性は低く、例えば
前記した100℃近傍で硫酸の濃度が約70%となる環境下
での耐食性は全く有さない。
一方、特開平9−176800号公報には、Cu含有量を高め
た「抗菌性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼」が
開示されている。しかし、この公報で提案されたオース
テナイト系ステンレス鋼は、単に「抗菌性」を対象とす
るものであり、多量のCuを含んではいるものの、熱間圧
延後から最終製品になるまでに施される時効処理によっ
てCuはそれを主体とする第2相として析出する。したが
って、基地に固溶するCuの量は低くなり、前記した100
℃近傍で硫酸の濃度が約70%となる環境下での耐食性は
低いものである。なお、このステンレス鋼におけるMo含
有量が少ない場合には、前記した100℃近傍で硫酸の濃
度が約70%となる環境下での耐食性は大きく劣ってしま
う。更に、Ni含有量が比較的低いので、前記した100℃
近傍で硫酸の濃度が約70%となる環境下での耐食性が充
分でない場合もある。
本発明は、上記現状に鑑みなされたもので、その目的
は、高濃度の硫酸が凝結する環境(硫酸露点環境)での
耐食性に優れるとともに良好な熱間加工性を有し、火力
発電用ボイラや産業用ボイラなどの排ガス系部材(例え
ば、熱交換器、煙道及び煙突)、更には、各種産業で使
用される排煙脱硫装置や硫酸環境用構造部材などの各種
部材に使用可能なオーステナイト系ステンレス鋼を提供
することである。
本明細書の以下の記載において、「高濃度の硫酸が凝
結する環境」とは「50〜100℃」の温度で「40〜70%」
の濃度の硫酸が結露する環境をいう。なお、硫酸による
腐食は既に述べたように、硫酸の露点よりも20〜60℃低
い温度域で最も大きくなる。このため、本発明における
耐食性に関しては、特に、上記環境で最も耐食性が高い
100℃近傍で濃度が70%程度の硫酸環境中での耐食性を
高めることとした。
なお、ステンレス鋼を鋼管、鋼板や鍛造成形品など各
種部材に支障なく熱間加工できるように、本発明におけ
る熱間加工性の具体的目標は、後述の実施例におけるグ
リーブル試験機を用いた高温引張試験を行った際に、50
%以上の絞りを有することとした。
本発明の要旨は以下のとおりである。
すなわち、「重量%で、C:0.05%以下、Si:1.0%以
下、Mn:2.0%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Ni:1
2〜27%、Cr:15%以上20%未満、Cu:3.0%を超えて8.0
%以下(但し、3.5%以下を除く)、Mo:2.0%を超えて
5.0%以下、Nb:0〜1.0%、Ti:0〜0.5%、W:0〜5.0%、Z
r:0〜1.0%、Al:0〜0.5%、N:0.05%未満、Ca:0〜0.01
%、B:0〜0.01%、希土類元素:合計で0〜0.01%を含
み、残部はFe及び不可避不純物からなる耐硫酸腐食性と
加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼」であ
る。
〔発明を実施するための最良の形態〕
本発明者らは、Ni−Crオーステナイト系ステンレス鋼
に「高濃度の硫酸が凝結する環境」で良好な耐食性を確
保させるために、広範囲の濃度の硫酸に対して耐食性試
験を行って合金元素の影響を詳細に検討した。その結
果、下記の事項を知見した。
(a)硫酸濃度が増加するにしたがってオーステナイト
系ステンレス鋼の腐食は著しく大きくなる傾向がある。
そして、実際の硫酸露点腐食環境では、腐食は硫酸の結
露量とも関係し、温度が上がるにつれて結露する硫酸量
は少なくなるため、最も腐食が大きくなるのは硫酸濃度
が70%、温度が100℃の環境である。この環境におい
て、オーステナイト系ステンレス鋼に良好な耐食性を付
与するためには、電気化学的にアノード活性溶解を抑え
るとともに、カソード反応である水素発生を抑制する作
用を有するCuを重量%で3.0%を超えて含有させること
が必須である。
(b)温度が140℃、硫酸濃度が80%という極めて高濃
度の環境下では、Moの含有量が2.0%を超えると耐食性
が劣化する傾向にある。しかし、上記(a)の量のCuを
重量%で2%を超えるMoと複合して含有させ、更に、適
正量のCrを同時に含有させるとともにNの含有量を低く
抑えれば、重量%で2.0%を超えるMoを含有する場合で
も、前記した「高濃度の硫酸が凝結する環境」でオース
テナイト系ステンレス鋼に良好な耐食性を付与すること
ができる。
(c)前記(a)、(b)の量のCuとMoとを含有させ、
Nの含有量を低く抑え、しかもCu、Mo及びN含有量の関
係を適正化することで、オーステナイト系ステンレス鋼
に、良好な熱間加工性とともに「高濃度の硫酸が凝結す
る環境」下での一層良好な耐食性を確保させることがで
きる。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであ
る。
以下、本発明について詳しく説明する。なお、化学成
分の含有量の「%」は「重量%」を意味する。
C:0.05%以下 Cは、強度を高める作用を有するが、Crと結合して粒
界にCr炭化物を形成し、耐粒界腐食性を低下させてしま
うので0.05%以下とする。強度を高める必要がある場合
には0.03%を超えて0.05%までを含有させても良い。し
かし、耐食性の確保が優先される場合には、Cの含有量
は低い方が良く、0.03%以下とすることが望ましい。
Si:1.0%以下 Siは添加しなくても良い。添加すれば脱酸作用を有す
る。この効果を確実に得るには、Siは0.05%以上の含有
量とすることが好ましい。しかし、その含有量が1.0%
を超えると熱間加工性の低下を助長し、Cu添加量の増加
と相俟って、工業的規模での製品への加工が極めて難し
くなる。したがって、Si含有量を1.0%以下とした。な
お、熱間加工性を高める目的からAl含有量を極めて低く
した場合には、0.1%以上のSiを含有させて脱酸作用を
充分に行わせることが好ましい。
Mn:2.0%以下 Mnは添加しなくても良い。添加すれば、Sを固定して
熱間加工性を高めるとともに、オーステナイト相を安定
化させる作用を有する。この効果を確実に得るには、Mn
は0.1%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、
2.0%を超えて含有させてもその効果は飽和し、コスト
が嵩むばかりである。したがって、Mnの含有量を2.0%
以下とした。
P:0.04%以下 Pは、熱間加工性及び耐食性を劣化させるのでその含
有量は低いほど良く、特に、0.04%を超えると「高濃度
の硫酸が凝結する環境」における耐食性の劣化が著し
い。したがって、Pの含有量を0.04%以下とした。
S:0.01%以下 Sは、熱間加工性を劣化させる元素であり、その含有
量はできるだけ少ない方が良い。特に、0.01%を超える
と熱間加工性の著しい劣化を招く。したがって、Sの含
有量を0.01%とした。
Ni:12〜27% Niは、オーステナイト相を安定化させる作用を有する
とともに、前記した「高濃度の硫酸が凝結する環境」中
での耐食性を高める作用もある。こうした効果を充分確
保するためには、12%以上の量のNiを含有させることが
必要である。しかし、27%を超えて含有させてもその効
果は飽和する。更に、Niは高価な元素であるため、コス
トが極めて高くなって経済性に欠ける。したがって、Ni
の含有量を12〜27%とした。なお、「高濃度の硫酸が凝
結する環境」中で充分な耐食性を確保するためには15%
を超える量のNiを含有させることが好ましく、20%を超
える量のNiを含有させれば一層好ましい。
Cr:15%以上20%未満% Crはオーステナイト系ステンレス鋼の耐食性を確保す
るのに有効な元素である。特に、Nを後述の含有量に規
制したオーステナイト系ステンレス鋼において、15%以
上のCr、好ましくは16%以上のCrを後述する量のCu及び
Moとともに含有させると、既に述べた「高濃度の硫酸が
凝結する環境」で良好な耐食性を確保することができ
る。しかし、Crを多量に含有させると、N含有量を低く
し、CuとMoとを複合添加したオーステナイト系ステンレ
ス鋼の場合であっても、前記の環境中における耐食性が
却って劣化するし加工性の低下も生ずる。特に、Cr含有
量が26%を超えると前記環境中におけるオーステナイト
系ステンレス鋼の耐食性劣化が著しくなる。また、Cuと
Moとを複合添加したオーステナイト系ステンレス鋼の熱
間加工性を高めて、工業的規模での製品加工を容易にす
るには、Crの含有量を20%未満にすることが好ましいの
で、Crの含有量を15%以上20%未満とした。
Cu:3.0%を超えて8.0%以下(但し、3.5%以下を除
く) Cuは、硫酸環境中での耐食性を確保するのに必須の元
素である。3.0%を超えるCuを前述の量のCr及び後述す
る量のMoとともに含有させることで「高濃度の硫酸が凝
結する環境」において、Nを後述の含有量にしたオース
テナイト系ステンレス鋼に良好な耐食性を付与すること
ができる。Cu及びMoと複合添加するCuの含有量が多いほ
ど耐食性向上効果が大きいので、Cuは4.0%を超える含
有量とすることが好ましく、5.0%を超える含有量とす
れば一層好ましい。なお、Cuの含有量を増やすことによ
り前記環境中での耐食性は向上するが熱間加工性が低下
し、特に、Cuの含有量が8.0%を超えると、Nを後述の
含有量にしても熱間加工性の著しい劣化を生ずる。した
がって、Cuの含有量を3.0%を超えて8.0%以下とした。
Mo:2.0%を超えて5.0%以下 Moはオーステナイト系ステンレス鋼の耐食性を確保す
るのに有効な元素である。特に2.0%を超える量のMoを
前述した量のCr及びCuとともに含有させると、既に述べ
た「高濃度の硫酸が凝結する環境」において、Nを後述
の含有量にしたオーステナイト系ステンレス鋼に良好な
耐食性を付与することができる。しかし、Moを多量に含
有させると熱間加工性が低下し、特に、Moの含有量が5.
0%を超えると、Nを後述の含有量にしても熱間加工性
の著しい劣化を生ずる。したがって、Moの含有量を2.0
%を超えて5.0%以下とした。なお、「高濃度の硫酸が
凝結する環境」中で充分な耐食性を確保するためには3
%を超える量のMoを含有させることが好ましい。
Nb:0〜1.0% Nbは添加しなくても良い。添加すれば、Cを固定して
耐食性、なかでも耐粒界腐食性を高める作用を有する。
この効果を確実に得るには、Nbは0.02%以上の含有量と
することが好ましい。しかし、その含有量が1.0%を超
えると、Nを後述の含有量にした場合でも窒化物が生成
して却って耐食性が低下するし、熱間加工性の劣化も招
く。したがって、Nbの含有量を1.0%以下とした。
Ti:0〜0.5% Tiは添加しなくても良い。添加すれば、Nbと同様にC
を固定して耐食性、なかでも耐粒界腐食性を高める作用
を有する。この効果を確実を得るには、Tiは0.01%以上
の含有量とすることが好ましい。しかし、その含有量が
0.5%を超えると、Nを後述の含有量にした場合でも窒
化物が生成して却って耐食性が低下するし、熱間加工性
の劣化も招く。したがって、Tiの含有量を0.5%以下と
した。
W:0〜5.0% Wは添加しなくても良い。添加すれば、「高濃度の硫
酸が凝結する環境」における耐食性を高める作用があ
る。この効果を確実に得るには、Wは0.1%以上の含有
量とすることが好ましい。しかし、Wを5.0%を超えて
含有させてもその効果は飽和し、コストが嵩むばかりで
ある。したがって、Wの含有量を5.0%以下とした。
Zr:0〜1.0% Zrは添加しなくても良い。添加すれば、「高濃度の硫
酸が凝結する環境」における耐食性を高める作用を有す
る。この効果を確実に得るには、Zrは0.02%以上の含有
量とすることが好ましい。しかし、Zrを1.0%を超えて
含有させてもその効果は飽和し、コストが嵩むばかりで
ある。したがって、Zrの含有量を1.0%以下とした。
Al:0〜0.5% Alの含有量が0.5%を超えると、Nを後述の含有量に
したオーステナイト系ステンレス鋼であっても熱間加工
性が低下してしまう。したがって、Al含有量を0.5%以
下とした。Al含有量の下限は不可避不純物の範囲であっ
ても良い。但し、Alは脱酸作用を有するため、前記した
Siの含有量を極めて低く抑えた場合には、積極的に添加
して0.02%以上を含有させて脱酸作用を充分に行わせる
ことが好ましい。なお、0.05%以上のSiを含有させた場
合でも、脱酸作用を充分に発揮させるためにはAlの含有
量を0.01%以上とすることが好ましい。
N:0.05%未満 Nは、本発明鋼において重要な意味を持つ元素であ
る。従来、Nはオーステナイト組織の安定化、孔食や隙
間腐食などの「局部腐食」に対する抵抗性を高める目的
から積極的に添加されてきた。しかし、本発明が対象と
する「高濃度の硫酸が凝結する環境」においては、Nの
含有量が0.05%以上になると、3.0%を超えるCu、2.0%
を超えるMo及び15〜26%のCrを含有させたオーステナイ
ト系ステンレス鋼の耐食性が却って低下してしまう。更
に、CuとMoの含有量の上限をそれぞれ8.0%、5.0%にし
た場合であっても、Nの含有量が0.05%以上になると熱
間加工性が低下してしまう。このため、「高濃度の硫酸
が凝結する環境」における耐食性と熱間加工性とをオー
ステナイト系ステンレス鋼に付与させるために、Nの含
有量を0.05%未満とした。なお、N含有量は低ければ低
いほど良い。
Ca:0〜0.01% Caは添加しなくても良い。添加すれば、Sと結合して
熱間加工性の低下を抑える効果を有する。この効果を確
実に得るには、Caは0.0005%以上の含有量とすることが
好ましい。より好ましいCaの含有量の下限は0.001%で
ある。しかし、その含有量が0.01%を超えると鋼の清浄
度が低下して、熱間での製造時に疵が発生する原因とな
る。したがって、Caの含有量を0.01%以下とした。
B:0〜0.01% Bは添加しなくても良い。添加すれば、熱間加工性を
改善する効果を有する。この効果を確実に得るには、B
は0.0005%以上の含有量とすることが好ましい。より好
ましいBの含有量の下限は0.001%である。しかし、B
の多量の添加は粒界へのCr−B化合物の析出を促し、耐
食性の劣化を招く。特に、Bの含有量が0.01%を超える
と著しい耐食性の劣化をきたす。したがって、Bの含有
量を0.01%以下とした。
希土類元素:合計で0〜0.01% 希土類元素も添加しなくても良い。添加すれば、熱間
加工性を高める作用を有する。この効果を確実に得るに
は、希土類元素の含有量を合計で0.0005%以上とするこ
とが好ましい。しかし、その含有量が合計で0.01%を超
えると鋼の清浄度が低下し、熱間での製造時に疵が発生
する原因となる。したがって、希土類元素の含有量を合
計で0.01%以下とした。
後述する実施例の項でも詳しく述べるが、Cu、Mo及び
Nの含有量が前記した範囲にあり、しかも、式中の元素
記号をその元素の重量%での含有量として、下記式で
表されるfn1が23.0%以下、下記式で表されるfn2の値
が2.0以下であれば、オーステナイト系ステンレス鋼
に、良好な熱間加工性とともに前記した「高濃度の硫酸
が凝結する環境」下で、一層良好な耐食性を確保させる
ことができる。
ここで、 fn1=2Cu+0.5Mo+300N ・・・・ fn2={10/(Cu+0.2)2.3}+{5/(Mo+0.1)}+300N2 ・・・ である。
なお、熱間加工性を一層高めるためには、前記式で
表されるfn1を22.6%以下とすれば良い。fn1の下限値は
特に規定されるものではない。Cu、Mo及びNがそれぞれ
規定の下限の含有量である場合の7%に近い値であれば
熱間加工性は極めて良好になる(後述の図1参照)。
又、前記式で表されるfn2の下限値も特に規定され
るものではなく、Cu及びMoの含有量がそれぞれ規定の上
限、Nの含有量が規定の下限の場合の0.27に近い値であ
っても良い(後述の図2参照)。
〔実施例〕
次に実施例によって本発明をより具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
(実施例1) 表1及び表2に示す化学組成を有するオーステナイト
系ステンレス鋼を20Kg高周波真空溶解炉を用いて溶製し
た。表1における鋼1〜13は化学組成が本発明で規定す
る含有量の範囲内にある本発明例、表2における鋼14〜
25は成分のいずれかが本発明で規定する含有量の範囲か
ら外れた比較例である。なお、表1、表2には前記した
式で表されるfn1及び式で表されるfn2の値も併記し
た。
上記の各鋼の鋼塊表面部から平行部の直径が10mmで長
さが110mmの試験片を切り出し、グリーブル試験機を用
いて1280℃又は950℃に加熱後、1秒-1の歪速度で高温
引張り試験を行い、熱間加工性を調査した。
熱間加工性は上記の高温引張り試験における絞り
(%)で評価した。なお、この値が50%以上であれば、
製品の製造に支障のない熱間加工性を有することが経験
的に判明している。
次いで、鋼塊の残りの部分に通常の方法による熱間鍛
造と熱間圧延を施して、厚さ8mmの鋼板に仕上げた。こ
のようにして得た鋼板を鋼の化学組成に応じて1050〜11
50℃に加熱して固溶化熱処理し、次いで、厚さ3mm×幅1
0mm×長さ40mmの腐食試験片を機械加工によって作製
し、硫酸環境中での腐食試験に供した。なお、Cuを8.6
%含有させた鋼20は、後述するように熱間加工性が極め
て低く、熱間での鍛造時に割れを生じて鋼板の製造がで
きなかった。
上記の硫酸環境中での腐食試験は、温度が100℃で硫
酸濃度が70%の溶液に浸漬することで行った。8時間浸
漬した後の腐食減量を測定し、単位面積当たりの腐食速
度を算出して耐硫酸腐食性を評価した。なお、耐硫酸腐
食性の目標値は2.0g/(m2・h)以下とした。
表3に、熱間加工性と耐硫酸腐食性の調査結果を示
す。
表3から、Cu含有量が本発明で規定する上限を超える
鋼20は、1280℃での絞りが0%で、更に950℃における
絞りも5%と低く熱間加工性が極めて劣ることが明らか
である。既に述べたように、この鋼20は熱間での鍛造時
に割れを生じて鋼板の製造ができなかった。
又、Mo含有量が高めに外れた鋼19、Al含有量が高めに
外れた鋼21及びN含有量が高めに外れた鋼18、鋼24及び
鋼25では950℃での絞りが50%に達せず熱間加工性に劣
ることがわかる。
図1に、950℃における熱間加工性の調査結果を前記
した式で表されるfn1で整理して示す。図1から、成
分の含有量(化学組成)が本発明で規定する範囲にあっ
て、しかも式で表されるfn1の値が23.0%以下である
鋼は、絞りが大きく熱間加工性が良好であることがわか
る。fn1の値が22.6%以下の鋼の場合には、熱間加工性
が更に良好になることも明らかである。
一方、表3から、Cu含有量の増加に伴い耐硫酸腐食性
が向上し、3.0%を超えるCuを本発明で規定する範囲のC
r及びMoとともに含有させ、しかもNの含有量を本発明
で規定するように低くした場合に目標の2.0g/(m2
h)以下の腐食速度が達せられることが明らかである。
Cuの含有量が4%を超えると耐硫酸腐食性は更に向上
し、Cuの含有量が5%を超えると極めて良好な耐硫酸腐
食性が得られることもわかる。
又、Mo含有量の増加に伴い耐硫酸腐食性が向上し、2.
0%を超えるMoを本発明で規定する範囲のCu及びCrとと
もに含有させ、しかもNを本発明で規定する含有量に規
制した場合に目標が達せられることが明らかである。
更に、オーステナイト系ステンレス鋼に良好な耐硫酸
腐食性を確保させるためには、N含有量を0.05%未満に
すれば良いこともわかる。
Niの含有量が低い鋼14やCr含有量が低い鋼15の耐硫酸
腐食性が低いことも明らかである。
図2に、耐硫酸腐食性(腐食速度)を式で表される
fn2で整理して示す。図2から、成分(化学組成)が本
発明で規定する含有量の範囲にあって、しかも式で表
されるfn2の値が2.0以下である鋼は、腐食速度が小さく
耐硫酸腐食性に一層優れていることが明らかである。
(実施例2) 表4に示す化学組成を有するオーステナイト系ステン
レス鋼を20Kg高周波真空溶解炉を用いて溶製した。表4
における鋼26〜31は化学組成が本発明で規定する含有量
の範囲内にある本発明例、鋼32〜35は成分のいずれかが
本発明で規定する含有量の範囲から外れた比較例であ
る。なお、表4には前記した式で表されるfn1及び
式で表されるfn2の値も併記した。
上記の各鋼の鋼塊表面部から平行部の直径が10mmで長
さが110mmの試験片を切り出し、実施例1の場合と同様
にグリーブル試験機を用いて、1280℃又は950℃に加熱
後、1秒-1の歪速度で高温引張り試験を行い、絞り
(%)を測定して熱間加工性を調査した。
次いで、鋼塊の残りの部分に通常の方法による熱間鍛
造と熱間圧延を施して、厚さ8mmの鋼板に仕上げた。こ
の鋼板を鋼の化学組成に応じて1050〜1150℃し、次い
で、厚さ3mm×幅10mm×長さ40mmの腐食試験片を機械加
工によって作製し、実施例1と同じ条件で硫酸環境中で
の腐食試験に供した。なお、Cuを8.1%含有させた鋼34
は、後述するように熱間加工性が極めて低く、熱間での
鍛造時に割れを生じて鋼板の製造ができなかった。
なお、実施例1の場合と同じく、熱間加工性の目標は
絞りで50%以上、耐硫酸腐食性の目標値は2.0g/(m2
h)以下とした。
表5に、熱間加工性と耐硫酸腐食性の調査結果を示
す。
表5から、Cu含有量が高い鋼34は、1280℃での絞りが
0%で、更に950℃における絞りも10%と低く熱間加工
性が極めて劣ることが明らかである。既に述べたよう
に、この鋼34は熱間での鍛造時に割れを生じて鋼板の製
造ができなかった。
N含有量が高めに外れた鋼33では950℃での絞りが50
%に達せず熱間加工性に劣ることも明らかである。
表5から、Cuの含有量が低い鋼32と鋼35の耐硫酸腐食
性が低いことも明らかである。
更に、成分の含有量(化学組成)が本発明で規定する
範囲にあって、しかも式で表されるfn1の値が23.0%
以下である鋼は、絞りが大きく熱間加工性が良好である
ことも明らかである。
成分(化学組成)が本発明で規定する含有量の範囲に
あって、しかも式で表されるfn2の値が2.0以下である
鋼は、腐食速度が小さく耐硫酸腐食性に一層優れている
ことも明らかである。
〔産業上の利用可能性〕
本発明のオーステナイト系ステンレス鋼は、高濃度の
硫酸が凝結する環境での耐食性に優れるとともに良好な
熱間加工性を有する。このため、火力発電用ボイラや産
業用ボイラなどの排ガス系部材(例えば、熱交換器、煙
道及び煙突)、更には、各種産業で使用される排煙脱硫
装置用部材や硫酸環境で使用される構造部材など各種部
材に使用することができる。
図面の簡単な説明 図1は、実施例で用いた鋼の950℃における熱間加工
性と後述の式で表されるfn1との関係を示す図であ
る。
図2は、実施例で用いた鋼の温度が100℃で硫酸濃度
が70%の溶液中での腐食速度と後述の式で表されるfn
2との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−15615(JP,A) 特開 昭52−124411(JP,A) 特開 平2−170946(JP,A) 特開 平4−346638(JP,A) 特開 平6−128699(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.05%以下、Si:1.0%以下、
    Mn:2.0%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Ni:12〜2
    7%、Cr:15%以上20%未満、Cu:3.0%を超えて8.0%以
    下(但し、3.5%以下を除く)、Mo:2.0%を超えて5.0%
    以下、Nb:0〜1.0%、Ti:0〜0.5%、W:0〜5.0%、Zr:0〜
    1.0%、Al:0〜0.5%、N:0.05%未満、Ca:0〜0.01%、B:
    0〜0.01%、希土類元素:合計で0〜0.01%を含み、残
    部はFe及び不可避不純物からなる耐硫酸腐食性と加工性
    に優れたオーステナイト系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】重量%で、C:0.05%以下、Si:0.05〜1.0
    %、Mn:0.1〜2.0%、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Ni:
    12〜27%、Cr:16%以上20%未満、Cu:3.0%を超えて8.0
    %以下(但し、3.5%以下を除く)、Mo:2.0%を超えて
    5.0%以下、Al:0〜0.5%、N:0.05%未満、Ca:0〜0.01
    %、B:0〜0.01%、希土類元素:合計で0〜0.01%を含
    み、残部はFe及び不可避不純物からなる耐硫酸腐食性と
    加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼。
  3. 【請求項3】Niの含有量が15%を超えて27%以下、且
    つ、Cuの含有量が5.0%を超えて8.0%以下である請求の
    範囲1に記載の耐硫酸腐食性と加工性に優れたオーステ
    ナイト系ステンレス鋼。
  4. 【請求項4】Niの含有量が15%を超えて27%以下、且
    つ、Moの含有量が3.0%を超えて5.0%以下である請求の
    範囲1に記載の耐硫酸腐食性と加工性に優れたオーステ
    ナイト系ステンレス鋼。
  5. 【請求項5】式中の元素記号をその元素の重量%での含
    有量として、下記式で表されるfn1が23.0%以下であ
    る請求の範囲1から4までのいすれかに記載の耐硫酸腐
    食性と加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼。 fn1=2Cu+0.5Mo+300N ・・・
  6. 【請求項6】式中の元素記号をその元素の重量%での含
    有量として、下記式で表されるfn2が2.0以下である請
    求の範囲1から4までのいすれかに記載の耐硫酸腐食性
    と加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼。 fn2={10/(Cu+0.2)2.3}+{5/(Mo+0.1)}+300N2・・
  7. 【請求項7】式中の元素記号をその元素の重量%での含
    有量として、下記式で表されるfn1が23.0%以下、且
    つ、下記式で表されるfn2が2.0以下である請求の範囲
    1から4までのいすれかに記載の耐硫酸腐食性と加工性
    に優れたオーステナイト系ステンレス鋼。 fn1=2Cu+0.5Mo+300N ・・・ fn2={10/(Cu+0.2)2.3}+{5/(Mo+0.1)}+300N2・・
  8. 【請求項8】fn1が22.6%以下である請求の範囲5又は
    7に記載の耐硫酸腐食性と加工性に優れたオーステナイ
    ト系ステンレス鋼。
  9. 【請求項9】素材が請求の範囲1から8までのいすれか
    に記載の耐硫酸腐食性と加工性に優れたオーステナイト
    系ステンレス鋼である火力発電用ボイラや産業用ボイラ
    などの排ガス系部材。
  10. 【請求項10】素材が請求の範囲1から8までのいすれ
    かに記載の耐硫酸腐食性と加工性に優れたオーステナイ
    ト系ステンレス鋼である排煙脱硫装置用部材。
  11. 【請求項11】素材が請求の範囲1から8までのいすれ
    かに記載の耐硫酸腐食性と加工性に優れたオーステナイ
    ト系ステンレス鋼である硫酸環境で使用される構造部
    材。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190034286A (ko) 2016-08-03 2019-04-01 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 오스테나이트계 스테인리스 강

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