JPH021685B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動車のフロントドアに関するもの
である。

（従来技術） 近年、自動車の空力特性の改善を図るため、自
動車外面を形成する種々の部分について所謂フラ
ツシユサーフエイス化の試みがなされている。

その一環として、実開昭55−41922号公報には、
フロントピラーと対向するフロントドア窓枠を、
フロントピラーを覆うべくその外側に位置せし
め、該フロントドア窓枠の前端縁をフロントウイ
ンドシールドガラスの側端部前方に延出せしめ、
フロントピラーをフロントウインドシールドガラ
スとフロントドアの窓枠とで囲い込むようにした
自動車のフロントピラー構造が提案されている。

しかしながら、上記のものでは、フロントウイ
ンドシールドガラス側端部からフロントドアに移
行するコーナー部の段差はある程度減少できるも
のの、フロントピラーに代つてフロントドアの窓
枠が外面に現われるため、上記コーナー部に依然
として段差が存在し、そのフラツシユサーフエイ
ス化という面では、不満足なものであつた。

（発明の目的） 本発明の目的は、フロントウインドシールドガ
ラスの側端部とフロントドアのウインドガラスの
前端部とを面一をなすように連続させることがで
きる構造を備えた自動車のフロントドアを提供す
ることにある。

（発明の構成） このため、本発明は、フロントドアのウインド
ガラス取付枠を車体上下方向の仕切部材により前
部と後部とに区分けし、少なくとも前部のウイン
ドガラス取付枠にはウインドガラスを接着剤によ
り取付けるようにし、その場合、ウインドガラス
の前端側は前部取付枠の前辺側外面を覆つて、そ
の前端縁が車室の車部開口部を覆うと共に、その
側端部において前部開口部の側縁を形成するフロ
ントピラーの外面を覆うフロントウインンドシー
ルドガラスの側端縁と対向するように取付けられ
ることを特徴とする自動車のフロントドアを提供
するものである。

（発明の効果） 本発明によれば、フロントウインドシールドガ
ラスの側端部とフロントドアのウインドガラス前
端部とが連続した構造となるため、フロントウイ
ンドからフロントドアにかけてのコーナー部が段
差なしに形成され、完全なフラツシユサーフエイ
ス化が図れ、空力特性の向上を図ることができる
うえ、コーナー部にはフロントピラーやウインド
取付枠が表面に現われず、フロントウインドシー
ルドガラスおよびドアウインドガラスで覆われる
ため、広角のガラス面による優れた外観を得るこ
とができる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を添付の図面を参照しな
がら説明する。

第１図にスポーツ車タイプの乗用車１の外観を
示すように、前ヒンジのサイドドア２の上部ウイ
ンドガラス３は、車体の上下方向に延びる仕切枠
４によつて前部の三角ウインドガラス５と後部の
四角形状のウインドガラス６と二分されている。
そして、上記三角ウインドガラス５の前端部５ａ
は、車室の前部開口を覆うフロントウインドシー
ルドガラス７の側端部７ａと段差なしになめらか
に連続しており、フロントウインドシールドガラ
ス７とこれに連続するサイドドア２のウインドガ
ラス３とで形成する広角のガラス面によつて優れ
た外観を与えている。

第２図にフロントウインドシールドガラス７と
三角ウインドガラス５とで画成するコーナー部の
断面を示すように、ドアアウターパネル８とドア
インナーパネル９とによつて閉断面に形成された
ウインドガラス取付枠１０およびピラーアウター
１１とピラーインナー１２とで閉断面に形成され
たフロントピラー１３は、三角ウインドガラス５
とフロントウインドシールドガラス７とによつて
夫々外側から覆われている。

ウインドガラス取付枠１０の外側面を形成する
ドアアウターパネル８は、三角ウインドガラス５
の前端部５ａの湾曲形状に沿つて三角ウインドガ
ラス５の前端部５ｂにほぼ達し、その前辺部８ａ
はドアインナーパネル９の前辺部９ａとヘミング
加工によつて結合され、この前辺部８ａには、例
えばウレタンラバースポンジ等よりなるダム１４
によつてシールされた接着剤１５により、三角ウ
インドガラス５の前端部５ａの内面が前端縁５ｂ
に嵌合したエツジプロテクタ１６よりやや内側の
部分において、接合されている。

また、フロントピラー１３のピラーアウター１
１には、フロントウインドシールドガラス７の側
端部７ａに沿い、その延長線が上記ドアアウター
パネル８の前辺部８ａに連続するように形成され
た取付面１１ａを有し、この取付面１１ａには、
上記側端部７ａの内面が、側端縁７ｂに嵌合した
エツジプロテクタ１７よりやや内側の部分におい
て、ダム１８によりシールさた接着剤１９により
接着されている。

その結果、三角ウインドガラス５の前端縁５ｂ
はサイドドア２の開閉に支障のない僅かなクリア
ランス２０をおいて、フロントウインドシールド
ガラス７の側端縁７ｂに連続する。

そして、上記クリアランス２０は、フロントピ
ラー１３のピラーアウター１１にクリツプ２１に
よつて止着したＬ字断面のレインレール２２およ
びこのレインレール２２の自由端縁側折出部に止
着され、サイドドア２の閉時ウインドガラス取付
枠１０のドアインナーパネル９に内側から当接す
るウエザーストリツプ２３によつてシールされる
とともに、さらにレインレール２２の内方におい
て、フロントピラー１３のピラーアウター１１と
ピラーインナー１２との後辺側接合部１３ａに嵌
合止着されたドアウエザーストリツプ２４によつ
てシールされる。このドアウエザーストリツプ２
４は止着部２４ａと一体の中空シール部２４ｂを
有し、このシール部２４ｂは、サイドドア２の閉
時、ドアインナーパネル９の内側へ膨出部９ｂに
変形状態で圧接し、雨水等の車室内への浸入を最
終的に防止する。

なお、第２図において、２５はフロントピラー
１３を車室側からカバーするフロントピラートリ
ム、２６はウインドガラス取付枠１０の内側接合
部１０ａをカバーするため止着したシーミングウ
エルトである。

また、第３図に示すように、上記三角ウインド
ガラス５の下辺５ｃは、サイドドア２のドアアウ
ターパネル３に設けた下辺側取付面８ｂに前記と
同様ダム１４によつてシールされた接着剤１５に
より接着固定され、その状態でサイドドア２の外
面２ａと三角ウインドガラス５の下辺部５ｃとが
上下方向においてほぼ面一となる構成としてい
る。

なお、第３図において、２７はドアインナーパ
ネル９を車室側からカバーするドアトリムで、ド
アインナーパネル９とドアアウターパネル８の接
合部２ｂは、第２図に示したシーミングウエルト
２６によつてカバーされている。

なお、三角ウインドガラス５と上下方向の仕切
枠４との接合および仕切枠４によつて仕切られた
後部側の四角形状のウインドガラス６のウインド
ガラス取付枠への止着構造は、具体的に図示しな
いが、上記と同様に行ないうることはいうまでも
ない。

上記の構造とすれば、フロントウインドシール
ドガラス７の側端部７ａとサイドドア２の三角ウ
インドガラス５の前端部５ａとが、滑らかに連続
することとなり、第１図に矢印で空気の流線を示
すように、流線は滑らかな連続曲線となり、空力
特性が改善される。

また、フロントピラー１３やウインドガラス取
付枠１０の前辺部がフロントウインドシールドガ
ラス７とこれに連続する三角ウインドガラス５に
よりカバーされるため、外観としては、ガラス面
が連続して見え、車室前部の外観をきわめて漸新
なものとすることができる。

なお、上記の実施例では、２ドアタイプの乗用
車に本発明を適用したが、４ドアタイプのフロン
トサイドドアにも適用しうることはいうまでもな
く、また、上下方向の仕切枠（仕切部材）によつ
て、仕切つた前部側のウインドガラスは三角形状
のものに限られないことはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例にかかるサイドドアを
備えた乗用車の斜視図、第２図、第３図は夫々第
１図のＡ−Ａ線、Ｂ−Ｂ線方向の拡大断面図であ
る。 ２……三角ウインドガラス、３……ウインドガ
ラス、４……上下方向の仕切枠（仕切部材）、５
……三角ウインドガラス（５ａ……前端部）、６
……四角形状のウインドガラス、７……フロント
ウインドシールドガラス（７ａ……側端部）、８
……ドアアウターパネル、９……ドアインナーパ
ネル、１０……ウインドガラス取付枠。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ インナ−パネルとアウターパネルとによつて
   形成されるウインドガラス取付枠が設けられたフ
   ロントドアであつて、上記ウインドガラス取付枠
   は車体上下方向に設けられた仕切部材によつて前
   部と後部とに仕切られ、少なくとも前部のウイン
   ドガラス取付枠にはウインドガラスが接着剤によ
   り取付けられており、上記ウインドガラスの前端
   側は、上記ウインドガラス取付枠の前辺側外面を
   覆つて取付けられ、かつウインドガラスの前端縁
   が、車室の前部開口部を覆うと共に、その側端部
   において前部開口部の側縁を形成するフロントピ
   ラーの外面を覆うフロントウインドシールドガラ
   スの側端縁と対向して配設されてなることを特徴
   とする自動車のフロントドア。