JPH0216593Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は刈払機の操作桿内を貫通して設けられ
て操作桿の後端部に取付けられた原動機から操作
桿の前端部に取付けられた刈刃装置へ回転駆動力
を伝動する伝動軸を操作桿内で回転可能に支持す
る軸受組立体に関する。

従来技術 通常の刈払機においては操作桿の後端部に取付
けられた内燃機関等の原動機や刈刃装置の作動に
起因して比較的長尺な伝動軸に振動が発生し、そ
れが軸受組立体を介して操作桿に伝達し、操作桿
を把持している作業者に悪影響を及ぼすという問
題がある。そこで、従来の軸受組立体は環状のゴ
ム製防振部材の内周面に軸受部材を固着し、この
防振部材を操作桿内に圧入して防振部材の軸受部
材固着部と半径方向反対側の外周部を操作桿の内
周面に圧着固定し、伝動軸からの振動を防振部材
で吸収するように構成されている。しかしなが
ら、このような軸受組立体は振動をゴム製防振部
材の圧縮弾性変形によつて吸収するようになつて
いるので振動を十分に吸収することができないと
いう欠点がある。

考案の目的 本考案は上記従来の軸受組立体の問題点を解消
すると共にその構造が簡単で且つ製作及び組立が
容易である刈払機の軸受組立体を提供することを
目的とする。

考案の構成 即ち、本考案の構成は、刈払機の操作桿内に装
着されて操作桿内を延在する伝動軸を回転可能に
支持する軸受組立体において、筒状弾性防振部材
と軸受部材とを有し、防振部材が操作桿の内径よ
り小さい外径を有する小径部分と、少なくとも小
径部分の一側端に一体に形成されて軸線方向に延
在し操作桿の内周面に外周面において圧着する大
径部分とを有し、軸受部材を防振部材の小径部分
に固着すると共に、大径部分の外周面に複数の軸
線方向くぼみを設け、大径部分の内周面には伝動
軸の外径より大きな内径を有する補強部材を設け
たことを特徴とする。

考案の効果 従つて、本考案の構成によれば、伝動軸を支持
する軸受部材を設けた筒状防振部材の小径部分
を、操作桿に圧着する大径部分から軸線方向へ偏
在させて一体に形成したので、伝動軸の振動を防
振部材の剪断弾性変形で吸収して操作桿への振動
伝達を大きく減少することができ、且つ伝動軸は
常に自動的に調芯されて芯ずれにする不都合を生
じることがない。

実施例 次に、本考案を図面の実施例に従つて説明す
る。

まず、第１図及び第２図に示した例は中空管状
の操作桿１を有し、その一端即ち後端部（図示せ
ず）に動力源としての内燃機関が通常の方法で取
付けられており、操作桿１の他端即ち前端部（図
示せず）には刈刃装置が設けられている。操作桿
１の内部空間内に軸線方向に延在する伝動軸２が
後述する軸受組立体３によつて回転可能に支持さ
れており、伝動軸２は一端において前記内燃機関
の出力軸に連結されており且つ他端において前記
刈刃装置の回転軸に連結されており、使用中に内
燃機関の回転出力を伝動軸２を介して刈刃装置へ
伝達し、草刈作業を行なうようになつている。

軸受組立体３はゴム製の円筒状防振部材４及び
金属製のスリーブ状軸受部材５を有している。防
振部材４は伝動軸２の外径より大きい内径を有
し、且つ防振部材４の外径は防振部材４の長さ方
向の約半分の部分の大径部分６において操作桿１
の内周面に圧着して軸受組立体３を移動不能に保
持するに充分な大きさを有し、且つ残りの長さ方
向部分の小径部分７において操作桿１の内径より
小さく形成されている。更に、大径部分６の内周
面に金属製スリーブ８が嵌挿固定されており、操
作桿１への圧着力を補強している。また、大径部
分６の外周面は第２図に示すように軸線方向に延
在する５つのくぼみ９を周囲方向にほぼ等間隔に
形成しており、操作桿１の内周面との圧着差に生
じる防振部材４の内径歪を最小限にするようにな
つている。

伝動軸２を回転可能に支持する軸受部材５は防
振部材４の小径部分７の内周面に接着又は焼着な
どにより固着されている。軸受部材５の両端部は
小径部分７の内周面に形成された環状段部１０及
び１１に当接して軸受部材５が防振部材４に対し
て軸線方向へ相対的に移動しようとするのを妨げ
る。

次に、第３図に示した本考案の他の実施例はゴ
ム製の円筒状防振部材２０の両端部分２１及び２
２が操作桿１の内周面に圧着する外径を有する大
径部分を構成しており、両端部分２１及び２２の
間の中間部分２３が操作桿１の内径より小さい外
径を有する小径部分を構成しており、この小径部
分即ち中間部分２３の内周面に伝動軸２を回転可
能に支持する軸受部材５を固着している。

両端部分２１及び２２のそれぞれは内径が中間
部分２３の内径より大きくなつていて薄壁構造に
形成されている。また、第１図の例におけるよう
に、大径の両端部分２１及び２２のそれぞれの内
周面に補強用の金属製スリーブ２４が嵌挿固定さ
れており、両端部分のそれぞれの外周面に複数個
の軸線方向くぼみ２５が形成されており、第１図
の例におけるくぼみ９と同様な作用をする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す軸受組立体を
装着した刈払機の部分の破断断面図、第２図は第
１図の−断面図、そして第３図は本考案の他
の実施例である軸受組立体を装着した刈払機の部
分の破断断面図である。 １……操作桿、２……伝動軸、３，２０……軸
受組立体、４……防振部材、５……軸受部材、６
……大径部分、７……小径部分、８，２４……ス
リーブ、９，２５……くぼみ、２１，２２……両
端部分、２３……中間部分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 刈払機の操作桿内に装着されて操作桿内を延
   在する伝動軸を回転可能に支持する軸受組立体
   において、筒状弾性防振部材と軸受部材とを有
   し、前記防振部材が前記操作桿の内径より小さ
   い外径を有する小径部分と、少なくとも該小径
   部分の一側端に一体に形成されて軸線方向に延
   在し前記操作桿の内周面に外周面において圧着
   する大径部分とを有し、前記軸受部材を前記防
   振部材の前記小径部分に固着すると共に、前記
   大径部分の外周面に複数の軸線方向くぼみを設
   け、前記大径部分の内周面には前記伝動軸の外
   径より大きな内径を有する補強部材を設けたこ
   とを特徴とする刈払機の軸受組立体。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の刈払機
   の軸受組立体において、前記防振部材の前記小
   径部分の軸線方向他側端にも前記一側端の大径
   部分と同様の別の大径部分を一体に形成したこ
   とを特徴とする刈払機の軸受組立体。 (3) 実用新案登録請求の範囲第２項記載の刈払機
   の軸受組立体において、前記防振部材の前記２
   つの大径部分が前記小径部分の内径より大きい
   内径を有して薄壁構造に形成されていることを
   特徴とする刈払機の軸受組立体。