JPH0215713Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、運転席の斜め上方に取付けられる車
輛用脱落式ミラーの取付装置に関するものであ
る。

（従来の技術） この種の脱落式ミラーは、急停止や衝突などの
際にドライバーや同乗者の頭や顔が当たると脱落
し、怪我を防ぐような構造となつている。

しかしながら、通常の振動やミラー調整時の外
力などによつては、脱落あるいは車体に対する取
付角度の変化などが生じないようにある程度強固
に取付けられている必要があるため、取付部の構
造が複雑になりやすいものである。例えば、実開
昭56−96402号公報に開示されているものでは、
２個の板ばねのほか、ベースやブラケツトなどの
部品が必要であり、また板ばねのベースへの固
定、ベースの車体への固定、ブラケツトとミラー
ステーとの固定など、固定作業を必要とする箇所
も多くなり、構造が複雑で部品点数が多く、取付
け作業に手間がかかるような構造となつている。

（考案が解決しようとする課題） 本考案はこの点に着目し、構造が簡単で部品点
数が少なく、組付け性のよい車輛用脱落式ミラー
の取付装置を提供することを目的としてなされた
ものである。

（課題を解決するための手段） すなわち、本考案は、中央部にめねじ穴を形成
すると共に該めねじ穴の両側に一対の第１のビス
穴を形成したブラケツトを設けると共に、上記め
ねじ穴に対応するおねじ部を形成した円筒状の連
結部材に第２のビス穴を設け、 かつ、ミラーステーの車体への取付部の車体内
板に接する側にブラケツトが遊挿されるブラケツ
ト穴を凹設して中心に第３のビス穴を設け、上記
ブラケツト及び連結部材の少なくともいずれか一
方は、弾性材料を用いて構成し、 ブラケツトを、第１のビスを第１のビス穴より
車体内板に穿設した第４のビス穴に挿弾し第１の
ナツトに螺合させることにより車体内板に取付
け、連結部材をブラケツトのめねじ穴に螺合し、
ミラーステーの取付部をブラケツトにかぶせてブ
ラケツト穴内にブラケツトを挿入して第２のビス
を第２のビス穴に挿通し第２のナツトに螺合させ
ることによりミラーステーを連結部材に取付け、
大きな外力がミラーステーに加わると、弾性材料
からなるブラケツトまたは連結部材が変形して両
者のねじ部分でずれが生じ、連結部材がめねじ穴
からはずれてミラーステーが脱落することができ
るようにしたことを特徴とする車輛用脱落式ミラ
ーの取付装置を提供するものである。

（作用） 従つて、本考案によればブラケツトを車体に取
付け、これに螺合した連結部材にミラーステーを
取付けるという作業によつて組付けを完了してミ
ラーを保持することができ、また一定限度以上の
力が加わると、弾性材料が変形してブラケツトと
連結部材との結合がはずれてミラーステーが脱落
するのであり、前述した従来例と比較して構造は
極めて簡略化され、組付け作業を容易に行なうこ
とが可能となるのである。

（実施例） 以下、図示の実施例により本考案を具体的に説
明する。

第１図及び第２図は第１の実施例であり、図に
おいて、１はルームミラー（図示せず）を先端に
支持したミラーステー、２は車体内板、３はミラ
ーステー１の車体への取付部、４はブラケツト、
５は連結部材である。ブラケツト４は中心にめね
じ穴６を形成した直方体状のものであり、該めね
じ穴６の両側には一対の第１のビス穴７を形成
し、第１のビス８、第１のナツト９により車体内
板２の所定位置にねじ止めされるようになつてい
る。また連結部材５はめねじ穴６に対応するおね
じ部１０を形成した円筒状のものであり、中心に
第２のビス穴１１を有し、第２のビス１２、第２
のナツト１３によりミラーステー１の取付部３に
ねじ止めされるようになつている。取付部３に
は、車体内板２に接する側にブラケツト４の外形
寸法に適応した形状であつてブラケツト４が遊挿
されるブラケツト穴１４を凹設し、中心に第３の
ビス穴１５を設けてある。ここで、ブラケツト４
及び連結部材５の少なくともいずれか一方は、硬
質ゴムあるいはゴムと合成樹脂との合成材料のよ
うな弾性材料を用いて構成されている。また、車
体内板には前記ブラケツト４の第１のビス穴７に
対応する第４のビス穴２ａが設けられている。

組付けは次のように行なわれる。すなわち、ブ
ラケツト４を、第１のビス８を第１のビス穴７及
び第４のビス穴２ａに挿通し、第１のナツト９に
螺合させることにより車体内板２に取付ける。連
結部材５をブラケツト４のめねじ穴６に螺合し、
ミラーステー１の取付部３をブラケツト４にかぶ
せてブラケツト穴１４内にブラケツト４を挿入
し、第２のビス１２を第３のビス穴１５及び第２
のビス穴１１に挿通し、第２のナツト１３と螺合
させることによりミラーステー１を連結部材５に
取付ける。

こうしてミラーステー１は車体内板２に取付け
られ、何らかの理由で大きな外力がミラーステー
１に加わると、弾性材料からなるブラケツト４ま
たは連結部材５が変形して両者のねじの部分でず
れが生じ、連結部材５がめねじ穴６からはずれて
ミラーステー１が脱落するのである。ミラーステ
ー１が脱落するに至る外力の大きさはブラケツト
４と連結部材５との間のねじのかみ合い強さで決
まるから、弾性材料の可撓性やねじ止めの際の変
形などを考慮して、めねじ穴６及びおねじ部１０
の寸法とねじ形状を適正に選定しておけばよい。

なお、連結部材５の第２のナツト１３は連結部
材５に圧入して接着してあるが、連結部材５の第
２のビス穴１１をめねじ穴として、第２のビス１
２を直接螺合するようにすれば第２のナツト１３
を省略することができる。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案は車体に取付けられ
たブラケツトのめねじ穴に連結部材を螺合し、こ
の連結部材にミラーステーを取付けるようにし、
ブラケツトと連結部材の少なくともいずれか一方
を弾性材料で構成することにより、一定限度以上
の外力に対しては弾性材料が変形して連結部材が
ブラケツトからはずれるようにしたものであり、
構造が簡単で部品点数が少なく、製作が容易であ
るとともに簡単に組付けを行なうことができる利
点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
同上の分解斜視図である。 １……ミラーステー、２……車体内板、２ａ…
…第４のビス穴、３……取付部、４……ブラケツ
ト、５……連結部材、６……めねじ穴、７……第
１のビス穴、８……第１のビス、９……第１のナ
ツト、１０……おねじ部、１１……第２のビス
穴、１２……第２のビス、１３……第２のナツ
ト、１４……ブラケツト穴、１５……第３のビス
穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 中央部にめねじ穴６を形成すると共に該めねじ
   穴６の両側に一対の第１のビス穴７を形成したブ
   ラケツト４を設けると共に、上記めねじ穴６に対
   応するおねじ部１０を形成した円筒状の連結部材
   ５に第２のビス穴１１を設け、 かつ、ミラーステー１の車体への取付部３の車
   体内板２に接する側にブラケツト４が遊挿される
   ブラケツト穴１４を凹設して中心に第３のビス穴
   １５を設け、上記ブラケツト４及び連結部材５の
   少なくともいずれか一方は、弾性材料を用いて構
   成し、 ブラケツト４を、第１のビス８を第１のビス穴
   ７より車体内板２に穿設した第４のビス穴２ａに
   挿通し第１のナツト９に螺合させることにより車
   体内板２に取付け、連結部材５をブラケツト４の
   めねじ穴６に螺合し、ミラーステー１の取付部３
   をブラケツト４にかぶせてブラケツト穴１４内に
   ブラケツト４を挿入して第２のビス１２を第２の
   ビス穴１１に挿通し第２のナツト１３に螺合させ
   ることによりミラーステー１を連結部材５に取付
   け、大きな外力がミラーステー１に加わると、弾
   性材料からなるブラケツト４または連結部材５が
   変形して両者のねじの部分でずれが生じ、連結部
   材５がめねじ穴６からはずれてミラーステー１が
   脱落することができるようにしたことを特徴とす
   る車輛用脱落式ミラーの取付装置。