JPH0121880Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、運転席の斜め上方に取付けられる車
輌用脱落式ミラーの取付装置に関するものであ
る。

（従来技術） この種の脱落式ミラーは、急停止や衝突などの
際にドライバーや同乗者の頭や顔が当たると脱落
し、怪我を防ぐような構造となつている。しかし
ながら、通常の振動やミラー調整時の外力などに
よつては、脱落あるいは車体に対する取付角度の
変化などが生じないようにある程度強固に取付け
られている必要があるため、取付部の構造が複雑
になりやすいものである。

例えば実開昭56−96402号に開示されているも
のでは、２個の板ばねのほか、ベースやブラケツ
トなどの部品が必要であり、また板ばねのベース
への固定、ベースの車体への固定、ブラケツトと
ミラーステーとの固定など、固定作業を必要とす
る箇所も多いため、構造が複雑で部品点数が多
く、組付け作業に手間がかかり、また一旦ミラー
ステーが脱落した時の破損部品の交換や再組付け
の作業性も悪い構造となつている。

（考案が解決しようとする課題） 本考案はこの点に着目し、構造が簡単で部品点
数が少なく、破損部品の交換と再組付けの容易な
車輌用脱落式ミラーの取付装置を提供することを
目的となされたものである。

（課題を解決するための手段） 即ち、本考案にかかる車輌用脱落式ミラーの取
付装置は、外周面におねじ部を有する外筒と、破
断容易な連結部を介して外筒と一体となつた内筒
からなる二重筒状のおねじ部材を設け、ミラース
テーの車体への取付部に形成しためねじ穴に前記
おねじ部材を螺合し、おねじ部材の先端肩部をめ
ねじ穴の底面で被覆した状態でおねじ部材の内筒
を車体内板に固着することによりミラーステーを
車体内板に取付けるようにしたことを特徴として
いる。

（作用） 従つて、本考案によれば、ミラーステーのめね
じ穴に螺合したおねじ部材を車体に取付けるとい
う作業によつてミラーステーの取付けができ、ま
た一定限度以上の力が加わると、おねじ部材の連
結部が破断してミラーステーが脱落するのであ
り、前述した従来例と比較して構造は極めて簡略
化され、破損したおねじ部材の交換と再組付けの
作業を容易に行なうことが可能となるのである。

（実施例） 以下、図示の一実施例により本考案を具体的に
説明する。

図において、１はルームミラー（図示せず）を
先端に支持したミラーステー、２は車体内板、３
はミラーステー１の車体への取付部、４はおねじ
部材である。おねじ部材４は外筒５と内筒６とが
連結部７を介して一体化された二重筒状のもので
あり、外筒５と内筒６の間には軸方向に貫通した
切欠部７ａが形成され、外筒５の外周面にはおね
じ部８が形成されている。このおねじ部材４は硬
質合成樹脂の成形品あるいはアルミニウム鋳物な
どからなつており、連結部７は比較的肉薄で容易
に破断可能であり、外筒５と内筒６の間に１個あ
るいは複数個形成されている。なお、連結部７は
第１図のようにおねじ部材４の全長にわたつて設
けるほか、例えば第３図ｃに示すように、おねじ
部材４の一方の端縁のみに全周にわたつて連続的
な薄膜状に、あるいは断続的に設けるなど、他の
形状で設けることができる。ミラーステー１の取
付部３には、車体内板２に接する側におねじ部材
４が螺合されるめねじ穴９と位置決め突起１０を
設け、更にめねじ穴９の中心に位置してビス穴１
１を穿設してある。１２，１３は固定用のビス及
びナツトである。

以上のような構成であり、ミラーステー１のめ
ねじ穴９におねじ部材４を螺合し、ビス１２によ
つておねじ部材４の内筒６を車体内板２にねじ止
めすることによつてミラーステー１は車体内板２
に取付けられ、組付けは簡単に終了する。この組
付け状態では、第１図に示す如く、おねじ部材の
先端肩部は、めねじ穴の底面で被覆された状態と
なる。そして何らかの理由で一定限度以上の大き
な外力がミラーステー１に加わると、おねじ部材
４の連結部７が破断して外筒５と内筒６とが分離
し、ミラーステー１は外筒５とともに脱落するの
である。ミラーステー１が脱落するに至る外力の
大きさは、連結部７の強度で決まるから、おねじ
部材４の材質に応じて連結部７の厚さや形状及び
個数を適正に選定しておけばよい。ミラーステー
１が脱落した場合には、破損して分離した外筒５
と内筒６を取外し、新しいおねじ部材４を用いて
再組付けを行なえばよく、外筒５と内筒４の取外
しはいずれもねじ止めであるので容易に行なえ、
また消耗部品であるおねじ部材４は、大量生産可
能な小型部品であるため、極めて安い費用で再組
付けを行なうことが可能である。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案は二重筒状のおねじ
部材をミラーステーのめねじ穴に螺合し、おねじ
部材の内筒を車体内板に固着することによつてミ
ラーステーを車体に取付け、一定限度以上の外力
に対しては、おねじ部材の内筒と外筒を連結する
連結部が破断してミラーステーが脱落するように
したものであり、構造が簡単で部品点数が少な
く、組付けが容易であるとともに、破損したおね
じ部材の交換と再組付けが簡単で低コストで補修
作業を行なうことができる利点がある。

なお、おねじ部材をミラーステーのめねじ穴に
螺合した組付け状態では、第１図に示す如く、お
ねじ部材の先端肩部がめねじ穴の底面で被覆され
た状態となり、おねじ部材が車室側からは見えな
くなるので意匠的な美感が付与される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は断面図、第２図は分解斜視図である。第３
図はおねじ部材の変形例のいくつかを示すもの
で、ａ，ｂは平面図、ｃは断面図である。 １……ミラーステー、２……車体内板、３……
取付部、４……おねじ部材、５……外筒、６……
内筒、７……連結部、８……おねじ部、９……め
ねじ穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周面におねじ部を有する外筒と、破断容易な
   連結部を介して外筒と一体となつた内筒からなる
   二重筒状のおねじ部材を設け、ミラーステーの車
   体への取付部に形成しためねじ穴に前記おねじ部
   材を螺合し、おねじ部材の先端肩部をめねじ穴の
   底面で被覆した状態でおねじ部材の内筒を車体内
   板に固着することによりミラーステーを車体内板
   に取付けてなる車輌用脱落式ミラーの取付装置。