JPH0214716Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は圧力流体供給ホースに関するものであ
る。

〈従来技術〉 自動車用動力舵取装置においては、米国特許第
3323305号に示されているように可撓性のゴムホ
ースの内部に可撓管を遊嵌した供給ホースを用い
ることによりポンプから吐出される圧力流体の脈
動を呼吸するようにしていたが、このようなもの
において１本の可撓管による脈動吸収効果しか得
られないため、大きな脈動吸収効果が得られない
問題があつた。

〈考案の目的〉 そこで本考案は、複数の可撓管をゴムホース内
に配設することにより、可撓管自体による脈動吸
収効果だけでなく、各可撓管の間に形成されるチ
ヤンバと可撓管の絞り作用とによつて達成される
フイルタ効果も得られるようにして極めて大きな
脈動吸収の効果を得られるようにすることを目的
とするものである。

〈考案の構成〉 本考案は、可撓性ゴムホースの内部に、円筒状
の支持環を互いに離間して複数個配設するととも
に、これら複数の支持環のそれぞれに両側面から
前記可撓性ゴムホースの内径よりも所定量だけ径
の小さな可撓管を、これら可撓管の各端面間、お
よび各可撓管と接続金具との各間にそれぞれチヤ
ンバ２３ａ，２３ｂ，２３ｃが形成されるように
所定長さで突設させたことを特徴とするものであ
る。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図において、１０は膨張収縮可能な可撓性
ゴムホース、１１および１２はこの可撓性ゴムホ
ースをポンプ装置および動力舵取装置に接続する
接続金具である。接続金具１１はチユーブ１３
と、このチユーブ１３をポンプ装置の吐出口に固
定するジヨイント１４と、ソケツト１５より構成
され、同様に接続金具１２はチユーブ１６と、こ
のチユーブ１６を動力舵取装置の供給口に固定す
るジヨイント１７と、ソケツト１８より構成され
ている。前記可撓性ゴムホース１０はその両端を
前記チユーブ１３，１６に挿通接続され、さらに
ソケツト１５，１８の締付部をかしめて可撓性ゴ
ムホース１０をチユーブ１３，１６に一体的に固
定している。

可撓性ゴムホース１０内には、帯状の板材を螺
旋状に巻いて筒状に形成し、略中央部の外周に支
持環２１ａ，２１ｂを嵌装固定した可撓管２０
ａ，２０ｂが軸方向に離間して配設され、支持環
２１ａ，２１ｂと対応するゴムホース１０の外周
には、支持環２１ａ，２１ｂをゴムホース１０の
内部に固定する固定環２２ａ，２２ｂが嵌装され
て、かしめられている。

前記可撓管２０ａ，２０ｂの外径は、ゴムホー
ス１０の内径よりも一定量だけ径が小さく成形さ
れていて、可撓管２０ａ，２０ｂの外周とゴムホ
ース１０の内周面との間に環状の〓間を形成して
いるとともに、チユーブ１３の内端と可撓管２０
ａの間、可撓管２０ａと２０ｂとの間、可撓管２
０ｂとチユーブ１６の内端との間にはチヤンバ２
３ａ，２３ｂ，２３ｃが形成されるように、可撓
管２０ａ，２０ｂが取付けられている。

上記構成の圧力流体供給ホースにおいては、可
撓管２０ａ，２０ｂの外周に形成される〓間での
圧力の伝播および支持環２１ａ，２１ｂの両端面
での反射作用により、可撓管２０ａ，２０ｂの入
口付近と出口付近において脈動圧力成分が減少さ
れる。すなわち、可撓管２０ａ，２０ｂの入口付
近と出口付近では、前記反射作用と前記〓間での
圧力伝播とにより位相が90度ずれた反射圧力成分
によつて脈動圧力成分が打ち消され、大きな脈動
吸収作用が発生する。

さらに、可撓管２０ａ，２０ｂは絞りとしても
作用するため、これらの可撓管２０ａ，２０ｂの
絞り作用と、チヤンバ２３ａ，２３ｂ，２３ｃの
働きとによつて達成されるフイルタ効果によつて
も脈動が低減される。この結果、１本のゴムホー
スで極めて大きな脈動吸収効果が得られる。

なお、可撓管２０ａ，２０ｂの支持環２１ａ，
２１ｂの両側面からの突出量は、実験的に決めら
れるが、特定の周波数成分のみを効果的に吸収す
る場合には、両方の長さが同じに形成され、脈動
吸収可能な周波数帯域を広くしたい場合には、両
方の長さが相違するように形成される。

また、第２図に示すように可撓管２０ａ，２０
ｂを中央で分断するとともに、その内端部を支持
環２１ａ，２１ｂの両側面に嵌入した構成にして
も同様の効果が得られる。

さらに、本考案は、配管の途中に複数のゴムホ
ースを介在させたものにも適用できるのは勿論で
ある。

〈考案の効果〉 以上述べたように本考案においては、複数の可
撓管をゴムホース内に配設し、これら可撓管の各
端面間、および各可撓管と接続金具との各間にそ
れぞれチヤンバ２３ａ，２３ｂ，２３ｃが形成さ
れるように所定長さだけ突設するようにしたこと
により可撓管自体による脈動吸収効果だけでな
く、各可撓管の間に形成されるチヤンバと可撓管
の絞り作用とによつて達成されるフイルタ効果も
得られるので、１本のゴムホースにより、極めて
大きな脈動吸収効果が得られる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す断面図、第２図
は本考案の変形例を示す部分断面図である。 １０……可撓性ゴムホース、１１，１２……接
続金具、２０ａ，２０ｂ……可撓管、２１ａ，２
１ｂ……支持環、２２ａ，２２ｂ……固定環、２
３ａ，２３ｂ，２３ｃ……チヤンバ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可撓性ゴムホースと、この可撓性ゴムホースの
   両端部に連結した一対の接続金具とを備えた圧力
   流体供給ホースにおいて、前記可撓性ゴムホース
   の内部に、円筒状の支持環を互いに離間して複数
   個配設するとともに、これら複数の支持環のそれ
   ぞれに両側面から前記可撓性ゴムホースの内径よ
   りも所定量だけ径の小さな可撓管を、これら可撓
   管の各端面間、および各可撓管と前記接続金具と
   の各間にそれぞれチヤンバ２３ａ，２３ｂ，２３
   ｃが形成されるように所定長さで突設させたこと
   を特徴とする圧力流体供給ホース。