JPH02133563A - 高Ａｌ含有ステンレス鋼板の製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、常温での成形が可能であり且っ傍れた高温耐
酸化性、耐食性、電熱性を有し１　電熱器の発熱帯や汚
染気体を処理する触媒金属基板に適した高Ａｌステンレ
ス合金板の工業的製造法に閏する。

〔従来の技術〕

ステンレス鋼板は耐酸化性や耐食性に優れるのでこの特
徴を生かして各種産業分野にて広範囲に使用されている
が、−層の耐酸化性を付与するには５ｗ４中にＡｌを添
加するのが有効である。しかし、多量のＡｌの添加は非
常に材質を脆くするため冷間圧延はもちろんのこと熱間
圧延さえも難しく１通常の圧延と焼鈍の組合わせによっ
て高、１２ステンレス畑板を製造することは極めて困難
である。このため商人２ステンレス鋼板は電気抵抗が高
く、耐酸化性、耐食性に優れた材料であるにもかかわら
ず製造性が非常に悪いため充分利用されるに至っていな
い。

〔発明の目的］ 本発明の目的はかかる有益な高Ａｌステンレス鋼板を簡
便に製造する方法を確立し、高Ａｌステンレス鋼板の梓
及利用に資すことにある。

〔発明の構成〕

前記の目的を達成せんとする本発明の要旨とするところ
は、Ｃ≦０．０３％、Ｃｒ５３０％、　　Ｔｉ、ＮｂＶ
またはＭｏの１種もしくは２種以上を０１０１〜０．８
％含有するステンレス鋼板または調帯の少なくとも片面
に、含有、させるＡｌｆｉｌに相当する割合となるよう
にＡｌｆｉ板または薄帯を重ね合わせ、これをロール間
に通板して積層圧接板とし、得られた積層圧接板を、場
合によってはさらに目標板厚まで圧延したうえ（そのさ
い、圧延の前または途中において２５０〜５５０℃の中
間焼鈍を施すことが有利である）、　６００〜１３００
℃の範囲の温度においてＡｌ層が溶融せずに合金化する
条件下の拡散処理を施すことを特徴とする高Ａｌ含有ス
テンレス鋼板または調帯の製造法に存する。

また本発明によれば、前記の製造法の途中に得られた＃
Ａ層層圧析板１焼鈍圧接板或は圧延板を素材としてこれ
から用途に応じた製品形状または中間製品の形状に成形
加工し、この加工品または半加工品を６００〜１３００
℃の範囲の温度においてＡｌ府が溶融せずに合金化する
条件下の拡散処理を施すことを特徴とするＡｌ含有ステ
ンレス鋼の加工品または半加工品を製造する方法が提供
される。

本発明法によると、従来は困難であった３％以上のＡｌ
を含有する５場合によっては、　１０％以上ものＡｌ、
を含有するステンレス鋼板が工業的に製造できる。しか
も１通常のステンレス鋼板の製造と同様に調帯としての
工業的製造が可能である。

本発明法によってｊ斗られた高Ａｌ含有ステンレス鋼板
は、その拡散処理の程度によって、Ａｌが均一に拡散し
た厚み方向に均一濃度の合金鋼板としたもの、また、厚
み方向にＡｌの濃度分布が異なったもの、場合によって
層状の合金層が介在したり最外表面層にＡｌやＣｒの酸
化被膜をもつ特殊構造のもの、として高Ａｌステンレス
鋼板が製造でき、用途に適したものが比較的簡単に製造
できるという特徴がある。そして、従来では製造が困難
であった形状が複雑な高Ａｌステンレス鋼製の加工品ま
たは半加工品でも容易に製造できる。

特に本発明は、出発材料としてのステンレス鋼板として
、Ｃ≦０．０３％、Ｃｒ≦３０％＋　　Ｔｉ、Ｎｂ、Ｖ
またはＭｏの１種もしくは２種以上を０．０１〜０．８
％含有するステンレス鋼板を使用する点に大きな特徴が
あり、この成分系のステンレス鋼板を用いることによっ
て圧接板の拡散処理時に鋼板とＡｌ仮との界面近く・に
発生することがあるボイドやクラックが防止され、−層
耐熱性に優れた良品質の高Ａｌ含有ステンレス鋼板仮を
製造することができる。

〔発明の詳細な 説明は、Ｃ≦０．０３％、Ｃｒ５３０％、　　Ｔｉ、Ｎ
ｂＶまたはＭｏの１種もしくは２種以上を０．０１〜０
．８％含有するステンレス鋼板または調帯（以下、１２
Ｉ板と総称する）を出発材料として使用する。使用する
ステンレス鋼板のＣ含有量が多いと、＠板とＡｌｆｉ板
の圧接板を拡散処理するさいに１両者の界面付近にボイ
ドが生成しやすくなり５　これによって界面にクランク
が生じる原因となる。したがってＣ含有量はできる限り
低い方が望ましいが０．０３％までは許容できる。一方
、Ｃｒは３０％を超えると加工性が劣り、圧接時に割れ
が発生し易くなり。

良好な圧接板を得ることが困難となることから３０％以
下にすることが必要である。Ｔｉ、Ｎｂ、ＶまたはＭｏ
がＮ中に適量含有されると、圧接板の拡散処理時にお４
Ｊる網層とＡｌ、層との界面付近のボイド、クラックの
発生を防止することができる。これらの成分の一種また
は二種以上の含有量が０．０１％未満ではその効果が認
められない。一方、多量に含有させてもその効果は飽和
するとともに、加工性が劣下し圧接板を得ることが困難
となることから０．８％以下に限定される。なお、これ
らの成分を含有すると界面付近に生じるボイド、クラン
クがなぜ防止できるのかは必ずも明らかではないが、こ
れらの成分がＣを固定し安定な炭化物を生成することに
関連しているものと考えれらる。

他方１本発明法で使用するＡｌ板（通常は′３板または
１帯）は、純Ａｌ板であることが望ましいが６通常のＡ
ｌ板にはＦｅ、Ｓｉ等が多少含有されている。これらの
元素はステンレス泪４反にも含有されているものであり
、したがって、特にこのような元素が含有されていても
問題はなく、このような元素が３％まで含まれた八で板
でも本発明では有利に使用することができる。

本発明においては該ステンレス鋼板の片面または両面に
Ａｌ板を、目標とするＡｌ含有量となるように重ね合わ
せてロールを用いて圧接するのであるが１両行とも重ね
合わせ面は浄化処理をしておくのが望ましい。このロー
ルによる重ね合わせ板の圧接工程において、圧接圧下率
が３０％未満ではステンレス鋼とＡｌとの良好な圧接状
態を得ることが通常は困難である。したがって、圧接圧
下率は３０％以上とすることが必要であり、これによっ
て、ステンレス鋼とＡｌｆとの積層圧接板が得られる。

この積層圧接板の接着性向上のために焼鈍処理すること
が好ましい。この焼鈍処理は全てに必要なものではない
が、圧接板の板厚が約Ｌ５ｍｍを超えるような場合には
１次工程で更に冷間圧延して板厚残少を行なうさいに、
また場合によっては製品形状または半製品形状に成形加
工するさいに接着面に剥離が発生することがあり、これ
を防止するために焼鈍を施すのが有利となる。この中間
焼鈍は２５０℃以上の／ＭＷを採用しないと効果が認め
られない。しかし５５０℃を超えると圧接板のステンレ
ス鋼層とＡｌ層との界面に合金層が厚く発達し１次工程
の冷間圧延時にこの合金層付近にクラックが生じ、この
ために剥離が生しまたすする。

この中間焼鈍の焼鈍方式としてはタイトコイルによるバ
ッチ焼鈍とすることができる。この場合。

焼鈍時間は１〜２０時間程度とするのが良い。その他の
焼鈍方式でもよいが、いずれにしても冷間圧延時のエリ
離を防止するためには２５０℃〜５５０℃の温度範囲で
実施することが必要であるに のようにして、圧接工程を経たままの積層圧接板１　中
間焼鈍を施した焼鈍圧接板、或いは中間焼鈍を施すかま
たは施さないで更に冷間圧延した冷延圧接板を、目標と
するＡｌ、量をもって製造したら９次にこれを拡散処理
する。この拡散処理はステンレス鋼層とＡｌｆ層とを相
互に拡散させる処理であり、６００〜１３００℃の温度
範囲で施す必要がある。拡散処理温度が６００℃未満で
はＡｌの拡散が充分進行しなく、１３００℃を超えると
拡散合金層において溶融層が住じる。なお、この拡散処
理時の加熱速度を速くしてＡｌの融点以上の高温まで９
速力１１熱すると、約７００℃付近でＡｌｆ層が溶融す
ることがある。このＡＥ層がｌ容融すると、垂れや集積
によってＡｌの板面方向での濃度変化を発生する原因と
なる。したがって、このようなＡｌｆ層の溶融は出来る
だけ防止することが必要であり。

このために、Ａｌｆの融点以下の温度で加熱して例えば
５５０〜６８０℃の温度に１分間以上保持することによ
ってＡｌｆＮを融点の高い合金層にさせてからさらに高
温に加熱して十分な拡散処理を施すのがよい。すなわち
、６００〜１３００℃の範囲の温度においてＡＥ層が溶
融せずに合金化する条件下の拡散処理を施すことが必要
である。

この拡散処理温度と拡散処理時間の選定、さらには雰囲
気調整によって１種々の構成の鋼板製品が製造できる。

すなわち、七分な拡散を非酸化性雰囲気下で行わせると
、板厚方向に均一なＡｘ４度をもつ高Ａｌ含有ステンレ
ス鋼板が製造できるし、十分な拡散に至るまでの途中で
処理を終えれば表層部に高Ａｌ．ｆｉ度をもつ高Ａｌ含
有ステンレス鋼板が製造できる。また２表面酸化を特に
回避しないで拡散焼鈍すれば１表層部にＡｌ！、やＣｒ
などの酸化物層がリッチに存在した特殊な耐熱用の高Ａ
！ステンレス鋼板が製造できる。なお、拡散処理後にお
いて鋼板表面の性状が不良となった場合には、軽冷延に
よって歪を取り除いたり或いは表面の研磨や光沢仕上げ
を行うことによって良好な表面性状にすることができる
。

このようにして１本発明法によると通常の鋼板の製造法
では製造が困難な高Ａｌステンレス鋼板が工業的に製造
できる。とくに、高Ａｌ含有ステンレス鋼では冷間圧延
はもとより熱間圧延でも圧延が困難であるが１本発明法
では加工性の良好なステンレス鋼板とＡｌｆｉ板を、Ａ
ｌが合金化する前の圧接状態で或いは圧接後の圧延で板
厚減少を行なうので目標とする薄板まで良好に冷間で圧
延することができ、場合によっては製品形状または半製
品形状に冷間で加工することができ、しかも。

八に含有ヱは必要に応じて１０％以上にすることも可能
である。したがって特殊な用途９例えば電気抵抗加熱用
素材や高温で使用される触媒担持用金属基板等はもとよ
り、−石耐熱性と耐食性に優れた高Ａｌ含有ステンレス
鋼板または銅帯が安価に製造できる。本発明法によって
得られた高Ａｌ含有ステンレス鋼の耐酸化性は後記実施
例に示すように１２００℃に２０００時間加熱といった
過酷な条件下でも十分なものであり、且つＣが０．０３
％以下で且つ０．０１〜０．８％のＴｉ、Ｎｂ、Ｖまた
はＭｏの１種もしくは２種以上を含有させたステンレス
鋼板を使用することによって拡散処理時にｍ層とＡｌＦ
Ｉとの界面にボイドやクランクの発生を防止することが
でき、高品質のものとすることができる。従来は、ステ
ンレス鋼に一層の耐酸化性を付与することを目的として
Ａｌを添加したステンレス鋼を圧延・焼鈍をくり返す方
法でこれを達成しようと試みられてきたが、この場合に
はＡｌｆｉ含有が３％以下に制限されるものであること
に鑑み９本発明法がいかに有益なものであるかが理解さ
れるであろう。

以下に本発明の代表的な実施例を揚げ１本発明法によっ
て得られた鋼板の耐熱特性がいかに優れたものであるか
を示す。

〔実施例１〕 第１表にその化学成分値（重量％）を示した板１”Ｘｌ
、Ｏｍｍのステンレス鋼板の両表面をワイヤーブラシ付
ロールで研磨したものを芯材とし、板厚が０．２ｍ川の
ＪＩＳ合金番号１０５０のＡｌ板をトリクロールエタン
でスプレー脱脂したものを皮材とした。

この芯材の両面に、第２表に示す板厚構成のもとて皮材
を重ね合わせて、４段圧延機にかみ込ませ、第２表に示
す板厚にまで表示の圧下率で圧接圧延し３コイラーに巻
き取った。圧延速度は１０〜３０ｍノ分であった。得ら
れた圧接板コイルをバッチ焼鈍炉に装入し、３５０℃Ｘ
ｌ０時間の中間焼鈍を施した後、板厚０．３０ｍｍにま
で冷間圧延した。そして得られた圧接冷延板より６０ｍ
ｍφの円板状試片を採取し、この円板状試片を６５０″
ＣＸ１時間保持の熱処理を施し１次いで１１００℃およ
び１２００℃の温度に大気中にて加熱する酸化試験を実
施した。その結果を第２表に示した。また、　１１００
℃×２５時間保持の熱処理後の試料Ｎα１およびＮｏ、
　５のサンプルを採取し、それらの断面を顕微鏡観察し
た。その写真を第１図および第２図に示した。

第２表より朗らかな如く５比較材である試料Ｎα６では
酸化試験１１００℃Ｘ２５時間において１０ｍｇ／ｃｍ
”以上の酸化増量を示すのに対し１本発明である試料胤
１．　Ｎｏ、２．　Ｎｏ、３およびＮα４は酸化試験１
１００℃Ｘ　１２００時間においても酸化増量は１０ｍ
ｇ／ｃｍ”未満の良好な耐酸化性を示す。

また、Ｔｉ、Ｎｂ、ＶまたはＭｏを含有しない比較材の
試料Ｎｏ、　５も酸化増量は少な（良好な耐酸化性を示
すが、第２図の写真に見られるように、鋼板層とＡｌＩ
Ｉの界面付近にボイドやクラックが生じている。これに
対し１本発明で規定する成分のステンレスｍ層を使用し
た場合には、第１図の写真に見られるように、ボイドや
クランクは見られず界面は均一化したものとなる。なお
圧接冷延板のＡｌｆｉが高温での酸化試験中に均一に拡
散するがその条件は１１００℃で２時間であった。

〔実施例２〕 実施例１における試料Ｎ１１１２とＮｏ、　５の圧接圧
延板を板Ｉ￥０．３ａｎ＋に冷間圧延し、　６５０℃Ｘ
　１時間の熱処理と、これに引き続いて１１００℃Ｘ　
２時間の拡散処理を真空中で実施し、Ａｌが均一に拡散
した高Ａｅステンレスｒ４仮とした。その後、板の形状
修正のために伸び率１．０％の軽冷延を施した。得られ
た高Ａｐ、ステンレス鋼板から６０ｍｍφの円板状試片
を１采取し、大気中で１１００℃，１２００℃に加熱し
て酸化実験を行った。その結果を第３表に示す。

本実施例は圧接機のＡｌを均一拡散した高Ａ　１ステン
レス鋼板の耐酸化性を調べたものである。

第３表からも明らかな如く、比較材である試料Ｎα６の
５ＵＳ４３０網板は酸化温度１１００°ｃ、　１２００
’ｃにおいて２５時間未満で１０ｍｇ／ｃｍ”以上の酸
化増量を示すのに対し１本発明に係る試料Ｎｏ、　２　
ａにおいては１１００℃Ｘ　１２００時間以上、　１２
００°（Ｘ２０００時間においても１０ｍｇ７ｃｍ″未
満の酸化増量であり良好な耐酸化性を示す。

なお、Ｔｉ、Ｎｂ、ＶまたはＭｏを含有しないステンレ
ス綱板を使用した比較材試料Ｎα５ａでは酸化増量は小
さく良好であるが、圧接冷延板を拡散処理すると鋼層と
Ａｌｆ層との界面付近にボイドやクランクが生しく第２
図と同様）、拡散処理後の板の形状修正のために施す軽
冷延時において板切ね２が生じ易く、また打仮加−Ｌや
曲げ力■工等の加工時割れが発生する。

【図面の簡単な説明】

第１図はＴｉを含有するステンレス鋼板を芯材とした拡
散処理後の綱板断面の金属組織を示す金属顕微鏡写真、
５第２図はＴｉ、Ｎｂ、Ｖ、Ｍｏを含有しないステンレ
ス鋼板を芯材とした拡散処理後の鋼板断面の金Ｗｒ４＆
ｌｌ織を示す金属顕微鏡写真である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｃ≦０．０３％、Ｃｒ≦３０％、Ｔｉ、Ｎｂ、Ｖ
   またはＭｏの１種もしくは２種以上を０．０１〜０．８
   ％含有するステンレス鋼板の少なくとも片面に、含有さ
   せるＡｌ量に相当する割合となるようにＡｌ板を重ね合
   わせ、これをロール間に通板して積層圧接板とし、得ら
   れた積層圧接板を、６００〜１３００℃の範囲の温度に
   おいてＡｌ層が溶融せずに合金化する条件で拡散処理を
   施すことからなる高Ａｌ含有ステンレス鋼板の製造法。
2. （２）Ｃ≦０．０３％、Ｃｒ≦３０％、Ｔｉ、Ｎｂ、Ｖ
   またはＭｏの１種もしくは２種以上を０．０１〜０．８
   ％含有するステンレス鋼板の少なくとも片面に、含有さ
   せるＡｌ量に相当する割合となるようにＡｌ板を重ね合
   わせ、これをロール間に通板して積層圧接板とし、得ら
   れた積層圧接板をさらに目標板厚まで圧延し、次いで６
   ００〜１３００℃の範囲の温度においてＡｌ層が溶融せ
   ずに合金化する条件で拡散処理を施すことからなる高Ａ
   ｌ含有ステンレス鋼板の製造法。
3. （３）Ｃ≦０．０３％、Ｃｒ≦３０％、Ｔｉ、Ｎｂ、Ｖ
   またはＭｏの１種もしくは２種以上を０．０１〜０．８
   ％含有するステンレス鋼板の少なくとも片面に、含有さ
   せるＡｌ量に相当する割合となるようにＡｌ板を重ね合
   わせ、これをロール間に通板して積層圧接板とし、得ら
   れた積層圧接板をさらに目標板厚まで圧延し、そのさい
   、この圧延の前または途中において２５０〜５５０℃の
   中間焼鈍を施し、次いで６００〜１３００℃の範囲の温
   度においてＡｌ層が溶融せずに合金化する条件で拡散処
   理を施すことからなる高Ａｌ含有ステンレス鋼板の製造
   法。