JP3377332B2 - アルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板材の製造方法 - Google Patents

アルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板材の製造方法

Info

Publication number
JP3377332B2
JP3377332B2 JP12180595A JP12180595A JP3377332B2 JP 3377332 B2 JP3377332 B2 JP 3377332B2 JP 12180595 A JP12180595 A JP 12180595A JP 12180595 A JP12180595 A JP 12180595A JP 3377332 B2 JP3377332 B2 JP 3377332B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate material
alloy
alloy plate
content
alumina
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12180595A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08319556A (ja
Inventor
糾 濱田
修司 山田
真司 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP12180595A priority Critical patent/JP3377332B2/ja
Publication of JPH08319556A publication Critical patent/JPH08319556A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3377332B2 publication Critical patent/JP3377332B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温酸化により表面に
形成されるα−アルミナを主成分とするセラミックによ
る硬さと、NiAl系金属間化合物の分散析出した合金
母材による強度や曲げ剛性や硬さを兼備した刃物、特に
電気かみそりの内刃や外刃、バリカン刃の製造に適し
た、アルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−N
i−Al系合金板材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高Al含有Fe−Cr−Ni−Al系フ
ェライト合金は、母材中に径が数μm以下の微細なNi
Al系金属間化合物が分散析出しているために母材硬度
が高く(ビッカース硬度Hv:350以上)、表面硬度
も高温酸化で表面に20μm厚さ以内のα−アルミナ層
の析出形成させて高くできる合金である(特開平3−1
50337号公報)。この高Al含有Fe−Cr−Ni
−Al系合金を用いれば、セラミックの持つ硬さと金属
の持つ強さを兼備した電気かみそりの内刃や外刃、バリ
カン刃の実現が期待できる。
【0003】しかし、Fe−Cr−Ni−Al系フェラ
イト合金は、Al含有量が多く、またNiAl系金属間
化合物が微細に分散析出している高硬度材であることか
ら、加工性が悪く、難加工材となっている。電気かみそ
りの内刃や外刃、バリカン刃にするには、上記合金を薄
い板材にしなければならないが、厚さが1mm以下にな
ると、温冷間圧延中に耳割れや表面割れが多数発生し、
破断して長尺の薄板材を得ることが難しく、歩留まりが
低く、生産性が良くないという問題がある。
【0004】一方、Al含有ステンレス鋼の加工性の改
善の従来技術として、例えば、Fe−Cr合金板材とA
l板材を積層圧接してからAlの拡散処理を行うFe−
Cr−Al合金薄板の製造方法(特開平3−13559
号公報)やAlをメッキした鋼材に対してAlの拡散処
理を行うAl含有ステンレス鋼薄板の製造方法がある
が、これらの従来技術の場合、Niを含有しないか、あ
るいは、含有しても量がすくないためにNiAl系金属
間化合物を形成できず、高硬度ステンレス鋼でなく、A
l含有Fe−Cr−Ni−Al系合金のように有用と言
いがたい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、電気かみそりやバリカンの刃などに適するアルミ
ナ皮膜を形成した薄い高Al含有Fe−Cr−Ni−A
l系合金板材を、歩留まり良く簡単に製造できると共に
生産性に優れた製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明アルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−C
r−Ni−Al系合金板材の製造方法では、次の発明
[1]、[2]、[3]、[4]の手段を採用した。 [1] Fe−Cr−Ni−Al系合金板材の両面にAl板材を
重ね合わせて30%以上の圧下で積層圧延接合した板材
を、Alの融点未満の温度に加熱して合金層を形成した
後、引き続き酸化性雰囲気中で900〜1300℃の温
度範囲に加熱して、表面にアルミナ皮膜を形成すると同
時にAlを拡散させて高Al含有のFe−Cr−Ni−
Al系合金板材を得るか、複数のFe−Cr−Ni−A
l系合金板材の間にAl板材を挟んで重ね合わせると共
にさらにその両面にAl板材を重ね合わせて30%以上
の圧下で積層圧延接合した板材を、Alの融点未満の温
度に加熱して合金層を形成した後、引き続き酸化性雰囲
気中で900〜1300℃の温度範囲に加熱して、表面
にアルミナ皮膜を形成すると同時にAlを拡散させて高
Al含有のFe−Cr−Ni−Al系合金板材を得る
か、複数のFe−Cr−Ni−Al系合金板材の間にA
l板材を挟んで重ね合わせて30%以上の圧下で積層圧
延接合した板材を、Alの融点未満の温度に加熱して合
金層を形成した後、引き続き酸化性雰囲気中で900〜
1300℃の温度範囲に加熱して、Alを拡散させた高
Al含有のFe−Cr−Ni−Al系合金板材を得ると
同時に表面にアルミナ皮膜を形成するようにしている。
【0007】以下、この発明[1]をより具体的に説明
する。この発明で得られるアルミナ皮膜を形成した高A
l含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板材は、後で詳細
に述べるように、Cr:20〜40重量%,Ni:5〜
25重量%,Al:4〜8重量%,Zr,Y,Hf,C
e,La,Nd及びGdのうちいずれか1種または2種
以上:0.05〜1.0重量%,Ti,Nb及びMoの
うちいずれか1種または2種以上:0〜2.0重量%,
残部:Feからなる組成が好ましい。
【0008】この発明の場合、まず、複数のFe−Cr
−Ni−Al系合金板材の間にAl板材を挟んで重ね合
わせるか、あるいは、両面にAl板材を重ね合わせて3
0%の圧下で積層圧接する。Fe−Cr−Ni−Al系
合金板材とAl板材とを重ねて圧延(例えば、冷間圧
延)するのである。Fe−Cr−Ni−Al系合金板材
としては圧延材を用いることができ、Al板材としては
市販の高純度材ないしこれを圧延したものを用いること
ができる。勿論、圧延以外の方法で板材化したFe−C
r−Ni−Al系合金板材を用いても良い。この発明に
用いるFe−Cr−Ni−Al系合金はAl含有量が少
なく、また、フェライト、オーステナイト二相ステンレ
ス鋼であるために容易に圧延して薄くすることができ
る。
【0009】Fe−Cr−Ni−Al系合金板材とAl
板材の積層圧接を30%以上(好ましくは35%以上)
の圧下とする(即ち、積層圧接後の厚さが積層圧接前の
厚さの70%未満となる圧延する理由)は、30%未満
の圧下では十分に圧接されず、後のAlの拡散処理時に
剥離して目的とする合金を得ることが出来ないためであ
る。
【0010】また、積層圧接後のAl板材の厚さは50
μm未満であることが好ましい。積層圧接後のAl板材
の厚さが50μm以上では、Alの融点未満の温度での
Alの拡散による合金層化に長時間を要し、生産性が極
端に悪くなるからである。合金層は主として、FeやC
rとAlの金属間化合物で形成されており、融点が12
00〜1300℃と高く、結果として引き続いて元素同
士の高温拡散処理が可能となる。
【0011】合金層形成後の高温拡散処理の温度は、9
00〜1300℃(好ましくは、1000〜1200
℃)の範囲である。1300℃を超える温度で加熱する
と素材が脆化し、900℃未満の加熱温度ではアルミナ
の形成ができないだけでなく、元素同士が十分に相互拡
散できない。処理時間は、1000℃であれば8時間で
表面に3μm程度のアルミナ皮膜が密着良く形成でき、
1200℃では20分で表面に3μm程度のアルミナ皮
膜が密着良く形成できる。また、処理の雰囲気は、表面
にアルミナ皮膜形成のために酸化性雰囲気、即ち、大気
中や酸素雰囲気が良い。
【0012】[2]Fe−Cr−Al系合金板材とNi
−Cr−Al系合金板材を2層あるいは3層以上に重ね
合わせると共にさらにその両面にAl板材を重ね合わせ
て30%以上の圧下で積層圧延接合した板材を、Alの
融点未満の温度に加熱して合金層を形成した後、引き続
き酸化性雰囲気中で900〜1300℃の温度範囲に加
熱して、表面にアルミナ皮膜を形成すると同時にFe,
Cr,Ni,Alを拡散させて高Al含有のFe−Cr
−Ni−Al系合金板材を得るか、Fe−Cr−Al系
合金板材とNi−Cr−Al系合金板材をその間にAl
板材を挟みながら3層あるいは4層以上に重ね合わせる
と共にさらにその両面にAl板材を重ね合わせて30%
以上の圧下で積層圧延接合した板材を、Alの融点未満
の温度に加熱して合金層を形成した後、引き続き酸化性
雰囲気中で900〜1300℃の温度範囲に加熱して、
表面にアルミナ皮膜を形成すると同時にFe,Cr,N
i,Alを拡散させて高Al含有のFe−Cr−Ni−
Al系合金板材を得るか、Fe−Cr−Al系合金板材
とNi−Cr−Al系合金板材をその間にAl板材を挟
みながら3層あるいは4層以上に重ね合わせて30%以
上の圧下で積層圧延接合した板材を、Alの融点未満の
温度に加熱して合金層を形成した後、引き続き酸化性雰
囲気中で900〜1300℃の温度範囲に加熱して、F
e,Cr,Ni,Alを拡散させた高Al含有のFe−
Cr−Ni−Al系合金板材を得ると同時に表面にアル
ミナ皮膜を形成するようにしている。
【0013】以下、この発明[2]をより具体的に説明
する。この発明で得られるアルミナ皮膜を形成した高A
l含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板材は、後で詳細
に述べるように、Cr:20〜40重量%,Ni:5〜
25重量%,Al:4〜8重量%,Zr,Y,Hf,C
e,La,Nd及びGdのうちいずれか1種または2種
以上:0.05〜1.0重量%,Ti,Nb及びMoの
うちいずれか1種または2種以上:0〜2.0重量%,
残部:Feからなる組成が好ましい。
【0014】この発明の場合、まず、複数のFe−Cr
−Al系合金板材とNi−Cr−Al系板材の間にAl
板材を挟んで重ね合わせるか、あるいは、両面にAl板
材を重ね合わせて30%以上の圧下で積層圧接する。板
材を重ねて圧延(例えば、冷間圧延)するのである。F
e−Cr−Al系合金板材やNi−Cr−Al系合金板
材としては圧延材を用いることができ、Al板材として
は市販の高純度材ないしこれを圧延したものを用いるこ
とができる。勿論、圧延以外の方法で板材化したFe−
Cr−Al系合金板材やNi−Cr−Al系合金板材を
用いてもよい。この発明に用いるFe−Cr−Al系合
金やNi−Cr−Al系合金は室温伸びが15%以上有
り、容易に圧延して薄くすることができる。
【0015】Fe−Cr−Al系合金板材、Ni−Cr
−Al系合金板材とAl板材の積層圧接を30%以上
(好ましくは35%以上)の圧下とする(即ち、積層圧
延後の厚さが積層圧接前の厚さの70%未満となるよう
に圧延する)理由は、30%未満の圧下では十分に圧接
されず、後のAlの拡散処理時に剥離して目的とする合
金を得ることが出来ないためである。
【0016】また、積層圧接後のAl板材の厚さは50
μm未満であることが好ましい。積層圧接後のAl板材
の厚さが50μm以上では、Alの融点未満の温度での
Alの拡散による合金層化に長時間を要し、生産性が極
端に悪くなるからである。合金層は主として、Fe,C
rやNiとAlの金属間化合物で形成されており、融点
が1200〜1300℃と高く、結果として引き続いて
元素同士の高温拡散処理が可能となる。
【0017】合金層形成後の高温拡散処理の温度は、9
00〜1300℃(好ましくは、1000〜1200
℃)の範囲である。1300℃を超える温度で加熱する
と素材が脆化し、900℃未満の加熱温度ではアルミナ
の形成ができないだけでなく、元素同士が十分に相互拡
散できない。処理時間は、1000℃であれば8時間で
表面に3μm程度のアルミナ皮膜が密着良く形成でき、
1200℃では20分で表面に3μm程度のアルミナ皮
膜が密着良く形成できる。また、処理の雰囲気は、表面
にアルミナ皮膜形成のために酸化性雰囲気、即ち、大気
中や酸素雰囲気が良い。
【0018】[3]Fe−Cr−Al系合金板材とNi
板材を2層あるいは3層以上に重ね合わせると共にその
両面にAl板材を重ね合わせて30%以上の圧下で積層
圧延接合した板材を、Alの融点未満の温度に加熱して
合金層を形成した後、引き続き酸化性雰囲気中で900
〜1300℃の温度範囲に加熱して、表面にアルミナ皮
膜を形成すると同時にNi,Alを拡散させて高Al含
有のFe−Cr−Ni−Al系合金板材を得るか、Fe
−Cr−Al系合金板材とNi板材をその間にAl板材
を挟みながら3層あるいは4層以上に重ね合わせると共
にその両面にAl板材を重ね合わせて30%以上の圧下
で積層圧延接合した板材を、Alの融点未満の温度に加
熱して合金層を形成した後、引き続き酸化性雰囲気中で
900〜1300℃の温度範囲に加熱して、表面にアル
ミナ皮膜を形成すると同時にNi,Alを拡散させて高
Al含有のFe−Cr−Ni−Al系合金板材を得る
か、Fe−Cr−Al系合金板材とNi板材をその間に
Al板材を挟みながら3層あるいは4層以上に重ね合わ
て30%以上の圧下で積層圧延接合した板材を、Alの
融点未満の温度に加熱して合金層を形成した後、引き続
き酸化性雰囲気中で900〜1300℃の温度範囲に加
熱して、Ni,Alを拡散させた高Al含有のFe−C
r−Ni−Al系合金板材を得ると同時に表面にアルミ
ナ皮膜を形成するようにする。
【0019】以下、この発明[3]をより具体的に説明
する。この発明で得られるアルミナ皮膜を形成した高A
l含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板材は、後で詳細
に述べるように、Cr:20〜40重量%,Ni:5〜
25重量%,Al:4〜8重量%,Zr,Y,Hf,C
e,La,Nd及びGdのうちいずれか1種または2種
以上:0.05〜1.0重量%,Ti,Nb及びMoの
うちいずれか1種または2種以上:0〜2.0重量%,
残部:Feからなる組成が好ましい。
【0020】この発明の場合、まず、複数のFe−Cr
−Al系合金板材とNi板材の間にAl板材を挟んで重
ね合わせるか、あるいは、両面にAl板材を重ね合わせ
て30%以上の圧下で積層圧接する。板材を重ねて圧延
(例えば、冷間圧延)するのである。Fe−Cr−Al
系合金板材としては圧延材を用いることができ、Ni板
材やAl板材としては市販の高純度材ないしこれを圧延
したものを用いることができる。勿論、圧延以外の方法
で板材化したFe−Cr−Al系合金板材を用いてもよ
い。この発明に用いるFe−Cr−Al系合金は室温伸
びが15%以上有り、容易に圧延して薄くすることがで
きる。
【0021】Fe−Cr−Al系合金板材とNi板材と
Al板材の積層圧接を30%以上(好ましくは35%以
上)の圧下とする(即ち、積層圧延後の厚さが積層圧接
前の厚さの70%未満となるように圧延する)理由は、
30%未満の圧下では十分に圧接されず、後のAl拡散
処理時に剥離して目的とする合金を得ることが出来ない
ためである。
【0022】また、積層圧接後のAl板材の厚さは50
μm未満であることが好ましい。積層圧接後のAl板材
の厚さが50μm以上では、Alの融点未満の温度での
Alの拡散による合金層化に長時間を要し、生産性が極
端に悪くなるからである。合金層は主として、Fe,C
rやNiとAlの金属間化合物で形成されており、融点
が1200〜1300℃と高く、結果として引き続いて
元素同士の高温拡散処理が可能となる。
【0023】合金層形成後の高温拡散処理の温度は、9
00〜1300℃(好ましくは、1000〜1200
℃)の範囲である。1300℃を超える温度で加熱する
と素材が脆化し、900℃未満の加熱温度ではアルミナ
の形成ができないだけでなく、元素同士が十分に相互拡
散できない。処理時間は、1000℃であれば8時間で
表面に3μm程度のアルミナ皮膜が密着良く形成でき、
1200℃では20分で表面に3μm程度のアルミナ皮
膜が密着良く形成できる。また、処理の雰囲気は、表面
にアルミナ皮膜形成のために酸化性雰囲気、即ち、大気
中や酸素雰囲気が良い。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】[4] Fe−Cr−Al系合金板材とNi−Cr−Al系合金
板材を2層あるいは3層以上に重ね合わて30%以上の
圧下で積層圧延接合した板材を、酸化性雰囲気中で90
0〜1300℃の温度範囲に加熱して、Fe,Cr,N
i,Alを拡散させて高Al含有のFe−Cr−Ni−
Al系合金板材を得る同時に表面にアルミナ皮膜を形成
するようにしている。
【0030】以下、この発明[4]をより具体的に説明
する。この発明で得られるアルミナ皮膜を形成した高A
l含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板材は、後で詳細
に述べるように、Cr:20〜40重量%,Ni:5〜
25重量%,Al:4〜8重量%,Zr,Y,Hf,C
e,La,Nd及びGdのうちいずれか1種または2種
以上:0.05〜1.0重量%,Ti,Nb及びMoの
うちいずれか1種または2種以上:0〜2.0重量%,
残部:Feからなる組成が好ましい。
【0031】この発明の場合、まず、複数のFe−Cr
−Al系合金板材とNi−Cr−Al系合金板材とを重
ね合わせて30%以上の圧下で積層圧接する。板材を重
ねて圧延(例えば、冷間圧延)するのである。Fe−C
r−Al系合金板材、Ni−Cr−Al系合金板材とし
ては圧延材を用いることができる。勿論、圧延以外の方
法で板材化したFe−Cr−Al系合金板材やNi−C
r−Al系合金板材を用いてもよい。この発明に用いる
Fe−Cr−Al系合金やNi−Cr−Al合金は室温
伸びが15%以上有り、容易に圧延して薄くすることが
できる。
【0032】Fe−Cr−Al系合金板材とNi−Cr
−Al系合金板材の積層圧接を30%以上(好ましくは
35%以上)の圧下とする(即ち、積層圧延後の厚さが
積層圧接前の厚さの70%未満となるように圧延する)
理由は、30%未満の圧下では十分に圧接されず、後の
拡散処理時に剥離して目的とする合金を得ることが出来
ないためである。
【0033】高温拡散処理の温度は、900〜1300
℃(好ましくは、1000〜1200℃)の範囲であ
る。1300℃を超える温度で加熱すると素材が脆化
し、900℃未満の加熱温度ではアルミナの形成ができ
ないだけでなく、元素同士が十分に相互拡散できない。
処理時間は、1000℃であれば8時間で表面に2μm
程度のアルミナ皮膜が密着良く形成でき、1200℃で
は20分で表面に2μm程度のアルミナ皮膜が密着良く
形成できる。また、処理の雰囲気は、表面にアルミナ皮
膜形成のために酸化性雰囲気、即ち、大気中や酸素雰囲
気が良い。
【0034】本発明で得られる高Al含有Fe−Cr−
Ni−Al系合金板材における含有元素の含有量は、上
記の範囲のものが好ましいものであるが、その理由を下
記に説明する。本発明の合金は、フェライト生成元素で
あるCr及びAlと、オーステナイト生成元素であるN
iを多量に含有したFe基合金である。合金を主として
フェライト相にする理由は、フェライト相の合金は、高
温酸化処理により、緻密で下地との密着性の良いα−ア
ルミナ皮膜を形成しやすいが、オーステナイト相の合金
はアルミナ皮膜が均一に生じず剥離しやすいからであ
る。
【0035】<Cr:20〜40重量%> Crは、合
金表面に緻密で均一なアルミナ皮膜を形成させるために
必要であるが、この発明の合金ではNiを含有するた
め、合金を主としてフェライト相にするためには、Ni
が下限値でAlが上限値の場合でも20重量%以上のC
rが必要である。Niが下限値、Alが上限値付近、C
r量が20重量%未満の合金ではアルミナ皮膜の形成が
不完全である。また、合金中のCr含有量が増加するに
つれて脆化の傾向が強くなり、割れたり折れたりしやす
くなるので、Crの上限は40重量%である。
【0036】<Ni:5〜25重量%> Niは、微細
なNiAl系金属間化合物を合金中に析出させ、母材の
機械的性質(例えば、強度、硬度)を向上させるもの
で、Alとの共存下でこのNiAlを析出させるのに不
可欠の元素である。機械的性質の向上に十分効果的であ
るためには、5重量%以上のNiを必要とする。Ni量
が増加すれば、それに伴ってCr及びAlの含有量を増
加させねばならず、そうすると脆化し易くなるので、N
iの上限値は25重量%である。
【0037】<Al:4〜8重量%> Alは、微細な
NiAlを合金中に析出させ、さらに、高温酸化処理に
より合金表面にアルミナ皮膜を形成させるために不可欠
な元素である。微細なNiAlを合金中に析出させ母材
硬度を向上させるためには4重量%以上のAlを含有す
ることが必要である。Al含有量の増加はNiAlの析
出やアルミナ皮膜形成に有利であるが、8重量%を超え
ると合金の脆化が激しくなるので、Alの上限値は8重
量%である。
【0038】<Zr,Y,Hf,Ce,La,Nd及び
Gdのうちいずれか1種または2種以上:0.05〜
1.0重量%> これらの元素は必要に応じて添加され
るものであり、アルミナ皮膜内に混入して皮膜の脆さを
改善すると共に皮膜直下の合金内に内部酸化粒子として
分散し、皮膜の密着性を著しく向上させる。これらの効
果を発揮させるためには、0.05重量%以上含有させ
ることが好ましい。他方、1重量%を超えて含有すると
合金が脆くなるので、上限は1重量%である。
【0039】<Ti,Nb及びMoのうち1種または2
種以上:0〜2.0重量%> これらの各元素も必要に
応じて添加されるものであり、アルミナ皮膜内に混入し
て皮膜の脆さを改善すると共に皮膜直下の合金内に内部
酸化粒子をとして分散し、皮膜の密着性を著しく向上さ
せるなどの効果がある。ただ、2重量%を超えて含有し
てもその効果は飽和するために、上限は2重量%に抑え
るようにする。
【0040】<Fe:残部> 以上の成分の他をFeが
占める。ただし、残部が完全にFeである場合に限定さ
れず、不可避的に不純物としてFeに存在するもの(S
i,Mn,P,S等)があってもよい。本発明で得られ
たアルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−Ni
−Al系合金板材の用途としては、耐摩耗性や耐食性が
要求される刃物、特に電気かみそりの内刃や外刃、バリ
カン刃が主なものとして挙げられるが、これらに限らな
いことは言うまでもない。
【0041】
【作用】本発明では、加工性の良いAl含有量の少ない
Fe−Cr−Ni−Al系合金板材、Fe−Cr−Al
系合金板材、Ni−Cr−Al系合金板材、Ni板材、
Al板材を用い、加工性の良好な前段階で薄板化(圧
延)を終了させ、後段階で熱処理によりFe,Cr,N
i,Alの元素の均一拡散及び表面アルミナ形成を行う
ものであって、Alを始めから溶解した硬くかつ脆い高
Al含有Fe−Cr−Ni−Al系合金を圧延するもの
でないため、割れが発生せず、歩留まり良く容易に製造
が行えて生産性は良好である。
【0042】原材料は板材であるために薄いものを得や
すいという点では、電気かみそりの内刃や外刃、バリカ
ン刃に適した、表面にアルミナを形成した高硬度・高強
度Fe−Cr−Ni−Al系合金板材の製造に好適であ
ると言える。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。本発明
は、下記の実施例に限らないことは言うまでもない。 (実施例1〜6)実施例1〜6は下記の組成の合金1,
2のインゴットを得てから加工してFe−Cr−Ni−
Al系合金圧延板を用意した。 <合金1> Cr:30.5重量%,Ni:16.3重
量%,Al:2.0重量%,Zr:0.2重量%,Y:
0.5重量%,残部:Fe <合金2> Cr:34.8重量%,Ni:22.5重
量%,Al:3.0重量%,Zr:0.3重量%,T
i:0.5重量%,残部:Fe 上記組成の合金1,2をそれぞれ高周波誘導真空溶解炉
で溶製した。原料は、99.9%以上の純度を有する電
解鉄、電解クロム、及びNiペレットをアルミナ坩堝に
入れて、7×10-4Torr以上の高い真空中で溶解
し、その溶融液中にTiないし95%以上の純度のYや
Zrを同じ真空中で添加してから、同じ真空中で炉内に
設置した銅製鋳型に鋳込んで合金1,2のインゴットを
得た。インゴットの重さは5kgであった。
【0044】得られた各インゴットを、熱間鍛造と熱間
圧延により厚さ約2mmの板にそれぞれ圧下した後、機
械研削により表面スケールを除去し、900℃での中間
焼鈍を施した後、冷間圧延により厚さ0.2〜0.8m
mのFe−Cr−Ni−Al系合金圧延板材を得た。一
方、Al板材として、市販の高純度Al板材を冷間圧延
で0.04mmの厚さとしたものを準備した。
【0045】このようにして得たFe−Cr−Ni−A
l系合金圧延板とAl板材とを、表1に示す枚数使って
重ね合わせて圧下率が35〜50%の冷間圧延をして積
層圧接し、550〜620℃で5時間の間大気中で加熱
処理した後、引き続き950〜1250℃の高温加熱処
理をした。以上のようにして得られた合金板材のアルミ
ナ形成の有無及び母材硬度(マイクロビッカース硬度:
Hv)の測定結果を表1に併記した。
【0046】(比較例1〜2)比較のために、実施例1
と実施例6の合金圧延板をほぼ同じ組成の合金のインゴ
ットを作成し、熱間圧延、温間圧延して得られた合金圧
延板を、大気中で実施例と同じ温度に加熱保持した後の
母材硬度(マイクロビッカース硬度:Hv)の測定結果
を表1に併記した。
【0047】(比較例3〜6)比較のために、積層圧接
の圧下率が30%未満の場合で、積層圧接後のAl層の
合金化のための加熱処理温度がAlの融点を超えた場合
で、引き続く高温処理温度が適性でない場合の結果を表
1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】(実施例7〜9)実施例7〜9は、下記の
組成の合金3.4のインゴットを得てから加工したそれ
ぞれのFe−Cr−Al系合金圧延板及びNi−Cr−
Al系合金圧延板を用意した。 <合金3> Cr:22.2重量%,Al:5重量%,
Zr:0.4重量%,Y:0.5重量%,残部:Fe <合金4> Cr:20.0重量%,Al:3重量%,
Zr:0.3重量%,残部:Ni 上記組成の合金3,4をそれぞれ高周波誘導真空溶解炉
で溶製した。原料は、99.9%以上の純度を有する電
解鉄、電解クロム、及びNiペレットをアルミナ坩堝に
入れて、7×10-4Torr以上の高い真空中で溶解
し、その溶融液中にTiないし95%以上の純度のYや
Zrを同じ真空中で添加してから、同じ真空中で炉内に
設置した銅製鋳型に鋳込んで合金3,4のインゴットを
得た。インゴットの重さは5kgであった。
【0050】得られた各インゴットを、熱間鍛造と熱間
圧延により厚さ約2mmの板にそれぞれ圧下した後、機
械研削により表面スケールを除去し、900℃での中間
焼鈍を施した後、冷間圧延により厚さ0.1〜0.8m
mのFe−Cr−Al系合金圧延板及びNi−Cr−A
l系合金圧延板を得た。一方、Al板材として、市販の
高純度Al板材を冷間圧延で0.03〜0.04mmの
厚さとしたものを準備した。
【0051】このようにして得たFe−Cr−Al系合
金圧延板とNi−Cr−Al系合金圧延板とAl板材と
を、表2に示す枚数使って重ね合わせて圧下率が35〜
50%の冷間圧延をして積層圧接し、550〜600℃
で7時間の間大気中で加熱処理した後、引き続き100
0〜1150℃の高温加熱処理をした。以上のようにし
て得られた合金板材のアルミナ形成の有無及び母材硬度
(マイクロビッカース硬度:Hv)の測定結果を表2に
併記した。
【0052】(比較例7)比較のために、実施例7の合
金圧延板と略同じ組成の合金のインゴットを作成し、熱
間圧延、温間圧延して得られた合金圧延板を、大気中で
実施例を同じ温度に加熱保持した後の母材硬度(マイク
ロビッカース硬度:Hv)を測定した(表2)。
【0053】(比較例8〜9)比較のために、積層圧接
の圧下率が30%未満の場合で、積層圧接後のAl層の
合金化のための加熱処理に引き続く高温処理温度が適性
でない場合の結果を表2に示した。
【0054】
【表2】
【0055】(実施例10〜15)実施例10〜15
は、下記の組成の合金5及び合金6のインゴットを得て
からそれぞれ加工したFe−Cr−Al系合金圧延板を
用意した。 <合金5> Cr:24.0重量%,Al:4重量%,
Zr:0.4重量%,Y:0.5重量%,残部:Fe <合金6> Cr:30.0重量%,Al:3重量%,
Zr:0.3重量%,Y:0.8重量%,残部:Fe 上記組成の合金5,6をそれぞれ高周波誘導真空溶解炉
で溶製した。原料は、99.9%以上の純度を有する電
解鉄、電解クロムをアルミナ坩堝に入れて、5×10-4
Torr以上の高い真空中で溶解し、その溶融液中に9
5%以上の純度のYやZrを同じ真空中で添加してか
ら、同じ真空中で炉内に設置した銅製鋳型に鋳込んで合
金5,6のインゴットを得た。インゴットの重さは5k
gであった。
【0056】得られた各インゴットを、熱間鍛造と熱間
圧延により厚さ約2mmの板にそれぞれ圧下した後、機
械研削により表面スケールを除去し、900℃での中間
焼鈍を施した後、冷間圧延により厚さ0.5〜0.6m
mのFe−Cr−Al系合金圧延板を得た。一方、Al
板材として、市販の高純度Al板材を冷間圧延で0.0
4mmの厚さとしたものを準備した。またNi板材とし
て、電解Ni板を800℃の熱間圧延で約2mmの厚さ
とし、引き続き冷間圧延により厚さが0.1mmのNi
圧延板材を準備した。
【0057】このようにして得たFe−Cr−Al系合
金圧延板とNi圧延板材とAl板材とを、表3に示す枚
数使って重ね合わせて圧下率が35〜50%の冷間圧延
して積層圧接し、550〜620℃で5時間の間大気中
で加熱処理した後、引き続き950〜1250℃の高温
加熱処理をした。以上のようにして得られた合金板材の
アルミナ形成の有無及び母材硬度(マイクロビッカース
硬度:Hv)の測定結果を表3に併記した。
【0058】(比較例10〜11)比較のために、実施
例10及び実施例13の合金板材とほぼ同じ組成の合金
のインゴットを作成し、熱間圧延、温間圧延して得られ
た合金圧延板を、大気中で実施例と同じ温度に加熱保持
した後の母材硬度(マイクロビッカース硬度:Hv)の
測定した(表3)。
【0059】(比較例12〜15)比較のために、積層
圧接の圧下率が30%未満の場合で、積層圧接後のAl
層の合金化のための加熱処理温度がAlの融点を超えた
場合で、引き続く高温処理温度が適性でない場合の結果
を表3に示した。
【0060】
【表3】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】(実施例18〜19)実施例18〜19
は、下記の組成の合金8,9のインゴットを得てから加
工したそれぞれのFe−Cr−Al系合金圧延板及びN
i−Cr−Al系合金圧延板を用意した。 <合金8> Cr:25.0重量%,Al:7.4重量
%,Zr:0.4重量%,Nb:0.5重量%,残部:
Fe <合金9> Cr:30.0重量%,Al:3.0重量
%,Zr:0.3重量%,残部:Ni 上記組成の合金8,9をそれぞれ高周波誘導真空溶解炉
で溶製した。原料は、99.9%以上の純度を有する電
解鉄、電解クロム、及びNiベレットをアルミナ坩堝に
入れて、5×10-4Torr以上の高い真空中で溶解
し、その溶融液中にNbないし95%以上の純度のZr
を同じ真空中で添加してから、同じ真空中で炉内に設置
した銅製鋳型に鋳込んで合金8,9のインゴットを得
た。インゴットの重さは5kgであった。
【0068】得られた各インゴットを、熱間鍛造と熱間
圧延により厚さ約2mmの板にそれぞれ圧下した後、機
械研削により表面スケールを除去し、900℃での中間
焼鈍を施した後、冷間圧延により厚さ0.1〜0.4m
mのFe−Cr−Al系合金圧延板及びNi−Cr−A
l系合金圧延板を得た。このようにして得たFe−Cr
−Al系合金圧延板とNi−Cr−Al系合金圧延板
を、表4に示す枚数使って重ね合わせて圧下率が40〜
50%の冷間圧延して積層圧接し、1150〜1250
℃の高温加熱処理をした。以上のようにして得られた合
金板材のアルミナ形成の有無及び母材硬度(マイクロビ
ッカース硬度:Hv)の測定結果を表4に併記した。
【0069】(比較例18) 比較のために、実施例18の合金板をほぼ同じ組成の合
金のインゴットを作成し、熱間圧延、温間圧延して得ら
れた合金圧延板を、大気中で実施例と同じ温度に加熱保
持した後の母材硬度(マイクロビッカース硬度:Hv)
の測定した(表4)。
【0070】(比較例19) 比較のために、積層圧接後の高温拡散処理温度が適性で
ない場合の結果を表4に示した。
【0071】
【表4】
【0072】
【発明の効果】本発明では、加工性の良い板材を原材料
として用い、加工性の良好な前段階で薄板化(圧延)を
終了させ、後段階で熱処理により元素の均一拡散及び表
面アルミナ形成をさせており、Alを始めから溶解した
硬く且つ脆い高Al含有Fe−Cr−Ni−Al系合金
を圧延するものではないため、割れが発生せず、歩留ま
り良く、容易に製造が行え、生産性は良好である。従っ
てこの発明は非常に有用と言うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−263215(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 10/02,10/28 B23K 20/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe−Cr−Ni−Al系合金板材の両
    面にAl板材を重ね合わせて30%以上の圧下で積層圧
    延接合した板材を、Alの融点未満の温度に加熱して合
    金層を形成した後、引き続き酸化性雰囲気中で900〜
    1300℃の温度範囲に加熱して、表面にアルミナ皮膜
    を形成すると同時にAlを拡散させて高Al含有のFe
    −Cr−Ni−Al系合金板材を得ることを特徴とする
    アルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−Ni−
    Al系合金板材の製造方法。
  2. 【請求項2】 複数のFe−Cr−Ni−Al系合金板
    材の間にAl板材を挟んで重ね合わせると共にさらにそ
    の両面にAl板材を重ね合わせて30%以上の圧下で積
    層圧延接合した板材を、Alの融点未満の温度に加熱し
    て合金層を形成した後、引き続き酸化性雰囲気中で90
    0〜1300℃の温度範囲に加熱して、表面にアルミナ
    皮膜を形成すると同時にAlを拡散させて高Al含有の
    Fe−Cr−Ni−Al系合金板材を得ることを特徴と
    するアルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−N
    i−Al系合金板材の製造方法。
  3. 【請求項3】 複数のFe−Cr−Ni−Al系合金板
    材の間にAl板材を挟んで重ね合わせて30%以上の圧
    下で積層圧延接合した板材を、Alの融点未満の温度に
    加熱して合金層を形成した後、引き続き酸化性雰囲気中
    で900〜1300℃の温度範囲に加熱して、Alを拡
    散させた高Al含有のFe−Cr−Ni−Al系合金板
    材を得ると同時に表面にアルミナ皮膜を形成することを
    特徴とするアルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−C
    r−Ni−Al系合金板材の製造方法。
  4. 【請求項4】 Fe−Cr−Al系合金板材とNi−C
    r−Al系合金板材を2層あるいは3層以上重ね合わせ
    ると共にさらにその両面にAl板材を重ね合わせて30
    %以上の圧下で積層圧延接合した板材を、Alの融点未
    満の温度に加熱して合金層を形成した後、引き続き酸化
    性雰囲気中で900〜1300℃の温度範囲に加熱し
    て、表面にアルミナ皮膜を形成すると同時にFe,C
    r,Ni,Alを拡散させて高Al含有のFe−Cr−
    Ni−Al系合金板材を得ることを特徴とするアルミナ
    皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−Ni−Al系合
    金板材の製造方法。
  5. 【請求項5】 Fe−Cr−Al系合金板材とNi−C
    r−Al系合金板材をその間にAl板材を挟みながら3
    層あるいは4層以上重ね合わせると共にさらにその両面
    にAl板材を重ね合わせて30%以上の圧下で積層圧延
    接合した板材を、Alの融点未満の温度に加熱して合金
    層を形成した後、引き続き酸化性雰囲気中で900〜1
    300℃の温度範囲に加熱して、表面にアルミナ皮膜を
    形成すると同時にFe,Cr,Ni,Alを拡散させて
    高Al含有のFe−Cr−Ni−Al系合金板材を得る
    ことを特徴とするアルミナ皮膜を形成した高Al含有F
    e−Cr−Ni−Al系合金板材の製造方法。
  6. 【請求項6】 Fe−Cr−Al系合金板材とNi−C
    r−Al系合金板材をその間にAl板材を挟みながら3
    層あるいは4層以上に重ね合わせて30%以上の圧下で
    積層圧延接合した板材を、Alの融点未満の温度に加熱
    して合金層を形成した後、引き続き酸化性雰囲気中で9
    00〜1300℃の温度範囲に加熱して、Fe,Cr,
    Ni,Alを拡散させた高Al含有のFe−Cr−Ni
    −Al系合金板材を得ると同時に表面にアルミナ皮膜を
    形成することを特徴とするアルミナ皮膜を形成した高A
    l含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板材の製造方法。
  7. 【請求項7】 Fe−Cr−Al系合金板材とNi板材
    を2層あるいは3層以上に重ね合わせると共にその両面
    にAl板材を重ね合わせて30%以上の圧下で積層圧延
    接合した板材を、Alの融点未満の温度に加熱して合金
    層を形成した後、引き続き酸化性雰囲気中で900〜1
    300℃の温度範囲に加熱して、表面にアルミナ皮膜を
    形成すると同時にNi,Alを拡散させて高Al含有の
    Fe−Cr−Ni−Al系合金板材を得ることを特徴と
    するアルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−N
    i−Al系合金板材の製造方法。
  8. 【請求項8】 Fe−Cr−Al系合金板材とNi板材
    をその間にAl板材を挟みながら3層あるいは4層以上
    に重ね合わせると共にその両面にAl板材を重ね合わせ
    て30%以上の圧下で積層圧延接合した板材を、Alの
    融点未満の温度に加熱して合金層を形成した後、引き続
    き酸化性雰囲気中で900〜1300℃の温度範囲に加
    熱して、表面にアルミナ皮膜を形成すると同時にNi,
    Alを拡散させて高Al含有のFe−Cr−Ni−Al
    系合金板材を得ることを特徴とするアルミナ皮膜を形成
    した高Al含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板材の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 Fe−Cr−Al系合金板材とNi板材
    をその間にAl板材を挟みながら3層あるいは4層以上
    に重ね合わて30%以上の圧下で積層圧延接合した板材
    を、Alの融点未満の温度に加熱して合金層を形成した
    後、引き続き酸化性雰囲気中で900〜1300℃の温
    度範囲に加熱して、Ni,Alを拡散させた高Al含有
    のFe−Cr−Ni−Al系合金板材を得ると同時に表
    面にアルミナ皮膜を形成することを特徴とするアルミナ
    皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−Ni−Al系合
    金板材の製造方法。
  10. 【請求項10】 Fe−Cr−Al系合金板材とNi−
    Cr−Al系合金板材を2層あるいは3層以上に重ね合
    わて30%以上の圧下で積層圧延接合した板材を、酸化
    性雰囲気中で900〜1300℃の温度範囲に加熱し
    て、Fe,Cr,Ni,Alを拡散させて高Al含有の
    Fe−Cr−Ni−Al系合金板材を得る同時に表面に
    アルミナ皮膜を形成することを特徴とするアルミナ皮膜
    を形成した高Al含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板
    材の製造方法。
JP12180595A 1995-05-19 1995-05-19 アルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板材の製造方法 Expired - Fee Related JP3377332B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12180595A JP3377332B2 (ja) 1995-05-19 1995-05-19 アルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12180595A JP3377332B2 (ja) 1995-05-19 1995-05-19 アルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08319556A JPH08319556A (ja) 1996-12-03
JP3377332B2 true JP3377332B2 (ja) 2003-02-17

Family

ID=14820371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12180595A Expired - Fee Related JP3377332B2 (ja) 1995-05-19 1995-05-19 アルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3377332B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2883007B1 (fr) * 2005-03-11 2007-04-20 Usinor Sa Procede de fabrication d'une piece d'acier revetu presentant une tres haute resistance apres traitement thermique

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08319556A (ja) 1996-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101765729B1 (ko) 금속 호일의 제조 방법
JPH10251750A (ja) 自動車排気管の触媒担体として使用可能なアルミニウム含有率の高いフェライトステンレス鋼フォイルの製造方法
KR101804132B1 (ko) 금속 필름의 제조 방법
US11767573B2 (en) Ferritic stainless steel sheet and method of producing same, and al or al alloy coated stainless steel sheet
JPS63266044A (ja) 触媒担体用高Al圧延金属箔
JPH10211505A (ja) 触媒コンバータ、そこに使用する箔材及び該箔材の製造方法
JP3885108B2 (ja) 寸法安定な鉄−クロム−アルミニウム−シートの製造及びその使用
KR102177521B1 (ko) 페라이트계 스테인리스 강판
JPH0726192B2 (ja) 高Al含有ステンレス鋼板の製造法
JP3377332B2 (ja) アルミナ皮膜を形成した高Al含有Fe−Cr−Ni−Al系合金板材の製造方法
JP2003515457A (ja) 良好な耐高温酸化性を有する耐熱合金の製造方法
JP2796732B2 (ja) 高A▲l▼含有フエライト系ステンレス鋼板またはその成形品の製造法
JP2637250B2 (ja) Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金
JP6791458B1 (ja) フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法、ならびに、Al蒸着層付きステンレス鋼板
JP3705391B2 (ja) 熱延板の低温靱性に優れたNb含有フェライト系ステンレス鋼
CN112025215A (zh) 一种炊具用三层复合铝板的生产工艺
JPH06277707A (ja) Al含有フェライト合金圧延材の製造方法
JP3017236B2 (ja) 磁気特性の優れたFe―Al合金軟磁性薄板の製造方法
WO1993018196A1 (en) Fe-Cr-Al ALLOY STEEL SHEET AND PRODUCTION THEREOF
JP2649590B2 (ja) Fe―Al合金薄板の製造法
JP3456876B2 (ja) チタン系金属クラッド鋼およびその製造法
JP6954508B1 (ja) Alコーティング層付きステンレス鋼板
JPH0739627B2 (ja) 高Al含有ステンレス鋼板の製造法
JPH0236669B2 (ja)
JPH0569161A (ja) 複合金属板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021119

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071206

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081206

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081206

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091206

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091206

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101206

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111206

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees