JPH02127102A - レーシング用タイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、パターン溝に起因するトレッド剛性の低下を
抑制でき、高速走行性能を向上しうるレーシング用タイ
ヤに関する。

〔従来の技術〕

走行速度が３００ｋｍ／ｈにもおよぶＦｌ、Ｆ３０００
等の自動車レースに用いられるレイン用タイヤにあって
は、通常、トレッドゴムを例えば硬度が６０度程度の軟
質ゴムによって形成すること゛によりグリップ性能を高
めたタイヤのトレッド面に、排水用のパターン溝を雨量
に応じた溝深さで形成したものが用いられている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしこのようなレイン用タイヤは、従来、トレッドゴ
ムが一層の軟質ゴムで構成されるため、パターン溝の形
成、特にリグルーピングによる溝深さの増加に伴いパタ
ーン剛性が著しく低下し、その結果、コーナーリング特
性等高速操縦安定性を損ねる他、パターンつぶれに起因
した排水能力の低下を招くなど高速走行性能を大巾に減
じ、ラップタイムの悪化を招来する。しかもレイン用タ
イヤは、溝底強度を維持すべく、トレッドゴムのゲージ
厚さを増加させる必要があり、前記パターン剛性の低下
はより顕著となる。

本発明は、トレッドゴムを高硬度のベースゴム層と低硬
度のキャップゴム層との二層構造とすることを基本とし
て、グリップ性能を損ねることなくパターン溝の形成に
伴うパターン剛性の低下を抑制でき、前記課題を解決し
うるレーシング用タイヤの提供を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するために本発明のレーシング用タイヤ
は、ベルト層のタイヤ半径方向外側に配するトレッドゴ
ムを、ＪＩＳＡ硬度が５０度をこえかつ８０度未満のゴ
ムからなるベースゴム層と、ＪＩＳＡ硬度が３０度をこ
えかつ６０度未満しかも前記ベースゴム層よりも軟質の
ゴムからなりかつ前記ベースゴム層の半径方向外側に配
されることにより外側面がトレッド面をなすキャップゴ
ム層との二層構造体により形成するとともに、トレッド
面にパターン溝を設ける一方、タイヤ赤道における前記
キャップゴム層の厚さａと、前記トレッドゴムの厚さｂ
との比ａ　／　ｂが０．１をこえかつ０．５未満である
。

又前記パターン溝は、加硫成形後のグルーピングによっ
て形成することができ、その溝深さｈは前記厚さａより
大きい場合に効果を十分発揮しうる。

〔作用〕

このようにトレッドゴムを二層構造とするレーシング用
タイヤは、軟質のゴムからなるキャップ層によって路面
とのグリップ性を維持するとともに、硬質のベースゴム
層によってパターン溝の形成に伴うパターン剛性の低下
を抑制でき、高速走行性能を高め、ラップタイムの向上
を計りうる。

〔実施例〕

以下本発明の一実施例を図面に基づき説明する。

図において、レーシング用タイヤ１は、カーカス３と、
金属ワイヤからなる一対のビードコア４．４を有するビ
ード部５．５と、カーカス３の半径方向外方に配した環
状のトレッド６と、前記ビード部５とトレッド６両側と
を継ぐサイドウオール７．７とを有し、カーカス３のタ
イヤ半径方向外方にはベルト層９を設けるとともに、ビ
ード部５には、ビードコア４からタイヤ半径方向外方に
先細状にのびるビードエーペックス１０が配置される。

前記カーカス３は、本例では、例えばナイロン、ポリエ
ステル、芳香族ポリアミド等の有機繊維コードをタイヤ
円周方向に対して７５〜９０度の角度で配列した少なく
とも１プライのコード層からなり、該カーカス３は、サ
イドウオール７、トレッド６を這りビード部５のビード
コア４で巻返されることにより、本体部３Ａと巻返し部
３Ｂとを形成し、又本体部３Ａ１！−巻返し部３Ｂとの
間には前記ビードエーペックス１Ｇが配置される。なお
前記巻返し部３Ｂの先端３Ｂ１は、サイドウオール７の
最大中位１ｆＰをこえた上方で終端し、このことにより
ビードエーペックス１０とともにタイヤ横剛性を大巾に
向上する。ビードエーペックスｌＯはＪＩＳＡ硬度が６
５〜９０度程度の程度ゴムからなる断面三角形状をなし
、本例では前記ビードコア４を含んでその周囲を囲む例
えば芳香族ポリアミド繊維コード等からなる第１のビー
ドフィラＩｌａと、その外側面に沿いかつ上端が前記タ
イヤ最大巾位置Ｐをこえてのびる金属コード等からなる
第２のビードフィラｌｌｂとにより補強される。

さらにと−ド部５には、その底面及び側面を囲むことに
より該ビード部５を補強するチエ−ファー１２が設けら
れ、その両端はリムフランジをこえた上方位置で終端し
ている。

又ベルト層９は、本例ではカーカス３側に位置する内側
プライ９ａとその外側の外側プライ９ｂとからなる二層
構造をなし、カーカス３のクラウン輪郭と略平行にかつ
トレッド巾の０．７５以上の巾寸法で配されることによ
りトレッド６のタガ効果をほぼ命中に亘り高めている。

又内側ブライ９ａは、本例ではフォールドブライであり
、その両端の折返し部９ａｌによって前記外側ブライ９
ｂのカット端を被覆することによりベルト層９端部で生
じるゴムとの剥離を防止し、高速耐久性を向上する。な
お各ブライ９ａ、９ｂは夫々平行かつ周方向に対して例
えば１７〜２５度の角度で傾斜するベルトコードにより
形成され、又ベルトコードとしては、初期引張弾性率が
２５００ｋｇ／Ｃｍ”程度もしくはそれ以上の高モジユ
ラスコード、例えば芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊
維等の有機繊維コード及び金属繊維、グラスファイバー
等の無機繊維コードなどが好適である。

なお要求に応じてベルト層９はブライ９ａのコードとブ
ライ９ｂのコードとを異種の材質としてもよく、又ベル
ト層９の端部にはカーカス３との間に軟質なプレーカク
シシッン１３を介在させている。

又このようなベルト層９のタイヤ半径方向外側に設けら
れ前記トレッド６を形成するトレッドゴム１５は、トレ
ッド６の命中に亘り配置されるベースゴム！１５Ｂと、
その半径方向外側に配されることにより外側面がトレッ
ド面Ｓをなすキャップゴム層１５Ａとの二層構造体がら
なり、又前記トレッド面Ｓには例えば円周方向に沿いか
っ溝底１７ａが前記ベースゴム層１５Ｂに至る複数本の
縦溝１６−・からなる排水用のパターン溝１７が加硫成
形後のグルーピングによって凹設される。

前記ベースゴムＪｉＪ１５Ｂには、常温時におけるＪｒ
ＳＡ硬度ＨＢが５０度をこえかつ８０度未満の硬質のゴ
ムが用いられ、トレッド下層の剛性及び溝底１７ａ周囲
の強度を高めることによりパターン溝１７形成に伴うパ
ターン剛性低下を抑制でき、高速操縦安定性、排水能力
等を向上するとともにタイヤ転がり抵抗を減じうる。又
さらに正接損失ｔａｎδが０．２〜０．４程度のゴムを
用いることによりトレッドのくり返し変形に伴うゴム発
熱を抑制でき、高速耐久性の向上にも役立つ、ここで正
接損失ｔａｎ　δは、粘弾性スペクトロメーターを用い
て温度７０℃、周波数１０Ｈｚ、動歪２％において測定
した値である。

なおベースゴム層１５Ｂとしては、例えば２３゜５重量
％以上の結合スチレンを有するスチレンブタジェンゴム
重合体１００共重量部に対して、ヨウ素吸着量が８０ｍ
ｇ／ｇ　　以上のカーボンブラックを７０〜１００重量
部配合し、７０℃における硬度が３０〜５５度、同温度
における正接損失ｔａｎδが０．２５〜０．３５とした
硬質のゴムが特に好適に採用できる。

又キャップゴム層１５Ａには、常温におけるＪＩＳＡ硬
度ＨＡが３０度をこえかつ６０度未満しかも前記ベース
ゴム層１５Ｂより軟質のゴムが用いられ、このことによ
り路面との摩擦力を増大し、グリップ性能を向上する。

又さらにキャップゴム層１５Ａとして、正接損失ｔａｎ
δが前記ベースゴム層１５Ｂよりも大きい例えば０．２
〜０．５５程度のゴムを用いることによりエンベロープ
効果を高めることができ、路面追従性を増しグリップ性
能をより向上するとともに、タイヤ振動の発生を防止し
操縦安定性をより高めうる。

又キャップゴム層としては、例えば３０重量％以上の結
合スチレンを有するスチレンブタジェンゴム共重合体１
００重量部に対して、ヨウ素吸着量が１４０〜２５０ｍ
ｇ／ｇ以上のカーボンブラックを１００〜１６０重量部
配合し、７０°Ｃにおける硬度が２５〜５０度、しかも
同温度における正接損失が０．２５〜０．５０とした軟
質のゴムが特に好適に採用できる。

なお前記ベースゴム層１５Ｂの硬度ＨＢが５０度以下及
びキャップゴム層１５Ａの硬度ＨＡが３０度以下の場合
パターン剛性が低下し操縦安定性を損ねるとともにキャ
ップゴム層１５Ａにおいては摩耗量の増加を招きタイヤ
寿命を減じる。

又硬度ＨＢが８０度以上及び硬度ＨＡが６０度以上の場
合、パターン剛性を過度に高めグリップ性の低下を招く
。

又このようなトレッドゴムにあっては、タイヤ赤道にお
ける前記キャップゴム層１５Ａの厚さａと、トレッドゴ
ム全体の厚さｂとの比ａ　／　ｂが０゜１をこえかつ０
．５未満であることが必要であり、ａ　／　ｂが０．１
以下の場合グリップ性が低下し又０゜５以上ではパター
ン剛性の低下抑制効果に劣る。

さらにこの二層構造体は、パターン溝１７の溝深さｈが
前記厚さａをこえる場合により大きな効果を発揮できる
。

なお本実施例におていキャップゴム層１５Ａをタイヤ赤
道を挟んでトレッド中央に位置するクラウン部分と、そ
の両側のショルダ部分とに区分し、前記条件範囲内にお
いて、ショルダ部分におけるゴム硬度をクラウン部分に
おけるゴム硬度に比して大とする他、キャップゴム層１
５Ａの厚さをショルダ部分に向けて漸減させることもで
きる。

これは、タイヤシ四ルダ部は、通常、接地圧が大であり
、制御特性に寄与する比率が大であるため、前記のごと
く構成することによりタイヤシッルダ部の剛性を高める
ことができ、コーナーリング性能を向上し操縦安定性を
高める。

〔具体例〕

第１図に示す構造をなしかつベースゴム層のゴム硬度が
６０°、キャップゴム層のゴム硬度が４５°しかも比ａ
　／　ｂが０．３であるタイヤを試作し、パターン溝深
さによる高速走行性能の変化を実車走行における走行ラ
ップタイムにより比較しその結果を第２図に示す、なお
比較例品として一層の軟質のトレッドゴムからなる従来
タイヤを用い、溝深さは夫々リグルーピングにより変化
させている。

ｌ）、走行条件 走行コース；富士スピードウェイ 走行環境；気温−・−・１１℃、路面温度・−・１３℃
、天候　　　　　・−・雨 車両：Ｆ３０００レース用高速車 ２）、タイヤサイズ； 前輪・−２２０／６ＱＯＲ１３、後輪・−・３２５／６
２０ｆ？１３第２図において、比較例品が深さの増加に
伴いパターン剛性が低下しラップタイムが悪化するのに
対し、実例例品にはラップタイムの悪化が見られないの
がわかる。

〔発明の効果〕

畝上のごとく本発明のタイヤは、ベルト層の半径方向外
側に設けるトレッドゴムのベースゴム層によって、パタ
ーン溝の形成、特に加硫成形後のグルーピングによる溝
深さの増加に伴うパターン剛性の低下を抑制することが
でき、高速操縦安定性及び排水効果等を向上しうる。又
トレッドゴムのキャップゴム層によって路面グリップ性
能を維持でき、前記操縦安定性の向上等と相俟って高速
走行性能を高めラップタイムを向上しうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２図はその
効果を説明するグラフである。 ９・−・−・ベルトＩＩ、１５−・・・トレッドゴム、
１５Ａ・・−・キャップゴム層、 １５　Ｂ−・ベースゴム層、　　１７・・・−・パター
ン溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　ベルト層のタイヤ半径方向外側に配するトレッドゴ
   ムを、ＪＩＳＡ硬度が５０度をこえかつ８０度未満のゴ
   ムからなるベースゴム層と、ＪＩＳＡ硬度が３０度をこ
   えかつ６０度未満しかも前記ベースゴム層よりも軟質の
   ゴムからなりかつ前記ベースゴム層の半径方向外側に配
   されることにより外側面がトレッド面をなすキャップゴ
   ム層との二層構造体により形成するとともに、トレッド
   面にパターン溝を設ける一方、タイヤ赤道における前記
   キャップゴム層の厚さａと、前記トレッドゴムの厚さｂ
   との比ａ／ｂが０．１をこえかつ０．５未満であるレー
   シング用タイヤ。 ２　前記パターン溝は、加硫成形後のグルーピングによ
   って形成されたことを特徴とする請求項１記載のレーシ
   ング用タイヤ。 ３　前記パターン溝は、溝深さｈが前記厚さａより大き
   いことを特徴とする請求項１又は２記載のレーシング用
   タイヤ。