JPH0212183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、主として携帯用や贈答用とし用いら
れる包装箱の下げ手の改良に関するものである。

［従来の技術］ 従来、携帯用、贈答用の包装箱の形態として
は、板紙や合成樹脂シートを折曲形成すると共
に、包装箱の正面が背面、若しくは、蓋面や両側
面に立する手下片を連設して下げ手を形成し、携
帯に供する構造になつているものが多く、携帯機
能のみを有しているものがその殆どであつた。

［考案が解決使用とする課題］ しかしながら、包装箱のストツクに際しては、
下げ手が蓋面に対して立設している為、水平に積
重する事が不可能で極めて不便であり、しかも、
包装箱を多数特定場所へ収容する場合は、収容空
間をより広く必要とするから、非常に無駄が多く
不合理なものであつた。

更に、下げ手の形状も構造上、意匠的に、新味
に乏しく、使用者の多様な嗜好に答えるには不充
分であつた。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、前記欠点を解消すべく改良されたも
ので、各々の把持部に切欠部を形設して腕部が摺
動可能にし、該切欠部と接する先端側の前記把持
部には該把持部を二分するように切離部を形設
し、前記腕部の側辺の延長線上に、前記切欠部へ
至る折曲部を形設した二枚の手下片を咬合し包装
箱の蓋面に装架させる事によつて、包装箱を合理
的に積重する事を可能ならしめ、且つ、意匠的に
も優れた、組立容易で便利な包装箱の下げ手を提
供するものである。

［作用］ 本考案は、以上の如く構成したので、まず折曲
部に沿つて把持部を下方に折曲させた一方の手下
片の腕部上へ、折曲部に沿つて把持部を上方に折
曲させた他方の手下片の腕部を重ね合わせ、次い
で二枚の手下片が互いに他方の腕部を把持しなが
ら切欠部と切離部で咬合した形態で、蓋面上へ下
げ手を形成し装架させる。

把持部を軽く上方へ引き上げれば、腕部が互い
に摺動し合つて撓曲していくので把持するのに都
合が良く、また撓曲状態の把持部を上方より軽く
圧接すれば、蓋面上に平坦な面を形成し、積重可
能となる。

［実施例］ 以下、本考案の構造を一実施例を示す図面に基
づいて説明すると、１ａ，１ｂは手下片で、該手
下片１ａ，１ｂに於て、２ａ，２ｂは把持部、３
ａ，３ｂは腕部、４ａ，４ｂは肩部である。前記
把持部２ａ，２ｂには、前記腕部３ａ，３ｂの幅
とほぼ同程度の長さの切欠部５ａ，５ｂを形設し
て前記腕部３ｂ，３ａが摺動可能にし、該切欠部
５ａ，５ｂと接する先端部の前記把持部２ａ，２
ｂには該把持部２ａ，２ｂを二分するように切離
部６ａ，６ｂを形設し、更に前記腕部３ａ，３ｂ
の側辺７ａ，７ｂの延長線上に、前記切欠部５
ａ，５ｂへ至る折曲部８ａ，８ｂを形設する。前
記切欠部５ａ，５ｂや前記切離部６ａ，６ｂ、及
び前記折曲部８ａ，８ｂの配設備位置や長さは、
咬合させる前記把持部２ａ，２ｂ、及び前記腕部
３ａ，３ｂの形状により適宜選定すれば良い。前
記手下片１ａ，１ｂは、其々包装箱９の左側面１
０ａ、右側面１０ｂに前記肩部４ａ，４ｂを接着
等の方法により接合させるが、前記左右両側面１
０ａ，１０ｂの上辺１１ａ，１１ｂに予め前記肩
部４ａ，４ｂを一体に連設しても良く、特にその
連設方法の如何を問わない。尚、前記手下片１
ａ，１ｂ、及び前記包装箱９の材質としては、板
紙や塩化ビニール等の合成樹脂シートなどで成形
するのが適しているが、特に限定するものではな
い。

前記包装箱９の組立は、第３図に示す如く型抜
きしたシートを、一点鎖線で示した折曲線に沿つ
て折曲形成すれば良い。更に、前記手下片１ａ，
１ｂの咬合方法は、例えば第４図ａに示す如く、
一方の手下片１ｂの把持部２ｂを折曲部８ｂに沿
つて下方に折曲させた後、前記手下片１ｂの腕部
３ｂ上へ、折曲部８ａに沿つて把持部２ａを上方
に折曲した他方の手下片１ａの腕部３ａを重ね合
わせる。次いで、第４図ｂに示す如く、前記把持
部２ａ，２ｂは平面的に復元するが、その際、把
持部２ａの切離部６ａは手下片１ｂの腕部３ｂ下
へ潜入させ、把持部２ｂの切離部６ｂは手下片１
ａの腕部３ａ上へ載置させれば、手下片１ａ，１
ｂが互いに相手の腕部３ｂ，３ａを把持しながら
咬合した形態で、前記蓋面１２上へ下げ手１３を
形成し装架する事ができる。尚、咬合時に於ける
前記手下片１ａ，１ｂの重合する上下関係は特に
限定するものではなく、第４図ａに示した例と逆
の場合は、前記折曲部８ａ，８ｂに沿つて折曲す
る前記把持部２ａ，２ｂの向きを逆にして同様に
組み立てれば良い。

［考案の効果］ 以上の如く、本考案は、手下片１ａ，１ｂを組
立後、第５図に示す如く、把持部２ａ，２ｂを軽
く上方へ引き上げれば、腕部３ａ，３ｂは、互い
に摺動し合つて撓曲していくので、把持するのに
都合の良い下げ手１３を簡単に形成する事ができ
る。

しかも、二枚の手下片が互いに咬合しているの
で、係合強度が大きく、使用中に外れたり、ちぎ
れたりすることもない。

一方、包装箱９の蓋面１２上へ、別の包装箱を
次々に積重する様な際は、撓曲状態の前記下げ手
１３の把持部２ａ，２ｂを上方より前記蓋面１２
へ軽く圧接すれば、手下片１ａ，１ｂが咬合した
状態のまま前記蓋面１２上に平坦な面を形成でき
るので、水平に何段でも積重する事が可能とな
る。更に、無駄な空間を生ずる事なく積重できる
ので、狭い空間内により多くの包装箱９を収容す
る事が可能であり、非常に合理的で経済的である
という利点もある。

また、把持部２ａ，２ｂの形態は、切欠部５
ａ，５ｂ、切離部６ａ，６ｂ、及び折曲部８ａ，
８ｂの配設位置や長さを考慮すれば、意匠的に自
由な形態を案出する事が可能である。例えば、祝
事用の水引や贈答用のリボン等の形をデザインす
る事によつて、印刷と同様な視覚的、装飾的効果
が得られるばかりでなく、直接手に触れたり、撓
曲したりする事で立体的な造形効果をも生み出す
為、包装の目的や内容を伝達する表現手段とし
て、実用上、特に有効である。

然して、組立容易で簡単に持ち運びできるばか
りではなく、丈夫であり、また、合理的に積重す
る事を可能ならしめ、且つ、意匠的にも優れた便
利な包装箱の下げ手を提供する事ができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面の第１図は下げ手を有する従来包装箱の一
例を示す斜視図、第２図は本考案の一実施例を示
す、下げ手組立前の斜視図、第３図は第２図の抜
型を示す展開図、第４図ａ，ｂは下げ手の組立方
法を説明した斜視図、第５図は携帯時に於ける下
げ手形状を説明した説明図である。 １ａ，１ｂ……手下片、２ａ，２ｂ……把持
部、３ａ，３ｂ……腕部、５ａ，５ｂ……切欠
部、６ａ，６ｂ……切離部、７ａ，７ｂ……側
辺、８ａ，８ｂ……折曲部、９……包装箱、１０
ａ……左側面、１０ｂ……右側面、１３……下げ
手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 包装箱９の左右両側面１０ａ，１０ｂに其々形
   設した二枚の手下片１ａ，１ｂの腕部３ｂ，３ａ
   の先端に設けた把持部２ａ，２ｂに切欠部５ａ，
   ５ｂを形設して前記腕部３ａ，３ｂが摺動可能に
   し、該切欠部５ａ，５ｂと接する先端側の前記把
   持部２ａ，２ｂには該把持部２ａ，２ｂを二分す
   るように切離部６ａ，６ｂを形設し、前記腕部３
   ａ，３ｂの側辺７ａ，７ｂの延長線上に、前記切
   欠部５ａ，５ｂへ至る折曲部８ａ，８ｂを形設
   し、前記二枚の手下片１ａ，１ｂを咬合し装架さ
   せて形成した事を特徴とする包装箱の下げ手１
   ３。