JPH0211470Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案が属する技術分野） 本考案は地中壁構築用の溝が垂直に形成される
ように地中壁用掘削機の姿勢を修正する装置に関
するものである。

（考案の課題とその特徴点） 地中壁構築用の溝を掘削する場合には、地中壁
構築予定線上において下端に掘削部を具えた掘削
機本体を作業機からワイヤで吊下げて地中の所定
深度まで掘削する作業を繰り返すのが通例である
が、この掘削作業中に掘削機がその厚さ方向（溝
巾方向）に曲がりだしたら直ちに修正して溝が垂
直に形成されるようにすることが肝要である。

そして、従来はこの場合の修正を、掘削機本体
の厚さ方向の両側（溝壁面に対向する側）に設け
たスタビライザーの一部またはスタビライザーと
別の可動翼を一方の溝壁面に向つて平行に張出し
て押付けることによつて行つていたが、これは壁
面を荒らすだけでなく十分な修正効果が期待でき
ないものであつた。

本考案は、前記実情に鑑み、壁面を殆ど荒らさ
ないで掘削機の姿勢を確実に修正することができ
る新しいタイプの修正装置を提供することを目的
としてなされたものであつて、その構成上の特徴
は、下端に掘削部を具えた掘削機本体の巾方向の
両側に、１対の細長い単位スタビライザーを前記
掘削部の厚さより僅かに小さい間隔で並列させて
一体化した複合スタビライザーをそれぞれ配設し
て、その下端部を掘削機本体に軸着し、また掘削
機本体の中腹部には前記複合スタビライザーを掘
削機本体の厚さ方向に傾動させるための油圧シリ
ンダ装置を設けた点にある。

本考案の修正装置は前記構成から明らかなよう
に、一定巾の１対の複合スタビライザーを付属す
る油圧シリンダ装置の作動でその巾方向（掘削機
では厚さ方向）に傾動させて掘削機の姿勢の修正
を行うものである。

そして、油圧シリンダ装置やこれによつて複合
スタビライザーを動かす部分の機構は、以下説明
する実施例のようにするのが好ましいけれども、
これに限定されるわけではない。

（図面による説明） 図示の一実施例において、１は作業機（図示し
ない）からワイヤ２で吊下げられた地中壁用掘削
機の本体であり、その下端にはバケツト式または
多軸回転式の掘削部３が設けられている。

４は細長い単位スタビライザーであつて、その
１対の掘削部３の厚さｔより僅かに小さい間隔で
並列させ、その上下を連結材５，６で連結するこ
とにより複合スタビライザー７が形成されてい
る。そして、このような複合スタビライザー７の
１対が、本体１の巾方向（Ａ−Ａ方向）の両側に
配設され、下部の連結材６を本体１に突設した下
部ブラケツト８上にピン９で軸支することによ
り、本体１に取付けられている。

複合スタビライザー７の上部はフリーであつ
て、上部の連結材５は本体１に突設した上部ブラ
ケツト１０上の案内板１１，１１′に案内されて
本体１の厚さ方向（Ｂ−Ｂ方向）に動くようにな
つている。

複合スタビライザー７の相対向する単位スタビ
ライザー４，４の上部内面には同じ方向に傾斜し
た傾斜板１２，１２′が取付けられており、また
油圧シリンダ装置１３の作動で本体１に沿つて上
下動する作動杆１４の両端には傾斜板１２，１
２′に滑動自在に係合するスライド板１５，１
５′が固着されている。

油圧シリンダ装置１３は１対の複動シリンダを
背中合わせに合体したもので、上方のシリンダの
ピストンロツド１６の先端は作動杆１４に連結さ
れ、また下方のシリンダのピストンロツド１７の
先端は本体１に突設した中間ブラケツト１８上に
支持されている。

そして、ピストンロツド１６が伸び、ピストン
ロツド１７が縮んだ第３図の状態が油圧シリンダ
装置１３の中立状態であつて、この状態では複合
スタビライザー７は本体１に対して真直ぐであ
り、この中立状態からピストンロツド１６を縮め
て第４図の状態にすると、作動杆１４が下方に動
いて、傾斜板１２，１２′とスライド板１５，１
５′の係合関係により、複合スタビライザー７は
一側方（図では左方）に傾き、また中立状態から
ピストンロツド１７を伸ばして第５図の状態にす
ると、作動杆１４が上方に動いて、複合スタビラ
イザー７は反対方向（図では右方）に傾く。

油圧シリンダ装置１３の作動は本体１に取付け
た油タンク１９と油圧ユニツト２０から送られる
作動油によつてなされ、また油圧ユニツト１９に
おける油圧ポンプを作動させるモータの電流は電
線２１で送られる。

掘削作業中（なお、掘削は溝内に泥水２２を満
たした状態でなされる）、本体１の姿勢を本体１
に取付けた傾斜計２３により確認し、本体１が溝
の一側方に曲がりだしたら直ちに複合スタビライ
ザー７，７をその方向に傾動させる。このように
すると、一側の単位スタビライザー４，４の先端
が溝壁面に当つて一側の摩擦抵抗が大となり、ま
た、重心が一側方に移動することにより本体１に
回転力が働くので、本体１は反対側に向くように
付勢され、その姿勢が急速に修正されるが、この
間、溝巾には殆ど変化が生じない。

（考案の効果） 本考案の修正装置は以上のようなものであつ
て、溝巾を殆ど変化させないで確実に掘削機の姿
勢を鉛直状に制御することができるから、その結
果として、地中壁用の溝を略々一定巾で垂直に形
成することができ、後の地中壁構築作業が容易と
なり、地中壁の仕上がりが良好となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の作業中における側
面図、第２図は同じく縦断面図、第３図乃至第５
図は油圧シリンダ装置の作動状態図である。 図中、１……本体、３……掘削部、４……単位
スタビライザー、７……複合スタビライザー、９
……ピン、１３……油圧シリンダ装置、……。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端に掘削部を具えた掘削機本体の巾方向の両
   側に、１対の細長い単位スタビライザーを前記掘
   削部の厚さより僅かに小さい間隔で並列させて一
   体化した複合スタビライザーをそれぞれ配設し
   て、その下端部を掘削機本体に軸着し、また掘削
   機本体の中腹部には前記複合スタビライザーを掘
   削機本体の厚さ方向に傾動させるための油圧シリ
   ンダ装置を設けたことを特徴とする地中壁用掘削
   機の修正装置。