JPH0210056Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、自動車のステアリングにおけるス
テアリングコラムホールカバー（以下、単にコラ
ムホールカバーともいう。）に関するものである。

［従来技術］ ステアリングを構成する部材は自動車のボデイ
フロアに開けたコラムホールを通して室内外に亘
る装備となつており、このコラムホールとステア
リングの構成部材との間の遊隙は、通常、コラム
ホールカバーによつて覆われている。しかし、従
来、コラムホールカバーは、ステアリングの一構
成部材であるコラムチユーブに組付けられたうえ
で、ボデイフロアに取付けボルトにより締着され
ている。このため、コラムホール内に位置するス
テアリングシヤフト連結部品（例えば、フレキシ
ブルカツプリング）の修理および点検にあたつて
同コラムホールを開口するには、取付けボルトを
取外すだけでなく、コラムチユーブに対するコラ
ムホールカバーの組付けを解除して両部材を分解
しなければならず、大変繁雑な作業となつた。ま
た、それとともに、分解したコラムホールカバー
の組付け作業も繁雑であつた。

［考案の目的］ そこで、この考案は目的とすることは、自動車
のボデイフロアのコラムホール内に位置するステ
アリングシヤフト連結部品の修理および点検にあ
たつてのコラムホールの開口および閉口に係る作
業を容易に行なうことのできるコラムホールカバ
ーを提供することである。

［考案の構成］ 上記した目的を達成するためのこの考案は、筒
状をなす筒部の外側にフランジ状のカバー部を設
け、カバー部は自動車のボデイフロアに取付けボ
ルトで締着されて同ボデイフロアのコラムホール
を覆い、筒部には自動車のステアリングのコラム
チユーブをスライド可能に内挿するとともに、同
筒部はそれを取除くクランプの締着ボルトを緊締
することによりコラムチユーブに圧着され、さら
にカバー部はステアリングシヤフト連結部品を取
囲むように椀状に形成されているものである。

［作用］ 前記構成によれば、取付けボルトを取外すとと
もに締着ボルトを弛緩させ、コラムホールカバー
をコラムチユーブに沿つてスライドさせること
で、コラムホール内に配置されたステアリングシ
ヤフト連結部品を露出させることができる。

［実施例］ 以下、この考案の一実施例を図面にしたがつて
説明する。自動車のステアリングのボデイフロア
周辺部分を側面で示した第１図、および、第１図
の−線断面を拡大して示した第２図におい
て、自動車における運転席前方のボデイフロア１
０にはコラムホール１１が開けられ、このホール
１１を通してメインシヤフト１２、フレキシブル
カツプリング１３などのステアリングの構成部材
が室内外に亘つて装備されている。しかして、メ
インシヤフト１２にはコラムチユーブ１４が相対
回転可能に嵌装されている。なお、ステアリング
の構成部材は周知のとおりであるから省略する。

次に、コラムホール１１とステアリングの構成
部材との間の遊隙を覆うためのコラムホールカバ
ー２０について詳述する。コラムホールカバー２
０は、筒状をなす筒部２１の下端外周にフランジ
状のカバー部２２が形成されたプレス成形品とな
つている。しかして、カバー部２２はステアリン
グフレキシブルカツプリング１３を取囲むように
椀状に形成されている。このカバー部２２の外端
部は複数本の取付けボルト２３〜２３によりボデ
イフロア１０のコラムホール１１の口縁部に締着
され、また、筒部２１にはコラムチユーブ１４の
下部が相対的にスライド可能に内挿されている。
この筒部２１にはそれを取巻くＣ字形のクランプ
２４が配設され、同クランプ２４の両端が締着ボ
ルト２５およびナツト２６により同クランプ２４
の口径を小さくするように緊締されており、これ
によつて、筒部２１がコラムチユーブ１４に圧着
されている。すなわち、筒部２１は、その内径が
コラムチユーブ１４の外径よりも若干大きい筒状
に形成され、かつクランプ２４の締着ボルト２５
の緊締によりその内径が小さくなるように設定さ
れている。

上記したコラムホールカバー２０は、ボデイフ
ロア１０のコラムホール１１内に位置するステア
リングシヤフト連結部品（例えば、フレキシブル
カツプリング１３）の修理および点検にあたつ
て、次に述べるようにして容易にコラムホール１
１を開口することができる。すなわち、取付けボ
ルト２３〜２３を取外してボデイフロア１０に対
する固定を解除するとともに、締着ボルト２５に
よるクランプ２４の緊締を弛緩して筒部２１のコ
ラムチユーブ１４に対する圧着を解除し、その
後、コラムホールカバー２０をコラムチユーブ１
４にそつて上方へスライドさせれば良い。

また、このコラムホール１１の開口状態より閉
口状態にするには、コラムホールカバー２０をコ
ラムチユーブ１４に沿つて下方へスライドさせ、
カバー部２２を取付けボルト２３〜２３によりボ
デイフロア１０に締着するとともに、クランプ２
４を締着ボルト２５により緊締させて筒部２１を
コラムチユーブ１４に圧着させれば良い。

［考案の効果］ すなわち、この考案によれば、取付けボルトに
よるカバー部の取外し作業と、締着ボルトによる
クランプの弛緩作業とによつて、コラムチユーブ
上をスライドさせてコラムホールを開口すること
ができ、また、これと反対に、取付けボルトによ
るカバー部の取付け作業と、締着ボルトによるク
ランプの緊締作業とによつてコラムホールを閉口
することができ、したがつて、従来と異なり、コ
ラムチユーブとの分解に係わる繁雑な作業を要す
ることなく、コラムチユーブ上をスライドさせる
ことによつてコラムホールの開閉を容易に行うこ
とができる。

またレイアウト上ステアリングシヤフト連結部
品がカバー部に収納されていることから、コラム
ホールを開口することでステアリングシヤフト連
結部品を露出させることができるため、そのシヤ
フト連結部品のメンテナンスがしやすいという利
点がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図はステアリングコラムの略示側面図、第２図は
第１図の−線断面拡大図である。 １０……ボデイフロア、１１……コラムホー
ル、１４……コラムチユーブ、２０……コラムホ
ールカバー、２１……筒部、２２……カバー部、
２３……取付けボルト、２４……クランプ、２５
……締着ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状をなす筒部の外側にフランジ状のカバー部
   を設け、カバー部は自動車のボデイフロアに取付
   けボルトで締着されて同ボデイフロアのコラムホ
   ールを覆い、筒部には自動車のステアリングのコ
   ラムチユーブをスライド可能に内挿するととも
   に、同筒部はそれを取巻くクランプの締着ボルト
   を緊締することによりコラムチユーブに圧着さ
   れ、さらにカバー部はステアリングシヤフト連結
   部品を取囲むように椀状に形成されていることを
   特徴とするステアリングコラムホールカバー。