JPH0159111B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複種類のカラーインクを用いて中間調
のあるカラー画像を描画するインクジエツトカラ
ープリント装置に関するものである。

インクジエツトカラープリント装置は、記録紙
に向けてインクジエツト吐出ヘツドからインク滴
を噴射してドツトパターンで文字、画像等を描画
するものであり、騒音が少なく、かつ高速記録が
可能であるという長所があるため、フアクシミ
リ、コンピユータの出力装置として広く用いられ
ている。

最近では、イエローインク、マゼンタインク、
シアンインク、ブラツクインクを用いてカラー画
像を描画するインクジエツトカラープリント装置
もいくつか提案されている。この装置は、回転円
筒の外周に記録紙を巻き付け、この記録紙に対向
してヘツド部を配置し、回転円筒を主走査方向に
一定速度で回転させるとともに、この回転円筒の
１回転毎にヘツド部を回転円筒の軸方向である副
走査方向に一定ピツチずつ移動させている。前記
ヘツド部はイエローインクを副射するイエロー用
インクジエツト吐出ヘツド、マゼンタインクを噴
射するマゼンタ用インクジエツト吐出ヘツド、シ
アンインクを副射するシアン用インクジエツト吐
出ヘツド、ブラツクインクを噴射するブラツク用
インクジエツト吐出ヘツドを有し、これらが主走
査方向に一定間隔で配列されており、同一の走査
線（画素線）を記録する。しかし、この複種類の
インクジエツト吐出ヘツドを主走査方向に並べて
同一の走査線を記録するものでは、先に付着した
カラーインク滴が記録紙に含浸する前に別の種類
のカラーインク滴がその上に付着するから、イン
クの濁りが生じたり、記録紙の回転によるインク
滴の表面流れが生じたりするという問題がある。
また各インクジエツト吐出ヘツドは回転円筒の円
周方向に配列されているため、その位置調整が困
難であつた。

本発明は上記欠点に鑑み、色の濁りや表面流れ
が生じないようにしたインクジエツトカラープリ
ント装置を提供することを目的とするものであ
る。

本発明の別の目的は、インクジエツト吐出ヘツ
ドの位置調整が容易なインクジエツトカラープリ
ント装置を提供することにある。

本発明は異なつたカラーインクを噴射する複数
のインクジエツト吐出ヘツドを副走査方向に離し
て配列したことを特徴とするものである。このよ
うに各インクジエツト吐出ヘツドを副走査方向に
離した場合には、同一画素の記録時間に大きなず
れが生じる。従来の装置においては、デジタル又
はアナログ遅延回路を用いて信号遅延させ、同一
画素に対する４色の色合せを行なつているが、本
発明のように副走査方向にインクジエツト吐出ヘ
ツドを難した場合には、大規模な遅延回路が必要
となり、コストが高くなつてしまう。そこで本発
明は、各インクジエツト吐出ヘツドの副走査方向
の位置をそれぞれ検出して、カラー画像情報を実
時間で読み出すようにしている。

カラーインクとしてはシアンインク、マゼンタ
インク、イエローインクが用いられるが、この他
にブラツクインクや特定な色例えばブルーインク
等を用いることができる。

以下、図面を参照して本発明の実施例について
詳細に説明する。

このインクジエツトカラープリント装置は、デ
ジタルカラースキヤナー１、カラー画像情報処理
装置２、及びインクジエツトカラープリンター３
からなる。

前記デジタルカラースキヤナー１は、回転円筒
１０に巻き付けられたカラー原画１１の各部を走
査して各画素の青色、緑色、赤色の濃度値を測定
する。この回転円筒１０は、主走査パルスモータ
１２によつて駆動されるとともに、主走査パルス
モータ１２に加えられた駆動パルスが主走査カウ
ンタ１３によつて計数され、前記回転円筒１０の
主走査方向の位置が検出される。なおこの主走査
カウンタ１３は、回転円筒１０の外周上のある基
準位置が特定位置を通過する毎にリセツトされ
る。したがつて回転円筒１０が１回転する迄の位
置が計数されることになる。

照明光源１４から放出された照明光は、レンズ
１５によつて集光され、カラー原画１１の一点を
スポツト状に照明する。このカラー原画１１で反
射された光は、レンズ１６を通つて三色分解測光
部１７に入射する。この三色分解測光部１７は、
ダイクロイツクミラー又はカラーフイルター等に
よつて反射光を青色光、緑色光、赤色光に色分解
し、それぞれの分解光を各光電管に導いて、反射
光の三色光成分を測定する。

前記照明光源１４、レンズ１５，１６、及び三
色分解測光部１７は、光電変換ヘツド１８上に取
り付けられている。この光電変換ヘツド１８は、
送りネジ軸１９、レール２０によつて回転円筒１
０の軸方向と平行に移動する台座２１に固着され
ている。前記送りネジ軸１９は、副設査パルスモ
ータ２２によつて駆動され、この副走査パルスモ
ータ２２に入力された駆動パルスは副走査カウン
タ２３で計数される。

前記三色分解測光部１７で測定された三色のカ
ラー信号は、色別に設けた対数変換器２４でそれ
ぞれ対数変換され、濃度信号に変換される。この
三色濃度信号は、Ａ−Ｄ変換器２５でデジタル信
号に変換される。

このデジタルカラースキヤナー１では、回転円
筒１０が１回転する毎に、光電変換ヘツド１８が
回転円筒１０の軸方向に１走査線分だけ移動し
て、カラー原画１１の各部を二次元的に走査す
る。この走査によつてカラー原画の各部に対して
青色、緑色、赤色の反射濃度が測定され、Ａ−Ｄ
変換器２４でデジタル信号に変換される。なお、
必要に応じてＡ−Ｄ変換する前に雑音成分を除去
したり、カラー画像の輪郭線を強調する等の処理
を施すことが望ましい。また、この実施例では、
カラー原画１１の反射光を測定しているが、カラ
ーフイルムのように透過率の高いカラー原画に対
しては、回転円筒１０を透明とし、その内部に照
明光源１４を収容した構造のスキヤナーを用い
て、カラー原画の透過光を測定してもよい。

カラー画像処理装置２は、中央演算処理装置２
７、内部記憶装置２８、UCR回路２９、及びヘ
ツド駆動回路３０から構成されている。中央演算
処理装置２７としては、一般的に使われているミ
ニコンピユータを利用することができ、デジタル
カラースキヤナー１とインクジエツトカラープリ
ンター３の位置制御、インクジエツトカラープリ
ンター３における再生像の描画制御、カラー画像
情報の書込み、読出し制御、色再現演算処理、文
字入れ等の画像処理（変更・追加）、各装置の制
御等を行なう。

前記中央演算処理装置２７へは、デジタルカラ
ースキヤナー１からのデジタル化された三色濃度
信号と、カウンタ１３，２３からの位置信号とが
入力され、この位置信号に応じて内部記憶装置２
８のアドレスが指定され、メモリセル２８ａに前
記三色濃度信号を１ワードとして書き込む。

UCR回路２９は、ある一定レベルの下色除去
を行ない、この除去量に見合つたスミ入れ量を設
定するものであり、特に暗部のしまりを強調する
ために行なわれる。例えば、マスキング処理によ
つて青色、緑色、赤色濃度信号からシアン、マゼ
ンタ、イエローの濃度信号を求め、さらに必要に
応じて階調補正を行なつた後、これらの各濃度信
号に対して予め設定したレベルの下色除去を行な
い、かつこの除去量に見合つたスミ入れ量を設定
し、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラツクの濃
度信号を形成する。

ヘツド駆動回路３０は、テーブルメモリーとＤ
−Ａ変換回路とを有し、インクの色に対応した濃
度信号を後述するインクジエツトカラープリンタ
ー３に供給するヘツド印加信号に変換するもので
ある。

インクジエツトカラープリンター３は、回転円
筒３２に巻き付けた白紙３３に、ヘツド部３４か
ら噴射したインク滴を付着させてカラー画像を再
生する。前記回転円筒３２は、中央演算処理装置
２７からの駆動パルスを入力する主走査パルスモ
ータ３５によつて駆動される。この主走査パルス
モータ３５に加えられる駆動パルスは、主走査カ
ウンタ３６で計数される。そしてこの主走査カウ
ンタ３６は回転円筒３２が一定位置迄回転される
毎にリセツトされ、白紙３３に対するヘツド部３
４の主走査方向での相対位置を表示するととも
に、この主走査方向位置情報を中央演算処理装置
２７に送る。

前記ヘツド部３４は、回転円筒３２の軸方向で
ある副走査方向に適当な距離を保ち、かつ外周面
に近接するように配置されたイエロー用インクジ
エツト吐出ヘツド３７、マゼンタ用インクジエツ
ト吐出ヘツド３８、シアン用インクジエツト吐出
ヘツド３９、及びブラツク用インクジエツト吐出
ヘツド４０を備えている。これらの各インクジエ
ツト吐出ヘツド３７〜４０は、それぞれ複数の小
ヘツドを持ち、図示してないインクタンクからヘ
ツド別の色インクが供給され、各小ヘツドからは
ヘツド駆動回路３０のヘツド印加信号に応じた量
のインクが吐出する。すなわち、白紙３３上で１
つの色の画素はマトリツクス状に配列したドツト
の組合せにより形成され、それらのドツトの大き
さの変化とそれらの配列により再生像の画素の濃
淡が表現されることになる。例えば、３×３から
成るマトリツクス状のドツトで、およそ30ないし
70段階の階調を表現することができる。

前記小ヘツドはドツトマトリツクスが３×３の
場合に３個用いられ、これらが主走査方向に並べ
られる。なお、描画が遅くてもよい場合には、小
ヘツドは１個でよい。

上記各色に応じた並設ヘツドの並設の間隔は、
インク及び白紙の材料の特性に応じて自由に設定
することが可能であり、また等間隔でなくて色毎
に間隔を変えることもできるので、例えばインク
ジエツト吐出ヘツド３７と３８の間隔を、インク
ジエツト吐出ヘツド３９と４０の間隔よりも広く
配置して異なつたカラーインク滴が重なる時間を
長くし、色の濁り等の防止をより一層完全にする
ことが可能である。

前記ヘツド部３４は、送りネジ軸４２とレール
４３とによつて回転円筒３２の軸方向と平行に移
動する台座４４に固定されている。この送りネジ
軸４２は副走査パルスモータ４５によつて回転さ
れるようになつており、副走査パルスモータ４５
は中央演算処理装置２７から出力された駆動パル
ス信号で駆動される。この駆動パルス信号は、副
走査カウンタ４６で計数され、その計数値が表示
されるとともに、副走査方向位置情報として中央
演算処理装置２７に送られる。ここで、各インク
ジエツト吐出ヘツド３７〜４０は、副走査方向で
の位置がそれぞれ異なつているため、各インクジ
エツト吐出ヘツド３７〜４０の位置をそれぞれ検
出する必要がある。このために各インクジエツト
吐出ヘツド３７〜４０毎に、副走査カウンタ４７
〜５０が設けられており、回転円筒３２上の描出
し位置で各副走査カウンタ４７〜５０をプリセツ
ト値にリセツトしてから駆動パルスを計数すれ
ば、副走査方向での抽出し位置からカウントした
各インクジエツト吐出ヘツド３７〜４０の絶対位
置を検出することができる。なお、前述したヘツ
ド部３４の間欠送り機構と、副走査カウンタ４６
とによつて副走査手段が構成される。

カラー画像の再生時には、中央演算処理装置２
７の駆動パルスによつて、主走査パルスモータ３
５と副走査パルスモータ４５とが駆動され、回転
円筒３２が１回転する毎に、ヘツド部３４が１走
査線分だけ副走査方向に移動する。このヘツド部
３４に設けられた各インクジエツト吐出ヘツド３
７〜４０の位置は、主走査カウンタ３６と、副走
査カウンタ４６とによつて検出され、この位置信
号に応じて１画面分の画像情報を記憶した内部記
憶装置２８のアドレスが指定され、このアドレス
に書き込まれているある画素の三色濃度信号が中
央演算処理装置２７に取り込まれる。このデータ
の取込みは、４個のインクジエツト吐出ヘツド３
７〜４０の位置が異なつているため、各インクジ
エツト吐出ヘツド８７〜４０が記録すべき画素毎
に実時間でアドレスを指定して順次行なわれる。

読み出された４点の三色濃度信号は、順次マス
キング処理が施され、シアン、マゼンタ、イエロ
ーの濃度信号にそれぞれ変換され、各インクジエ
ツト吐出ヘツド３７〜４０毎に設けたUCR回路
２９に送られ、ここで下色除去が行なわれる。こ
の各UCR回路２９では、対応するインクジエツ
ト吐出ヘツドで噴射するインクの色が決まつてい
るから、このインクの色の濃度信号だけを抽出す
る。この抽出された濃度信号は、各インクジエツ
ト吐出ヘツド毎に設けたヘツド駆動回路３０に送
られ、濃度に応じたヘツド印加信号に変換されて
から、各インクジエツト吐出ヘツド３７〜４０に
送られる。

各インクジエツト吐出ヘツド３７〜４０は、ヘ
ツド印加信号によつて駆動され、異なつた４本の
走査線を同時に記録する。各走査線上にある画素
は、小ヘツドから噴射されたインク滴により、ｎ
×ｍのドツトマトリツクスで表現され、このイン
ク滴のドツト径と個数から、１画素の中間調が表
現され、各画素に対して本実施例では最高４種類
のインク滴をマトリツクス状に付着させることに
より、１画素の記録が終る。

なお中央演算処理装置２７の処理速度は極めて
早いから、主走査パルスモータ３５が１画素分回
転する前に、４組のカラー画像情報の読出しと、
データ処理等を実時間で行なうことができる。な
お各インクジエツト吐出ヘツド３７〜４０毎にラ
インバツフアメモリを設ければ、カラー画像情報
の読出しと画像処理とを走査線毎に行なうことが
できる。

カラー画像情報処理装置２における画像処理の
結果は、モニターテレビ等を用いて確認すること
ができ、モニターに現われる像を見ながら好みの
再現像を得るように調整することもできる。さら
に、内部記憶装置２８に処理済みのカラー画像情
報を記憶しておき、多数枚の同じ再生画像を得る
ことができるのである。カラー画像情報処理装置
２による修正としては、次のようなものが考えら
れる。

(1) 色修正…各色のバランスを調節して原画によ
り近い再生像に調整したり、特定の色を強調す
るカラー画像を意図的に再生することもでき
る。また、使用するインクの色を補正（例えば
濁りを補正）するように、各色のインクの吐出
量を制御して鮮明なカラー画像を得ることもで
きる。

(2) γ修正…各色又は全体の調子再現を調節する
ことができる。例えば、画面全体を硬調に再現
したり、あるいは暗部の階調再現を良好となる
ように調節することも可能である。

(3) 合成…一つのカラー画像の中に他のカラー画
像をはめ込むことができる。

(4) 文字入れ…カラー画像情報処理装置２が発生
する文字パターンをカラー画像情報による再生
画像に重なるよう再生することができる。

(5) 拡大（部分拡大）縮小…カラー原画の全部又
は一部を拡大又は縮小することができる。この
際、デジタルカラースキヤナー１によるカラー
原画の一走査について、インクジエツトカラー
プリンター３のヘツド走査を複数回補間するこ
ともできる。

以上説明した本発明のインクジエツトカラープ
リンタ装置において、カラー画像情報は必ずしも
デジタルカラースキヤナー１から得る必要はな
く、テレビ画像信号等でもよく、CCD等を用い
た平面スキヤナーを用いることも可能である。ま
た、外部情報記憶装置を設けておき、内部記憶装
置に入りきらない情報を貯えたり、カラー画像情
報を保管しておくことができる。

上記構成を有する本発明は、異なつたカラーイ
ンクを噴射する複数のインクジエツト吐出ヘツド
を副走査方向に配列したから、先に付着したイン
ク滴が記録媒体に含浸した後に、次の色のインク
滴がその上に付着するので、混色、表面流れ等の
トラブルが生じるのを防止することができる。さ
らに各インクジエツト吐出ヘツドは直線状のヘツ
ド部に固定すればよいから、円周方向に配置する
ものに比べて構造が簡単になるとともに、回転円
筒との間隔調節も容易になる。また各インクジエ
ツト吐出ヘツドの位置を検出して、記憶装置から
カラー画像情報を実時間で読み出しているから、
大規模な遅延回路が不要になり、それだけコスト
が安くなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の構成の一例を示すブロツク図で
ある。 １……デジタルカラースキヤナー、２……カラ
ー画像情報処理装置、３……インクジエツトカラ
ープリンター、２７……中央演算処理装置、２８
……内部記憶装置、２９……UCR回路、３０…
…ヘツド駆動回路、３３……白紙、３４……ヘツ
ド部、３５……主走査パルスモータ、３６……主
走査カウンタ、４５……副走査パルスモータ、４
６……副走査カウンタ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カラー画像情報をデジタル信号の形で入力す
   るカラー画像情報入力手段、入力されたカラー画
   像情報を記憶する記憶手段、記録媒体を保持して
   主走査方向に回転する回転円筒、この記録媒体に
   近接し、かつ副走査方向に離れて配置されたイエ
   ロー用インクジエツト吐出ヘツド、マゼンタ用イ
   ンクジエツト吐出ヘツド、シアン用インクジエツ
   ト吐出ヘツドを備え、異なつた複数の走査線に乗
   るドツトマトリツクスをそれぞれ記録するヘツド
   部、このヘツド部を副走査方向に間欠的に移動す
   る手段と記録媒体上における各インクジエツト吐
   出ヘツドの副走査方向の位置をそれぞれ検出する
   手段とからなる副走査手段、各インクジエツト吐
   出ヘツドの副走査方向の位置に応じて、同時に記
   録される少なくとも三本の走査線に乗る各画素の
   カラー画像情報を記憶手段から読み出し、この読
   み出したカラー画像情報に修正を施す中央演算処
   理手段、及びインクジエツト吐出ヘツド毎に設け
   られており、修正が施されたカラー画像情報に応
   じてインクジエツト吐出ヘツドを駆動する手段か
   らなることを特徴とするインクジエツトカラープ
   リント装置。 ２ 前記カラー画像情報入力手段は、デジタルカ
   ラースキヤナであることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載のインクジエツトカラープリント
   装置。