JPH0314630B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は、デイジタルカラープリンタに関し、
特に３つの補色および黒色の各ドツトの配列によ
り中間調を有する画像を記録するデイジタルカラ
ープリンタに関する。

例えば、インクジエツト記録方式は、電子写真
方式に比して記録速度が遅い欠点はあるが、装置
が比較的小型で構成が簡単で安価に製造すること
ができるという利点を有している。しかして、イ
ンクジエツト記録方式のカラープリンタにおいて
問題となるのは、上述した記録速度の他に、中間
調の再現とインクの重ね合わせに際して生ずるイ
ンクのにじみによる分解能の劣化およびインクの
重ね合わせによる過剰の水分を吸収する紙質の変
形とがある。特に、文字、記号等は黒色とする場
合が多く、その黒色の再現にインクの重ね合わせ
による減色混合を行なうので、分解能が低下して
文字、記号等が判読し得なくなるという重大な欠
点があつた。

特に、黒色のドツトとＹ，Ｍ，Ｃの各ドツトと
が重なると色が濁つてしまい、高品質のカラー画
像を得ることができなかつた。

［目的］ そこで、本発明の目的は上述した従来の欠点を
除去し、減色混合でカラー画像を再現するに際
し、黒のドツトと補色のドツトとの混色を防ぎ、
高品質のカラー画像を得ることができるデイジタ
ルカラープリンタを提供することにある。

詳細にいえば、少なくともシアン、マゼンタ、
イエロの３色および黒色の各ドツトの配列により
中間調を有する画像を記録するデイジタルカラー
プリンタにおいて、カラー画像信号から黒色信号
および黒色信号分が除去されたシアン、マゼン
タ、イエロの３色の色信号を形成する信号形成手
段と、前記３色の色信号および黒色信号から各色
各画素について複数ドツトからなる記録パターン
を得るパターン形成手段と、得られた各色の記録
パターンを重ね合わせて記録する記録手段とを具
え、前記パターン形成手段は、前記３色の記録パ
ターンについてはその記録ドツトが互いに重な
り、黒色の記録パターンについてはその記録ドツ
トと前記３色の記録ドツトとが重ならない如く前
記各色の記録パターンを発生するようにすること
を特徴とするデイジタルカラープリンタを提供す
ることを目的としている。

［実施例］ 以下に図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。

まず、インクジエツト記録方式とした本実施例
デイジタルカラープリンタの装置の外観を第１図
に示す。図示の装置において、１は原稿取付け用
のドラムであり、２は記録紙取付け用のドラムで
ある。また、３は、光学読取り装置であつて、例
えばダイクロ3Pプリズムを使用した色分解光学
系および光量検出器からなつており、４は、ベツ
ド１０に埋込んだインクタンクであつて、イエロ
ーＹ、マゼンタＭ、シアンＣおよび黒BKの各色
インクを入れており、５はインクジエツトヘツド
７を取付けたヘツド搭載台であり、６はインクタ
ンク４とインクジエツトヘツド７とを連結する導
管群であり、７は、インクジエツトヘツドであつ
て、同じくイエローＹ、マゼンタＭ、シアンＣお
よび黒BKの４本構成にしてある。さらに、８は
インクジエツトヘツド７を制御する信号線群であ
り、９は原稿読取り装置および記録装置の全体を
移動させるスクリユーであり、１０はそれらの装
置を搭載して移動するベツドであり、１１は各ド
ラム１，２を回転させるモータであり、１２はヘ
ツド移動用のモータである。

つぎに、本実施例デイジタルカラープリンタに
おける電気回路の構成例を第２図に示す。図示の
構成において、hVは読取り装置３内に入射され
る画像光であり、１０２_-1〜3は読取り装置３のプ
リズム内に設けられた各原色ブルーＢ、グリーン
Ｇ、レツドＲの各色分解フイルタであり、１０３
_-1〜3は各色分解フイルタ１０２_-1〜3を透過した光
量に応じた電気信号を得る各色光電変換素子であ
り、１０４_-1〜3は各色演算増幅器であつた、入力
光量に応じたアナログ出力電圧を取出す。また、
１０５_-1〜3は各色アナログ−デイジタル変換器で
あり、１３９はそれらの各変換器を始動させるト
リガパルスである。１０６はデイジタルコンパレ
ータであり、１０７はマルチプレクサであつて、
アナログ−デイジタル変換器１０５_-1と１０５_-2
との変換出力をそれらのコンパレータ１０６およ
びマルチプレクサ１０７に加えて比較し、小さい
方の変換出力をマルチプレクサ１０７から取出す
ように動作し、また、１０８はマルチプレクサで
あり、１０９はデイジタルコンパレータであつ
て、変換器１０５_-3とマルチプレクサ１０７との
出力信号をそれらのコンパレータ１０９およびマ
ルチプレクサ１０８に加えて比較し、小さい方の
出力信号を取出すように動作するので、結局、変
換器１０５_-1〜3の変換出力のうち最小の変換出力
がマルチプレクサ１０８から取出される。なお、
１０４_-1〜3は各色光電変換出力信号の極性を反転
させるインバータであつて、各原色信号に対する
補色信号を形成することになり、例えば、青色信
号Ｂがその補色である黄色信号Ｙに変換される。
つぎに、１１１〜１１３はデイジタル減算器であ
つて、各変換器１０５_-1〜3の変換出力からそれら
の変換出力のうちの最小のものをそれぞれ減算す
ることにより、各原色に対する補色信号に共通し
た減色混合による黒色信号に相当する量を差引い
た各残余の成分を取出すものである。また、１１
４〜１１７は各ドラム１，２の一周分の各色信号
成分を蓄積するメモリ装置であり、上述した各補
色の黒色成分との差成分信号および黒色成分信号
とそれぞれ１周期分蓄積する。なお、これらのメ
モリ装置はスタテイツク／ダイナミツク・ランダ
ムアクセスメモリ等の半導体メモリをもつて構成
し、コントローラ１３８からの書込み信号Ｗ１〜
４およびＲ１〜４によりそれらのメモリ装置にお
ける書込みおよび読出しをそれぞれ制御する。し
たがつて、それらのメモリ装置１１４〜１１７に
は、原稿の１ライン分の画像を色分解した各補色
および黒色の成分に相当するインク量をそれぞれ
算出して格納したことになる。すなわち、インク
ジエツト記録方式においては、中間調乃至中間色
を記録するに際して、各インクのアナログ量を変
化させてインク滴径を変化させることが困難であ
るので、読取つた１画素分の信号量を例えば４×
４個の微小ドツト群に変換し、それら微小ドツト
の着色個数の多寡により中間調乃至中間色を形成
するが故に、例えば４×４個の微小ドツト群を構
成するには、ドラムの４回転が完了するまで各補
色差成分信号および共通の黒色成分信号を蓄積記
憶しておく必要があり、その蓄積記憶に上述の各
メモリ装置１１４〜１１７を用いる。つぎに、１
１８〜１２１は上述した例えば４×４個の微小ド
ツト群の画像濃度に応じたドツトパターンを記憶
しておくレジスタであり、コントローラ１３８か
らのアドレス信号１２４により制御して、例えば
４×４個の微小ドツトパターン信号を４×１個の
微小ドツト信号群毎に出力される。すなわち、各
メモリ装置１１４〜１１７からの４×４個の微小
ドツト群からなる16通りのドツトパターンを、ア
ドレス信号１２４により制御して、それぞれ４×
１個の微小ドツトの並列同時信号を４回に分けて
出力させる。つぎに、１２６〜１２９はレジスタ
１１８〜１２１からの４ビツトの並列同時信号を
直列順次信号に変換する並直列変換器であり、ま
た、１３０〜１３３は各インクジエツトヘツド７
の相互間の位置の相違に対する同一ドツトに対す
るインクジエツトの距離調整用のシフトレジスタ
であつて、例えばシフトレジスタ１３０はブラツ
クヘツドBKと青色Ｂに対する補色のイエロヘツ
ドＹとの間の距離に基づくインクジエツトの時間
差を補正するに要する段数のメモリ素子を備えて
おり、ドラム円周上に配列した各ヘツド間のイン
クジエツトの遅延分を保持しておく。また、１３
５_-1〜4は各色インクジエツトヘツドドライバであ
り、１３６_-1〜4は各色インクジエツトヘツドであ
つて、イエロＹ、マゼンタＭ、シアンＣおよび黒
BKの各色インクをそれぞれ噴射するものであ
る。なお、１３８は、アドレス、メモリおよび並
直列変換等の各動作を制御する上述した各制御信
号を発生させるコントローラである。

上述した回路構成によれば、例えば原稿読取り
系から補色変換した結果の各色濃度信号がＹ＝
６、Ｍ＝３、Ｃ＝９であつたとすると、従来のイ
ンクジエツト記録方式においては、第３図Ａに示
すような４×４個の微小ドツトパターンが各色毎
に形成され、それら各色パターンが重ね合わされ
るので、例えばＭ＝３に相当する部分には３色分
のインクが重なつて噴射されることになり、記録
紙の単位面積当りのインク量が過剰となつてイン
クのにじみ、紙質の変化等を生じて分解能低下、
画質劣化を惹起する。これに対して本実施例によ
るインクジエツト記録方式では、例えば、第３図
ＡにおけるＭ＝３のような各色共通のインク量
を、第２図示の回路構成におけるマルチプレクサ
１０８までの回路系統により算出し、その共通イ
ンク量を各補色インク量からそれぞれ差引いて各
補色の差分インク量を算出し、その結果として、
１個の画素を構成する例えば４×４個の微小ドツ
トパターンについて、Ｙ＝３、Ｍ＝０、Ｃ＝６お
よびBK＝３の各色インク量を得て各メモリ装置
１１４〜１１７に記憶しておき、さらに、各補色
Ｙ，Ｍ，Ｃのインク量および黒色インク量を、レ
ジスタ１１８〜１２０および１２１により、第３
図Ｂに示す４×４ドツトパターン上の相対位置に
配列するように構成して順次に記録するようにす
れば、同一画素を構成する４×４微小ドツトパタ
ーンの各微小ドツトには各色インクが重なるおそ
れがなくなり、また、従来はＹ＝６としたイエロ
ーインクのドツトパターンは、第３図Ｂに示すよ
うに、左上隅のＹ＝３のイエローインクと右下隅
の黒インクとを分離して噴射することになり、減
色混合を行なうための各補色インクの重なりが除
去される。すなわち、各画素を表わす４×４微小
ドツトパターンを減色混合による黒成分とその黒
成分を差引いた差分補色成分とのインクを分離配
置して構成するようにし、各色インクの重なりを
必要最小限に留めるようにする。特に、原稿の黒
色部分は黒インクのみによつて印字されるので、
インクのにじみのない高解像度の文字、記号等を
記録することができる。

なお、以上の説明においては、減色混合により
インクの重なりを生ずるおそれのある各補色イン
クの噴射方式についてのみ説明したが、カラープ
リンタとしては、各原色Ｂ，Ｇ，Ｒに対するイン
クジエツトも併わせて行なうこと勿論である。

以上の説明から明らかなように、本実施例によ
れば、インクジエツト記録方式により、記録画像
濃度信号に応じ濃度パターンを選択して中間調乃
至中間色を記録する場合に、各補色Ｙ，Ｍ，Ｃに
ついては同一濃度パターン配列とし、黒はそれら
の補色パターンに接しないように分離配列した微
小ドツトパターンにより各画素の記録を行なうの
で、各色インクの重なりを最小限度に留めて、イ
ンクにじみのない鮮明な記録像が得られるという
顕著な効果が得られる。

［効果］ 以上から明らかな如く、本発明のデイジタルカ
ラープリンタは、１つの補色のドツトと他の補色
のドツトとが重なり、黒のドツトと補色のドツト
とが重ならないように各ドツトの記録パターンの
発生を制御しているので、黒色のドツトによる色
の濁りを防ぎつつ減色混合による忠実な色再現を
行うことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はインクジエツト記録方式デイジタルカ
ラープリンタの構成の外観を示す斜視図、第２図
は本発明デイジタルカラープリンタにおける回路
構成の例を示すブロツク線図、第３図ＡおよびＢ
は従来および本発明の記録の態様の例をそれぞれ
示す線図である。 １……原稿取付けドラム、２……記録紙取付け
ドラム、３……光学読取り装置、４……インクタ
ンク、５……ヘツド台、６……インク導管、７…
…インクジエツトヘツド、８……信号線、９……
原稿読取り装置、１０……ベツド、１１，１２…
…モータ、１０２_-1〜2……各色分解フイルタ、１
０３_-1〜3……光電変換素子、１０４_-1〜3……演算
増幅器、１０５_-1〜3……アナログ−デイジタル変
換器、１０６，１０９……コンパレータ、１０
７，１０８……マルチプレクサ、１１１〜１１３
……デイジタル減算器、１１４〜１１７……メモ
リ装置、１１８〜１２１……レジスタ、１２２〜
１２５，１３４，１３７，１３９……制御信号、
１２６〜１２９……並直列変換器、１３０〜１３
３……シフトレジスタ、１３５_-1〜4……インクジ
エツトヘツドドライバ、１３６_-1〜4……インクジ
エツトヘツド、１３８……コントローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくともシアン、マゼンタ、イエロの３色
   および黒色の各ドツトの配列により中間調を有す
   る画像を記録するデイジタルカラープリンタにお
   いて、 カラー画像信号から黒色信号および黒色信号分
   が除去されたシアン、マゼンタ、イエロの３色の
   色信号を形成する信号形成手段と、 前記３色の色信号および黒色信号から各色各画
   素について複数ドツトからなる記録パターンを得
   るパターン形成手段と、 得られた各色の記録パターンを重ね合わせて記
   録する記録手段とを具え、 前記パターン形成手段は、前記３色の記録パタ
   ーンについてはその記録ドツトが互いに重なり、
   黒色の記録パターンについてはその記録ドツトと
   前記３色の記録ドツトとが重ならない如く前記各
   色の記録パターンを発生するようにすることを特
   徴とするデイジタルカラープリンタ。