JPH0155162B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、製鉄所におけるストリツプコイル
貯蔵設備に関し、特に搬出入を自動化しうる貯蔵
設備に関する。

従来の技術 従来のストリツプコイル貯蔵設備においては、
大形の天井クレーンに吊持したトングをコイル中
心孔に両側から挿入してコイルを吊上げ移動して
いたので、貯蔵場に載置されたコイルは、トング
の挿脱と吊上げ下げ時の揺れのために、前後左右
に充分な間隔を保有させる必要があること、及び
クレーン設置のため建物が高く且つ強度を要し、
クレーンの保守も面倒である上に、搬出入の自動
化が困難である等の欠点があつた。

発明が解決しようとする問題点 本発明は、従来の上記欠点が天井クレーンを使
用することに原因することから、天井クレーンを
廃し、ストリツプコイルを走行台車にてコイル置
台に搬出入しようとするものである。

問題点を解決するための手段 本発明は、並設した縦方向のレールと、該レー
ルの両側高所に該レールと平行に整列設置した多
数のコイル置台と、該レールと直交するコイル搬
出入用の横方向のレールと、横方向のレール内に
コイル置台と縦方向に整列して設置したコイル受
渡台と、縦方向のレール上を走行する台車の台車
フレーム上に設けたコイル受台及びコイル受台の
直下において台車フレーム上に横方向に移動可能
に案内支持した横行フレーム及び横行フレーム上
に設けたコイル昇降支持装置を具えた走行台車
と、横方向のレール上を走行しコイル昇降支持装
置を具えた横行台車とを有し、コイル昇降支持装
置はコイル置台、コイル受台及びコイル受渡台の
夫々中央部に縦方向に開く間隙内に入つて当該前
記各台に対するストリツプコイルの移載を行うこ
とを特徴とする。

作 用 ストリツプコイル（以下単にコイルという）を
貯蔵するには、横行台車のコイル昇降支持装置上
にコイルを高く支持して横行し、格納すべき所望
のコイル置台と整列するコイル受渡台の上方にコ
イルを位置させて停止する。横行台車上のコイル
昇降支持装置がコイルを支持する受台は、台車発
進時又は停止時にコイルが転落しないよう横行方
向に充分長く構成されている。前記停止後、コイ
ル昇降支持装置は下降してコイルをコイル受渡台
上に移載し、その後横行台車は元に戻る。

ついで当該走行台車が搬入用横行レールの位置
にきて停止し、横行フレームが横動してコイル昇
降支持装置をコイルを支持したコイル受渡台の直
下に移動させる。次にコイル昇降支持装置が上昇
してコイル受渡台上のコイルを受取る。このと
き、通常コイル昇降支持装置は縦方向レールの外
側に位置していて、コイル重量により走行台車が
転倒するおそれがあるから、台車フレームにアウ
トリガーを設けて転倒を防ぐとともに、コイル昇
降支持装置がコイルの中心軸直下にくるよう、ア
ウトリガーによつて走行台車の停止位置ぎめを行
う。

次に横行フレームが台車フレームの中心位置に
戻つてコイルをコイル受台の上方へ移動させたの
ち、コイル昇降支持装置が下降してコイルをコイ
ル受台上に移載する。ついで走行台車はアウトリ
ガーを収納して走行し、コイルを格納すべき所望
のコイル置台の側方に停止する。そして前記した
コイル移載動作と逆の動作によつてコイルをコイ
ル受台からコイル置台上に移載する。

コイル置台上のコイルを搬出する場合は前記と
逆の動作を行えばよい。即ち、コイルを走行台車
のコイル受台上に移載して搬出用横方向レールと
の交差点まで運び、そこでコイルをコイル受渡台
上に移載して走行台車は元に戻る。次に横行台車
がきてコイルを横行台車のコイル昇降支持装置上
に支持して搬出する。

走行台車は台車フレームがコイル置台の下方を
横行しうるので、アウトリガーを設ければ、縦方
向のレール幅をほぼコイル幅程度にしてもコイル
の安定な移載が可能であり、コイル置台上のコイ
ル相互間にコイル移動のための間隙を設ける必要
はない。

実施例 第１図は本発明ストリツプコイル貯蔵設備のレ
イアウトを示す。互に間隔をもつて並設した縦方
向レール１の両端にこれと直交する横方向レール
２，３を設け、各縦方向レール１の両側に、スト
リツプコイルＳをその中心孔を横方向に向けて支
承する多数のコイル置台４を縦方向に整列して設
ける。縦方向レール１上にはコイルＳをコイル置
台４上に運ぶ走行台車５が走行し、横方向レール
２，３上には夫々コイル搬出入用横行台車６が走
行し、レール２，３内にはコイル置台４と縦方向
に整列するコイル受渡台７を設ける。

コイルＳがワーキングビーム８によつてレール
２の端部のコイル受渡台７ａ上に載置されると、
台車６がこのコイルＳの直下にきてこれを持ち上
げ支持してから横行し、所望の列のコイル受渡台
７ｂ上に載置する。ついで台車５がコイル受渡台
７ｂからコイルＳを受取つてレール１の直上へ横
動させたのち、レール１上を走行し、所望のコイ
ル置台４上へ移載する。

コイル置台４は、最大外径2.4ｍのコイルＳを
床面から約２ｍの高さに支承するもので、第２
図、第３図に示すように、格納台９上に縦方向に
逆八形に離隔対向して固定した２対の受板１０に
よつて最大径及び最小径（0.9ｍ）のコイルＳの
円周面を安定に支持することができる。

走行台車５は台車フレーム１１に走行車輪１２
及び走行モータ１３を具え、フレーム１１に縦方
向中央部において両外側方に突出する３個のブラ
ケツト１４を固着し、これに軸支した各１対のロ
ーラ１５と、フレーム１１の横方向中央部におい
て軸支したローラ１６とにより横行フレーム１７
を支持する。レール１の直下においてフレーム１
１に４個の支柱１８を固着し、その上方に固定し
た１対の横方向部材１９に受板１０と同様の大き
さ、高さ及び傾斜をもつ受板２０を固着してコイ
ル受台２１を構成する。

支柱１８の縦方向に相対する内側に、ローラ１
５より上方において１対の横方向フレーム２２を
固定し、該フレーム２２の両端と中央とに縦方向
軸の抑えローラ２３と垂直軸ガイドローラ２４と
を軸支する。

横行フレーム１７は、下部に固定したレール部
材２５がローラ１５，１６上に乗り、両側にブラ
ケツト２６を介して固着したガイドレール２７が
ローラ２３，２４に接して案内され、下部に固定
したラツク２８に横行駆動装置２９のピニオンが
噛合して横行駆動される。

横行フレーム１７が横方向中央位置にあると
き、コイル置台４の中心線ａとコイル受台２１の
中心線ｂとの間の中央位置において横行フレーム
１７上に１対のコイル昇降支持装置３０を設け
る。コイル昇降支持装置３０は油圧シリンダ３１
にて昇降するコイル支持台３２を有し、該支持台
３２は上面がＶ形をなしてコイルＳを安定に支持
することができ、コイル置台４及びコイル置台２
１の受板１０，２０の縦方向間隙３３内に入つて
横行することができる。該横行時に、横行フレー
ム１７は下面が横行前方のローラ１５と中央のロ
ーラ１６とにより支持され、また横行前方及び中
央の抑えローラ２３によつて上側が案内されて、
コイル昇降支持装置３０がコイルＳを支持したと
きに横行フレーム１７に加わる転倒モーメントに
対抗する。

横行フレーム１７が、コイル昇降支持装置３０
上にコイルＳを支持して中心線ａの位置に横行し
たとき、走行台車５が転倒しないよう、台車フレ
ーム１１の前後外側に突設したブラケツト３４に
アウトリガー用油圧ジヤツキ３５を固定し、その
ラムに固定した円錐形カツプ３６が、ジヤツキ作
動時に各コイル置台４に対して床に取付けた位置
ぎめ台３７と嵌合して、台車フレーム１１を位置
ぎめを兼ねて安定に支持し得るように構成する。

なお、ジヤツキ３５の位置ぎめ機能はレール１
の一側においてのみ行えばよい。油圧シリンダ３
１，３５の制御は走行台車５に内蔵した油圧発生
装置によつて行われる。

走行台車５の上記各動作を行うためのモータ及
び油圧源用電力及び制御信号は縦方向のトロリー
線３８から集電子３９を通じて与えられる。

第４図、第５図は横行台車６の詳細を示し、台
車フレーム４０は前後の各２軸の横行車輪４１と
中央のコイル昇降支持装置４２を有する。該装置
４２は横行方向に長い１個のコイル支持台４３と
油圧シリンダ４４及び案内装置４５を有し、コイ
ル受渡台７の間隙３３内に入ることができる。４
６は横行用駆動装置である。コイル昇降支持装置
４２によるコイル受渡台７に対するコイル移載動
作は、コイル昇降支持装置３０の前記した動作と
同様である。

レール２，３の交差点において、レール２，３
はレール１をはさんで切断されており、全４軸の
横行車輪４１は常にいずれか１軸の車輪のみが順
次前記交差点を通過してコイルＳを安定に移送す
るよう横行車輪４１の配置が定められている。

本発明においては、コイルＳの向きを上記実施
例と直角にして搬出入及び貯蔵をすることも可能
である。

発明の効果 本発明は上記構成を有し、コイル搬出入及びコ
イル貯蔵位置への移動をすべて台車を用いて行
い、従来用いられた天井クレーンを廃したので、
コイルを互に近接して貯蔵することができて、貯
蔵床面を従来より大幅（約10％）に節減しうる上
に、建物の高さ及び強度を減じて建設費を節減し
うる効果があり、更に指定のコイル置台に対し走
行台車及び横行台車の計算機制御をすることが可
能であり、停止位置ぎめ精度も良好であるから、
コイルの搬出入能率を増大させることができ、ま
た保守も容易である等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図はレイ
アウト図、第２図、第３図は走行台車の夫々立面
図及び側面図、第４図、第５図は横行台車の夫々
立面図及び側面図である。 １……縦方向レール、２，３……横方向レー
ル、４……コイル置台、５……走行台車、６……
横行台車、７……コイル受渡台、１１……台車フ
レーム、１７……横行フレーム、２１……コイル
受台、３０，４２……コイル昇降支持装置、３３
……間隙、Ｓ……ストリツプコイル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 並設した縦方向レールと、各縦方向レールの
   両側高所に該レールと平行に整列設置した多数の
   コイル置台と、該レールと直交するコイル搬出入
   用の横方向レールと、横方向レール内にコイル置
   台と縦方向に整列して設けたコイル受渡台と、縦
   方向レール上を走行する台車の台車フレーム上に
   設けたコイル受台及びコイル受台の直下において
   台車フレーム上に横方向に移動可能に案内支持し
   た横行フレーム及び横行フレーム上に設けたコイ
   ル昇降支持装置を有する走行台車と、横方向レー
   ル上を走行しコイル昇降支持装置を具えた横行台
   車とを有し、コイル昇降支持装置はコイル置台、
   コイル受台及びコイル受渡台の夫々中央部の縦方
   向に開いた間隙内に入つて前記各台に対するコイ
   ルの移載を行うことを特徴とするストリツプコイ
   ル貯蔵設備。