JPH0154070B2 - - Google Patents

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JPH0154070B2
JPH0154070B2 JP61287549A JP28754986A JPH0154070B2 JP H0154070 B2 JPH0154070 B2 JP H0154070B2 JP 61287549 A JP61287549 A JP 61287549A JP 28754986 A JP28754986 A JP 28754986A JP H0154070 B2 JPH0154070 B2 JP H0154070B2
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Kenjiro Nishino
Yukihiro Kobayashi
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Barudan Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
Barudan Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、布地に縫目を利用して所望の模様を
形成する刺繍ミシン用の刺繍データを作成する刺
繍模様作成装置に関し、特に刺繍模様を高速、か
つ、精細に創作できる刺繍模様作成装置に関す
る。
[従来の技術] 従来、刺繍ミシンは、予め穿孔テープや、磁気
テープなどに記録されている、あるパターンを縫
い上げるために必要となる縫い針の落ちる座標位
置を表すデータ、いわゆる一針データに従つて動
作する。しかしこれでは上記各種のテープに記録
されているパターンの組合せ以外の模様を刺繍す
ることが不可能となるため、近年では、各種のテ
ープ等から読み込んだ一針データをある程度加工
して新たたな刺繍模様を刺繍するための一針デー
タを作成する刺繍模様作成装置が提供されてい
る。例えば、上記一針データを読み込み後に、操
作者の入力した数値に応じて、その一針データを
加工して模様を拡大等し、所望の刺繍模様の作成
を可能とするのである。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、上記のごとき刺繍模様作成装置にも次
のような問題点があつた。
従来の刺繍模様作成装置において、予め記憶し
ている前記パターンデータの形式は、刺繍の基本
となるデータを有している。そして、刺繍模様作
成装置は、このパターンデータの読み込みを完了
した後に、該パターンデータに対してどの様な変
更を加えるかが入力されたならば、その入力に忠
実に読み込んでいるパターンデータの変更を実行
しているに過ぎない。すなわち、パターンデータ
として読み込んだ内容に、全体的に統一された変
更を加えるのみなのである。
このように読み込みを完了したパターンデータ
全体についてのみの加工しか許されていないた
め、複数のパターンデータの中の一部についての
み拡大、回転、移動などの加工を加えることがで
きず、その様な刺繍模様を作成するときには、同
一加工を行うパターンのみを抽出しては刺繍を実
行する、いわゆる部分毎の刺繍を繰り返し実行し
なければならなかつた。しかし、この様な部分毎
の刺繍の繰り返しによつて所望の刺繍模様を得る
方法によれば、複数回の刺繍を行うために非常に
多くの時間を必要とし、刺繍の能率が極めて低く
なる。また、前回までに布地上に作成している刺
繍模様と今回の刺繍によつて作成される模様との
位置関係を正確に設定することは困難であり、刺
繍模様を精細に作成するこができなかつた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされ
たもので、複数のパターンからなる刺繍模様に対
して、そのパターン毎に拡大、縮小、回転等ある
いはタタミ縫い、サテン縫い等の形態および/ま
たは刺繍縫い方式を任意に決定することができ、
刺繍模様の創作を容易とし、その効率を向上さ
せ、多くのパターンの組合せからなる複雑なもの
であつても刺繍の実行を短時間に、しかも精細に
行うことができる優れた刺繍模様作成装置を提供
することを目的としている。
発明の構成 [問題点を解決するための手段] 上記、問題点を解決するために本発明の構成し
た手段は、例えば、第1図の基本的構成図に示す
ごとく、 刺繍模様を構成する際の最小単位となる複数の
パターンを記憶しているパターン記憶手段C1
と、 該パターン選択手段C1の記憶している複数の
パターンの中から任意の2以上のパターンを選択
するパターン選択手段C2と、 該パターン選択手段C2の選択した2以上のパ
ターンのそれぞれに、形態および/または刺繍縫
いの方式を定める刺繍形式を決定する形式決定手
段C3と、 二次元表示画面Pの表示領域を少なくとも二分
し、一方の表示領域に前記パターン選択手段C2
により選択された前記任意の2以上のパターンを
表示し、他方の表示領域に前記形式決定手段C3
により決定可能な刺繍形式を表示する初期表示制
御手段C4と、 前記パターン選択手段C2により選択された2
以上のパターンを、前記形式決定手段C3により
決定された刺繍形式に基づいて前記二次元表示画
面Pに表示させる編集表示制御手段C5と、 該編集表示制御手段により前記二次元表示画面
上に作成された刺繍模様に基づいて、刺繍ミシン
の実行する一針データを作成する一針データ作成
手段C6と、を備えることを特徴とする刺繍模様
作成装置をその要旨としている。
[作用] 本発明におけるパターン記憶手段C1とは、刺
繍模様の最小単位である複数のパターンを記憶し
ている。
パターン選択手段C2により、上記パターン記
憶手段C1の記憶内容から任意の2以上のパター
ンが選択される。すなわち、この手段の作用によ
り、任意の2以上のパターンを自由に組み合せて
所望の新たな刺繍模様を創作することができる。
形式決定手段C3とは、上記のように選択され
た2以上のパターンそれぞれについて、当該パタ
ーンを刺繍する際に必要となる各種の刺繍形式、
例えばパターンの拡大倍率、縮小倍率、回転、反
転等の形態、タタミ縫い、サテン縫い等の刺繍縫
いの方式を決定するものである。これにより、単
にパターン記憶手段C1に記憶されたパターンの
組み合せに限らない、自由度の大きな刺繍模様の
創作が可能となる。
初期表示制御手段C4は、二次元表示画面Pの
表示領域を少なくとも二分し、一方の表示領域に
選択された2以上のパターンを表示し、他方の表
示領域に形式決定手段C3により決定可能な刺繍
形式を表示する。すなわち、パターンの組み合せ
として刺繍模様を創作する際に、操作者の選択可
能な情報を総て二次元表示画面Pに表示すること
により、視認しつつ刺繍模様の創作が可能な環境
を与える。
編集表示制御手段C5とは、パターン選択手段
C2により選択された2以上のパターンを、形式
決定手段C3により決定された刺繍形式に基づい
て二次元表示画面Pに表示する。すなわち、初期
表示制御手段C4、パターン選択手段C2及び形
式決定手段C3を用いて視認しつつ創作された刺
繍模様が、二次元表示画面Pに表示され、刺繍作
業の実行以前にその出来上り状態を視認すること
ができる。
一針データ作成手段C6は、二次元表示画面P
に表示された二次元的な模様から、刺繍ミシンに
その二次元的な模様を刺繍させるために必要な一
針データを作成する。
以下、本発明をより具体的に説明するために実
施例を挙げて詳述する。
[実施例] 実施例の構成 第2図ないし第6図は、本発明の実施例である
刺繍模様作成装置を中心とした多針刺繍ミシンの
システム構成の説明図である。
以下、上記各図面に沿つてその構成について詳
細に説明する。
システム全体は、第2図の外観斜視図に示され
るように二頭型で各頭毎に複数の縫い針を有する
多針刺繍ミシン10と、該多針刺繍ミシン10に
対して刺繍データを伝送し所望の刺繍模様を形成
させる刺繍模様作成装置60と、から構成され
る。
多針刺繍ミシン10は、周知の自動刺繍機とし
て完成しているもので、例えば、図示しないテー
プリーダ等から刺繍模様の縫い点の位置データを
表わす一針データおよび多針のどの縫い針を用い
て刺繍を実行するかを表わす選択データからなる
刺繍データが入力されると、そのデータに忠実な
刺繍を実行する。図において、多針刺繍ミシン1
0の下段に設置されるドライバーユニツト20が
上記の刺繍データを解読し、縫い針を変更する針
換えモータ58、刺繍枠30を保持している枠体
32をX方向、Y方向へ移動させる一組のパルス
モータ36,38、縫い針を上下動して縫目を形
成する縫いモータ57等を制御する。なお、多針
刺繍ミシン10には、通常同様に縫い針を上下動
する主軸の回転数を検出するエンコーダ34、お
よび上糸の切断を検出する図示しない上糸センサ
や縫い針の位置を確認する針棒センサ54等の上
記各種モータの駆動制御に必要なセンサを備えて
おりバライバーユニツト20に検出信号を与えて
いる。
第3図は上記した枠体32をX、Y方向に駆動
する一組のパルスモータ(X−Yモータ)機構部
分の詳説図である。図のようにXモータ36、Y
モータ38の出力軸に嵌着される歯車でV字状に
架け渡されるベルト40,42を回転駆動するな
らば、該ベルト40,42に挿着され、かつ枠体
32に嵌合するローラ44,46が移動し、枠体
32をX方向、Y方向へ移動させることができ
る。
上記したシステム全体の構成をより簡明に表わ
したブロツク図が第4図、そしてドライバーユニ
ツト20を中心とした多針刺繍ミシン10のブロ
ツク図が第5図である。
図示のように、実施例の刺繍模様作成装置60
は多針刺繍ミシン10のドライバーユニツトとイ
ンターフエイスRS422で通信を行なうもので、刺
繍データの作成を担当している。そして、ドライ
バーユニツト20が、該伝送されてきた刺繍デー
タを解読しつつ、前述したエンコーダ34、上糸
センサ50を有する上糸検知装置52、針棒セン
サ54を有するカラーチエンジ装置56からの検
出出力を判断し、Xモータ36、Yモータ38、
縫いモータ57、針換えモータ58の制御を実行
する。ドライバーユニツト20を構成するCPU
20Aは、上記のごとき制御手順を記憶している
ROM20Bの内容に従つて情報処理を実行す
る。インターフエイス(I/F)20D〜20F
は各センサからの検出信号をA/D変換したり、
一時的に記憶してCPU20Aからの読み出し信
号に応え、各モータコントローラ20G〜20I
はCPU20Aからの制御信号をD/A変換増幅
等して各モータの駆動信号を作る。
なお、コントローラ59とはドライバーユニツ
ト20に入力された刺繍データ等に僅かな変更等
を加え、刺繍模様に変化を持たせることができる
ものである。
上記のように、ドライバーユニツト20は論理
演算回路として構成されており、デイジタル信号
の処理を行なう。従つて、本実施例の刺繍模様作
成装置60も同様に第6図に示すような論理演算
回路として構成されている。すなわち、論理演算
を実行するCPU60Aは後述する各種制御プロ
グラムを記憶しているROM60Bの内容を、マ
ウス60Cやキーボード60Dからの入力に従つ
て読み出し、処理する。また、上記処理のために
必要な情報はハードデイスクドライブ(HD)6
0F、フレキシブルデイスクドライブ(FDD)
60Eに装着される磁気デイスクから適宜読み出
され、また処理後の情報が同デイスクに保存され
る。CPU60Aが現在どの様な処理を実行し、
またその処理の結果や入力可能な命令等が簡単に
理解されるように、二次元表示画面に画像を表示
するCRT60Gが用意されており、周知のよう
にCRTコントローラ60HがビデオRAM60J
の内容を読み出しつつ画面の表示内容を制御し、
CPU60Aは、CRTコントローラ60Hの動作
を司り、かつビデオRAM60Jの記憶内容を適
宜変更する。なお、RAM60Kは情報の一時的
記憶を実行してCPU60Aの論理演算を補助す
る揮発性記憶素子、I/F60L,60Mは入力
手段であるマウス60C、キーボード60Dのイ
ンターフエイスである。また、もう一つのインタ
ーフエイスI/F60Nが前述したドライバーユ
ニツト20との通信を可能とするRS422のインタ
ーフエイスであり、ドライバーユニツト20に刺
繍データの伝送を行う。
以上のように構成される刺繍模様作成装置60
は、予め刺繍の際の基本となる最小単位の刺繍模
様(以下、パターンという)をHD60Fに装着
されるハードデイスクに格納している。この情報
の構成について次に説明する。
第7図ないし第10図がハードデイスクに記憶
されているパターン情報の説明図である。ハード
デイスク上に記憶されているパターン情報は、第
7図に示すようなスタイルマスターフアイルとし
て格納されている。すなわち、パターンとして多
様のものを用意することが刺繍模様作成において
至便となることは明白である。また、同じアルフ
アベツトの文字でもブロツク体、活字体や花文字
等各種スタイルのパターンが存在する。そこで、
これらのパターンを同一関連性(同一スタイル)
のパターンの集合として各スタイル毎にフアイル
としてまとめて管理し、記憶しているのである。
各スタイルのフアイルは、スタイルマスターフア
イルからそのスタイルの名称を特定することで読
み出され、その中にはインデツクス検索用フアイ
ル、インデツクスフアイル、データフアイルの3
種のフアイルが用意されている。これは、最終的
に各パターンの形状等を特定するパターンデータ
はデータフアイルに格納されているのであるが、
一つのスタイルのパターンデータがあまり大きな
情報を有するためデータ管理を容易とし、かつデ
ータの検索時間を短縮するためである。
まず初めにデータフアイルについて説明する。
第8図ないし第10図はデータフアイルに格納さ
れているコラムデータの説明であり、第8図が同
一のアルフアベツトの文字「A」を種々なるスタ
イルで表現しているコラムデータの説明図、第9
図が第8図Aに示すスタイルのコラム説明図、第
10図が第9図のコラムのデータ表現を表わして
いる。
第8図に示すように各パターンは四角形および
円弧のコラムの集合として表現される。例えば、
同一アルフアベツトの「A」にも多様のスタイル
があるためそのスタイル毎にまとめられたパター
ンで分類され、A,B,C図はそれぞれ異なるス
タイル名称のフアイルに格納される。
ここで例として第8図Aに示すスタイルの文字
「A」コラムデータにつき説明する。第9図Aに
示すように各コラムは厚みのある四角形と円弧、
およびこれらの厚みのなくなつた直線と円弧との
4種存在するが、各コラムには順番が付されてお
り、第9図Aのパターンでは1から5までの5個
のコラムで構成されている。この順番が各コラム
を縫い上げる際の順序を示すもので番号の若い順
に刺繍がなされる。図中の〜までの数字は、
各コラムを表現するための位置データを表わして
おり、四角形のコラムはその頂点にそれぞれ〜
の座標が設定され、直線のコラムは上記四角形
のコラムの頂点とおよとが同一座標とな
つた特殊な型である。上記各コラムを表わす位置
データ〜は、各パターン毎に定められる直角
座標系に従つて位置付けされている。第10図が
第9図Aに示した五つのコラムの各位置データ
〜を実際の数値とともに表わした図である。図
より明らかなように、ここの例えばコラムNo.1の
ポイント、およびコラムNo.4のポイントが
上記直角座標系の原点(以下、文字原点という)
として定義されている。こうしたコラムは、文字
原点を刺繍のスタート点としてその幅であるボイ
ント、と、の直線で囲まれる領域を第9
図Bのごとく縫い上げられることで、パターンを
形成するのである。
次に、上記したようにコラムの集合として各パ
ターンを記憶していても正確に第9図Bに示すよ
うな刺繍を施すことが可能であることを説明す
る。
前述したように、コラムには四角形のコラム
(直線はこの特殊な例であり、本質的に同一であ
る)と円弧のコラム(同様に厚みのない円弧は特
殊な例である)との2種類に大別される。従つて
この2種類のコラムについて、その頂点等を表わ
す数少ないポイントのデータから刺繍すべき針落
ち点のデータが作成できることを示す。
第11図は、文字原点COからの距離が直角座
標を用いて(x1、y1)、(x2、y2)、(x3、y3)、
(x4、y4)で表わされるポイント1S、2S、3S、及
び4Sによつて定義されるコラムである。このコ
ラムを図示するように縫い上げるためには縫点移
動距離Δx1、Δy1及びΔx2、Δy2を算出すればよい
ことがわかる。この縫点移動距離Δx1、Δy1及び
Δx2、Δy2を算出する手順を流れ図第12図に示
す。これは、刺繍模様作成装置60によつて刺繍
模様データを作成する際にCPU60Aにおいて
この種のコラムを縫う際に必ず実行される手順で
ある。まずCPU60Aにおいて、4つの点(u1
y1)、(x2、y2)、…、(x4、y4)から成るコラムか
らであることを判断するとステツプ101が実行さ
れ、コラムの平均長さLを算出するために必要な
コラムの辺(x1、y1)と(x2、y2)及び(x3
y3)と(x4、y4)のそれぞれの中点(xm1
ym1)、(xm2、ym2)が求められる。
次に、ステツプ102ではその結果(xm1、ym1
と(xm2、ym2)とを用いてコラム平均長Lを算
出する。そして、続くステツプ103によつて、後
述のごとくこの種の処理の実行前に予め入力され
ている該コラムを縫うステツチ密度P(回数/cm)
と前記コラムの平均長さLとから的とする縫点移
動距離Δx1、Δy1及びΔx2、Δy2の4種の値が算出
される。以上によつて、操作者は所望のピツチ数
で均一な縫目位置のデータ、一針データが得られ
るのである。
次に、第13図に示す曲線コラムの場合につい
て、流れ図第14図および第16図を参照して詳
細に説明する。この種のコラムは第11図に示し
た四角形コラムと相違しており第13図に図示す
るように文字原点COから(x1、y1)、(x2、y2)、
…、(x5、y5)までのポイント1S〜5Sの5点によ
り表示されている。従つて前述のごとく、CPU
60Aは処理しようとするコラムが5点で構成さ
れるコラムであると判断すると、第14図に示す
流れ図のステツプ201を実行するのである。
ステツプ201では、まずポイント(x1、y1)、
(x2、y2)及び(x3、y3)、(x4、y4)から成る2
線分の中点(xm1、ym1)、(xm2、ym2)を求め
る。次にステツプ202によつて先に求めた2つの
中点と縫点(x5、y5)との3点を通る1つの円の
方程式を演算し、該円の中心点(x0、y0)及び
その半径Rを算出する。
続くステツプ203では、(x0、y0)を中心とす
る半径Rの円と点(xm1、ym1)、(xm2、ym2)、
とを基に次の2つの量を算出する。まず、線分
(x0、y0)、(xm1、ym1)と線分(x0、y0)、
(xm2、ym2)の水平線からの傾きα、α2の平均
角α、次い該角度αの直線と前点Oを中心とする
円の交点P51(x51、y51)が求められる。
そして、次のステツプ204にて、線分(x1
y1)、(x2、y2)、(x3、y3)(x4、y4)が水平軸と
なす角β1、β2の平均βが算出され、続くステツプ
205に前記点P51を通つて水平軸に対してβの傾き
をもつ直線の方程式を算出する。
ステツプ206では、上記したステツプ205で得ら
れた点P51を通る直線の長さl13、l23を図中の式の
ごとく決定する。すなわち、円弧の幅が平均的に
変化するように中間点での幅を決定する。そして
次のステツプ207で直線上の長さl13、l23の位置で
の座標Pm3、Pm4が算出され続くステツプ208で
はその座標Pm3とポイント1S、3Sとを通る円の
方程式、ステツプ209では座標Pm4とポイント
2S、4Sとを通る円の方程式が算出されて、円弧
コラムの外形が求められる。
上記第13図、第14図で説明したように円弧
コラムの外形が求まると、第15図に示すような
外形上の実際に縫い上げられる点、すなわち縫い
点の算出が後述するステツチ密度P(回数/cm)
を用いて第16図の流れ図に従つて実行される。
第16図に円弧ルーチンでは初めに円弧の中心
を通る円(Pm1、P51、Pm2)の長さ、平均コラ
ム長Lがその中心角度θ(=α1−α2)および半径
Rから算出され(ステツプ210)、次のステツプ
211で平均コラム長Lをステツチ密度Pで除算し
た値、全ステツチ数を求める。
こうして、円弧上に縫い点の数が求まると、円
弧上に均等に縫い点が分布するように1ステツチ
当たりの移動角度S1θ、S2θが、円弧1S、Pm3
3Sおよび円弧2S、Pm4、4Sを全ステツチ数で等
分したときの1つの角度として求められる。
そして、ステツプ213の処理でステツチ数nに
0が設定され、ステツプ214で該変数nが前記ス
テツプ211で算出した全ステツチ数に等しくなつ
ているか否かを判断し、等しくなつているときに
は本ルーチンを終了し、それ以外のときには以下
の処理へと進む。
ステツプ215では変数nを「1」インクリメン
トする処理がなされ、続くステツプ216で前記移
動角度S1θに変数nが乗算されて、1ステツチ進
んだ円弧1S、Pm3、3S上の位置データがステツ
プ217で算出される。
そして、このコラムが幅のないコラム(1S=
2S、3S=4S)であるか否かの判断がステツプ218
でなされ、幅のないコラムであつたときは計算時
間の短縮のため再度ステツプ214へ戻つて円弧
1S、Pm3、3Sの円弧上の次の縫い位置が算出さ
れる。
ステツプ218の判断が幅のないコラムでない場
合には、その後のステツプ219、ステツプ220が実
行され、移動角度S2θで変数n倍だけ進んだ円弧
2S、Pm4、4S上の縫い点の位置データが算出さ
れて前記ステツプ214の処理へと戻る。
上記のように、本実施例の刺繍模様作成装置6
0は、パターンを4点コラム、5点コラムおよび
6点コラム等の複数点で表現されるコラムの集合
としてデータフアイルに記憶している。このた
め、大幅な情報の圧縮が可能となる。
また、そのデータ構造は第7図に示すように、
各コラムデータを示す座標の前に、何個のコラム
からなるパターンであるかを示すパート数、およ
びそのパターンの幅が一緒に記憶されている。
このように各パターンを表わすデータが作成さ
れ、データフアイルとしてHD60Fに記憶され
ている。そして、第7図に示すように、こうして
作成された膨大なデータを迅速に検索できるよう
に、データフアイル中の各パターンのデータが記
憶されている先頭の番地b11、b12、…を集めてイ
ンデツクスフアイルが作成されている。
このインデツクスフアイルとは、例えばアスキ
キーコードやJISコード等で検索したいパターン
a11やa12を特定するとき、そのパターンについて
のコラムデータが格納されている番地を直ちに検
索できるようにパターンと番地との一対一の対応
をとる構造である。
更に、本実施例の刺繍模様作成装置60は第7
図に示すように、上記インデツクスフアイルさえ
も大容量となつても検索時間が短くなるようにイ
ンデツクス検索用フアイルが用意されている。こ
れは、インデツクスフアイル内の所定数のパター
ンと番地との対を一つのレコードとして、定義
し、各レコードの先端のパターンのコードのみを
フアイルしたものである。このインデツクス検索
用フアイルによれば、検索したいパターンのコー
ドがどのレコードにあるかを瞬時にして探し出す
ことが可能となり、従つて、続いてインデツクス
フアイルの該当レコードを検索するだけで目的と
するデータフアイルの番地が判明する等、極めて
時間短縮に有益である。
実施例の動作 次に、以上説明のごとく構成されるシステムに
おいて、本実施例の刺繍模様作成装置60がどの
ように動作するかにつき説明する。
刺繍模様作成装置60のCPU60Aは起動さ
れると、第17図のフローチヤートに示すような
ROM60Bに格納されているメインプログラム
の処理を開始する。このメインプログラムが、刺
繍模様作成装置60の全体の動作を司るプログラ
ムである。各ステツプに示す一つの処理は更に複
数の処理ルーチンに分けられる複雑なものである
が、初めに全体の流れを示すために第17図の各
ステツプの処理につき簡単に説明し、後に更に詳
しい細部の処理ルーチンについて説明する。
まず、刺繍模様作成装置60が起動されるとス
テツプ300の処理によりCRT60Gにメニユー画
面1が表示され、操作者は該画面を見ながらデー
タの選択や定数の指定といつた入力作業が可能と
なる。このメニユー画面1の処理で入力されたデ
ータは、次のステツプ301で実行されるオートス
ケールセツトおよびグループ原点セツト等の処理
に供され、後述する模様表示処理を実行するのに
必要な演算が行なわれる。ステツプ302の処理は
このようにして模様表示処理のための準備が完了
したとき実行され、CRT60Gに現在表示され
ているメニユー画面1をクリアし、次の模様表示
可能なメニユー画面2に変更し、表示する処理で
ある。そして、そのメニユー画面2上に、入力作
業に応じた刺繍模様が表示され(ステツプ303)、
操作者は視覚的な模様の確認作業が可能となる。
また、以上の処理に次じて実行される編集処理ス
テツプ304とは、メニユー画面2上で刺繍のため
の模様を視覚確認しつつ所望の変更、修正を加え
て最終的に希望する刺繍模様を作り出すための処
理であり、こうしてCRT60G上に表示された
模様に従つて刺繍データが作成される。
以上の一連のメインプログラムの処理は、
「BACK」キーが押圧されるとリセツト状態とな
り再びステツプ300へと戻つて更に新たな刺繍模
様の創作が可能となるのである。
このように、主たる処理手段に従いつつ刺繍模
様のCRT60G上での作成が実行されるのであ
る。以下に、上記した各ステツプの処理を更に詳
細に説明する。
第18図が、前述のステツプ300の処理により
CRT60Gに表示されるメニユー画面1の表示
例である。画面は大きく4つのブロツクB1〜B
4に分割されている。ブロツクB1は、前述した
ハードデイスク60Fに格納されている多くのパ
ターンデータの中から、現在希望するパターンは
どのスタイル(書体)のものであるかを指定する
スタイル指定ブロツクである。ここのブロツクで
指定されたスタイルのフアイル(第7図参照)が
オープンされ、以下その下位のインデツクス検索
用フアイル、インデツクスフアイル、データフア
イルと検索されて希望するパターンのデータ、す
なわち、コラムデータが読み出されるのである。
ブロツクB2は、自由に選択できるパターンの
編集項目が掲げてある領域で、各パターンをここ
では「Letter」と表示し、その大きさ、各パター
ン間の表示間隔、高さ、縫い密度、傾斜角度、コ
ラム幅の拡大・縮小、パターン幅の拡大・縮小、
更にはサテンステツチやタタミ縫い等の縫い方法
の選択、刺繍糸の色といつたパターンを刺繍する
際に変更、修正できる全ての項目が表示されてい
る。
ブロツクB3は、複数のパターンで一つのまと
まつた組(以下、グループという)を構成したと
き、そのグループ全体に係わる刺繍模様の形式を
設定する領域である。第19図〜第23図に示す
ように複数のパターンからなる一つのグループの
表現方法としては、縦、横、斜め、そして円弧上
への配列と多様である。そこでこのグループの配
列をどの様にするかをDispositionに設定する番
字1〜6で決定する。ここで数字「1」は第19
図、第20図のような横配列、「2」は第21図
のような縦配列。「3」は第22図のような右上
がりの斜め配列、「4」は第23図のような右下
がりの斜め配列を、および数字「5」、「6」はそ
れぞれ図示しない上円弧配列、下円弧配列を表わ
す。Center or Leftとは、Dispositionを「1」
に設定したときに第19図、第20図に示すよう
にグループの原点を全グループの中点に設定し
て、いわゆるセンター振り分けで表示するか、あ
るいはグルプの左端をグループの原点として左づ
めで表示するかを選択するもので、数字「0」が
センター振り分けを数字「1」が左づめを表わ
す。Height Intervalは、Dispositionを「3」、
「4」に設定したときに意味を持つもので、第2
2図、第23図に示すように隣接するパターンを
上下方向(Y方向)にどれ程づつ変位して斜め配
列とするかを与えるものである。また、Radius
はDispositionの設定が「5」、「6」の円弧配列
に際して、円弧の半径がどれ程とするかを設定す
る変数、LF Intervalはグループ相互のY方向変
位を設定する変数、を表わしている。
ブロツクB4は、選択したパターンが表示され
る領域であり、図は数字「ABC」、「abc」、「123」
の三文字からなる三つのグループを例示してい
る。これらのパターンは、上記した各ブロツクで
どの様な刺繍模様としたいかを決定した後に、キ
ーボード60Dの対応するキーを押圧することで
特定される。
以上が、メニユー画面1の作業事項であるが、
本実施例では上記メニユー画面1の設定を次のよ
うに変更することができる。多針刺繍ミシン10
の各頭には多くの縫い針があり、これらの各縫い
針にはそれぞれ所望の刺繍糸を装着することがで
きる。従つて、前述したブロツクB2で刺繍糸の
色の設定(Color Code)を実行する際には何番
目の縫い針に何色の刺繍糸が装着されているかは
各システムによつて異なるものであり、個々に設
定可能であることが望ましい。そこで、本実施例
では縫い針の番号と刺繍糸の色との関係を自由に
変更できるように、かつ、その状態を一目で把握
するためCRT60Gに表示するように、構成さ
れている。
第18図ブロツクB2の最下部に表示されてい
る「Color Code」の行右方には、長方形の欄が
7個設定され、ここにはそれぞれ異なる色相の表
示がなされている。この欄が縫い針1〜7(本実
施例の多針刺繍ミシン10は5針までを使用)の
各針に装着される刺繍糸の色に対応しているもの
で、左端が縫い針「1」にセツトされた刺繍糸の
色、次が縫い針「2」にセツトされた刺繍糸の
色、…と視覚確認可能とされている。このため、
前述した各パターンの色の設定に際しては7つの
欄の中から所望の色を視覚確認しつつ選択し、そ
の選択した色が左から何番目の欄の色かをキーボ
ードから入力(図は「1」をキーボードから入力
した状態を表わしている)すれば、縫い針の番号
が設定できる。
上記色の設定は、ROM60Bに記憶されてい
る第24図のフローチヤート、およびハードデイ
スク60Fに格納される第25図のカラーコード
テーブルを用いてなされる。こででカラーコード
テーブルとは、1〜7の縫い針の番号に対応した
七つのテーブルに色相に対応した七つのカラーコ
ードを設定するものである。第26図が本実施例
のカラーコードとCRT60G上に表示される色
との対応表である。すなわち、例えばカラーコー
ドが「1」であればCRTコントローラ60Hは
ビデオRAM60Jの所定の表示情報を三原色
(赤・青・緑)の中の青色のみで表示する。
メニユー画面1の表示中でカラー表示が制御し
たい多針刺繍ミシン10に装着される刺繍糸の色
と異なるとき操作者はキーボード60Dを操作し
て、第24図のフローチヤートの処理をCPU6
0Aに実行させる。CPU60Aは初めにカウン
ターCを「1」にセツトして(ステツプ310)、操
作者からのキーボード60Dを用いたカラーコー
ド入力を受け付ける(ステツプ311)。カラーコー
ドが入力されたならば、その値が表わす色(第2
6図参照)でCRT60G上の左からC番目の長
方形の欄が塗り替えられ(ステツプ312)、第25
図に示したカラーコードテーブルのテーブルNo.
「C」のカラーコードも同様に書き替えられる
(ステツプ313)。こうしたカラー表示およびカラ
ーテーブルの変更の毎にカウンタCの内容は1づ
つインクリメントされ(ステツプ314)、その内容
が7以上となるまでは再度ステツプ311〜ステツ
プ314を繰り返し実行し、7以上となつたときハ
ードデイスク60Fへ変更されたカラーコードテ
ーブルを格納して(ステツプ316)本ルーチンを
終了する。
上記説明のように、メニユー画面1に基づいて
必要な入力作業が完了すると(第17図ステツプ
300)、次いでオートスケールセツト、グループ原
点セツト(同図ステツプ301)が実行される。
第27図、第28図および第29図がステツプ
301の処理を詳細に表わしたフローチヤートおよ
びその説明図である。メニユー画面1でブロツク
B4に表われる各パターンは所定のグループ区
切、例えばキヤリジリターン・キーを押圧するこ
とでグループ毎に編制されて行を異にして表示さ
れる(第18図参照)。このときのグループ区切
の操作が何度実行されたかを記憶することでグル
ープ数が容易に判明するが、オートスケールセツ
ト、グループ原点セツトの処理では、初めにこの
グループ数を確認し(ステツプ320)、次いで全グ
ループについてグループとしての占有領域やグル
ープ毎の原点を算出する(ステツプ321)。この算
出には、前記メニユー画面1のブロツクB2で入
力された各パターンの幅や高さを文字間隔ととも
に加算し、また、ブロツクB3で入力されたそれ
らのパターンの配列方式や表示位置等を考慮する
ことで算出できる。第28図がその算出の一例で
ある。図は「AB」、「1234」、「ab」の三つのグル
ープを横配列、センター振り分けで表示する例で
ある。グループ「AB」はセンター振り分けの中
心に設定されるグループ原点(0、0)からとも
にパターンの幅±WだけX方向に領域を必要と
し、パターンの高さHだけY方向の領域を必要と
する。また、グループ「1234」は上記グルーープ
「AB」のグループ原点よりLF Intervalの値Lだ
けY方向に移動した(O、−L)の点に原点が設
定され、ここからX方向に2個のパターンの幅
2W、Y方向にパターンの高さH、の領域を必要
とする。同様にグループ「ab」についてもグル
ープ原点(O、−2L)、X方向±W、Y方向Hが
必要となる。
こうして各グループ毎にグループ原点および占
有領域が求められると、次いで全グループとして
の占有領域(X、Y)の最大値、最小値が算出さ
れる(ステツプ322)。これは第28図に示すよう
に前記した各グループについてのX座標値、Y座
標値の最大、最小値を抽出するもので前例に従え
ば第28図に示すように全グループの最小値min
は(−2W、−2L)、最大値maxは(2W、H)と
なる。
続いて、処理されるステツプ323では刺繍原点
が算出される。刺繍原点とは、全グループを取り
まとめて一つの刺繍模様としたとき、その中に唯
一設定される原点である。本実施例では第1番目
のグループ原点と刺繍原点とを一致して定義する
こととしている。
最後には、スケール値の算出が行われる(ステ
ツプ324)。これは、刺繍模様を実寸大でCRT6
0Gに表示するのではあまりに大き過ぎるとき、
自動的に縮小して全模様が表面画面に納まるよう
にするための処理である。本実施例では、第29
図に示すようにCRT画面に表示可能なX座標値
CRT−X、Y座標値CRT−Yの範囲内に刺繍模
様が入るように刺繍模様の幅(X座標)、高さ
(Y座標)を順次1/2倍し、(1/2)nで全模様が
CRT画面内に納まるき、そのX方向の長さを
LEN−Xとするとき{(CRT−X)−(LEN−
X)}/2=IN−X、Y方向の長さをLEN−Yと
するとき{(CRT−Y)−(LEN−Y)}/2=IN
−Y、の値IN−X、IN−YをCRT画面の左右、
上下に空白として刺繍模様の表示を行う。従つ
て、第29図に示すようにCRT画面の中央に美
的に刺繍模様が表示される。なお、上記のように
して自動的に算出された倍率(1/2)nを操作者に
教示するために、基準となる長さの直線が同じ縮
尺でCRT画面の隅に表示されたり、縮尺が数値
表示される等の構成が採用されている。
以上のごとく実行される各パターンおよび各グ
ループの種々の設定が行われる度に、CPU60
Aは第30図A,Bに示すワードおよびグループ
毎のパラメータテーブルを作成し、RA60Kに
記憶する。ワードパラメータテーブル第30図A
は、刺繍模様を形成する一つのパターン毎に作成
され、上述したメニユー画面1で決定された全事
項を含むパターンの刺繍に際して必要な情報を格
納している。セグメントおよびオフセツトとは、
第7図で前記したデータフアイルのコラムデータ
格納先を与える番地情報を表わしている。また、
文字原点X座標およびY座標は、前記のごととく
決定されたグループ原点からの変位を、文字サイ
ズはメニユー画面よりレターサイズとして入力し
た値を、記憶する領域である。文字回転角度およ
びミラーイメージNo.は、後述するメニユー画面2
以後の入力操作により指定されるパラメータの格
納先である。文字幅1はデータフアイル(第7図
参照)に格納されているプリセツト値としての文
字幅値を記憶する領域、そして文字幅2はメニユ
ー画面1からの文字サイズ、文字幅%値等の入力
値によつて定まる値が格納される。文字間隔、イ
タリツク角度、カラーNo.、ステム、タタミ縫い間
隔等も総て前記したメニユー画面1からの入力値
の格納先である。回転の中心X座標およびY座標
は、後述のメニユー画面2以後の操作で決定され
る値の格納先であるが、ここにはパターンを単独
で回転するとき、その回転の中心座標(X、Y)
がそのパターンの原点(文字原点)からどの程度
変位しているかを示す情報が納められる。また、
文字幅%値は上記した文字幅1の変更%値を、ス
テツチインターバルはコラムの縫い点算出で説明
したステツチ密度を、ジヤンプインターバルは1
針当たりの移動できる縫い点距離の最大値を、文
字高%値はプリセツトされている文字高さの変更
%値をそれぞれ格納する。遊び点の座標(Xn、
Yn)は、後述するメニユー画面2において設定
される任意の座標点で、パターンの原点(文字原
点)からのオフセツト値がそれぞれ入力される。
グループパラメータテーブル(第30図B)
は、複数のパターンの集合として定義されるグル
ープに特有のパラメータを記憶する領域である。
配列には前記Dispositionの設定番号を、センタ
ー振り分けまたは左づめには前記Center or Left
の設定番号を、Hight Intervalには前記メニユー
画面1の設定値を、半径には前記Radiusの設定
値を、円弧配列中心角度には円弧配列時にグルー
プの中心をを90゜または270゜のいずれとするか、
すなわち上円弧または下円弧いずれで配列するか
を、LE INTERVALには前記メニユー画面1の
設定値を、それぞれ格納する。グループ先頭文字
COUNTおよびグループ文字COUNTには、本グ
ループを構成する複数のパターンの先頭データの
存在する番地およびグループの文字数が格納され
ており、グループのパターン情報存在範囲を表わ
す。GROUP−GENTEN−X、Yとは、刺繍原
点から本グループのグループ原点がどれ程変位し
ているかを与える情報が記憶される。なお、前述
のように第1グループのグループ原点に刺繍原点
が自動的に設定されることから、第1グループの
このテーブルの値は(0、0)となる。また、
MIN−X、Y座標、MAX−X、Y座標とは、前
述したグループ全体としての占有面積を与える情
報を格納する領域である。
このように、グループパラメータテーブルおよ
びパターンパラメータテーブルは、メニユー画面
1で設定された全内容を含む情報量を有する。従
つて、この各テーブルの内容が決定されたなら
ば、メニユー画面1の設定画面を簡単に再現でき
る。
メニユー画面1を用いた操作者の入力がなさ
れ、説明のごとき情報処理が完了すると、CPU
60Aは第17図におけるメニユー画面2の表示
処理(ステツプ302)、模様表示処理(ステツプ
303)を実行し、編集処理(ステツプ304)に移行
する。第31図ないし第34図がこれらの処理を
詳述するための説明図である。
第31図に示すように、CPU60AはCRTコ
ントローラ60Hに働きかけて第18図に示した
メニユー画面1をクリアし、図示のようなメニユ
ー画面2の表示を行う。図においてブロツクB
2,B3,B4がメニユー画面2にあつてステツ
プ302の処理で必須的に表示される部分であり、
ブロツクB2は第32図A,B,Cに示すような
各コマンドを絵文字で表示した、いわゆるアイコ
ンがサイクリツクに表示される表示部、ブロツク
B3は上記アイコンにより指定したコマンドの下
位に属するコマンドが表示されるコマンド表示
部、およびブロツクB4は上記のごとく指定した
各コマンドに基づく処理を行う対象となるパター
ンやグループがどれであるかを表示するチエツク
表示部である。
第31図に示すメニユー画面2にあつて最も大
きな面積を占めるブロツクB1は、続くステツプ
303の模様表示処理を実行した結果が表示される
模様表示部である。すなわち、メニユー画面1の
設定で刺繍したいスタイルの文字、その大きさや
傾き、また複数文字の集合としてのグループの配
列等が決定され、これらのデータを基に刺繍を実
行したときに得られる刺繍模様は完全に特定され
ることになる。そこで、これらのデータから得ら
れる刺繍模様のシユミレーシヨンをCRT60G
の表示画面上に実行するのである。
第33図がステツプ303の模様表示処理をより
詳細に表わしたフローチヤートである。メニユー
画面1で入力された全てのグループについての情
報を記憶しているグループパラメータの読み込み
(ステツプ330)の後に、そのグループの配列
(Dispopition)の値が判定される(ステツプ
331)。この値に応じて、「1」ならば横配列「2」
ならば縦配列、…、と各グループを構成する各パ
ターンを配列する(ステツプ332〜ステツプ339)。
このとき、横配列(値「1」)に限つてはセンタ
ー振り分けまたは左づめのいずれの表示をなすべ
きかの判断(ステツプ332)がなされる。こうし
て、一つのグループの配列が完了すると全グルー
プの処理が完了したか否かを判断し(ステツプ
340)、全グループの処理完了まで前記ステツプ
330ないしステツプ339の処理を繰り返し実行した
後に前述のステツプ304へと移行する。なお、こ
の全グループの表示に際しては、第31図に図示
するように各パターンをコラムの集合として表示
する。すなわち、各パターンのデータフアイルに
格納されている4点あるいは5点コラムの各点を
結ぶコラムの輪郭のみを表示し、第11図ないし
第16図で前述した一針毎の仔細なデータ表示は
実行しない。第31図より明らかなように、コラ
ムの集合としての表示でも刺繍模様を把握するこ
とは容易であり、それ以上の仔細な情報の表示を
実行することに起因するCPU60Aの負荷の増
加を回避してシステムの簡略化、および処理速度
の向上を達成している。図において、各グループ
を囲む細線にて表示した長方形の右上頂点、左下
頂点が前述した各グループのMAX、MINの座標
位置を、各パターンの左下に示す+印がそのパタ
ーンを表わす複数のコラムの原点となる文字原点
を、各グループの中央底辺に印されている●印が
そのグループのグループ原点を示している。刺繍
原点は最上部のグループのグループ原点と重複し
た位置に定義されている。
こうしてメニユー画面2によつて、前記メニユ
ー画面1で設定した刺繍模様を視覚的に確認する
ことができるのであるが、前述したメニユー画面
1のように単なる数値で入力した刺繍模様のデー
タであるがゆえにメニユー画面2に第31図のよ
うに表示された刺繍模様を変更・修正したい場合
が想定される。この様な場合に活用されるのが編
集処理(ステツプ304)であり、この処理の詳細
なフローチヤートについて次に説明する。
第34図A,Bがステツプ304の編集処理を詳
細に表現したフローチヤートである。図示のよう
にこのフローチヤートは、多数の処理が任意に選
択可能とされている分岐処理を行う。これ程に多
くの処理に対してのコマンドを操作者が記憶する
ことは非効率的であり、操作性が低下することに
なる。そこで、本実施例では前記第32図に示し
たアイコンをマウス60Cで視覚的に指示してコ
マンドの入力が行われるように構成している。ス
テツプ304の編集処理が開始されるとまずマウス
60CによつてCRT60Gの画面上のどの表示
が指示されたかを入力し(ステツプ350)、それが
第32図に示したアイコンの表示されるアイコン
エリア内のものであるか否かを判断する(ステツ
プ351)。アイコンによる編集処理の他に、アイコ
ンの表示を第32図Aの状態からB図あるいはC
図に変更したり、この編集処理を終了する等のメ
インコマンドが用意されているため、どのコマン
ドが指示されたかを判断するのである。アイコン
エリア外であるときには処理は第34図Bのステ
ツプ380以下の処理へ移行し、アイコンエリア内
であるときにはアイコンページ(第32図のA,
B,Cがページ1、2、3に対応)の指示された
アイコン処理(ステツプ352〜ステツプ372)が実
行さされる。各アイコンの処理は更に後述するフ
ローチヤートを用いて詳細に説明し、ここでメイ
ンコマンドが指示されたときの処理について述べ
る。まず、ステツプ351にてアイコンエリア外で
あると判断されると、続くステツプ380でメイン
コマンドであるか否かの判断がなされる。メイン
コンドでない場合には、マウス60Cによる指示
位置が不当であるため再入力を促すために再びス
テツプ350へと戻る。また、メインコマンドであ
るときには、該メインコマンド中のどのエリアの
指示がされたかに応じて処理が集められる。すな
わち、アイコン次頁が指示されていたならばアイ
コンエリアの表示を第32図のAからB、Bから
C、CからAとサイリツクに変更し(ステツプ
381)、アイコン前頁が指示されていたならば逆に
アイコン表示を前回表示内容に戻す処理(ステツ
プ382)が実行される。また、「EXIT」が指示さ
れていたときは、編集処理の終了が指令されたと
判断し終了フラグであるEXIT−FLGをリセツト
する(ステツプ383)。このようにマウスの指示位
置に応じた処理の後に、ステツプ384が実行され、
前記終了フラグが「0」のリセツト状態であれば
本編集処理を終了して前記第17図のメインプロ
グラムのステツプ305へ移り、それ以外であれば
再びステツプ350へ戻てマウス60Cからの入力
待ち状態となる。
次に、前記ステツプ353〜ステツプ372の各編集
処理細部について各々説明する。
第35図は、マウス60Cによりアイコンエリ
アの「A」を指示したときに特定される前記ステ
ツプ353のLETTER WIDTH処理を詳述したフ
ローチヤートである。この処理は大きく4つの部
分に分けられる。その一はステツプ401〜ステツ
プ404の導入処理、二はステツプ406〜ステツプ
411の対象特定処理、三はステツプ412〜ステツプ
418のグループ編集処理、四はステツプ419〜ステ
ツプ424の文字編集処理である。
導入処理にあつては初めに前記メニユー画面2
内のブロツクB3であるコマンド表示部に、対象
特定処理に必要な各コマンド「GRP.INC」、
「GRP.DEC」、「CAR.INC」、「CAR.DEC」を表
示する処理を行う(ステツプ401)。各コマンド表
示部に表示されるコマンドは以下の説明から分か
るように一斉に切り替わり、三種の表示が可能と
されている。この三種のコマンド表示にそれぞれ
数字を対応させ、以下コマンドページ「0」、コ
マンドページ「1」、コマンドページ「2」とい
う。次いでマウス60Cからの入力を受け付け
(ステツプ402)、その入力が「EXIT」であれば
前記ステツプ350へ戻つて他の編集処理を可能と
し、それ以外であればコマンドページに沿つた処
理へ進む(ステツプ404)。この処理の初回にあつ
てはステツプ401でコマンドページ「0」が設定
されているためステツプ405〜ステツプ411の対象
特定処理へと移る。ここでは編集処理を施したい
模様の特定が行われる。特定はグループ単位でも
文字単位でもよく、初期状態においてメニユー画
面2上に表示された第1グループの先頭文字の文
字原点を表示していたカーソルは、マウス60C
により「GRP.INC」のコマンドエリアを指示す
れば次の第2グループの先頭文字の文字原点を表
示するようにグループ前進を行う(ステツプ
406)。逆に「GRP.DEC」のコマンドエリアが指
示されたときはグループが後退する(ステツプ
407)。「CAR.INC」は、特定グループ内の文字を
更に特定したいときに利用されるコマンドエリア
で、このエリアがマウス60Cで指示されるとグ
ループ内の文字原点を表示していたカーソルが第
1番目の文字から第2番目へ、…と前進する(ス
テツプ408)。そして、この処理と逆の処理がステ
ツプ409で実行される。こうして所望のグループ
または文字が特定されるまでステツプ402〜409の
処理を繰り返した後に「SCROLL」のコマンド
を指示すれば、前記メニユー画面2内のブロツク
B4であるチエツク表示部に該当キヤラクが表示
され(ステツプ410)、次いでコマンドページ
「1」が設定される(ステツプ411)。従つて再び
ステツプ402へ戻つた処理はステツプ404のコマン
ドページ判定処理によつて分枝して次のグループ
編集処理(ステツプ412〜ステツプ418)に移る。
この処理に入ると、メニユー画面2のコマンド表
示部には「G.WIDTH+」、「G.WIDTH−」、
「WIDTH.ST」、「RATIO.ST」、「SCROLL」の
文字が表示される。「G.WIDTH+」のコマンド
が指示されたときには、前記判定したグループの
全文字の幅がメニユー画面2の「RATIO」の表
示部分に表示されている数値分だけ増加するよう
に再計算される(ステツプ413)。「G.WIDTH−」
は逆に「RATIO」の表示数値分だけ文字幅を減
少させる(ステツプ414)計算を、また
「WIDTH.ST」は上記再計算する際の
「RATIO」の数値としてキーボード60Dから
の直接入力値を利用する処理(ステツプ415)を
指示するコマンドである。こうした再計算の結果
を利用してステツプ413〜ステツプ415のいずれか
の処理の後には該当グループの再表示が実行され
(ステツプ416)、文字幅を所望値だけ増減できる
ことになる。また、「RATIO.ST」が指示された
ときには上記「RATIO」に表示される数値をキ
ーボード60Dからの入力値とする処理が実行さ
れ(ステツプ417)、前記した「G.WIDTH+」、
「G.WIDTH−」の一回の操作で増減させる文字
幅のRATIOが変更される。こうしたステツプ
402〜ステツプ404およびステツプ412〜ステツプ
417の処理により該当グループの再表示を終えた
とき、あるいはこのコマンドページ「1」の上記
した処理が必要でないときには、「SCROLL」を
マウス60Cで指示するとステツプ418が実行さ
れ、続くコマンドページ「2」が設定されて文字
編集処理(ステツプ419〜ステツプ424)へと移行
する。この文字編集処理では、上記したグループ
編集処理と同様の幅変更の編集が各文字単位毎に
行われる。このとき、コマンド表示部に表示され
る「L.WIDTH+」をマウス60Cで指示すれば
該当文字が「RATIO」に表示される変化分で幅
増加の再計算がなされ(ステツプ420)、「L.
WIDTH−」を指示すれば同様の変化分で幅減少
の再計算がなされ(ステツプ421)、また、
「WIDTH.ST」を指示すればキーボード入力値
に応じて増幅減の再計算がなされる(ステツプ
422)。そして、上記ステツプ420〜ステツプ422い
ずれかの再計算の結果がステツプ423によつて
CRT60G上に再表示されて編集作業が終了す
る。このコマンドページの処理が必要でなくなつ
たときには「SCROLL」を指示することで再度
コマンドページ「0」に設定することもできる。
以上がWIDTHの編集処理であるが、上記説明
からも明らかなように、この処理を選択すること
でメニユー画面2に表示された模様のグループあ
るいはその中の文字を自由に幅の広いものとした
り、逆に細いものとする等の変更ができる。
第36図は、第32図のマイコンで凹凸レンズ
が表示されるエリアを指示したときに実行される
SIZE処理の詳細フローチヤートである。図より
明らかなように、本フローチヤートは前記第35
図と同様の構成で、ステツプ431〜ステツプ441の
処理は前記ステツプ401〜ステツプ411のそれと同
一である。また、コマンドページの変更、
RATIOに表示されている数値に基づいた変更を
加えたり、キーボードからの入力値に基づいた変
更を加えるといつた構成も同一である。すなわ
ち、今回は特定したグループや文字をRATIOの
表示値あるいはキーボード入力値を用いて再計算
する際に、パターンの大きさを変更するようにし
た点のみが相違(ステツプ433〜ステツプ445、ス
テツプ450〜ステツプ452)しているにすぎない。
この編集処理の実行によつて、該当グループやそ
の中の文字を自由に拡大、縮小できるのである。
以下、同様にしてアイコンの間隔を表わす絵文
字を指示したとき、文字Aが傾斜した絵文字を指
示したとき、絵文字STMを指示したとき、それ
ぞれ処理される「INTERVAL」、「ITALIC」、
「STEM」の詳細なフローチヤートを第37図、
第38図、第39図に示す。これらも図から容易
に理解される通りに前記第35図、第36図と同
様の構成であり、単に再計算によつて文字と文字
との間隔、文字の傾斜角度、文字を刺繍する際の
太さ(コラムの幅)、をそれぞれ変更の対象とし
ている。
第40図は、上述同様にアイコンによる指示で
実行される回転処理のフローチヤートである。こ
の処理も上述同様にグループや文字の特定、その
後のRATIO表示値あるいはキーボード入力値に
基づいた編集処理を実行するものであり、全体の
流れは同一である。しかし、回転編集の自由度を
増す目的からコマンドページ「1」のときの
「CENTER」を指示するときに以下のような独特
の処理を実行する。第41図に図示のごとく、各
文字は文字原点を中心とした位置データとして表
現されている。従つて、これらの数値を回転角度
θを用いて再計算して得られる結果は必ずこの文
字原点を中心として文字を回転させる処理しか実
行できない。そこで、この「CENTER」コマン
ドを実行しているマウス60Cを用いて文字を回
転するときの中心とする「回転の中心」を設定す
るのである。このコマンドによつて「回転の中
心」(文字原点からの座標a、b)を指定すると、
CPU60A内部では前述した対応する文字のコ
ラムデータを第42図のフローチヤートのプログ
ラムに沿つて座標変換し、以後の回転処理を実行
するように動作する。すなわち、前記コラムデー
タをまず「回転の中心」を原点とした座標データ
に変換し(ステツプ500)、この変換後のコラムデ
ータをRATIO表示値あるいはキーボード入力値
である回転角度θを用いて回転させ(ステツプ
501)、最後に該回転結果を元の座標系、すなわち
文字原点の座標系に再変換するのである(ステツ
プ502)。
上記第42図の文字の回転ルーチンを第40図
の「CENTER」コマンドで読みだし、実行する
ことで種々なる形態の回転が可能となり、所望の
刺繍模様を作成する際の手助けとなる。
第43図は、第32図A中から三原色である
R、G、Bの文字と矢印とからなる絵文字を指示
したときに処理されるCOLOR処理である。これ
も上述同様に編集の対象を決定するコマンドペー
ジ「0」の次に、実際に編集(色の変更)を実行
するコマンドページ「1」が用意されている。コ
マンドページ「1」にあつて「COLOR」のエリ
アを指示すれば、以前のコマンドページ「1」に
おいて特定されてたグループあるいは文字を確認
するためにメニユー画面2のブロツクB4に表示
の文字の色がサイクリツクに変化する。色相を視
認しながら変更する色を決定できるのである。そ
して、色相が決定された後は同コマンドページ
「1」の「G.COL.ST」あるいは「1.COL.ST」を
指示すれば特定されていたグループ全部の文字の
色相あるいは1文字の色相が確認表示部(ブロツ
クB4)の文字の色と同一となり表示される。
第44図は、第32図Aの手鏡状の絵文字をマ
ウス60Cで指示したときに処理される
MIRROR IMAGEのフローチヤートである。こ
のフローチヤートは前記第43図のCOLORのフ
ローチヤートと同様の構成であることが図より明
確ある。すなわち、このプログラムの処理にあつ
ては、編集の対象である文字を特定の後にコマン
ドページ「1」にあつて「MIRROR」を指示す
ればブロツクB4の確認用の文字として表示され
る「F」のミラーイメージが変更となり、その後
に「G.MIR.ST」あるいは「1.MIR.ST」を指示
したとき確認用文字のミラーイメージと同様に特
定したグループの全字あるいは1文字のミラーイ
メージが変更される。ここでミラーイメージと
は、模様作成の効率化を目的として創設したもの
で、第45図に示すようにミラーイメージNo.を変
更すると文字が90゜づつ回転したり、反転したり
等あたかも文字を鏡に写したように変化させるこ
とが可能なる。
第46図は、第32図Bのアイコン表示中で文
字「A」と矢印とで描かれたエリアを指示したと
きに実行される文字移動の処理を詳述したフロー
チヤートである。このフローチヤートもその導入
部分とコマンドページ「0」の部分は以前に説明
した各フローチヤートと同一であり、コマンドペ
ージ「1」の編集処理が文字移動特有のものであ
るため、以下このコマンドページ「1」の処理に
つき説明する。コマンドページ「1」にあつて
「CAR.MOVE」のコマンドが指示されたときの
処理が文字移動の実行に関与するもので、始めに
マウス60Cの入力が受け付けられる。マウス6
0Cを操作することでCRT60Gの画面上をカ
ーソルが縦横に移動するが、その任意の位置をマ
ウス60Cをクリツクして入力するのである。次
にその入力した位置が文字の移動を許容する位置
であるか否かを判断し、許容範囲でなければ再度
マウス入力を促す。許容範囲であるとき、コマン
ドページ「0」において特定された該当文字が消
去され、次式によつて該当文字の文字原点の移動
量Δx、Δyが算出される。
Δx=x1−(x0+xg0) Δy=y1−(y0+yg0) ただし(x0、y0)は刺繍原点の画面上の座標。
(xg0、yg0)は(x0、y0)を原点とする該当文字
の属するグループのグループ原点の座標。(x1、
y1)はマウス入力の画面上の座標。
こうして文字原点の移動量Δx、Δyが算出され
ると、その移動量を従来の文字原点の座標に加え
てマウス60Cで指定した任意の位置を文字原点
の位置として該当文字が再表示されるのである。
第47図は、第32図Bのアイコン表示中で文
字「G」と矢印とで描かれたエリアを指示したと
き実行されるグループ原点移動処理のフローチヤ
ートである。前記文字移動とほぼ同一の構成で、
コマンドページ「1」において「GRP.MOVE」
エリアを指示したときに動作がグループ原点特有
である。ここでは、まず前記同様にマウス60C
の入力値として許容範囲内の移動位置を入力す
る。その後、コマンドページ「0」で特定された
グループがグループ番号「1」か否かを判断す
る。これは前述したように、本実施例ではグルー
プ番号「1」のグループ原点と刺繍原点とを一致
させているため、グループ番号「1」のグループ
原点移動には刺繍原点を同様に移動位置にセツト
する必要があるからである。従つてグループ番号
「1」のグループ原点、移動にあつては、まず刺
繍原点の移動位置(x1、y1)へのセツトが行わ
れ、次いでグループ番号「1」のLE
INTERVAL(LE1)のセツトが次式により実行
される。
LF1=b1+y1 ただしb1はグループ番号「2」のグループ原
点y座標値。
そして、相い次いで他のグループのグループ原
点が(an−x1、bn−y1)として求められる。こ
こで、(an、bn)はもとのn番目のグループ原点
座標、(x1、y1)はグループ番号「1」の新たな
グループ原点の座標である。こうして新たな原点
座標の算出およびLF INTERVALの算出が完了
すると、その値を用いて該当グループが再表示さ
れてグループ移動処理が完了する。
一方、該当グループがグループ番号「1」以外
であるときは前記のような他のグループのグルー
プ原点座標には何らの変更も生じないから、まず
該当グループ原点がマウスの指定位置へセツトさ
れ、かつ該当グループのLF INTERVALが再計
算される。そして、該当グループより1だけ前の
グループのLE INTERVALがLFn=bn+1−bn
として算出されて全てのパラメータの再計算を終
了し、該当グループの再表示を実行するのであ
る。
第48図は、アイコン表示が〇印と矢印とでな
される刺繍原点移動の処理を示すフローチヤート
である。ここでマウスにより許容範囲内の移動位
置の入力がなされると、総ての表示文字が消去さ
れ、新たな刺繍原点のセツト位置を基準として全
文字の再表示が行われる。この場合は、刺繍原点
を座標の原点として設定される各グループのグル
ープ原点およびLF INTERVALの値に変更はな
い。
第49図は、アイコン表示×印によつて表現さ
れる遊び縫い点位置設定のフローチヤートであ
る。この処理は、刺繍模様に従つて刺繍ミシンに
より実際に刺繍を実行するとき、各文字間に引き
回される渡り糸が文字を刺繍する際に縫い込まれ
てしまうことを未然に防止するものである。本プ
ログラムの処理に入ると、前記同様に文字の特定
がコマンドページ「0」によつて行われ、次にコ
マンドページ「1」へ移行する。このコマンドペ
ージ「1」で「SET」を指示すると、マウス6
0Cからの位置入力が受け付けられて前記特定し
た文字の文字原点からその入力した位置の座標が
算出され、パラメータの遊び点として記憶される
とともにCRT60G上に表示される。また、
「CLEAR」が指示されたときには、マウス60
Cから入力された位置に対応する前記記憶値が消
去され、かつ対応するCRT60G上の表示がク
リアされる。こうして文字パラメータに入力され
た遊び点があるとき、CPU60Aは一針データ
を作成する際に、該当文字の刺繍を完了した後に
その遊び点で指定された位置を縫い上げ、その後
に次の刺繍文字の刺繍を開始するように処理す
る。こうすることで渡り糸をCRT画面上で自由
に処置することができ、刺繍作業の効率化が図ら
れる。
以上のようにして各アイコンを指示して画面上
で刺繍模様を編集するならば、その編集作業に応
じた再計算がなされる。この再計算値は前記した
第30図A,Bのパラメータテーブルの所定箇所
に新たな値として記憶され、編集後の刺繍模様を
表わすデータが完成するのである。
その他に、上記した各アイコンの処理と同様に
グループパラメータテーブルの「配列」の値を変
更する編集処理も用意されている。これは、第3
2図に示す縦線と●印、横線と●印、円弧と●印
等のように配列が容易に理解できる表示とされて
いる。これらのアイコンを指示してグループパラ
メータテーブルの配列の値を変更するならば、該
当グループのCRT表示が消去された後に、その
変更後の配列の値を用いて再表示される。これら
の配列処理についてはメニユー画面1の情報から
メニユー画面2のブロツクB1表示を実行する際
の処理とほぼ同一であるため、ここでは詳述しな
い。
第32図に示すように、アイコンにはC図に示
すような第3画面も用意されている。これらC図
のアイコンにより処理の開始されるものは、前述
したアイコンのA図、B図の編集処理によりメニ
ユー画面2のブロツクB1に所望の刺繍模様が完
成したとき等に使用するものである。
まず、文字「R」にて表示されるものは、リセ
ツト処理を行うアイコンコマンドである。このア
イコンを指示すれば前記説明のようにして作用さ
れたパラメータテーブルのデータ等が全てリセツ
トされ、次の新たな刺繍模様の創作を実行するこ
とが可能となる。
また、二重の四角形で表示される絵文字は、刺
繍データ作成の処理を開始するコマンドを表わし
ている。このアイコンを指示すると、前記した各
コラムを指定された縫い密度で縫い上げる一針デ
ータ(第11図、第15図参照)、およびカラー
番号に基づいた針替えデータを作成する。このと
き、各針落ち点を結ぶ線分をカラー番号に応じた
色相でCRT画面に同様に表示することで、CRT
画面上に刺繍模様の完成をシユミレートすること
ができる。第50図は、上記シユミレートの結果
が表示されたところを示す説明図である。
紙テープを模擬した絵文字は、上記した刺繍デ
ータを各種の刺繍ミシンに実行させるための制御
コードとして穿孔テープに出力するコマンドであ
る。
更に、本実施例の刺繍模様作成装置60は、
FDD60Eを内蔵するものであるから、アイコ
ンにもフレキシブルデイスクを模擬したものを用
意している。このアイコンを指示すると、刺繍模
様のデータが全てFDD60Eからフレキシブル
デイスクに記録され、不揮発的に記憶することが
できる。なお、このフレキシブルデイスクに記憶
するとき、データの形式を前記第30図A,Bの
文字パラメータ、グループパラメータのテーブル
情報として記憶するならば、刺繍模様を極めて小
領域の記憶エリアに格納することができる。
以上のように構成、動作する本実施例の刺繍模
様作成装置によれば、次のような効果が明らかで
ある。
各パターンを刺繍する際の位置、大きさ、回転
角度といつたパターンの形状、更には、実際に刺
繍するときの縫い方法(タタミ縫い、縫い糸の
色)などは総て各パラメータ毎に設けられている
パターンパラメータテーブルに設定され、各パタ
ーンのコラムデータはこのパラメータの設定に従
つてCRT上に表示され、刺繍される。このため、
その文字パラメータテーブルに設定されている各
パラメータに変更を加えるだけの簡単な操作で、
パターン毎に所望の変更、修正を加えることがで
き、いかに複雑な刺繍模様であつても簡単に、し
かも、迅速に作成することができる。従つて、刺
繍模様の創作に要する時間が極めて短時間とな
り、刺繍模様の作成効率が確実に向上する。
また、一度の刺繍作業によつて複雑な刺繍模様
が布地上に作成されるため、刺繍模様の最小単位
となるパターンがずれて刺繍されることもなく、
極めて精細で、品質のよい刺繍を行うことができ
る。
更に、上記実施例ではパターンパラメータテー
ブルに極めて多くのパラメータを設け、パターン
を自在に変更、修正することを可能としている。
そのために通常は、操作者に多くの頻雑な操作を
必要とするが、本実施例では、パターンパラメー
タテーブルには初期状態においてもつとも一般的
な値が設定されるよう構成されるため、操作性が
良好となり、使いよい、優れた刺繍模様作成装置
となる。
発明の効果 以上、実施例を挙げて詳述したように本発明の
刺繍模様作成装置によれば、各パターンを刺繍す
る際の刺繍形式が形式決定手段に設定され、この
形式決定手段の内容に従つて、刺繍模様の作成が
なされる。従つて、その形式決定手段の設定内容
に変更を加えるだけの簡単な操作で、パターン毎
に所望の変更、修正を加えることができ、いかに
複雑な刺繍模様であつても簡単に、しかも、迅速
に作成することで、刺繍模様の創作に要する時間
が極めて短時間となり、刺繍模様の作成効率が確
実に向上する。
また、一度の刺繍作業によつて複雑な刺繍模様
が布地上に作成されるため、刺繍模様の最小単位
となるパターンがずれて刺繍されることもなく、
極めて精細で、品質のよい刺繍を行うことができ
る。
更に、パターン選択手段により選択した各パタ
ーンの編集作業は、二次元表示画面に表示される
決定可能な刺繍形式を視認しつつ行うことがで
き、その作業に熟練を必要とせず、短時間に確実
に完了することができる。
すなわち、決定可能な刺繍形式が順次表示され
る編集方法によれば、作業者はどの様な刺繍形式
が編集可能であるか予め熟知し、その知識にした
がつて予め編集内容を決定し、順次現れる刺繍形
式のメニユーに対応して入力を実行しなければな
らない。
しかし、本願発明は、初期表示制御手段の作用
により二次元表示画面の所定表示領域に決定可能
な刺繍形式が表示されており、必要な編集を視認
しつつ、確実、的確に実行することができる。従
つて、その編集作業には刺繍形式を予め熟知する
必要はなく、その表示画面を視認しつつ適宜必要
な編集作業を実行することができる。
また、編集表示手段により、選択したパターン
が決定した刺繍形式に基づき二次元表示画面に表
示されるため、刺繍作業の実行前にして予め刺繍
模様などの確認が可能である。編集作業によりパ
ターンの形状や配置位置などを変更するならば、
編集後の刺繍模様は相当に異なる現象となる。
この編集後の刺繍模様の現象は、実際に編集作
業を行つた作業者にとつても容易に理解できる範
囲を越えものである。
本発明によれば、編集表示制御手段により、上
記のごとく想像することがきわめて困難な編集後
の刺繍模様の現象が二次元画面上に表示され、簡
単に視覚にて確認することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成図、第2図は実施
例の外観斜視図、第3図はその枠体駆動機構の説
明図、第4図はシステムの構成ブロツク図、第5
図はドライバーユニツトのブロツク図、第6図は
刺繍模様作成装置のブロツク図、第7図は実施例
のフアイル構造説明図、第8図A,B,Cはスタ
イル説明図、第9図A,Bおよび第10図はコラ
ムデータの説明図、第11図は4点コラムの説明
図、第12図はそのフローチヤート、第13図は
5点コラムの説明図、第14図はそのフローチヤ
ート、第15図は5点コラム縫い点の説明図、第
16図はそのフローチヤート、第17図は実施例
のメインプログラムのフローチヤート、第18図
はメニユー画面1の説明図、第19図ないし第2
3図はグループ配列の説明図、第24図はカラー
テーブル設定のフローチヤート、第25図、第2
6図はカラーコードとカラーテーブルとカラーと
の対応説明図、第27図はメインプログラムの一
部の詳細なフローチヤート、第28図、第29図
はその説明図、第30図A,Bはパターンパラメ
ータテーブル、グループパラメータテーブルの説
明図、第31図はメニユー画面2の表示説明図、
第32図A,B,Cはマイコン表示の説明図、第
33図はメインプログラムの一部の詳細なフロー
チヤート、第34図A,Bは同じくメインプログ
ラムの一部の詳細なフローチヤート、第35図な
いし第40図は第34図A,Bの一部の更に詳細
なフローチヤート、第41図は第40図の動作説
明図、第42図は同じく第40図の一部のより詳
しいフローチヤート、第43図、第44図は第3
4図A,Bの一部の更に詳細なフローチヤート、
第45図は第44図の動作説明図、第46図ない
し第49図は第34図A,Bの一部の更に詳細な
フローチヤート、第50図は刺繍データのシユミ
レーシヨン結果を表わす表示説明図、である。 10……多針刺繍ミシン、60……刺繍模様作
成装置、60A……CPU、60C……マウス、
60D……キーボード、60G……CRT。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 刺繍模様を構成する際の最小単位となる複数
    のパターンを記憶しているパターン記憶手段と、 該パターン記憶手段の記憶している複数のパタ
    ーンの中から任意の2以上のパターンを選択する
    パターン選択手段と、 該パターン選択手段の選択した2以上のパター
    ンのそれぞれに、形態および/または刺繍縫いの
    方式を定める刺繍形式を決定する形式決定手段
    と、 二次元表示画面の表示領域を少なくとも二分
    し、一方の表示領域に前記パターン選択手段によ
    り選択された前記任意の2以上のパターンを表示
    し、他方の表示領域に前記形式決定手段により決
    定可能な刺繍形式を表示する初期表示制御手段
    と、 前記パターン選択手段により選択された2以上
    のパターンを、前記形式決定手段により決定され
    た刺繍形式に基づいて前記二次元表示画面に表示
    させる編集表示制御手段と、 該編集表示制御手段により前記二次元表示画面
    上に作成された刺繍模様に基づいて、刺繍ミシン
    の実行する一針データを作成する一針データ作成
    手段と、 を備えることを特徴とする刺繍模様作成装置。
JP28754986A 1986-12-02 1986-12-02 刺繍模様作成装置 Granted JPS63139590A (ja)

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JPS63139590A JPS63139590A (ja) 1988-06-11
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0665786B2 (ja) * 1989-03-29 1994-08-24 ハッピー工業株式会社 自動刺繍ミシンの制御装置

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JPS5729103A (en) * 1980-07-30 1982-02-17 Mitsubishi Electric Corp Forming system for sewing data of automatic sewing machine
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