JPH07185158A - 刺繍データ処理装置 - Google Patents

刺繍データ処理装置

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JPH07185158A
JPH07185158A JP33814093A JP33814093A JPH07185158A JP H07185158 A JPH07185158 A JP H07185158A JP 33814093 A JP33814093 A JP 33814093A JP 33814093 A JP33814093 A JP 33814093A JP H07185158 A JPH07185158 A JP H07185158A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多針多色縫いミシンにて多色刺繍模様を縫い
上げるための刺繍用一針データ中の針選択データの設定
・変更を簡便化し、ビジュアル化する。 【構成】 画面上にカラー表示されている刺繍模様を部
分ごとの閉領域にグループ分けし(S210)、カーソルがク
リックされたら、そのクリック位置の座標を画面上から
読み取り(S220,S230)、各閉領域内に含まれるべき座標
点群とこのカーソルクリック位置との重複を調べること
によって刺繍模様のどの部分の針選択データを修正しよ
うとしているのかを判別する(S240)。そして、修正部分
と判別された閉領域に含まれる縫い点及びその縫い点間
を結ぶ縫目線の表示を輝かせて修正範囲を明示し(S25
0)、一針データの内の修正すべき部分のテーブルを表示
する(S270)。針選択データの修正結果を記録したら(S28
0)、色を換えて刺繍模様の再表示をする。この結果、目
で見たまま直観的にデータを修正することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多針多色縫いミシンに
て多色刺繍模様を縫い上げるための刺繍用一針データを
処理する刺繍データ処理装置に係り、特に、多針多色縫
いミシンの針選択データの設定・変更を簡便化した刺繍
データ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、多針多色縫いミシンにて多色
刺繍模様を縫い上げるための一針データは、図17のデ
ータ例に示す様に、縫い点の番号である「ステッチ」、
刺繍枠の相対移動量「H,V」、縫い糸の選択をするカ
ラー選択やスピンドルモータ駆動速度を設定する速度設
定といったファンクションに関する「ファンクションデ
ータ」等から構成された膨大な量の情報よりなる一針デ
ータとして本体に接続されたハードディスク内に記憶さ
れている。ここで、「ステッチ1」のところに「カラー
1」とあるのは、多針ミシンの1番の針を使用して刺繍
を開始すべきことを意味し、「ステッチ25」のところ
に「カラー2」とあるのは、ここまで縫い進んだら針を
2番に切り換えるべきことを意味する。なお、説明のた
めステッチ番号を記入したスタイルのデータを例示した
が、従来は、このステッチ番号すらないのが普通であっ
た。
【0003】ところで、このデータを作成したときに
は、多針多色縫いミシンの1番の針に赤糸が、2番の針
に青糸が取り付けられていたとする。そして、今回使用
する多針多色縫いミシンには、5番の針に青糸が、6番
の針に赤糸が取り付けられており、1番の針には白糸
が、2番の針には黒糸が取り付けられていたとする。す
ると、図17のデータをそのまま使用すると、本来は赤
と青の模様であったはずなのに、白と黒の模様になって
しまう。従って、このミシンで刺繍をするに当たって
は、カラー1をカラー6に、カラー2をカラー5に書き
替えてやらないといけない。このとき、従来は、図18
に示す様な編集装置101の小さな画面103に、上記
一針データを1行若しくは数行ずつ表示させ、カーソル
キー,アルファベットキー,ニューメリカルキー等の配
置されたキー群105や各種ファンクションキー等を操
作して、該当箇所を見つけ出しては書き替えを行うとい
う作業が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、従来は以下
の問題があった。まず、図17の様なデータだけを渡さ
れた場合には、作業者は、これを見ただけでは縫い上が
りの模様が判別できず、また、ステッチ1〜ステッチ2
4が模様のどの部分を意味し、ステッチ25以下がどの
部分を意味するかが分からない。このため、とりあえず
このデータをセットしてミシンを動かし、「どんな模様
を縫い上げるためのデータであるのか」、「カラー1が
選択されているのはどの部分を縫うためのデータであ
り、カラー2が選択されているのはどの部分を縫うため
のデータであるのか」等を確認する必要があった。そし
て、この確認の後、編集装置101による上述の作業に
て、カラー1をカラー6に、カラー2をカラー5に変更
しなければならなかった。
【0005】一方、データと縫い上がり見本とを渡され
た場合にも、カラー1が選択されているのはどの部分を
縫うためのデータであり、カラー2が選択されているの
はどの部分を縫うためのデータであるのかが分からなけ
れば、見本通りに縫うための針選択をすることができな
い。従って、やはり、データをセットして試し縫いを
し、その上で上記作業にてカラー1をカラー6に、カラ
ー2をカラー5に変更しなければならなかった。
【0006】この様に、従来の装置では、まず、元のデ
ータにて試し縫いをし、それから針の選択・交換に関す
るデータが記録されている部分を検索し、その後、正し
い色で刺繍模様を縫い上げることができる様にデータを
変更する必要があった。このため、作業が面倒であり、
仕事を開始する前に多大な準備時間を割かねばならない
という問題があった。
【0007】なお、こうした問題に対して、例えば、特
開昭63−139587〜139592号公報記載の刺
繍模様作成装置を用いれば、最初の試し縫いをしなくて
もよいようにはなった。しかし、やはり、針選択のデー
タがどこにあるかをデータ検索等を実行して捜し出し、
いちいちデータを表示させて変更をしなければならない
という問題は、未だ解消されるに至っていなかった。
【0008】そこで、本発明は、かかる問題を解決する
ため、多針多色縫いミシンにて多色刺繍模様を縫い上げ
るための刺繍用一針データを処理する刺繍データ処理装
置において、多針ミシンの針選択データの設定・変更を
簡便化することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】かかる目的を達
成すべく完成された本発明の刺繍データ処理装置は、図
1に実線で例示した様に、多針多色縫いミシンにて多色
刺繍模様を縫い上げるための刺繍用一針データを処理す
る刺繍データ処理装置であって、前記多針多色縫いミシ
ンの各針に取り付けられている刺繍糸の色を、カラーデ
ィスプレイ表示用の糸色データとして設定する糸色デー
タ設定手段と、該多針多色縫いミシンの多数の針の中か
ら、刺繍に当たって使用する針を選択・交換するタイミ
ングに関するデータ、及び既に決まっている場合は選択
すべき針に関するデータ、を含んだ刺繍用一針データを
記憶する一針データ記憶手段と、該一針データ記憶手段
から刺繍用一針データを読み出し、該一針データ中に含
まれる前記針の選択・交換に関するデータと、前記糸色
データ設定手段の設定内容とに基づいて、カラーディス
プレイ上に、縫い上がり状況に対応する多色表示で刺繍
模様を表示する刺繍模様表示手段とを備え、さらに、該
刺繍模様表示手段によりカラーディスプレイ上に表示さ
れている刺繍模様の内の一部の部分を指定する部分指定
手段と、該部分指定手段により指定された部分と一針デ
ータとの対応関係に基づいて、当該部分に関する一針デ
ータの範囲を判別し、該判別した範囲について選択すべ
き針に関するデータを設定又は変更する針設定・変更手
段とを備えたことを特徴とする。
【0010】本発明の刺繍データ処理装置によれば、糸
色データ設定手段にて多針多色縫いミシンの各針に取り
付けられている刺繍糸の色をカラーディスプレイ表示用
の糸色データとして設定してあるので、刺繍模様表示手
段は、刺繍用一針データを読み出し、カラーディスプレ
イ上に、縫い上がり状況に対応する多色表示で刺繍模様
を表示することができる。従って、試し縫いをしなくて
も、一針データの意味する刺繍模様の形状及び色分け範
囲を目で確認することができる。
【0011】表示された模様がその模様に予定されてい
る配色になっていない場合には、部分指定手段にて色を
変更すべき部分を指定し、針設定・変更手段を動作させ
ればよい。針設定・変更手段は、部分指定手段により指
定された部分と一針データとの対応関係に基づいて、当
該部分に関する一針データの範囲を判別し、該判別した
範囲について選択すべき針のデータを設定又は変更す
る。
【0012】ここで、請求項2に記載した様に、前記部
分指定手段は、前記刺繍模様表示手段によりカラーディ
スプレイ上に表示されている刺繍模様上の任意の部位を
指定する手段とし、前記針設定・変更手段は、該任意部
位指定手段により指定された任意部位のディスプレイ上
の位置と、刺繍模様の各部分がディスプレイ上に占める
範囲との関係に基づいて、当該任意部位を含み、当該任
意部位と同じ針にて連続的に刺繍することとなっている
一針データの範囲を判別し、該判別した範囲について選
択すべき針のデータを設定又は変更する手段とすれば、
カラーディスプレイの画面を見ながら目で捉えた画像に
対する直観的な作業にて選択すべき針のデータを設定又
は変更をすることができる。
【0013】また、請求項3に記載し、図1に点線で追
加した様に、さらに、前記針設定・変更手段を動作させ
る際に、前記糸色データ設定手段の設定内容に基づい
て、各針とそれに対応する糸色とをカラーディスプレイ
上に表示する糸色設定状態表示手段をも備えておけば、
針設定・変更手段を動作させて針を設定・変更する際
に、針と色の関係を簡単に確認できて便利である。
【0014】こうして、針設定・変更手段にて針の選択
・交換に関するデータを設定・変更した後、この変更後
のデータに基づいて刺繍模様表示手段にて再表示させれ
ば、針の設定・変更が正しく行われたことも直ちに確認
することができる。なお、請求項4に記載し、図1に1
点鎖線で追加した様に、さらに、前記針設定・変更手段
を動作させる際に、前記部位指定手段の指定した部位と
同じ針にて連続的に刺繍することとなっている範囲であ
ると判別された範囲について、ディスプレイ上での表示
態様を他の部分と変える表示態様変化手段をも備えると
よい。
【0015】この表示態様変化手段により前記判別した
範囲の表示態様を他の部分と変えることにより、針設定
・変更手段にてこれから針の設定・変更をしようとして
いる範囲があっているか否か等、即ち、部位指定手段の
指定が正しかったか否か等を簡単に確認することができ
る。この結果、誤って違う部分のデータを変更してしま
うといった様なことを有効に防止することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を適用した一実施例について、
図面に基づき説明する。実施例の刺繍装置1は、図2に
示す様に、刺繍ミシン10と、この刺繍ミシン10の駆
動制御を実行する本体ユニット30とから構成される。
【0017】刺繍ミシン10は、7本の針棒11のそれ
ぞれに7個の糸巻13からの7色の糸が掛け渡された7
針7色縫いタイプのミシンヘッド15と、刺繍を施すべ
き布やシャツ,靴下,帽子等のワークを保持するワーク
保持枠17とを備えている。そして、刺繍ミシン10に
は、前述の本体ユニット30からの制御信号に基づいて
針棒昇降速度を制御するスピンドルモータ19、針棒選
択を実行する針棒選択モータ21、ワーク保持枠17を
X方向へ駆動するXモータ23、ワーク保持枠17をY
方向へ駆動するYモータ25、糸巻13から針棒11へ
掛け渡された上糸や下糸の張力に基づいて糸切れを検出
する糸切れセンサ27、及び、刺繍ミシンの機械原点を
検出する原点位置センサ29が備えられている。なお、
スピンドルモータ19にはエンコーダが設けられてお
り、モータ駆動状態が随時検出できるように構成されて
いる。この実施例では、これ以外のモータはオープンル
ープ制御になっている。
【0018】本体ユニット30は、CPU,ROM,R
AM,ハードディスク等を備えたパーソナルコンピュー
ターである。本体ユニット30には、上述の刺繍ミシン
10側の各モータ19〜25及び各センサ27,29が
接続されている。また、本体ユニット30には、VGA
対応のカラーディスプレイ31、プロッター33、プリ
ンター35及びテープパンチャー37が出力装置として
接続され、さらに、文字入力用のキーボード41、カー
ソル移動用のマウス43、刺繍ミシン10を直接駆動す
るためのコントロールペンダント45、及びテープリー
ダー47が入力装置として接続されている。
【0019】テープリーダー47は、NCテープを装着
してそれに記録されている刺繍用の一針データを読み取
るために接続されており、テープパンチャー37は、逆
に、本体ユニット30にて処理した刺繍用の一針データ
をNCテープとしてパンチアウトするために接続されて
いる。プロッター33は、本体ユニット30で処理した
刺繍用一針データに基づいて刺繍模様を作図するために
接続されており、プリンター35は、一針データテーブ
ルのタイプアウトや、カラーディスプレイ31の表示内
容のハードコピーなどのために接続されている。
【0020】コントロールペンダント45は、2つのフ
ロッピードライバー(FDD)51,52を備えてお
り、フロッピーディスクに書き込まれている一針データ
の読み取りや、フロッピーディスクへの一針データの書
き込みを行うことができる。また、原点キーを含むジョ
グキー群53を操作することにより、刺繍ミシン10の
原点合わせや、ワーク保持枠17の位置の微調整等を行
う機能も備えている。また、スピンドルモータ19の速
度調整用のボリュームスイッチ55や、針棒11を落と
さずにワーク保持枠17だけを移動させて模擬刺繍を行
ったりするためのフロートキー等を含んだ各種ファンク
ションキー群57なども備えている。
【0021】キーボード41は、通常のパーソナルコン
ピューターのそれと同様に、アルファベット,数字など
の入力を行うアルファニューメリカルキーやファンクシ
ョンキーやカーソルキーなどを備えている。マウス43
も、通常のパーソナルコンピューターにおいて使用され
るものと同じく、ドラッグ操作とクリック操作によって
カーソルの移動や処理の選択・実行等を入力できるもの
である。
【0022】次に、本実施例の特徴的構成の一つである
本体ユニット30の詳細について図3〜図7に基づいて
説明する。本体ユニット30は、図3に示すように、大
きく分けるとメイン演算処理部30aと、表示処理部3
0bと、ミシン駆動処理部30cとになる。メイン演算
処理部30aとミシン駆動処理部30cとは、デュアル
ポートRAM30dを介して互いに連絡されている点が
一つの特徴となっている。
【0023】メイン演算処理部30aには、入出力部を
介して、プロッター33、プリンター35、テープパン
チャー37、キーボード41、マウス43、テープリー
ダー47、FDD51,52、ハードディスク(HD
D)などが接続されている。カラーディスプレイ31
は、表示処理部30bに接続されている。コントロール
ペンダント45はミシン駆動処理部30cの方に接続さ
れている。FDD51,52は、図2に示した様に、コ
ントロールペンダント45に組み付けられているが、制
御系としては、FDD51,52はミシン駆動処理部3
0cではなく、メイン演算処理部30aの方に接続され
ているのである。
【0024】スピンドルモータ19、X,Yモータ2
3,25は、スピンドルモータ駆動処理部30e,フレ
ームモータ駆動処理部30fを介してミシン駆動処理部
30cに接続されている。スピンドルモータ駆動処理部
30e及びフレームモータ駆動処理部30fは、それぞ
れデュアルポートRAM30g,30hを介してミシン
駆動処理部30cと連絡をとっている。また、糸切れセ
ンサ27や針棒選択モータ21はミシン駆動処理部30
cに直接接続されている。
【0025】演算処理や駆動処理を司るCPUは、全部
で5個あり、メイン演算処理部30a、ミシン駆動処理
部30c、スピンドルモータ駆動処理部30e、フレー
ムモータ駆動処理部30f及びコントロールペンダント
45に一つずつ備えられている。デュアルポートRAM
30d,30g,30hは、いずれもファーストインフ
ァーストアウトを読み書きのルールとし、それぞれ10
ステッチ分の一針データを記憶できるように構成されて
いる。即ち、OAシステムでのプリンタバッファなどの
様に、大量のデータを一時的に記憶するためのものでは
ない。
【0026】メイン演算処理部30aの詳細について説
明する。図4は、メイン演算処理部30aの詳細なブロ
ック図である。メイン演算処理部30aは、前述の様に
1個のCPU(インテル社製の「80286(登録商
標)」)61を備えている。なお、CO−PROとして
インテル社製の「80287(登録商標)」も備えてい
るが、これは高速演算機能を付与するためであり、制御
処理はCPU61にて司っている。そして、DRAMや
DOSメモリ等の他に、電気的に書き込み及び消去可能
なフラッシュメモリからなるシステムメモリを備えてい
る。システムメモリは、本実施例において実行する制御
処理プログラムを読み込んで記憶しておくためのもので
ある。これは、制御処理プログラムをROMに記憶する
構成とすると、バージョンアップの度にROMを取り替
える必要が生じ、将来的な拡張に制限が出て来るおそれ
があるからである。即ち、本実施例では、制御処理プロ
グラムをフロッピーディスクにて提供し、FDD51又
はFDD52から、このシステムメモリへロードする構
成としてあるのである。なお、RTCはリアルタイムク
ロックであり、システムの時間の管理のために設けられ
ている。また、プロテクトユニットは、上記の様にシス
テムメモリへプログラムをロードするシステム構成とし
たので、このシステムメモリからフロッピーディスクな
どに逆コピーされても他のパーソナルコンピュータでは
プログラムが起動しない様にするためのプロテクトとし
て設けられる。
【0027】次に、表示処理部30bについて説明す
る。図5は、表示処理部30bの詳細なブロック図であ
る。表示処理部30bは、アドレスバッファとデータバ
ッファを介してメイン演算処理部30aと連絡されてい
る。表示処理部30bは、VGAコントローラ62など
を備え、VGA対応に構成されている。VGAコントロ
ーラ62には、データバス及びアドレスバスを介して2
個のVRAM63,64が接続されている。この2個の
VRAM63,64は、マルチプレクサにて一方の内容
を選択し、ディスプレイ31に表示できるようになって
いる。なお、後述のように、VRAM63はCAD処理
の進行状況を表示するために設けられており、VRAM
64はミシンによる刺繍の進行状況を表示するために設
けられている。
【0028】これらメイン演算処理部30aと表示処理
部30bとによって、刺繍データの設計・編集といった
CAD処理が実行できるようになっている。次に、ミシ
ン駆動処理部30cについて説明する。図6は、ミシン
駆動処理部30cの詳細なブロック図である。ミシン駆
動処理部30cには、CPU65としてNEC社製の
「V20」が備えられている。なお、スピンドルモータ
駆動処理部30e及びフレームモータ駆動処理部30f
には、図7に示す様に、それぞれ1個ずつNEC社製の
「78C10」がCPU66,67として備えられてい
る。また、図示は省略したが、コントロールペンダント
45のCPUも「78C10」を採用した。
【0029】次に、本実施例の特徴部分である刺繍糸の
色の設定、表示、変更等の処理について説明する。ま
ず、刺繍糸の色の設定処理を説明する。この処理は、図
8の糸色設定処理ルーチンに従って実行される。
【0030】糸色設定処理ルーチンが開始されると、糸
色設定処理画面をカラーディスプレイ31上に表示する
(S10)。この画面は、図9(A)に示す様に、7本
の針棒11を意味する1〜7の針番号群71と、各針番
号に対応して現在設定されている色を表す色パレット帯
群72と、さらに選択ボタン群73と、了解スイッチ7
4と、中止スイッチ75とを表示したものである。
【0031】次に、マウス43がクリック操作されて選
択ボタン群73のいずれかが選択されるのを待つ(S2
0)。なお、この時点で「中止」がクリックされた場合
には本ルーチンを抜ける(S30)。また、「了解」が
クリックされた場合には、現在の設定状態にてハードデ
ィスクの色パレットデータを書き換えてから本ルーチン
を抜ける(S40,S45)。
【0032】一方、選択ボタン群73のいずれかが選択
されると(S20:YES)、図9(B)に示す様に、
選択ボタン群73で選ばれた針番号に対する色パレット
帯の直下に針番号X(X=1〜7)と現在の設定におけ
るR,G,B混合割合の構成状況とを表すRGB表示窓
76を出現させる(S50)。そして、RGB混合割合
を調整する処理を実行する(S60)。
【0033】ここで、RGB混合割合は、0〜63の数
値入力、又は、図示のスライドスイッチ77のスイッチ
位置を画面上で左右にスライドさせる処理によって、2
62,144色中の1色に対するものを設定できる様に
なっている。なお、数値入力をするには、キーボード4
1にてR,G,Bのいずれかを指定し、続いて数字を入
力すればよい。また、スイッチ位置を画面上で左右にス
ライドさせるには、R,G,Bの3つのスライドスイッ
チ77のいずれかのツマミ78をマウス43にてクリッ
クし、続いてマウス43を左右へドラッグしてからクリ
ックすればよい。この間、メインCPU61は、ツマミ
78の位置を画面上の座標位置から識別し、それに応じ
て、随時、色パレット帯72の表示色を変更する演算処
理,表示処理を実行する。従って、イメージ処理の場合
には、色パレット帯72の表示色の変化を見ながら直観
的に色調整作業を実行することができる。従って、実際
に設定されている刺繍糸の色に最も近いイメージの色を
容易に選択することができる。
【0034】こうして、色パレットを調整した後に「了
解」をクリックすると、再びS20へ戻る(S70)。
一方、この時点で「中止」をクリックすると、色パレッ
ト帯72を調整前の状態に戻してからS20に戻る(S
80,S85)。こうして、S20以下の処理を何回か
実行し、各針棒11の針に実際に掛け渡されている刺繍
糸の色に対応してすべての色パレット帯の表示状態を調
整した上で「了解」をクリックすることにより、RGB
混合割合調整処理の結果に基づいて本体内蔵のハードデ
ィスク内の色パレットデータを書き換える(S40,S
45)。
【0035】次に、刺繍用の一針データにおける針選択
データの修正処理について説明する。この処理は、図1
0,図11に示すルーチンに従って実行される。まず、
一針データの記録されているフロッピディスクをコント
ロールペンダント45の51又は52のどちらかのフロ
ッピードライバーにセットし、一針データの読み込みを
実行する(S110)。次に、この読み込んだ一針デー
タに基づいて、刺繍模様の画像表示処理を実行する(S
120)。
【0036】この刺繍模様の画像表示処理は、一針デー
タ中のステッチデータに基づいて、縫い始め点から縫い
終わり点まで全ての針落ち点を表示すると共に、ファン
クションデータの設定状況及び現在設定されている色パ
レットに基づいて、一針データ中の針番号(カラー1〜
カラー7)に対応する色の線分で各針落ち点間を結ぶ処
理として実行される。なお、併せて、現在のカーソルマ
ーク81及び色パレット設定状態テーブル82も表示す
る。
【0037】この時点では、読み込んだままの一針デー
タに基づいて表示がなされているため、本来縫い上げる
べき配色とは異なる配色の模様になっている場合があ
る。これは、フロッピーディスクに記録されている一針
データが全く別の装置で作成されたものであったり、同
じ装置で作成したものの、データ作成時の糸色設定と今
回の糸色設定とが違っていたりするからである。
【0038】このため、図12に示す様な画像表示を行
った段階で、針選択データの修正処理の開始を意味する
中止スイッチ75がクリックされるのを待つ(S13
0)。なお、了解スイッチ74の方がクリックされた場
合には(S140:YES)、画面の表示内容に基づい
て一針データを書換えてから本ルーチンを抜ける(S1
45)。針選択データの修正が全くなされていない場合
には、元のデータが上書きされるだけで実質的には書き
換えてないのと同じである。
【0039】一方、中止スイッチ75がクリックされた
場合には(S130:YES)、針選択データ修正処理
を開始する(S150)。この処理は、図11のフロー
チャートに示した手順で実行される。まず、画面上に表
示されている刺繍模様を部分ごとの閉領域にグループ分
けする(S210)。例えば、一針データをステッチ1
から順番にサーチし、針選択データの記録されているス
テッチから次に針選択データの記録されているステッチ
までを1グループと判別し、そのグループに含まれる縫
い点群を外形とした閉領域を決定する。図12の例で
は、一針データ中の6箇所に針選択データが記録されて
おり、傘の「右」,「中」,「左」,「柄」,「握り」
及び「先端突起」の6個の閉領域にグループ分けされ
る。なお、図において傘の「右」の部分は、本来4番の
針に設定された色になるべきであるのに、一針データで
は2番の針が選択されているため、配色が予定通りにな
っていないものとする。
【0040】次に、修正部位が指定されるのを待つ(S
220)。修正部位の指定は、マウス43のドラッグ操
作によって画面に表示されている刺繍模様上の任意の位
置にカーソルマーク81を合わせた上でクリックするこ
とによりなされることとなっている。なお、マウスをク
リックすると、カーソルマークは「+」から、「ひし形
の中に+と小さな○」の表示態様(図9の符号81’参
照)に変化することとしている。
【0041】こうして修正部位が指定されたら、カーソ
ルマーク81’の中心位置の座標を画面上から読み取り
(S230)、S210の処理で決定された各閉領域内
に含まれるべき座標点群とこのカーソルクリック位置と
の重複を調べることによって、刺繍模様のどの部分の針
選択データを修正しようとしているのかを判別する(S
240)。そして、修正部分と判別された閉領域の表示
だけを他の部分よりも輝かせた表示態様に変化させる処
理を実行する(S250,図13参照)。そして、了解
スイッチ74がクリックされるのを待つ(S260)。
【0042】了解スイッチ74がクリックされたら、一
針データの内の修正すべき部分のテーブル83を表示す
る(S270,図14参照)。ここまで処理が進むと、
カーソルをテーブル83上の針選択データを変更すべき
欄に移動してクリックし、色パレット設定状態テーブル
82を見ながら所望の針番号をキー入力すれば針選択デ
ータの修正ができる。この針選択データの修正結果を記
録したらS120へ戻る(S280)。この結果、画面
に表示されている刺繍模様は、修正後の針選択データに
対応する配色にて再表示されることとなる。なお、本実
施例では、一針データは元データも保持する形で記録さ
れ、いつでも元データに復帰することができる様に手当
されている。また、針選択データの修正に当たっては、
画面横の色パレット設定状態テーブル82の設定色表示
を見ながら実施できるので、何番の針に何色の糸が取り
付けられているかをいちいち覚えておかなくてよく、便
利である。
【0043】一方、S250の処理の後に了解スイッチ
でなく中止スイッチ83の方がクリックされたら(S2
90:YES)、S250にて変化させた表示態様を元
の状態に復帰させ(S295)、再び修正部位が指定さ
れるのを待つ(S220)。こうして刺繍模様の各部分
について予定通りの配色に修正し終えたら、最後に了解
スイッチの方をクリックすればよい。この操作によっ
て、画面の表示内容に基づいて一針データを書換えて本
ルーチンを抜けることができる(S140,S14
5)。従って、この後、刺繍の実行を指示すれば、この
修正後のデータに基づいて刺繍模様が形成され、予定通
りの配色の刺繍製品を得ることができる。
【0044】以上説明した様に、本実施例によれば、刺
繍データをカラーにて直接画像表示することができるの
で、試し縫いをしなくても配色具合いを確認することが
できる。しかも、その配色の修正に当たっては、やはり
画面上に表示されている模様を見ながら、マウス操作に
て修正部位を簡単に指定することができる。従って、一
針データのテーブルを検索する手間や、「どのデータ
と、模様のどの部分とが対応しているのか」を判断する
必要がなく、簡単かつ確実に修正部分を指定することが
できる。しかも、修正部分を指定したときに、図9に示
した様に表示態様を変化させることで、「操作者が指示
した修正対象はこの範囲である」ということをはっきり
させる。この結果、指定のミスも防ぐことができ、特
に、絵柄の細かい模様における配色の修正をミスなく実
施することができる。
【0045】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明は何等この実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲の種々なる態様にて実施
することができる。例えば、既に針選択データが与えら
れている一針データの修正だけでなく、針選択データを
与える前の一針データ作成時点で針選択データを設定す
る処理として本発明を適用しても構わない。この場合、
最初に画像表示される模様は色分けがなく、例えば全部
白などで表示し、針選択データが設定される毎に該当す
る配色に表示を変化させていくといった実施態様にすれ
ばよい。
【0046】また、実施例では、画像上にマウスカーソ
ルを合わせてクリックすることで任意の部位を指定し、
その任意部位の画面上の位置座標と刺繍模様の各部分の
画面上の占有範囲との関係から修正を施すべき針選択デ
ータを判別する様に構成したが、例えば、刺繍模様を画
像表示する段階で、図15に示す様に、各部分の中心付
近にクリックポイント85を表示し、そこにカーソルを
合わせてクリックすればよい様に構成することもでき
る。また、図16に示す様に、各部分に番号を付与し、
その番号を引出し線と共に画像上に表示しておき、該当
する番号をキー入力すればよい様に構成しておいても構
わない。なお、実施例の様に任意の位置でカーソルをク
リックすればよい様にしておく方が、操作が簡単で、か
つ、操作者の思考パターンとしてもスムーズである点で
より簡便化の効果が高い。
【0047】加えて、実施例では、グループ分けした閉
領域に含まれる座標点群とカーソルマーク81’の中心
位置の座標との重複によって修正対象として指定された
範囲を判別する構成として説明したが、これに限らず、
種々の手法でカーソルマーク81’の位置と各グループ
との対応を判別してもよい。例えば、カーソルマーク8
1’の中心から所定方向に線分を設定し、この線分と輪
郭線とが最初に交わったグループが修正対象であると判
別してもよく、画像処理技術として具体化されている各
種の手法を応用すればよいことはもちろんである。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の刺繍データ
処理装置によれば、多針多色縫いミシンにて多色刺繍模
様を縫い上げるための刺繍用一針データを処理するにお
いて、多針ミシンの針選択データの設定・変更を簡便化
することができる。
【0049】特に、請求項2記載の装置ではカラーディ
スプレイの画面を見ながら目でみたままを直観的に作業
することができ、請求項3記載の装置では針の選択も容
易となり、請求項4記載の装置では修正作業のミスを有
効に防止することまでも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本的構成を例示する構成図であ
る。
【図2】 実施例システムを示す概略構成図である。
【図3】 実施例システムにおける制御系の模式的な構
成図である。
【図4】 実施例システムにおける制御系の模式的な構
成図である。
【図5】 実施例システムにおける制御系の模式的な構
成図である。
【図6】 実施例システムにおける制御系の模式的な構
成図である。
【図7】 実施例システムにおける制御系の模式的な構
成図である。
【図8】 実施例における糸色設定処理のフローチャー
トである。
【図9】 糸色設定処理ルーチンでの画面表示状態の説
明図である。
【図10】 実施例における針選択データ修正処理のフ
ローチャートである。
【図11】 実施例における針選択データ修正処理のフ
ローチャートである。
【図12】 針選択データ修正処理での画面表示状態の
説明図である。
【図13】 針選択データ修正処理での画面表示状態の
説明図である。
【図14】 針選択データ修正処理での画面表示状態の
説明図である。
【図15】 変形例における針選択データ修正処理での
画面表示状態の説明図である。
【図16】 変形例における針選択データ修正処理での
画面表示状態の説明図である。
【図17】 従来例としての一針データテーブルの説明
図である。
【図18】 従来の刺繍データ編集装置の概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1・・・刺繍装置、10・・・刺繍ミシン、11・・・
針棒、13・・・糸巻、15・・・ミシンヘッド、17
・・・ワーク保持枠、19・・・スピンドルモータ、2
1・・・針棒選択モータ、23・・・Xモータ、25・
・・Yモータ、27・・・上糸センサ、29・・・原点
位置センサ、30・・・本体ユニット、31・・・カラ
ーディスプレイ、33・・・プロッター、35・・・プ
リンター、37・・・テープパンチャー、41・・・キ
ーボード、43・・・マウス、45・・・コントロール
ペンダント、47・・・テープリーダー、51,52・
・・フロッピードライバー、53・・・ジョグキー群、
55・・・ボリュームスイッチ、57・・・ファンクシ
ョンキー群、71・・・針番号群、72・・・色パレッ
ト帯群、73・・・選択ボタン群、74・・・了解スイ
ッチ、75・・・中止スイッチ、76・・・RGB表示
窓、77・・・スライドスイッチ、78・・・ツマミ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多針多色縫いミシンにて多色刺繍模様を
    縫い上げるための刺繍用一針データを処理する刺繍デー
    タ処理装置であって、 前記多針多色縫いミシンの各針に取り付けられている刺
    繍糸の色を、カラーディスプレイ表示用の糸色データと
    して設定する糸色データ設定手段と、 該多針多色縫いミシンの多数の針の中から、刺繍に当た
    って使用する針を選択・交換するタイミングに関するデ
    ータ、及び既に決まっている場合は選択すべき針に関す
    るデータ、を含んだ刺繍用一針データを記憶する一針デ
    ータ記憶手段と、 該一針データ記憶手段から刺繍用一針データを読み出
    し、該一針データ中に含まれる前記針の選択・交換に関
    するデータと、前記糸色データ設定手段の設定内容とに
    基づいて、カラーディスプレイ上に、縫い上がり状況に
    対応する多色表示で刺繍模様を表示する刺繍模様表示手
    段とを備え、さらに、 該刺繍模様表示手段によりカラーディスプレイ上に表示
    されている刺繍模様の内の一部の部分を指定する部分指
    定手段と、 該部分指定手段により指定された部分と一針データとの
    対応関係に基づいて、当該部分に関する一針データの範
    囲を判別し、該判別した範囲について選択すべき針に関
    するデータを設定又は変更する針設定・変更手段とを備
    えたことを特徴とする刺繍データ処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の刺繍データ処理装置にお
    いて、 前記部分指定手段は、前記刺繍模様表示手段によりカラ
    ーディスプレイ上に表示されている刺繍模様上の任意の
    部位を指定する手段とし、 前記針設定・変更手段は、該任意部位指定手段により指
    定された任意部位のディスプレイ上の位置と、刺繍模様
    の各部分がディスプレイ上に占める範囲との関係に基づ
    いて、当該任意部位を含み、当該任意部位と同じ針にて
    連続的に刺繍することとなっている一針データの範囲を
    判別し、該判別した範囲について選択すべき針のデータ
    を設定又は変更する手段としたことを特徴とする刺繍デ
    ータ処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の刺繍データ
    処理装置において、さらに、 前記針設定・変更手段を動作させる際に、前記糸色デー
    タ設定手段の設定内容に基づいて、各針とそれに対応す
    る糸色とをカラーディスプレイ上に表示する糸色設定状
    態表示手段をも備えたことを特徴とする刺繍データ処理
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか記載の刺
    繍データ処理装置において、さらに、 前記針設定・変更手段を動作させる際に、前記部位指定
    手段の指定した部位と同じ針にて連続的に刺繍すること
    となっている範囲であると判別された範囲について、デ
    ィスプレイ上での表示態様を他の部分と変える表示態様
    変化手段をも備えたことを特徴とする刺繍データ処理装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1176659A (ja) * 1997-09-03 1999-03-23 Janome Sewing Mach Co Ltd 2ウェイ機能を備えた刺繍データ作成装置
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JP2005251074A (ja) * 2004-03-08 2005-09-15 Sii Nanotechnology Inc 数値入力装置
JP2007203111A (ja) * 2007-05-16 2007-08-16 Janome Sewing Mach Co Ltd 刺繍データ作成方法
US7949421B2 (en) 2006-06-26 2011-05-24 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Multi-needle type embroidery sewing machine and computer-readable storage medium including a computer control program for the multi-needle type embroidery sewing machine

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