JPH0153465B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、粉体トナー像を担持せる紙の如き支
持体を加熱ロールと加圧ロールとで圧接挾持しな
がら搬送することにより前記支持体上にトナー像
を加熱定着せしめる複写機の加熱定着装置におけ
る加圧ロールの清掃装置に関するものである。

融着可能なトナーを用いる静電複写の技術分野
では、支持体上に担持された粉体トナーを加熱す
るために、輻射的熱伝達、対熱的熱伝達および伝
導的熱伝達による定着装置があるが、支持体上の
粉末トナーを加熱ロールと加圧ロールとで圧接挾
持するヒートロール定着方式の伝導的熱伝達によ
る定着装置では、加熱、加圧併用型であるため、
粉体トナーを支持体上に確実に定着することがで
き、最も広く利用されている。

このようなヒートロールによる加熱定着装置で
は、加圧ロールは加熱ロールより比較的に冷たい
ことが望ましいが、加熱ロールとの接触により、
または複写機内の空気流によつて運ばれる粉体ト
ナーにより、あるいは両面コピーにおいて反対側
に像を融着する場合にロール対を通される融着済
みコピー面との接触により加圧ロールにトナーが
堆積する傾向にある。

しかしこの加圧ロール上のトナーは液状であつ
ても、堆積が進行すると、トナーは支持体に浮き
彫りを生じしめるに足る硬さになり、通常使用さ
れる圧力条件２〜６Kg／cm²および温度条件150〜
200℃によつて、加圧ロール上に形成された硬い
トナーによつて支持体即ち用紙に皺が発生する。

さらに、加圧ロール上に形成されたトナーが支
持体たる用紙に浮き彫りを生じせしめるに足る硬
さになる前に、加圧トール上のトナーが粘着性を
帯び、この粘着性トナーでジヤム（紙づまり）が
発生することがあり、加圧ロールを清掃する必要
があつた。

また加圧ロールには、金属のみで構成されたも
の、金属円筒の周面に離型性硬質被膜（例えばフ
ツソ樹脂）を被覆したもの、あるいはシリコンゴ
ムやスポンジゴムでその周面を均一の厚さに形成
したもの等があるが、現在では、金属を芯金とし
て２〜25mmの厚みのゴムをその上に形成したもの
が最も一般的に用いられている。

このような一般的な構造の加圧ロールにトナー
を除去清掃するものとして、従来では、粘着性を
有するスポンジロールを加圧ロールに圧接せし
め、その粘着性にて加圧ロールに付着したトナー
を除去する清掃装置や、鋭い先縁を有するスクレ
ーパーブレードを加圧ロールに接触させ、加圧ロ
ール上のトナーを擦り取るものがあつた。

しかしながら、前者では、スポンジロールの粘
着剤でトナーが加圧ロール上で固化し堆積する傾
向にあるため、加圧ロールを清掃する手段として
不充分であり、また後者では、加圧ロール表面が
ゴム等の軟質材よりなる場合、加圧ロールが破損
する惧れがあつた。

本発明はこのような難点を克服した加圧ロール
の清掃装置の改良に係り、粉末トナー像が形成さ
れた支持体を加熱ロールと加圧ロールとにより挾
圧搬送しながら前記粉体トナー像を支持体上に加
熱定着する粉体トナー像定着装置において、前記
加圧ロールに剛性に富んだ網を加圧接触させて、
同加圧ロールの清掃を行なうようにしたことを特
徴とするもので、その目的とする処は、軟質な加
圧ロールをも加圧ロールを破損させずに、トナー
を確実に除去することができる構造の簡単な加圧
ロールの清掃装置を供する点にある。

本発明は前記したように粉体トナー像が形成さ
れた支持体を加熱ロールと加圧ロールとにより挾
圧搬送しながら前記粉体トナー像を支持体上に加
熱定着する粉体トナー像定着装置において、剛性
に富んだ網を前記加圧ロールに加圧接触させたゝ
め、同加圧ロール上に付着したトナーが粘着性を
帯びまたは硬化しても、前記剛性に富んだ網の凹
凸で前記加圧ロール上のトナーを擦り取ることが
できる。

また本発明では、前記網の材質、線径、網目の
広さを、前記加圧ロールの径、柔軟度に応じて適
宜選定すれば、同加圧ロールの表面を損傷せずに
同加圧ロールに付着したトナーを充分に除去清掃
することができる。

以下第１図ないし第３図に図示される本発明の
一実施例について説明すると、クリーニングロー
ル１は、芯金２の外周に、アルミ、鋼の如き金属
またはゴム、スポンジ等の弾性体等よりなる円筒
状支持部３を同心状に覆い、同支持体３の外周面
に12メツシユ線径0.5mmの平織金網４を巻装して
構成される。

前記クリーニングロール１は、加熱ロール５と
接してトナー支持体たる用紙７を挾圧する加圧ロ
ール６の外周面に加圧接触され、加圧ロール６の
回転方向とは逆方向に従動回転されるように図示
されないフレームに軸受を介して枢支されてい
る。

また加圧ロール６は芯金にゴムが同心状に覆わ
れてなり、適度の外径と弾性とを有している。

第１図ないし第３図に図示の実施例は前記した
ように構成されているので、加熱ロール５を所定
の温度に加熱した状態で、第１図に図示するよう
に加熱ロール５および加圧ロール６を回転させ、
用紙７を左方へ移動させると、トナー像８を担持
した用紙７は加熱ロール５および加圧ロール６と
で圧接挾持されながら左方へ搬送され、加熱ロー
ル５からの加熱と加熱ロール５および加圧ロール
６の加圧で、用紙７上にトナー像８が加熱定着さ
れる。

このような加熱定着工程において、空気中に飛
散したトナーや、両面コピーで反対側の融着済み
トナー等が加圧ロール６の周面に付着堆積して
も、クリーニーグロール１周面上の金網４の凸部
が加圧ロール６の表面に僅かに喰い込み、同加圧
ロール６の周面の局部的弾性変形で、加圧ロール
６の周面に付着堆積したトナーは脱落除去され
る。

またクリーニングロール１の周面が、接触圧力
が不均一で、接触面積が小さく、しかも摩擦係数
が小さな金網４で覆われており、さらにクリーニ
ングロール１は軸受を介してフレームに支持され
てその間に摩擦力があるため、加圧ロール６との
間に回転中僅かな滑りが生じ、この相対的な滑り
により、加圧ロール６の表面は金網４で擦られ、
加圧ロール６の周面に付着堆積したトナーは除去
され、加圧ロール６の周面は清掃される。

さらに金網４はその表面に鋭利な個所がないた
め、加圧ロール６の周面に損傷を与えずに充分な
清掃効果を得ることができる。

第１図ないし第３図に図示の実施例では、クリ
ーニングロール１は加圧ロール６に従動回転され
るようになつているが、金網４と加圧ロール６と
の滑りを助長するために、クリーニングロール１
の周速を加圧ロール６の周速に比べて大きくまた
は小さくするように増速または減速機構を介して
加圧ロール６にクリーニングロール１を接続し、
あるいは所要の制動力をクリーニングロール１に
働かせるように制動機構を付設してもよく、この
ような場合には、金網４の網目、線径を小さくす
るとよい。

クリーニングロール１の周面上の金網４は完全
な円筒形である必要はなく、圧力の不均一さ、滑
り等を考慮した場合には、幾分変形している方が
好ましい。

第１図ないし第３図に図示の実施例では、金網
４は円筒状支持体３の周面に巻装されたが、金網
４′を無端状に形成し、無端状金網４′を１対の支
持ロール９に架渡し、同金網４′を加圧ロール６
の周面に接触させ、加圧ロール６の回転に追加さ
せて従動させてもよく、あるいは支持ロール９を
固定して一定期間毎に金網４′を少しづつ移動さ
せるようにしてもよい。

また第５図に図示するようにコイル状に巻装さ
れた金網４″をアイドラーロール１０に架渡した
後、その先端を巻き取りロール１１に結着し、感
光ドラムのウエブ・クリーニングのように、金網
４″を加圧ロール６の周面に加圧接触させ、金網
４″を加圧ロール６の回転に対し少しづつ繰り出
すようにしてもよい。

さらに前記実施例では、網として金網を用いた
が、適当な剛性、強度、摩擦係数を有するものな
らば、合成樹脂その他の材質で網を構成しうる。

以上図面に図示された実施例およびその他の実
施例について本発明を説明したが、本発明は、勿
論このような実施例に限定されるものではなく、
本発明の精神を逸脱しない範囲内で種々の設計の
改変を施しうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る加圧ロールの清掃装置の
一実施例を備えた加熱定着装置の側面図、第２図
はその要部正面図、第３図は第２図の側面図、第
４図および第５図はそれぞれ他の実施例の側面図
である。 １……クリーニングロール、２……芯金、３…
…金網、４……支持部、５……加熱ロール、６…
…加圧ロール、７……用紙、８……トナー像、９
……支持ロール、１０……アイドラーロール、１
１……巻取りロール。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 粉体トナー像が形成された支持体を加熱ロー
   ルと加圧ロールとにより挾圧搬送しながら前記粉
   体トナー像を支持体上に加熱定着する粉体トナー
   像定着装置において、前記加圧ロールに剛性に富
   んだ網を加圧接触させて、同加圧ロールの清掃を
   行なうようにしたことを特徴とする加圧ロールの
   清掃装置。