JPH0151281B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明はマシニングセンタの主軸工具アンクラ
ンプ装置に関するものである。

＜従来の技術＞ マシニングセンタの工具交換はドローバーをク
ランプ用スプリングに抗してアンクランプ用シリ
ンダにて押圧することにより工具一端のプルスタ
ツドを押して工具と主軸との嵌合面のくい付きを
解除してから交換アームにより工具交換を行つて
いる。

＜発明が解決しようとする問題点＞ しかしながら同一工具による加工時間が長い場
合とか、工具挿着状態での運転休止時間が長い場
合には、主軸と工具の嵌合面におけるくい付きが
強くなり、アンクランプ用シリンダでプルスタツ
ドを押しただけでは工具を抜くことができず、自
動運転が中断される不具合があつた。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明はかかる問題点を解消するために、工具
のくい付き解除検出手段を設け、くい付き解除検
出がされなければアンクランプ用シンリダ一旦復
帰させた後再びアンクランプ動作を繰返すように
したものである。かかるアクランプ動作の繰返時
には、アンクランプ用シリンダの作動条件を変え
ずに行つても良く、又供給圧力を高めるとか供給
流量を増大させて行つても良いものである。

＜作用＞ クランプ用シリンダを再動作させることにより
プルスタツドとドローバーの当接による衝激力
で、主軸に対する工具のくい付きが解除できるこ
ととなる。クランプ用シリンダの再動作時の作動
条件は同じでも良いが、供給流量とか供給圧力を
増大させればより確実にアンクランプすることが
できる。

＜実施例＞ 以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図におてい、１０は自動工具交換装置を
備えた工作機械の主軸頭、１１はこの主軸頭１０
に回転可能に軸承された主軸、この主軸１１の中
心には貫通穴１５が穿設され、この貫通穴１５の
一端には工具Ｔを着脱可能に受入れる工具受口１
６が形成されている。前記貫通穴１５にはドロー
バー１７が挿通され、このドローバー１７の一端
には工具Ｔの端部に突設されたプルスタツド１８
と係脱可能なクランパー１７ａが設けられ、他端
部は主軸１１の後端部より突出され、中央部外周
面には複数個の皿バネを積層して構成されるスプ
リング１９が配置されている。このスプリング１
９の一端は主軸１１の係合段部１１ａに係合し、
他端はドローバー１７に突設されたフランジ部２
０に係合し、工具Ｔを引き込む方向のクランプ力
をドローバー１７に与えている。前記ドローバー
１７の突出端部１７ｂに対応してアンクランプ用
のシリンダ２１が配置され主軸頭１０に固定され
ている。このシリンダ２１に嵌挿されたピストン
２２にはピストンロツド２３，２４が突設され、
ピストンロツド２３の先端にはドローバー１７の
突出端部１７ｂと当接する当接部材２５が転り軸
受を介して回転軸承されている。

工具をアンクランプするためピストン２２が図
示状態より前進し当接部材２５がドローバー１７
の端面に当接するとスプリング１９が圧縮され、
ドローバー１７が移動しクランパー１７ａとプル
スタツド１８の係合が外れてアンクランプ状態と
なる。更にドローバー１７の移動によりこれの先
端部はプルスタツド１８と当接し、工具Ｔのくい
付きを解除するべく押圧する。くい付き力が弱け
れば、工具はテーパ穴１６から離脱するが、くい
付きが強ければ離脱しないことになる。

かかるくい付きの離脱検知のために、ドローバ
ー１７の後方突出部１７ｂにドツグ１７ｃが固着
され、このドツグ１７ｃに応答する近接スイツチ
４０が固定部に設けられている。くい付きが解除
されればドローバー１７は前進端まで移動しドツ
グ１７ｃに感応して近接スイツチ４０がONとな
る。

５０は工具交換制御装置であり、一連の工具交
換動作を制御するとともにアンクランプ用シリン
ダ２１のピストン２２が前進しても一定時間後近
接スイツチ５０による離脱検知がなされなけれ
ば、ピストン２２を後退復帰させた後、再前進さ
せるアンクランプ動作の繰返し機能を備えてい
る。

この工具交換制御装置５０の機能を第２図の流
れ図によつて説明する。先ず工具交換開始指令が
発せられると交換アーム（図示省略）を90度旋回
させ(1)、主軸に挿着された工具Ｔを把持し、アン
クランプ用シリンダ２１の切替弁５１を切替えて
ピストン２２を前進作動させ主軸工具緩め(2)を行
う。

ピストン２２の前進動作後、一定時間経過して
から近接スイツチ４０のオンオフ状態を判別して
工具のくい付解除の判別(3)がなされる。近接スイ
ツチ４０がオンになつてれば、交換アームの前進
(5)、180度旋回(6)、後退(7)を行い、主軸工具の交
換を行う。アンクランプ用シリンダのピストン２
２は後退され、主軸工具の締め(8)を行い、その後
交換アームを旋回逃しさせて工具交換動作を終了
する。

一方近接スイツチ４０がオンになつていなけれ
ば工具のくい付き解除がなされていないことにな
り、アンクランプ用シリンダ２１のピストンを戻
し動作させ主軸工具締め(4)を行い、再度主軸工具
緩め(2)を繰返す。主軸工具緩め動作を繰返すこと
によりドローバー１７の先端がプルスタツド１８
に当接し衝激力を付与するので、１回目ではくい
付きが解除できなくても２回、３回と繰返すこと
によりくい付きは解除され、その解除が近接スイ
ツチ４０にて確認されるとステツプ(5)以下の交換
アームによる交換動作が行われる。尚、第３図、
第４図で示すように、主軸工具締め(2)を行つてか
ら主軸工具緩め(2)に移る間にアンクランプ用シリ
ンダ２１の供給圧力を高め、又は供給流量を増大
させるようにすれば、工具のくい付きは確実に解
除される。

尚、供給圧力を増大させる切替えは高、低２つ
の減圧弁を切替弁によつて切替えることにより達
成でき、又供給流量をついてもシリンダ供給油路
を２つに分岐し、異る絞りを格別に配置し、この
２つの絞りの選択を切替弁によつて行うことがで
きる。

＜発明の効果＞ 以上述べたように本発明においては、アンクラ
ンプ用シリンダによるドローバーの軸動に応答す
る検出手段により主軸と工具とのくい付き解除を
検出し、検出手段によるくい付き解除が検出され
ない場合には、アンクランプ用シリンダによる工
具の締め動作、緩め動作を繰返えすようにしたた
め、１回目の緩め動作によつてくい付きが解除で
きなくても２回、３回と繰返えすことにより、プ
ルスタツドに当接するドローバーにより衝激力が
与えられ、主軸にくい付いている工具であつても
解除することができ、自動運転を中断させること
なく加工動作を断続させることができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
主軸頭の断面図、第２図は工具交換制御装置の機
能を表わす流れ図、第３図、第４図は他の変形例
を示すもので第２図に対応する要部のみを示す図
である。 １１……主軸、１７……ドローバー、１７ａ…
…クランパー、１７ｃ……ドツグ、２１……アン
クランプ用シリンダ、２２……ピストン、４０…
…近接スイツチ、５０……工具交換制御装置、５
１……切替弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 工具を着脱可能に保持する回転主軸中心に挿
   通されたドローバーの一端に設けられ前記工具に
   突設されたプルスタツドに係脱可能なクランパー
   と、このクランパーと回転主軸との間に介装され
   クランパーを介して前記工具を回転主軸に引込み
   クランプ力を作用させるスプリングと、このスプ
   リングの押圧力に抗してドローバーを押し込み前
   記工具をアンクランプさせるアンクランプ用シリ
   ンダを備えた主軸装置において、前記アンクラン
   プ用シリンダによるドローバーの軸動に応答し前
   記工具と主軸とのくい付き解除を検出する検出手
   段を設け、工具のアンクランプ時に前記検出手段
   による工具と主軸とのくい付き解除が検出されな
   い場合には前記アンクランプ用シリンダを復帰さ
   せて工具締めを行つた後再度アンクランプ用シリ
   ンダを作動させて工具アンクランプ動作を繰返す
   制御手段を設けたことを特徴とする主軸工具アン
   クランプ装置。