JPH0150664B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、天壁に注出口を有し容器口部に装着
するキヤツプ本体と、注出口を塞ぐ栓部を有しキ
ヤツプ本体に冠着する補助キヤツプとからなる容
器のキヤツプに関し、特に、キヤツプ本体の注出
口が大きく、補助キヤツプの栓部が太い容器のキ
ヤツプに関する。

［従来の技術］ ドレツシングやタルタルソースなど液体や粘体
の食品内容物を収容する容器は、食卓上などに立
て置いて使用することが多いことから、例えば、
ガラス瓶等の硬質材にて作られており、また、こ
の容器のキヤツプとしては、天壁に注出口が開設
してあり容器口部に装着するキヤツプ本体と、注
出口に嵌合する栓部を有しキヤツプ本体に被せる
補助キヤツプとからなる、いわゆる二重構造キヤ
ツプが多く使用されている。

ところで、上述の食品収容硬質容器は、軟質容
器と異なつて内容物の取出しに際しては、容器に
加圧変形を加えることなく、専ら容器を傾けるこ
とにより内容物を流出させるので、一般に、硬質
容器と組み合わせる二重構造キヤツプでは、内容
物の流出をよくして取り出しが容易にできるよう
に、キヤツプ本体の注出口の口径を、例えば、容
器口部のそれに対して少なくとも1/3以上程度と
する、いわゆる大口にされており、これに応じて
注出口を塞ぐ補助キヤツプ側に備える栓部も太く
されている。なお、軟質容器との組合せで使用さ
れる二重構造キヤツプでは、逆に内容物が出過ぎ
ないよう、その注出口の口径は絞り込まれ、例え
ば、容器口部のそれに対して1/6、1/5程度の、い
わゆる小口にされたものが多く使用されている。

そして、従来の大口の注出口を有するタイプの
容器のキヤツプとして、例えば、実開昭49−
26863号公報のものがあり、当該公報所載のキヤ
ツプは、天壁に大口の注出口が開設してあり容器
口部に装着するキヤツプ本体と、注出口に嵌合す
る太い栓部を有しキヤツプ本体に被せる補助キヤ
ツプとからなるものである。

［発明が解決しようとする問題点］ 注出口が小口であれば、殆ど問題とはならない
のであるが、大口の注出口を有する二重構造キヤ
ツプでは、大口の注出口を有するために、これに
嵌合する太い栓部の広範囲に多くの量の内容物が
付着し、これが栓部より周囲に流失しやすいとい
う問題がある。すなわち、上記従来のキヤツプで
は、太い栓部が筒状で先端部が閉塞されておら
ず、それ相当の内容量をもつ一つの大きな窪みと
して存在するために、容器が倒置されて放置され
ていたり、あるいは使用に際して内容物の濃さが
均一となるように容器を振るなどした場合に、こ
の窪みに相当量の液体・粘体状内容物が入り込ん
で溜り、しかも栓部の筒内部には溜つた内容物の
外部流出防止構造が施されているわけではないの
で、補助キヤツプの開蓋時に栓部の周囲に垂れた
補助キヤツプの内側を汚したり、さらに閉蓋時に
キヤツプ本体の天壁上面にまで垂れてこれを汚
し、不衛生で見た目にも悪いという問題があつ
た。

本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたも
のであり、補助キヤツプの栓部の先端に付着する
容器の内容物を、その表面張力で栓部の先端に保
持せしめて周囲への流出を防ぐことにより、内容
物の流出拡散による汚れをなくし、衛生的で、見
た目にもきれいに使用することができる容器のキ
ヤツプを提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記の目的を達成するため、本発明の容器のキ
ヤツプは、天壁の内外に連通する大口の注出口が
開設してある容器口部に装着するキヤツプ本体
と、このキヤツプ本体に冠着した状態となしたと
きに前記注出口に嵌合する太い栓部を有する補助
キヤツプとからなる容器のキヤツプにおいて、前
記補助キヤツプの栓部を、先端面を有する凸形に
形成するとともに、この先端面に複数個の凹凸部
を形成したことを特徴とする。

［実施例］ 以下、本発明を図面に基づき実施例をもつて説
明する。

第１図は本発明の実施例に係る容器のキヤツプ
の開蓋状態を示す縦断正面図、第２図は同じく閉
蓋状態を示す縦断正面図、第３図は同じく要部の
斜視図である。

第１図ないし第３図において、１は、例えば、
内容物としてドレツシングを収容するガラス瓶容
器のキヤツプであり、詳しくは大口の注出口を有
するキヤツプである。

このキヤツプ１は、瓶（容器）２５の口部２６
に装着するキヤツプ本体２と、このキヤツプ本体
２に冠着する補助キヤツプ１０とからなり、硬質
プラスチツク製のキヤツプ本体２と補助キヤツプ
１０とはヒンジ等で連結されて一体に成形される
ものである。

キヤツプ本体２は、円筒状の囲壁３の天部に、
天壁４が形成されており、囲壁３は容器２５の口
部２６外周のおねじ部２７に螺着して液密に装着
されるように内周にめねじ部５が形成され、また
容器２５の口部２６に配置される天壁４には内容
物の取出口となる注出口６が開設され、この注出
口６の上部に内容物の取出案内筒７が天壁４と連
設されている。このキヤツプ本体２の注出口６は
大口であつて、容器２５の口部２６のそれに比し
少なくとも1/3以上程度の口径を有するものであ
る。

また天壁４の外天面周囲には補助キヤツプ１０
と嵌合する隆条８が形成されている。

補助キヤツプ１０には天壁１１の周縁に内周部
がキヤツプ本体２の隆条８に嵌合する円筒状の囲
壁１２が形成され、天壁１１の下部にキヤツプ本
体２の大口の注出口６と嵌合する太い栓部１３が
形成される。この太い栓部１３は先端面１４を有
する凸形に形成されており、天壁１１の一部を下
方に有底円筒形に突出させて設け、中空の内側に
は十字状の補強リブを備える埋込子１５が配設さ
れる。なお、この栓部１３は先端面１４が存在す
ればよいから、内側を中空のままとしておいた
り、中実にしてもよい。

また、太い栓部１３の先端面には、付着する容
器２５の内容物を、その表面張力を利用してそこ
に保持するために、複数個の凹凸部１６が形成さ
れる。第３図に図示するものは、凹凸部１６をゲ
タ歯状に形成したものであるが、表面張力を利用
した内容物の保持に加えて凹凸方向を補助キヤツ
プ１０のヒンジ側端部１９と自由端部２０を結ぶ
方向に対して直角方向となるようにして、補助キ
ヤツプ１０が開蓋時に斜めに置かれた場合に、複
数個の凹凸部１６の個々での内容物の表面張力を
利用した保持に加えて、その保持された内容物が
栓部１３の先端面１４の周囲に滑り出さないよう
支えている。

なお、凹凸部１６の凸部の平面形状は、第４図
のように十字状としたり、第５図のように網の目
状とすることもできる。

さらに、栓部１３の先端面１４の外周縁には、
付着した内容物を先端面１４の範囲内に止めるた
めに突縁部１７が形成される。

そして、栓部１３の高さは、第２図のように補
助キヤツプ１０が閉蓋されたとき凹凸部１６の凸
面がキヤツプ本体２の天壁４の内側面（内天面）
４ａと略面一になるようにして注出口６内下部に
大きな空間が生じないようにし、栓部１３の先端
面１４に内容物が余分に付着することがないよう
にしている。

１８は補助キヤツプ１０の自由端部２０に設け
られる指掛部、２１はヒンジ側端部１９に間隔を
おいて２個設けられるヒンジ、２２はヒンジ２１
の間に設けられ両端２３，２４がキヤツプ本体２
の囲壁３と補助キヤツプ１０の天壁１１に連設さ
れる逆Ｌ状のバネ片部である。このバネ片部２２
はその両端２３，２４を結ぶ線がヒンジ２１の軸
部（連結帯部）より内側に入つたところから補助
キヤツプ１０を閉じる方向に急激に付勢し、また
上記線がヒンジ２１の軸部より外側に出たところ
から補助キヤツプ１０を開く方向に付勢し、一定
角度まで開いたらその状態を保持するものであ
る。

本発明の容器のキヤツプは、実施例のようなキ
ヤツプ本体２と補助キヤツプ１０とがヒンジ２１
及びバネ片部２２で連結された形式のものの他
に、両者がヒンジのみで連結されたものや、両者
が完全に分離した形式のものにも実施できるが、
実施例の形式のキヤツプは、補助キヤツプ１０が
開蓋時にキヤツプ本体２上に一定角度で斜めに保
持され、したがつて補助キヤツプ１０の栓部１３
の先端部も傾斜した状態に置かれ、すなわち、栓
部１３の先端面１４に付着した液体や粘体の容器
内容物が栓部１３の先端面１４から周囲に流動し
やすい条件下に置かれるため、特に有効である。

［作用］ 本発明の容器のキヤツプによれば、まず、補助
キヤツプにおける大口の注出口に嵌合する太い栓
部を、先端面を有する凸形にすることで、従来の
筒状のもののように栓部の内側に形成される大き
な窪みに内容物が詰まつたり溜つたりすることが
ない。要するに、本発明に係る大口の注出口を有
するタイプの容器のキヤツプでは、注出口が大口
な故にこれに嵌合する栓部も大きくなつて栓部の
内容物との接触部分も大きいが、従来の容器のキ
ヤツプのように栓部における円筒の内側の窪みが
内容物と接する場合に比べて、栓部の先端面とい
う面で接するために、付着し残留する内容物の量
を少なくすることができるのである。

このように本発明では内容物の付着量が少ない
うえに、栓部の先端面には複数個の凹凸部が形成
されており、栓部の先端面に付着した一定量の内
容物はさらに複数個の凹凸部の各々にその量を分
けて分散収容されるため、複数個のうちの各々の
凹凸部に収容される内容物はその物理的性質であ
る表面張力の働きによつて、各凹凸部に留りやす
いのである。この点、従来の円筒状の栓部を有す
るキヤツプにあつては、栓部内に相当量の内容物
が付着残留しやすく、かつ、栓部内は一つの大形
の凹部であり、複数個の凹凸部を有していないた
めに、相当量の残留内容物は一つにまとまりやす
く、表面張力のバランスが崩れて栓部外へ流出し
やすいのである。

［発明の効果］ 以上述べたように本発明の容器のキヤツプは、
補助キヤツプの太い栓部への容器内容物の付着量
を少なくし、かつ付着した内容物を栓部の先端面
に保持して周囲への流出を防ぐことができるの
で、キヤツプ本体及び補助キヤツプの互いに向い
合う内側を容器内容物で汚すことがなく、見た目
にもきれいに、また衛生的に使用することができ
る。

また、上記効果は、補助キヤツプの太い栓部
を、先端面を有する凸形とするとともに、先端面
に複数個の凹凸部を形成することで実現できるも
のであるから、これら形態をキヤツプの成形時に
一体に施すことができ、きわめて簡単に製造する
ことができる。

そして、栓部の先端面の外周縁突縁部を形成し
た場合は、この突縁部が先端面に付着した内容物
の流動をその外周面で塞ぎ止める効果があり、さ
らに凹凸部の凸面の高さをキヤツプ本体の内天面
と略面一に形成した場合には、栓部の先端面への
内容物の付着量をより少ないものとするとするこ
とができ、上記の効果をより大きなものにするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る容器のキヤツプ
の開蓋状態を示す縦断正面図、第２図は同じく閉
蓋状態を示す縦断正面図、第３図は同じく要部の
斜視図、第４図は要部の他の実施例の斜視図、第
５図は要部のさらに他の実施例の斜視図である。 １〜キヤツプ、２〜キヤツプ本体、４〜キヤツ
プ本体の天壁、４ａ〜キヤツプ本体の内天面、６
〜大口の注出口、１０〜補助キヤツプ、13〜太い
栓部、１４〜先端面、１６〜凹凸部、１７〜突縁
部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 天壁の内外に連通する大口の注出口が開設し
   てある容器口部に装着するキヤツプ本体と、この
   キヤツプ本体に冠着した状態となしたときに前記
   注出口に嵌合する太い栓部を有する補助キヤツプ
   とからなる容器のキヤツプにおいて、前記補助キ
   ヤツプの栓部を、先端面を有する凸形に形成する
   とともに、この先端面に複数個の凹凸部を形成し
   たことを特徴とする容器のキヤツプ。 ２ 栓部の先端面の外周縁に突縁部を形成してあ
   る特許請求の範囲第１項記載の容器のキヤツプ。 ３ 凹凸部の凸面の高さをキヤツプ本体の内天面
   と略面一に形成してある特許請求の範囲第１項ま
   たは第２項のいずれかに記載の容器のキヤツプ。