JPH0150384B2 - - Google Patents

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JPH0150384B2
JPH0150384B2 JP57202370A JP20237082A JPH0150384B2 JP H0150384 B2 JPH0150384 B2 JP H0150384B2 JP 57202370 A JP57202370 A JP 57202370A JP 20237082 A JP20237082 A JP 20237082A JP H0150384 B2 JPH0150384 B2 JP H0150384B2
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JP
Japan
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casein
fraction
solution
calcium
buffer
Prior art date
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Expired
Application number
JP57202370A
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English (en)
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JPS5991848A (ja
Inventor
Shunichi Dosemari
Kenkichi Ahiko
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP57202370A priority Critical patent/JPS5991848A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はカゼインの分画方法、更に詳しくは、
全カゼインをκ−カゼインを主成分とする画分
と、αs−カゼインおよびβ−カゼインを主成分と
する画分とに分画する方法に関する。 乳のタンパク質の主成分であるカゼインは、主
としてαs、β−およびκ−カゼインから構成され
ており、通常の状態(すなわち、室温下、PH7付
近、カルシウム含量20〜30ミリモル)では相互に
複合体を形成し、更にそれらが集合したミセルの
形態で存在する。したがつて、このようなミセル
形態のカゼインを上記各成分に分画するには相当
複雑な処理が必要となる。例えば、従来、実験室
的にはカゼインを尿素のような食品添加剤として
認められてない試薬の溶液に溶かしたものについ
て沈殿法により分画する方法が知られているが、
この方法では遠心分離による操作を何回も繰返し
て行なわなければならず、しかも分画により得ら
れる各成分の収率も極めて低いという欠点がみら
れる。 因みに、従来提案されている工業的に可能なカ
ゼインの分画技術としては、全カゼイン溶液に
250ミリモルのカルシウム塩を室温下に添加して
αs−カゼインを分画する方法(特公昭46−41573
号)、全カゼイン溶液に75ミリモルのカルシウム
を添加してαs−カゼインを分画する方法(特開昭
54−95768号)、全カゼイン溶液に500ミリモルの
カルシウムを添加してκ−カゼインを分画する方
法〔J.Food Sci.43、397(1978)〕等がみられる
が、これらの方法ではいずれも大量のカルシウム
を添加する必要があり、加うるに分画して得られ
る各カゼインの純度および収率も必ずしも良好と
は言えず、場合によつては分画後のカルシウムの
除去工程が煩雑となる欠点がある。また、全カゼ
イン溶液に0.1モルのリン酸緩衝液を用いてゲル
過を行なつて各カゼインに分画する試みもみら
れるが〔J.Dairy Sci.55、30(1972)〕、しかし、
この方法では、用いる緩衝液のイオン強度が高い
ためにκ−カゼインとαs−或いはβ−カゼインが
複合体を形成するので、実用可能な純度を有する
カゼイン成分が得られず、しかも食品添加物とし
て認められていないエチレンジアミンテトラ酢酸
(EDTA)を使用しなければならないという欠点
がある。 上述したようなカゼインの分画操作の煩雑さお
よび高純度での分画の困雑さの故に、従来はカゼ
インを乳中の一成分としてそのまま市乳、チー
ズ、ヨーグルト等のような乳加工品に利用する
か、もしくは凝似チーズ製品の製造に全カゼイン
のままで利用しているのが現状である。 而して、近年カゼインを構成する各成分の特異
的な生理活性に鑑み、これら成分を単独で利用す
ることが考慮されるようになつた。例えば、アン
ジオテンシン変換酵素阻害因子の一つとしてカゼ
インから分離されるペプチドが知られており、こ
のペプチドはαs−カゼイン由来のものであるが、
該ペプチドを全カゼインから分離するには、β−
又はκ−カゼイン由来の多くのペプチドと分離す
ることが必要となるため相当に煩雑な工程を要す
るようになる。 ところが、上記ペプチドをαs−カゼインを出発
物質としてこれから分離し得るようになれば工程
が非常に簡略化されることになる。また、αs−カ
ゼインもしくはβ−カゼインに由来する乳化力の
高いペプチドも全カゼインを出発物質とするより
も、分画されたαs−もしくはβ−カゼインを出発
物質としてこれから調製した方が工程を簡易化し
得るようになる。 更に、αs−カゼインには抗原性であるため、該
カゼインを分画除去したカゼインから調製された
育児粉乳はいわゆるミルクアレルギーを防止する
とともにそのカゼイン組成も母乳のそれに近似す
るようになり、このような育児粉乳の調製法も提
案されている(特開昭54−95768号)。 また、β−カゼインから単離される、鎮痛活性
を有するペプチドであるβ−カソモルフインの調
製も全カゼインを出発物質とするよりも分画され
たβ−カゼインを出発物質とする方が得策であ
る。 なお、近年大豆タンパク質の利用として注目さ
れてきている豆乳の製造に際しても、κ−カゼイ
ンがαs−或いはβ−カゼインと複合体を形成して
カルシウムによるこれらカゼインの沈殿を防止す
るのみならず、大豆タンパク質のカルシウムによ
る沈殿を防止するのに役立つものであり、このよ
うなκ−カゼインの性質を利用した豆乳の製造法
も提案されている(特開昭54−95771号)。 上述したような、αs、β−並びにκ−カゼイン
の種々な機能に鑑み、これらの各カゼインの全カ
ゼインからの分画が容易となればこれら各カゼイ
ンの工業的利用のうえ極めて有利であると言え
る。 本発明は、上述したような状況に鑑みなされた
ものであつて、全カゼインから主としてκ−カゼ
インからなる画分と主としてαs−およびβ−カゼ
インからなる画分を簡易な手法により有利に分画
し得る方法を提供することにある。 本発明者は、さきに示した従来提案された方法
が、カゼインに大量のカルシウムを添加するとそ
のミセル形態が部分的に破壊されるという原理に
基づいているのに対して、カゼインにおけるミセ
ルの形成にはκ−カゼインの存在が不可欠である
ことからカゼインからまずκ−カゼインを除去す
ることが分画上必要であるとの観点に基づいて検
討した結果、本発明をなすに至つた。すなわち、
本発明は従来の分画技術とは本質的に異なる原理
に基づくと言える。以下本発明を詳しく説明す
る。 本発明の主要な特徴は、全カゼインを脱イオン
水もしくは1価の塩濃度0.02以下で2価のアルカ
リ土類金属塩を含まない緩衝液に溶解して得られ
る溶液をゲル過又は限外過の手法を適用して
κ−カゼインを主成分とする分画と、αs−カゼイ
ンおよびβ−カゼインを主成分とする画分とに分
けることにある。 本発明ではまず全カゼインを、脱イオン水(PH
7付近)もしくはイオン強度0.02以下のPH7付近
の緩衝液に溶解してカゼイン溶液を調製する。こ
のカゼイン溶液の調製に当つて脱イオン水もしく
は上記緩衝液を用いるのは、該溶液中の1価の塩
濃度が0.02を越えると或いは2価のアルカリ土類
金属塩が存在するとκ−カゼインはαs−やβ−カ
ゼインと複合体を形成することに因りκ−カゼイ
ンを分画除去することが困難となることに基づ
く。したがつて、上記緩衝液はPH7付近のもので
あればよいが、しかし、塩化ナトリウムや塩化カ
リウムのような1価の塩濃度が0.02モル以下であ
つて、塩化カルシウムのような2価のアルカリ土
類金属塩を含んでいてはならない。 また、全カゼインの上記溶解に当つては、得ら
れる溶液の濃度を1乃至30%にすることが好まし
い。 なお、ここで言う“全カゼイン”とは、酸カゼ
インをPH7前後に調整して再溶解したもの、全乳
や脱脂乳から酸カゼインを調製してPHを7付近に
調整したもの、市販のソーダカゼイン、並びにカ
ルシウムカゼイネートPH調整するか又はキレート
剤で処理して再溶解させた後脱塩によりカルシウ
ムを除去したものを包含する。 また、このような全カゼインを溶解するのに用
いる前記緩衝液としてはイミダゾール緩衝液、酢
酸ナトリウム緩衝液、トリス緩衝液等を例示し得
る。 本発明では上述のようにして調製したカゼイン
溶液をゲル過もしくは限外過に付する。この
ゲル過もしくは限外過による処理は0乃至10
℃の温度下で行なうとゲル過でボイドボリウム
に溶出する画分と他の画分に分画するときκ−カ
ゼインは主としてボイドボリウム画分となり、αs
−およびβ−カゼインは主として他の画分となつ
て両者の分画が容易となる。又、限外過でもκ
−カゼインは主としてリテンテートの画分とし
て、αs−およびβ−カゼインは主として液の画
分として分画される。因みに、ゲル過又は限外
過を室温以上で行なうと、β−カゼインは温度
上昇に伴なつて自己会合するため、上記ボイドボ
リユーム画分並びにリテンテート画分はκ−カゼ
インと自己会合したβ−カゼインを含むようにな
り、一方、上記他の画分並びに液画分はαs−カ
ゼインと未会合のβ−カゼインを含むようになつ
て、κ−カゼインと自己会合したβ−カゼインを
主とする画分とαs−カゼインおよび未会合のβ−
カゼインを主とする画分とに分画される。 本発明におけるゲル過は、前記カゼイン溶液
の調製に用いた脱イオン水又は緩衝液で平衡化し
たゲルを充テンしたカラムを具えた、分子量10万
以上のものを分画できるゲル過装置を、また、
限外過は常法により同じく分子量10万以上のも
のを分画し得る限外過膜をそれぞれ用いて行な
い得るが、上記ゲルに例えばセフアデツクスG−
100を用いると、溶液の流速が速く、且つ入手も
容易なので実用上好ましい。また、限外過膜と
してはアミコン社製のXM−300等が使用できる。 上述したように、本発明によると、ゲル過も
しくは限外過の手法を適用して全カゼインを主
としてκ−カゼインから成る画分と、主としてαs
−カゼインおよびβ−カゼインから成る画分とに
有利に分画し得るので、これら各カゼイン成分の
利用が容易となる利点がある。以下に実施例を示
して本発明およびその効果を具体的に説明する。 実施例 1 市販のソーダカゼイン(ニユージランドから輪
入のエデイブルカゼイン)を、10%濃度になるよ
うに10ミリモルのイミダゾール緩衝液(PH7.1)
に溶解した。得られた溶液の3mlをセフアデツク
スG−100を充テンしたカラム(直径2cm、高さ
70cm)に収容し、これに上記緩衝液を5℃の温度
下で通液して溶出し、ボイドボリウムに溶出した
画分(以下、画分と称す)とその他の画分(以
下画分と称す)に分画した。 得られた各画分の組成および回収率は表1に示
すとおりである。
【表】 実施例 2 酸カゼインを苛性ソーダでPH7に調整したもの
を、濃度が6%になるように脱イオン水に溶解し
た。得られた溶液の3mlを、PH7の脱イオン水で
平衡化したセフアクリルS−200を充テンしたカ
ラム(サイズは実施例1と同様)を用いて室温下
でゲル過を行なつて、画分と画分に分画し
た。得られた各画分の組成および回収率は表2に
示すとおりである。
【表】 実施例 3 市販のソーダカゼイン100gを2の脱イオン
水(PH7)に溶解して得られる溶液を4℃の温度
下で限外過(アミコン社製XM−300の膜使用)
して画分と画分に分画した。得られた各画分
の組成と回収率は表3に示すとおりである。
【表】
【特許請求の範囲】
1 αs−カゼインとβ−カゼインを主成分とする
カゼイン画分に0乃至10℃の温度で2価塩を添加
することによりαs−カゼインを主成分とする画分
とβ−カゼインを主成分とする画分に分けること
を特徴とするカゼインを分画する方法。 2 2価塩を5乃至30ミリモル添加する特許請求
の範囲第1項記載の方法。
JP57202370A 1982-11-18 1982-11-18 カゼインの分画方法 Granted JPS5991848A (ja)

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JPS5991848A JPS5991848A (ja) 1984-05-26
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