JPH0147535B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、電気接点材料に関するものである。 従来より内部酸化法により製作した電気接点材
料の一つとして銀一酸化インジウムが用いられて
きた。銀一酸化インジウムは、耐消耗性、耐溶着
特性の優れた接点性能を有するが、酸化物が堆積
して接触抵抗が高くなる欠点があつた。 そこで本発明者は、この電気接点材料よりも接
触抵抗特性に優れた接点特性を有する電気接点材
料を開発すべく鋭意考究の結果、満足できる電気
接点材料を見い出したものである。 本発明の電気接点材料の一つは、ビスマス0.1
〜５重量％と、カドミウム１〜12重量％と、イン
ジウム５〜10重量％と、残部銀から成る材料であ
つて、且つ内部酸化されているものである。 本発明の電気接点材料の他の一つは、ビスマス
0.1〜５重量％と、カドミウム１〜12重量％と、
インジウム５〜10重量％と鉄族元素0.01〜0.5重
量％と残部銀から成る材料であつて、且つ内部酸
化されているものである。 本発明の電気接点材料に於いて、ビスマス0.1
〜５重量％、カドミウム１〜12重量％、インジウ
ム５〜10重量％とした理由は、ビスマス0.1重量
％未満では内部酸化促進効果がなく、カドミウム
１重量％未満では接触面での酸化物の凝集防止効
果がなく低接触抵抗特性は得られず、インジウム
５重量％以下では耐溶着性が十分得られず、また
ビスマス５重量％を越えると合金の融点が下がり
すぎ高温での内部酸化が困難となり、カドミウム
12重量％を越えると消耗が大きくなり耐電圧が劣
化し、インジウム10重量％を越えると酸化インジ
ウムの凝集がひどくなり接触抵抗が高くなるから
である。そしてビスマス0.1〜５重量％、カドミ
ウム１〜12重量％、インジウム５重量％を越え10
重量％以下の範囲内では、耐溶着性、耐消耗性、
接触抵抗特性の充分満足できる電気接点材料が得
られるものである。 さらに本発明の電気接点材料の他の一つに於い
てビスマス0.1〜５重量％、カドミウム１〜12重
量％、インジウム５〜10重量％以外に鉄族元素
0.01〜0.5重量％添加する理由は、これを電気接
点材料に分散させた場合、これにより得られる酸
化インジウム、酸化ビスマス及び酸化カドミウム
の均一微細な分散によつて、放電による消耗が一
層減少するからであつて、0.01重量％未満では酸
化インジウム、酸化ビスマス及び酸化カドミウム
が均一微細に分散せず、0.5重量％を越えるとそ
れ自体の偏析が増加するからである。 次に本発明による電気接点材料の効果を明瞭な
らしめる為に、具体的な実施例と従来例について
説明する。 下記の表の左欄に示す実施例１〜13の成分組成
の材料を溶解し、アトマイズ粉となした後、600
℃、９気圧、２日間内部酸化し、この酸化アトマ
イズ粉を圧縮焼結し、これを押出、引抜加工した
後切断してヘツダー加工し、頭部径５mm、頭高１
mm、脚部径2.5mm、脚長2.5mmの固定接点と頭部径
４mm、頭高1.1mm、脚部径2.8mm、脚長1.6mm、頭部
球状5Rの可動接点を得た。 然してこれら実施例１〜13の電気接点材料にて
作つたリベツト型電気接点と、下記の表の左欄に
示す従来例の成分組成の材料を実施例と同じ方法
で作つた同一寸法のリベツト型電気接点をヒンジ
型リレーに組み込み下記の試験条件にて開閉試験
を行つた処、下記の表の右欄に示すように結果を
得た。 試験条件 電 圧：AC100V 50Hz 電 流：投入40A、定常10A 負 荷：抵抗 開閉頻度：20回／分 開閉回数：溶着発生迄 接触力：40ｇ

【表】 上記の表で明らかなように実施例１〜13の電気
接点材料で作つたリベツト型電気接点は、従来例
の電気接点材料で作つたリベツト型電気接点に比
し、接触抵抗、耐溶着性に優れ、耐消耗性につい
ては略同等に優れていることが判る。 以上詳記した通り本発明の電気接点材料は、従
来の電気接点材料よりも接触抵抗特性、耐溶着性
に優れた接点特性を有するので、従来の電気接点
材料にとつて代わることのできる画期的なものと
云える。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ビスマス0.1〜５重量％と、カドミウム１〜
   12重量％と、インジウム５〜10重量％と、残部銀
   から成る材料であつて、且つ内部酸化されている
   電気接点材料。 ２ ビスマス0.1〜５重量％と、カドミウム１〜
   12重量％と、インジウム５〜10重量％と、鉄族元
   素0.01〜0.5重量％と、残部銀から成る材料であ
   つて、且つ内部酸化されている電気接点材料。