JPH0146607B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0146607B2
JPH0146607B2 JP56085704A JP8570481A JPH0146607B2 JP H0146607 B2 JPH0146607 B2 JP H0146607B2 JP 56085704 A JP56085704 A JP 56085704A JP 8570481 A JP8570481 A JP 8570481A JP H0146607 B2 JPH0146607 B2 JP H0146607B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
phosphorus
added
filament
polyester resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP56085704A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS57205518A (en
Inventor
Hisashi Uematsu
Joshin Kuwata
Takehiko Okada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP8570481A priority Critical patent/JPS57205518A/ja
Publication of JPS57205518A publication Critical patent/JPS57205518A/ja
Publication of JPH0146607B2 publication Critical patent/JPH0146607B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は耐加水分解性および耐熱性に優れた工
業用ポリエステルフイラメントの製造方法に関す
るものであり、さらに詳しくは2,6,2′,6′−
テトライソプロピル−ジフエニルカルボジイミド
を添加し、末端カルボキシル基濃度を低下させ、
耐加水分解性および耐熱性を向上せしめた工業用
ポリエステルフイラメントの製造方法に関するも
のである。 ポリエステルフイラメントは衣料用途のみでな
く、広く工業用途にも使用されている。 工業用途のなかでも抄紙装置用に使用されるモ
ノフイラメントあるいはマルチフイラメントは苛
酷な加水分解条件下にさらされる。 一方、タイヤ、ホース、ベルト等の補強用コー
ドとして使用されるフイラメントはゴム中に封入
されて高温にさらされるためゴムの中の水分によ
り加水分解を受けやすく、使用中に大きな強度低
下を引き起こす。そのため、このような用途に用
いられるポリエステルフイラメントはあらかじめ
ポリエステル中の末端カルボキシル基濃度を低下
させておくことにより、強度保持性を改善する方
法が知られている。 従来より、ポリエステルフイラメントの末端カ
ルボキシル基濃度を低下させるために種々の技術
が提案されている。代表的なものとして、種々の
エポキシ化合物を添加し、ポリエステルフイラメ
ントの末端カルボキシル基濃度を低下させる方法
が広く知られており、例えばフエニルグリシジル
エーテル(特公昭44−27911号公報)、N−グリシ
ジルフタルイミド(特開昭54−6051号公報)など
の使用が提案されている。本発明者らは、これら
の技術について検討を加えた結果、エポキシ化合
物はポリエステル中の末端カルボキシル基との反
応性が比較的低いため、ポリエステルの融点以上
の温度で長時間反応させたり、またエポキシ化合
物と末端カルボキシル基との反応を促進させる触
媒をあらかじめポリエステル中に添加しておく必
要があり、その結果ポリエステルの重合度低下が
著しく、また耐加水分解性向上効果も十分とはい
えない。 添加化合物のポリエステル樹脂への影響を出来
るだけ少くし、末端カルボキシル基濃度を減少さ
せる方法として、エチレンカーボネートに代表さ
れる環状炭酸エステルを添加する方法もあるが、
紡糸中に発泡などの問題が生じるため実用化は非
常に困難である。 その他の技術として、カルボジイミド化合物を
ポリエステル中に添加することにより耐加水分解
性を向上せしめる技術が知られている。 例えば、分子内に3個以上のカルボジイミド基
を有するポリカルボジイミド化合物をポリエステ
ル中に添加する方法(特公昭38−15220号公報)、
ビスカルボジイミド化合物をポリエステル中に添
加する方法(特開昭46−5389号公報)などがあげ
られる。 しかしながら、前者はポリウレタン原料の如き
低融点ポリエステルへの添加を主眼とするもので
あり、工業用ポリエチレンテレフタレートの如き
高重合度、高融点のポリエステルに適用した場合
は、高温での添加が必要であつて種々の副反応を
生じ、特にゲル化に伴なう諸物性の低下がおこる
ばかりか、末端カルボキシル基を十分に下げるこ
とが出来ず耐加水分解性向上効果も非常に小さ
い。 また、後者は添加カルボジイミド化合物が、ポ
リカルボジイミド化合物のようにポリエステルを
高度に架橋させたり、モノカルボジイミド化合物
のように重合体から抽出されることのないように
ビスカルボジイミド化合物を使うという点からな
されたものであるが、高温での副反応という点に
は何らの注意が払われておらず、これらに開示さ
れている技術では、得られるポリエステルの重合
度が不均一化し諸物性の低下がおきるばかりか、
耐加水分解性はビスカルボジイミド化合物を添加
しない場合より幾分向上するものの他の方法、例
えばエポキシ化合物を添加する方法に比べると向
上巾は極めて小さい。 このように、ビスカルボジイミド化合物を含む
ポリカルボジイミド化合物のポリエステル樹脂中
への添加は、ポリエステル樹脂に対する親和性が
低く、よつて末端カルボキシル基濃度減少効果が
小さい。もし、減少率をあげようとした場合には
高温、長時間の反応が必要であり、得られるポリ
エステルの諸物性低下を起こすのみならず、耐加
水分解性向上効果も小さい。 さらに最近、固有粘度が0.75以上であり、末端
カルボキシル基濃度が30eq/106g以下であるポ
リエステル樹脂を溶融押出しする際モノカルボジ
イミド化合物もしくはビスカルボジイミド化合物
を添加し、短時間で混練紡糸し未反応カルボジイ
ミドを含有しないフイラメントを形成させること
が提案されるに至つた(特開昭50−95517号公
報)。 本発明者らは、この方法について試みた結果、
該明細書中に記載されている範囲のカルボジイミ
ド化合物、およびポリエステル樹脂を用いても、
比較的良好な耐加水分解性が得られる場合もある
が、一方、カルボジイミド化合物を未添加の場合
に比べ耐加水分解性がかえつて不良となる場合も
多々みられ、該方法では、安定して耐加水分解性
向上をはかることが出来ないのである。 また、ビスカルボジイミドの場合は得られる工
業用ポリエステルフイラメントの重合度を安定せ
しめることが困難であり、また該方法に挙げられ
ているモノカルボジイミドの大部分は、混練紡糸
時の発煙、悪臭が非常に大であり操業時における
作業環境が悪化するのである。 このような点を考えると該方法を工業的に展開
し耐加水分解性の良好な工業用ポリエステルフイ
ラメントを得ることは極めて困難といわざるを得
ない。 また、他にポリエステルヘカルボジイミド化合
物を添加する技術として英国特許1231975号に、
ポリエステルの重縮合の前もしくは後にモノもし
くはポリカルボジイミド化合物を添加することが
開示されている。 しかしながら、この技術は触媒残留物に起因し
ておこる耐熱性の低下をカルボジイミド化合物の
添加により防止することを目的としており、末端
カルボキシル基の減少および耐加水分解性の向上
という点には何ら考慮が払われていない。更には
今までに従来技術の問題点として述べた種々の点
への配慮もなされていないため、この技術でも耐
加水分解性の良好なポリエステルフイラメントを
得ることはできないのである。 本発明者らは、かかる状況に鑑み鋭意検討した
結果、カルボジイミド化合物添加によるポリエス
テルフイラメントの耐加水分解性向上効果はポリ
エステル中のリン含量およびリン含量とポリエス
テル中に添加されている特定の金属含有量により
大きく左右されることを見出し、末端カルボキシ
ル基濃度、リン含量を特定量以下としたポリエス
テル樹脂の溶融紡糸に際して2,6,2′,6′−テ
トライソプロピル−ジフエニルカルボジイミドを
添加することにより、前述の問題点が総て回避さ
れて十分に末端カルボキシル基濃度を減少させる
ことが出来、さらに驚くべきことに他の方法、例
えば、エポキシ化合物による末端カルボキシル基
濃度減少法に比べ、はるかに優れた耐加水分解性
が得られるばかりか、ゴム補強用としてタイヤ、
ホース、ベルト等に使用された場合においても、
加硫時および使用時の耐加水分解性の面で非常に
優れていることを見出し本発明に到達した。 すなわち、本発明は極限粘度が0.6以上で、か
つ末端カルボキシル基濃度が30eq/106g以下で
あるポリエステル樹脂に2,6,2′,6′−テトラ
イソプロピル−ジフエニルカルボジイミドをポリ
エステル樹脂に対し15〜100モル/106g添加し、
溶融紡糸するに際して、該ポリエステル樹脂中の
リン量をリン原子として50ppm以下で、かつ下記
一般式で表わされる範囲のリン含量としたポリエ
ステル樹脂を使用することを特徴とする工業用ポ
リエステルフイラメントの製造方法である。 5×10-3≦P≦M+8×10-3 (式中Pはポリエステルを構成する二塩基酸に対
するリン原子のモル%であり、Mはポリエステル
樹脂中の金属で周期律表族、族、族でかつ
第3、4周期の内より選択された1種もしくは2
種以上の金属原子のポリエステルを構成する二塩
基酸に対するモル%である)。またM=0であつ
てもよい。 本発明の主たる特徴は、ポリエステル樹脂中の
リン量をリン原子として50ppm以下とし、かつ5
×10-3≦P≦M+8×10-3とすることであり、さ
らに好ましくは、リン原子として10ppm以上、
30ppm以下とすることであり、かつ5×10-3≦P
≦M(M>0のとき)もしくは5×10-3≦P≦8
×10-3(M=0)の範囲にすることである。 リン量が50ppmを越え、もしくはP>M+8×
10-3のポリエステル肪脂に2,6,2′,6′−テト
ライソプロピル−ジフエニルカルボジイミドを添
加した場合、末端カルボキシル基濃度の減少は十
分達成されるが、耐加水分解性が極度に悪化す
る。 また、5×10-3>Pのポリエステル樹脂は溶融
時の熱安定性が低下し、ポリエステルの重縮合反
応が不安定となり均一な溶融粘度を有するポリエ
ステルを得ることが困難となるばかりか、紡糸時
に糸切れ、紡糸口金汚れの原因となり、これまた
糸切れを起こすばかりか、糸物性低下の原因とな
るので好ましくない。 本発明の効果は2,6,2′,6′−テトライソプ
ロピル−ジフエニルカルボジイミドを添加し、か
つリンの添加量を上記範囲とすることにより、始
めて達成されるものであり、2,6,2′,6′−テ
トライソプロピル−ジフエニルを添加することな
くリン含量のみを上記範囲としても本発明の効果
は全く得られず、また、リン含量の多少によるポ
リエステルの耐加水分解性に差はみられない。 すなわち、リン含有量を本発明の範囲にするこ
との効果は2,6,2′,6′−テトライソプロピル
−ジフエニルを添加する場合にのみ特異的にみら
れることであり、単にリン化合物添加により耐加
水分解性の良好なポリエステルが得られるとする
従来技術(特開昭46−5389号公報)からは予想で
きないことである。 一般にポリエステル樹脂中には着色防止剤ある
いは変性剤として多種多様のリン化化合物が添加
されているが、本発明ではリン原子がどのような
構造の化合物になつていようとも、ポリエステル
樹脂中のリン量をリン原子として50ppm以下と
し、ポリエステル樹脂中の金属量とリン量との関
係を5×10-3≦P≦M+8×10-3の範囲とする必
要がある。 また、本発明に用いられる2,6,2′,6′−テ
トライソプロピル−ジフエニルカルボジイミドは
得られる工業用ポリエステルフイラメントの性能
の点および操業時の発煙、臭気などの環境衛生か
らも好ましいものである。 本発明に用いる2,6,2′,6′−テトライソプ
ロピル−ジフエニルカルボジイミドの添加量はポ
リエステル樹脂に対し、15〜100モル/106gとす
る必要があり、15〜60モル/106gポリエステル
樹脂の範囲が好ましい。 2,6,2′,6′−テトライソプロピル−ジフエ
ニルカルボジイミドの添加量がポリエステル樹脂
に対して15モル/106g未満では末端カルボキシ
ル基減少効果が不十分となり、このため溶融紡糸
後のポリエステルフイラメントの耐加水分解性が
悪化し、一方、ポリエステル樹脂に対して100モ
ル/106g越える添加量では、溶融紡糸後の強度
および伸度の低下等の不都合が生じるばかりでは
なく、リン量が本発明の範囲内であつても耐加水
分解性が悪化する。 また、この2,6,2′,6′−テトライソプロピ
ル−ジフエニルカルボジイミドの添加量は、添加
して得られるポリエステルフイラメント中の末端
カルボキシル基濃度が10当量/106g以下となる
ような量が好ましく、10eq/106gを越えると耐
加水分解性が不良になり、本発明の目的を達成し
にくくなる。 2,6,2′,6′−テトライソプロピル−ジフエ
ニルカルボジイミドのかわりにビスカルボジイミ
ド化合物、ポリカルボジイミド化合物を用いた場
合には、ポリエステル樹脂との親和性が低下し、
末端カルボキシル基濃度減少効果が小さくなつた
り、高重合度化に伴なう重合度バラツキ、ゲル化
などの問題が生じ、操業が不安定化するばかり
か、たとえ本発明範囲のポリエステル樹脂を使用
しても得られたポリエステルフイラメントの耐加
水分解性の向上効果は小さくなる。また、2,
6,2′,6′−テトライソプロピル−ジフエニルカ
ルボジイミド以外の脂肪族モノカルボジイミド化
合物は、ポリエステル樹脂の重合度を低下させた
り、ポリマを着色させる。 さらに、紡糸時発煙、悪臭などの問題点が多発
するばかりか、得られるポリエステルフイラメン
トの耐加水分解性は良好とならず、本発明が十分
達成できない。 本発明におけるポリエステル樹脂とは、直鎖ア
ルキレングリコールまたは1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールから選ばれる1種以上の脂肪族ま
たは脂環式グリコールを主たるグリコール成分と
し、1種以上の芳香族ジカルボン酸あるいはその
エステルを主たるジカルボン酸成分とするポリエ
ステルを対象とするが、ポリエチレンテレフタレ
ートが特に好ましい。 このジカルボン酸成分の一部を例えばアジピン
酸、セバシン酸、ドデカン二酸等のジカルボン酸
またはそのエステル、p−オキシ安息香酸、p−
β−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン
酸またはそのエステルで置き換えても良く、また
脂肪族または脂環式グリコールの一部を例えば
1,4−ビス(β−オキシエトキシ)ベンゼン、
ビスフエノールAのビスグリコールエーテル、ポ
リアルキレングリコール等の主グリコール成分以
外のグリコールで置き換えても良い。 さらに、ペンタエリスリトール、トリメチロー
ルプロパン、トリメリツト酸、トリメシン酸等の
鎖分岐剤を少割合使用することも可能である。 また、通常のポリエステル樹脂と同様に酸化チ
タン、カーボンブラツク等の顔料のほか従来、公
知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤
等が添加されても勿論良い。 上記ポリエステル樹脂は極限粘度が0.6以上で
あり、かつ末端カルボキシル基濃度が30eq/106
g以下であることが必要である。ここで極限粘度
はオルソクロロフエノール溶液中25℃で測定した
粘度より求めた極限粘度であり、〔η〕で表現さ
れる。また、末端カルボキシル基濃度はPohlに
よりANALYTICAL.CHEMISTRY、第26巻、
1614頁(1954年)に記載された方法で測定してお
り、ポリエステル106g当たりの当量(eq/106
g)で表示される。 ポリエステル樹脂の極限粘度〔η〕が0.6未満
であると、溶融紡糸後のポリエステルフイラメン
トの強度および伸度が不十分となり工業用ポリエ
ステルフイラメントとしては実用に耐えないもの
になる。 また、ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基
濃度が30eq/106gを越えると得られるポリエス
テルの耐加水分解性が悪化する。 すなわち、30eq/106gを越えたとき多量の2,
6,2′,6′−テトライソプロピル−ジフエニルカ
ルボジイミドを添加し、末端カルボキシル基濃度
を低下させることはできるが、得られるポリエス
テルフイラメントの耐加水分解性が悪化する。 本発明で用いる2,6,2′,6′−テトライソプ
ロピル−ジフエニルカルボジイミドの添加方法は
従来公知の方法が採用できる。 ここで、特開昭49−55915号公報あるいは特開
昭51−49917号公報に開示された如く、溶融紡糸
機のチツプかみ込み口付近に添加する方法が最も
好ましいが、回転式のチツプ乾燥機中あるいはブ
レソダー中で乾燥チツプに添加混合し、チツプ表
面に均一に付着させる方法や回転式のチツプ乾燥
機中で乾燥後、100〜180℃に加熱したチツプに添
加し、チツプ中に浸み込ませる方法も好ましく採
用できる。 本発明で得られたポリエステルフイラメントは
耐加水分解性に優れているため、工業用フイラメ
ントに適している。なかでも、高度の耐加水分解
性が要求される抄紙装置用に使用される素材であ
るポリエステルモノフイラメント、マルチフイラ
メントおよびタイヤ、ホース、ベルト等のゴム補
強用コードに使用されるフイラメントに好適であ
る。 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。 実施例1〜10、比較実施例1〜5 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリ
コール80部、酢酸カルシウム0.07部、三酸化アン
チモン0.03部の混合物を130〜230℃に加熱し、メ
タノールを留出してエステル交換反応せしめた
後、亜リン酸を次のように添加し、常圧下30分間
235℃に加熱して過剰のエチレングリコールを留
出させ、5水準の低重合体を得た。 亜リン酸添加量(部) A水準 0.003 B水準 0.005 C水準 0.008 D水準 0.013 E水準 0.020 得られた低重合体を各水準235℃から275℃へ昇
温し、かつ減圧にして重縮合を行ない。表1に示
す物性のポリエチレンテレフタレートを得た。
【表】 このポリマを2×4×4mmのサイズにチツプ化
した後回転式の真空乾燥機を用いて180℃で5時
間真空度1mmHg以下で乾燥した。 この乾チツプをエクストルーダ型の紡糸機を用
いて紡糸し、延伸後0.5mm径のモノフイラメント
を得た。この際末端カルボキシル基の封鎖剤とし
て2,6,2′,6′−テトライソプロピル−ジフエ
ニルカルボジイミド(以下2,6,2′,6′−TDC
と略)をエクストルーダーのチツプかみ込み口か
らポンプを用いて表2に示した量添加した。各モ
ノフイラメントの〔η〕、末端カルボキシル基濃
度、強度および耐加水分解性を表2に示す。耐加
水分解性は各モノフイラメントを120℃、ゲージ
1気圧のオートクレープ中で8日間加水分解処理
した前後の強度を測定し、その強度保持率で表示
した。
【表】 リン含量が50ppmを越えたとき、およびカルボ
ジイミド化合物の添加量が15〜100モル/106gの
範囲外となつたとき耐加水分解性が低下すること
がわかる。また、カルボジイミド化合物添加量が
100モル/106gを越えたときは得られるモノフイ
ラメントの強力低下を無視できぬものとなる。 比較実施例 6、7、8 前述の実施例5において、2,6,2′,6′−
TDCに代えて ジシクロヘキシルカルボジイミド p−フエニレン−ビス(2,6−キシリルカ
ルボジイミド ポリカルボジイミド(STABAXOL−P:
Mobay社製) をカルボジイミド単位で60モル/106gずつ添加
してテストした。 なお、添加剤、はあらかじめ乾燥機中に添
加してチツプにまぶした後、紡糸した。 得られたモノフイラメントの耐加水分解性は表
3のとおりであつた。
【表】 2,6,2′,6′−TDC以外のカルボジイミド化
合物では、本発明で規定する範囲内のポリエステ
ル樹脂に添加しても良好な耐加水分解性を示すモ
ノフイラメントを得ることができなかつた。 比較実施例 9〜14 実施例1〜10、比較実施例1〜5において、水
準A〜Eの各ポリマに2,6,2′,6′−TDCに代
えてエチレンカーボネート1.0重量部(ポリエチ
レンテレフタレート100部に対し)を添加した以
外は全く同様にしてモノフイラメントを得た。こ
のモノフイラメントの8日間加水分解処理後の結
果を表4に示す。
【表】 末端封鎖剤としてエチレンカーボネートを使用
した場合は、リン添加量を本発明の範囲にしても
耐加水分解性は向上せず、リン添加量の影響はカ
ルボジイミド化合物の場合に特有であることがわ
かる。 実施例11、比較実施例15 実施例5において、B水準の低重合体の重合温
度を表5の如く変更してベースポリマのCOOH
を変える以外は全く同様にして重合2,6,2′,
6′−TDCの添加、モノフイラメントの製造を行
なつた。 結果を表5に示す。
【表】 末端カルボキシル基濃度が30eq/106gポリエ
ステル樹脂より大きいポリエステル樹脂に添加し
ても耐加水分解性向上効果が小さいことがわか
る。 実施例 12 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリ
コール80部、酢酸マンガン0.05部(4.0×10-2モル
%対二塩基酸)、三酸化アンチモン0.03部の混合
物を130〜230℃に加熱し、メタノールを留出して
エステル交換反応せしめた後、リン酸85%水溶液
0.0035部(リン原子として9.4ppm対ポリマ、ま
た6×10-3モル%対二塩基酸)を添加し、常圧下
30分間235℃に加熱して過剰のエチレングリコー
ルを留出した。得られた低重合体を235〜285℃ま
で加熱し、かつ減圧にして重縮合を行ない、〔η〕
=0.70、末端カルボキシル基濃度=26eq/106
のポリエチレンテレフタレートを得た。このポリ
マを2×4×4mmのサイズにチツプ化した後、回
転式真空乾燥機を用いて、235℃で10時間、真空
度1mmHg以下で固相重合して〔η〕=1.0、末端
カルボキシル基濃度14eq/106gの固相重合チツ
プを得た。 この固相重合チツプをエクストルーダ型の紡糸
機を用いて、2,6,2′,6′−TDC添加量60モ
ル/106gにて紡糸し、延伸後0.5mm径のモノフイ
ラメントを得た。 このモノフイラメントは〔η〕=0.93、末端カ
ルボキシル基濃度=3eq/106g、強度=5.0g/
デニールであり、8日間の加水分解テスト後の強
度保持率は91%であつた。 実施例13〜15、比較実施例16、17 テレフタル酸86部、エチレングリコール40部の
混合物を240〜250℃、2.0Kg/cm2の圧力下で水を留
去させつつエステル化率50%まで反応させる。 その後徐々に常圧まで放圧させ、エステル化率
97%の低重合体を得た。 この低重合体に、三酸化アンチモン0.03部およ
び表6に示す添加剤を添加後250〜275℃まで加熱
し、減圧にして重縮合を行ない、表7に示す物性
のポリエチレンテレフタレートを得た。 このポリマを用いて実施例1〜10と同様にし
て、チツプ化、乾燥を行なつた後、2,6,2′,
6′−TDCを60モル/106g添加し、紡糸、延伸し
てモノフイラメントを得た。 このモノフイラメントの物性および120℃で8
日間加水分解処理後の結果を表7に示す。
【表】
【表】 この結果からポリエステル樹脂中のリン量がポ
リエステル樹脂に対してリン原子として50ppm以
下であつても、本発明で規定する関係式を満足し
ないかぎり添加する芳香族カルボジイミド化合物
の効果が発揮されない。 実施例 16 実施例12と同様にしてエステル交換、重縮合、
固相重合して得たチツプにエクストルーダ型の紡
糸機を用いて、2,6,2′,6′−TDC60モル/
106g添加して紡糸し、1000デニール/192フイラ
メントのポリエステル繊維とする。このポリエス
テル繊維に40回/10cmの下撚りを入れた後、2本
を合糸し、さらに40回/10cmの上撚を入れてコー
ドとする。 このコードを下に示す組成のゴムに埋め込み、
かつ170℃、50Kg/cm2の圧力下で3時間加硫し加硫
後コードをゴムから取り出し、オートグラフ(島
津製作所IS−2000型)によつてコードの強力保持
率を測定した。加硫前のポリエステルの繊維の物
性および加硫後の強力保持率を表8に示す。 天然ゴム 70重量部 SBR(スチレン・ブタジエンラバー) 30 〃 亜鉛華 3.5 〃 ステアリン酸 1.5 〃 カーボンブラツク 35.0 〃 加工油 3.5 〃 硫 黄 2.5 〃 ジベンゾチアゾール・ジサルフアイト 1 〃
【表】 この結果、タイヤなどのゴム補強用フイラメン
トとして使用された場合においても非常に優れた
耐熱性を示すことがわかる。 比較実施例 18 エステル交換反応後、リン酸85%水溶液0.035
部(リン原子として94ppm)を添加した以外は実
施例18と同様な方法で、重縮合、固相重合を行な
い、2,6,2′,6′−TDC60モル/106g添加紡
糸し、コードとした後、ゴム中に埋め込み加硫し
た結果は下記のとおりであつた。
【表】 比較実施例 19 実施例18において2,6,2′,6′−TDCを全く
添加することなく紡糸し、得られたコードの物性
は〔η〕=0.90、末端カルボキシル基濃度20eq=
106g、強力16.0Kgであつた。 このコードを実施例19と同様に加硫テストを行
なつたところ、加硫後のコード物性は強力8.5Kg
であり、強力保持率は53%であつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 極限粘度が0.6以上で、かつ末端カルボキシ
    ル基が30eq/106g以下であるポリエステル樹脂
    に2,6,2′,6′−テトライソプロピル−ジフエ
    ニルカルボジイミドをポリエステル樹脂に対し15
    〜100モル/106g添加し溶融紡糸するに際して、
    該ポリエステル樹脂中のリン量をリン原子として
    50ppm以下で、かつ下記一般式で表わされる範囲
    のリン含量としたポリエステル樹脂を使用するこ
    とを特徴とする工業用ポリエステルフイラメント
    の製造方法。 5×10-3≦P≦M+8×10-3 (式中Pはポリエステルを構成する二塩基酸に対
    するリン原子のモル%であり、Mはポリエステル
    樹脂中の金属で、周期律表族、族、族でか
    つ第3、4周期の内より選択された1種もしくは
    2種以上の金属原子のポリエステルを構成する二
    塩基酸に対するモル%である。) 2 工業用ポリエステルフイラメントが、抄紙装
    置用に使用されるポリエステルモノフイラメン
    ト、またはマルチフイラメントであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の工業用ポリエ
    ステルフイラメントの製造方法。 3 工業用ポリエステルフイラメントがタイヤ、
    ホース、ベルト等のゴム補強用コードに使用され
    るフイラメントであることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の工業用ポリエステルフイラメ
    ントの製造方法。
JP8570481A 1981-06-05 1981-06-05 Preparation of industrial polyester filament Granted JPS57205518A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8570481A JPS57205518A (en) 1981-06-05 1981-06-05 Preparation of industrial polyester filament

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8570481A JPS57205518A (en) 1981-06-05 1981-06-05 Preparation of industrial polyester filament

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS57205518A JPS57205518A (en) 1982-12-16
JPH0146607B2 true JPH0146607B2 (ja) 1989-10-09

Family

ID=13866204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8570481A Granted JPS57205518A (en) 1981-06-05 1981-06-05 Preparation of industrial polyester filament

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS57205518A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58132115A (ja) * 1982-01-29 1983-08-06 Asahi Chem Ind Co Ltd 化学的安定性が改善されたポリエステルマルチフイラメントの製造法
JPS59192714A (ja) * 1983-04-11 1984-11-01 Toray Ind Inc ポリエチレンテレフタレ−ト系繊維およびその製造方法
JP2009220777A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Mitsubishi Motors Corp 車両ドア用のウォータプルーフフィルム

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4916276A (ja) * 1972-06-06 1974-02-13
JPS5095517A (ja) * 1974-01-02 1975-07-30

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4916276A (ja) * 1972-06-06 1974-02-13
JPS5095517A (ja) * 1974-01-02 1975-07-30

Also Published As

Publication number Publication date
JPS57205518A (en) 1982-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0828793B1 (en) Polyesters of 2,6-naphthalenedicarboxylic acid having improved hydrolytic stability
US3335211A (en) Process for melt spinning linear polyester modified with an oxysilicon compound
WO2005076947A2 (en) Reactive carriers for polymer melt injection
JPH05302024A (ja) 難燃性ポリエステル
JPH04300322A (ja) 耐炎性低ピリング性繊維
JPS6248704B2 (ja)
JP3154639B2 (ja) 耐加水分解性芳香族ポリエステルおよび繊維
JP3597932B2 (ja) ポリエステル組成物
KR102115406B1 (ko) 내열성이 우수한 생분해성 폴리에스테르 섬유 및 이를 이용한 원단
JPH0146607B2 (ja)
JP2006336122A (ja) 耐湿熱性再生ポリエステル繊維
JP4064149B2 (ja) エラストマー組成物及びそれよりなる繊維
US5494993A (en) Low-pill, low-flammability polyesters, production thereof and structures formed therefrom
JP2000199127A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維
JP4683986B2 (ja) 耐湿熱性ポリエステル繊維
JPH0115604B2 (ja)
JPH1129629A (ja) 共重合ポリエステル及びそれからなる弾性繊維
JP2775923B2 (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維
JPH09256220A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維
JPH04268327A (ja) ポリカーボネートでキャップされたカルボキシル末端基を有するポリエステル、該ポリエステルから製造される繊維材料、及び該ポリエステルの調製
JPH11279268A (ja) ポリエステルブロック共重合体および製造方法
JP3825521B2 (ja) 耐湿熱性ポリエステルフィラメントの製造法
KR870000591B1 (ko) 폴리에스터 섬유의 제조방법
JP2000199126A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維
JP2001336027A (ja) ゴム補強用ポリエステル繊維