JPH0144757Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関に使用するガバナの燃料噴
射量調整装置に関する。

内燃機関においては負荷の変動に応じて燃料の
量を自動的に調整するために各種のメカニカルガ
バナが使用されている。メカニカルガバナの最大
噴射燃料量を調整する調整機構としては第１図に
示すように、ガバナハウジング１に設けたボス１
ａに螺合したフルロードセツトボルト２によりフ
ルロードセツトレバー４の回動位置を調整し、こ
のフルロードセツトレバー４に固着された軸５及
びこの軸５にリターンスプリング６、キヤンセル
スプリング７を介して係合するＵ型レバー８の回
動位置を規制し、当該Ｕ型レバー８に係合するセ
ンサレバー９の端部９ａに係合する図示しないコ
ントロールラツクの移動量を調整するようになさ
れている。

このフルロードセツトボルト２はフルロードセ
ツトレバー４を最適位置に調整した後固定ナツト
３によりガバナハウジング１のボス１ａに強固に
固着され、図示しないシールワイヤ及びレツドシ
ール等により封印される。

しかしながら、前記フルロードセツトボルト２
を強固に封印したとしても、フルロードセツトボ
ルト２はガバナハウジング１の外部に装着されて
いるために、使用者は何等かの方法でこの封印を
解除し、フルロードセツトレバー４の回動位置を
調整して燃料噴射量の増大を図り、許容回転数以
上に機関回転数を上昇させて運転させることがあ
る。このように許容回転数以上に機関回転数を上
昇させて使用すると機関の破損の原因となるばか
りでなく、排気ガス対策上も好ましくない。

本考案は上述の点に鑑みてなされたもので、使
用者が勝手に燃料噴射量の調整を行うことを確実
に防止することを目的とし、この目的を達成する
ために本考案においては、調整部材により回動位
置が調整されるフルロードセツトレバーと、該セ
ツトレバーに連動して回動し、コントロールラツ
クの最大噴射量側位置を規制する中間レバーとを
備え、前記セツトレバーの調整後に前記調整部材
を調整不能に封印してあるガバナの燃料噴射量調
整装置において、前記中間レバーに当接部を設
け、該当接部と対向する前記ガバナのハウジング
及び該ハウジングの外面に取付けられたガバナカ
バーを貫通し、前記当接部に当接し得る一端で前
記中間レバーの回動位置を規制する位置調整可能
なストツパ部材を設け、該ストツパ部材は、その
他端部に形成されたねじ部が前記ガバナカバーの
ねじ孔内にあつて該ねじ孔に螺合して位置を固定
されており、さらに、前記ねじ部は、前記ねじ孔
の開口端に圧入嵌合した蓋体で封印されているガ
バナの燃料噴射量調整装置を提供するものであ
る。

以下本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳
述する。

第２図は本考案を適用したガバナの燃料噴射量
調整装置の要部説明図を示し、ガバナハウジング
１の側壁に回転自在に軸支された回転軸５の当該
ハウジング外に突出する端部にはフルロードセツ
トレバー４が固着され、ハウジング内の端部には
キヤンセルスプリング７を介してＵ型レバー８の
一端部８ａが係合している。このＵ型レバーは、
フルロードセツトレバーとコントロールラツク１
２との貫に介在し、該セツトレバー４に連動して
回動し、コントロールラツク１２の最大噴射量側
位置を規制する中間レバーである。このＵ型レバ
ー８の他端部８ｂは、軸１０を介してガバナハウ
ジング１に回動自在に軸支されている。リターン
スプリング６は軸５を囲繞し且つガバナハウジン
グ１の側壁とフルロードセツトレバー４との間に
介在されている。

センサレバー９の略中央は軸１１を介してＵ型
レバー８の端部８ｂに軸支され、一端部９ａはコ
ントロールラツク１２のピン１２ａに係合し、他
端部９ｂはトルクカム１３に係合している。また
Ｕ型レバー８の端部８ａの屈曲部近傍には平坦面
（当接部）８ｃが設けられている。

ガバナハウジング１のＵ型レバー８の平坦面８
ｃと対向する端面１ｃには当該平坦面８ｃと対向
する孔１ｄが穿設され、このガバナハウジング１
の端面１ｃに図示しないボルトにより装着される
ガバナカバー１５の面１５ａには孔１ｄと整合す
るねじ孔１５ｂが穿設され、更にこのねじ孔１５
ｂの開口端部１５ｃは当該ねじ孔１５ｂよりも大
きい同心状の孔となつている。尚、ガバナハウジ
ング１の孔１ｄはアネロイドコンペンセータのプ
ツシユロツド挿通用の孔を利用してもよい。

これらの孔１ｄ，１５ｂ内には、前記当接面８
ｃに当接し得る一端１６ｄでＵ型レバー８の回動
位置を規制する位置調整可能なストツパ部材とし
てのプツシユロツド１６が挿通されている。この
プツシユロツド１６の他端部には、第３図に示す
ようにねじ孔１５ｂと螺合するねじ部１６ａが刻
設され且つその端面１６ｂには直径方向に溝１６
ｃが刻設されている。

ねじ孔１５ｂ内には更に固定ボルト１７が螺合
され、その一端面１７ａには直径方向に溝１７ｂ
が刻設され、その他端面１７ｃはプツシユロツド
１６の端面１６ｂに当接している。ねじ孔１５ｂ
の開口端１５ｃ内には円柱状の蓋体１８が圧入嵌
合され、これによつてプツシユロツド１６のねじ
部１６ａが封印されている。この蓋体１８は鉄等
の金属部材で強固に形成されている。

かかる構造の調整装置により燃料噴射量を調整
する場合には、従来と同様にガバナハウジング１
側部のボス１ａに螺合するフルロードセツトボル
ト２によりフルロードセツトレバー４の回動位置
を調整し、固定ナツト３により当該調整位置にフ
ルロードセツトボルト２を固定し、図示しないシ
ールワイヤ及びレツドシール等により封印をおこ
なう。

次いで、ガバナハウジング１及びガバナカバー
１５の孔１ｄ及びねじ孔１５ｂにプツシユロツド
１６を挿通し、その端面１６ｂの溝１６ｃ内に図
示しないドライバの先端を嵌合して当該プツシユ
ロツド１６を廻すことによりねじ孔１５ｂにねじ
部１６ａを螺合し、その一端１６ｄがＵ型レバー
８の平坦面８ｃと所定の僅かな距離で離隔対向す
るようにプツシユロツド１６の位置を調整する。
このように僅かな距離を隔てＵ型レバー８の平坦
面８ｃとプツシユロツド１６の一端１６ｄとが位
置していることにより、定期点検時等において前
記セツトボルト２及び固定ナツト３の封印を解除
した際に前記僅かな距離の分だけ、フルロードセ
ツトボルト２によるフルロードセツトレバー４の
微調整が可能である。

プツシユロツド１６の前記位置調整後、第３図
に示すように前記ドライバをこじりプツシユロツ
ド１６の他端部の溝１６ｃを拡げ、当該調整位置
にプツシユロツド１６を固定する。次いで固定ボ
ルト１７の端面１７ａの溝１７ｂ内に前記ドライ
バの先端を嵌合させてねじ孔１５ｂ内に固定ボル
ト１７を螺合し、プツシユロツド１６の端面１６
ｂに端面１７ｃを圧接させる。このようにしてプ
ツシユロツド１６を位置決めし且つ固定する。次
いでねじ孔１５ｂの開口端１５ｃ内に蓋体１８を
圧入嵌合してねじ孔１６ｂを強固に密閉し、これ
によつてプツシユロツド１６のねじ部１６ａを封
印する。

このようにしてフルロードセツトレバー４の位
置を調整した後にセツトボルト２及び固定ナツト
３を封印し、さらにプツシユロツド１６の位置を
調整した後にそのねじ部１６ａを密閉封印する。
しかして、使用者が仮にフルロードセツトボルト
２の封印を解除して当該フルロードセツトボルト
２によりセツトレバー４の回動位置を調整しよう
としても、該レバー４に連動して回動するＵ型レ
バー８の回動位置がプツシユロツド１６により規
制されており、このＵ型レバー８はその平坦面８
ｃがプツシユロツド１の一端１６ｄに当接するま
での僅かな角度しか回動できない。従つて、使用
者は、噴射量を勝手に調整することはできない。

以上説明したように本考案によれば、調整部材
により回動位置が調整されるフルロードセツトレ
バーと、該セツトレバーに連動して回動し、コン
トロールラツクの最大噴射量側位置を規制する中
間レバーとを備え、前記セツトレバーの調整後に
前記調整部材を調整不能に封印してあるガバナの
燃料噴射量調整装置において、前記中間レバーに
当接部を設け、該当接部に対向する前記ガバナの
ハウジング及び該ハウジングの外面に取付けられ
たガバナカバーを貫通し、前記当接部に当接し得
る一端で前記中間レバーの回動位置を規制する位
置調整可能なストツパ部材を設け、該ストツパ部
材は、その他端部に形成されたねじ部が前記ガバ
ナカバーのねじ孔内にあつて該ねじ孔に螺合して
位置を固定されており、さらに、前記ねじ部は、
前記ねじ孔の開口端に圧入嵌合した蓋体で封印さ
れている構成により、使用者が調整部材の封印を
解除して該調整部材によりフルロードセツトレバ
ーの回動位置を調整しようとしても、該セツトレ
バーに連動して回動する中間レバーの回動位置が
ストツパ部材により規制されており、中間レバー
はその当接部がストツパ部材の一端に当接する位
置までしか回動できない。従つて、使用者が勝手
に燃料噴射量の調整を行うことを確実に防止する
ことができ、機関の破損等を確実に防止すること
ができる。

また、中間レバーの回動位置を規制するストツ
パ部材の位置調整部であるそのねじ部は、ガバナ
カバーのねじ孔内にあつて蓋体で封印されており
且つ該ねじ部は使用者が気がつきにくい前記調整
部材とは別の箇所にあるので、この点でも使用者
が勝手に燃料噴射量の調整を行うことを確実に防
止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のガバナの燃料噴射量調整装置の
要部説明図、第２図は本考案に係るガバナの燃料
噴射量調整装置の要部説明図、第３図は第２図に
示すプツシユロツドの装着及びその封印状態を示
す要部断面図である。 １……ガバナハウジング、２……フルロードセ
ツトボルト（調整部材）、４……フルロードセツ
トレバー、８……Ｕ型レバー（中間レバー）、８
ｃ……平坦面（当接部）１２……コントロールラ
ツク、１５……ガバナカバー、１５ｂ……ねじ
孔、１６……プツシユロツド（ストツパ部材）、
１６ａ……ねじ部、１８……蓋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 調整部材により回動位置が調整されるフルロー
   ドセツトレバーと、該セツトレバーに連動して回
   動し、コントロールラツクの最大噴射量側位置を
   規制する中間レバーとを備え、前記セツトレバー
   の調整後に前記調整部材を調整不能に封印してあ
   るガバナの燃料噴射量調整装置において、前記中
   間レバーに当接部を設け、該当接部と対向する前
   記ガバナのハウジング及び該ハウジングの外面に
   取付けられたガバナカバーを貫通し、前記当接部
   に当接し得る一端で前記中間レバーの回動位置を
   規制する位置調整可能なストツパ部材を設け、該
   ストツパ部材は、その他端部に形成されたねじ部
   が前記ガバナカバーのねじ孔内にあつて該ねじ孔
   に螺合して位置を固定されており、さらに、前記
   ねじ部は、前記ねじ孔の開口端に圧入嵌合した蓋
   体で封印されていることを特徴とするガバナの燃
   料噴射量調整装置。