JP3177815B2 - エンジンの燃料制限ボルトの微調整許容型改竄防止装置 - Google Patents

エンジンの燃料制限ボルトの微調整許容型改竄防止装置

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JP3177815B2 JP26853694A JP26853694A JP3177815B2 JP 3177815 B2 JP3177815 B2 JP 3177815B2 JP 26853694 A JP26853694 A JP 26853694A JP 26853694 A JP26853694 A JP 26853694A JP 3177815 B2 JP3177815 B2 JP 3177815B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンの燃料制限ボル
トの微調整許容型改竄防止装置に関し、微調整操作及び
構造を簡略化できるものを提供する。
【0002】
【発明の背景】通常、ガスエンジンの燃料制限ボルト、
ディーゼルエンジンの燃料制限ボルト、或は、各種エン
ジンの調速レバーの高速・低速調整ボルトなどでは、こ
れらの燃料制限ボルトをエンジンに対して最適なポジシ
ョンに設定して出荷するため、当該制限ボルトに改竄防
止措置を施して、出荷後に作業者によって不正操作され
ないようにしてある。
【0003】一方、例えば、ガスエンジンの空燃比と排
気中のCO、NOx、HC成分の発生量は図5に示すよ
うな関係にあるため、排ガス規制値の範囲R内におい
て、作業者に出荷後にも上記燃料制限ボルトの微調整を
許容することができる。
【0004】本発明はこのエンジンの燃料制限ボルトの
微調整許容型改竄防止装置を対象とし、その基本構造
は、図1又は図7とに示すように、エンジンの外部に臨
む支持壁4で燃料制限ボルト1を支持し、燃料制限ボル
ト1に有底筒状の防護キャップ5を套嵌し、防護キャッ
プ5で燃料制限ボルト1のボルト頭部2を覆い、防護キ
ャップ5の天井壁6に調整穴7をボルト頭部2に対向状
に開け、ボルト頭部2と防護キャップ5の天井壁6との
間に微調整許容隙間8を空けた形式のものである。
【0005】
【従来の技術】この形式の従来技術としては、米国特許
第4,271,095号公報(図7参照)に示すように、上
記燃料制限ボルト1が、火花点火エンジンのミキサ(或
は、気化器)20のスロットル弁の近傍に臨ませた流量調
整ボルト1であり、上記防護キャップ5が、ミキサ本体
20に支持腕55を介して固着した円筒状のキャップで
あり、流量調整ボルト1のボルト頭部2の外縁部の4箇
所に等間隔に嵌合溝50を凹設し、防護キャップ5の調
整穴7を中央の小孔51の両側に直線状の溝52が延び
る特殊形状に形成して、二股状の係合部53を有する特
殊な操作工具54をこの特殊形状の調整穴7から防護キ
ャップ5内に侵入させ、ボルト頭部2の嵌合溝50に係
合して、流量調整ボルト1を防護キャップ5の許容隙間
8内で微調整操作可能に構成したものがある。
【0006】
【従来技術の課題】しかしながら、上記従来技術では、
流量調整ボルト1を微調整するには、特殊な操作工具5
4を用意する必要があり、当該特殊工具が身近かにない
場合、ドライバーなどの通常の操作工具ではこのボルト
1を微調整できない。また、防護キャップ5について
も、支持腕55を延出し、特殊な調整穴7を開ける必要
があることから、構造が複雑になる。
【0007】
【先行技術】そこで、本出願人は、先に図6に示す改竄
防止装置を提案した。即ち、図6A及び図6Bに示すよ
うに、気化器48のメインジェット56の入口部にニー
ドル弁57を臨ませ、ニードル弁57の弁軸58を流量
制限具60に遊嵌し、流量制限具60をニードル弁57
のフランジ59に接当して流量調整可能にして、このニ
ードル弁57と流量制限具60とで前記燃料制限ボルト
1を実質的に構成するとともに、気化器48の肉壁に開
けた防護筒穴61にマイナスの係合溝62を有する調整
具63をネジ嵌合し、調整具63をニードル弁57の基
端部64に接当可能にして、流量制限具60で規制され
た範囲内で、調整具63をマイナスのドライバーなどで
簡単に微調整可能に構成したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行技術では、基本的に、微調整許容型改竄防護装置とし
て、ニードル弁57と特殊形状の流量制限具60と調整
具63との3つの部材を必要とするため、部品点数が多
くなって、構造が複雑化する。本発明は、燃料制限ボル
トの改竄防止装置の微調整操作と構造を簡略化すること
を技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の手段を、実施例を示す図1〜図4により以下に説明す
る。即ち、本発明1は前記基本構造のエンジンの燃料制
限ボルトの微調整許容型改竄防止装置において、上記防
護キャップ5を有底円筒状に形成し、防護キャップ5の
調整穴7を円形に開口し、防護キャップ5を燃料制限ボ
ルト1のロックナット3にネジ嵌合し、防護キャップ5
の側周壁10を当該ロックナット3にかしめ付けること
を特徴とするものである。
【0010】本発明2は、上記本発明1において、防護
キャップ5を有底円筒状に形成する代わりに、防護キャ
ップ5の側周壁10のうちの天井壁6寄りを6角ボルト
状に形成することを特徴とするものである。
【0011】上記燃料制限ボルト1とは、具体的には、
ガスエンジンの燃料調整ボルト、ディーゼルエンジンの
燃料制限ボルト、調速レバーの高速・低速調整ボルト、
或は、ハイアイドル調整ボルトなどをいう。
【0012】
【作用】
(1)本発明1では、図1に示すように、防護キャップ5
の円形の調整穴7からドライバーなどの通常の操作工具
を挿入すると、燃料制限ボルト1のボルト頭部2を防護
キャップ5の許容隙間8の範囲内で簡単に回動すること
ができる。また、防護キャップ5に円形の調整穴7を開
け、これをロックナット3に固定するだけなので、構造
を簡略化できる。
【0013】しかも、防護キャップ5を有底円筒状に形
成し、防護キャップ5の側周壁10をロックナット3に
かしめ付けるので、防護キャップ5はロックナット3に
強固に固着するうえ、円筒状の外周面のために操作工具
の係合が困難であるため、上記微調整操作を許容する外
は、エンジンの出荷後に燃料制限ボルト1の改変操作を
確実に排除できる。
【0014】(2)本発明2では、防護キャップ5の側周
壁10のうちの天井壁6寄りを6角ボルト状に形成する
外は、基本的に上記本発明1と同様なので、本発明2は
上記(1)と同様の作用をする。また、防護キャップ5を
6角ボルト状に形成するので、ロックナット3に楽にネ
ジ嵌合できる。
【0015】
【発明の効果】
(1)本発明1では、防護キャップの円形の調整穴からド
ライバーなどの通常の操作工具により燃料制限ボルトを
容易に回動できるので、微調整操作を簡略化できる。ま
た、防護キャップに円形の調整穴を開け、これをロック
ナットに固定するだけなので、構造を簡略化できる。
【0016】(2)本発明2は上記(1)と同様の効果を奏す
る。また、防護キャップを6角ボルト状にするので、ロ
ックナットに楽にネジ嵌合できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて述べ
る。図1は実施例1を示すガスエンジンのミキサーの燃
料制限ボルトの微調整許容型改竄防止装置の縦断面図、
図2は同ミキサーの外観図、図3は防護キャップの斜視
図である。
【0018】図1及び図2に示すように、ガスエンジン
用のミキサー20の中央部に前後方向にベンチュリ15
を形成し、ミキサー20に横向きにガス流路16を貫設
し、ガス流路16の一端16aをベンチュリ15に、ガ
ス流路16の他端を燃料ガス供給源に夫々連通する。上
記ミキサー20から上向きに円柱状の支持壁4を突設
し、支持壁4の中央部に嵌挿用ネジ孔14を開口し、当
該ネジ孔14に燃料制限ボルト1を上からネジ嵌合し、
燃料制限ボルト1の調整ロッド17を上記ガス流路16
に突入させ、供給ガスの種類に合わせてその突入量を増
減操作することにより、ガス流量を適正に調整可能に構
成する。
【0019】図1〜図3に示すように、上記燃料制限ボ
ルト1にロックナット3をネジ嵌合し、ロックナット3
を介して燃料制限ボルト1を支持壁4に対して回動方向
に位置決め固定する。上記ロックナット3の円筒状の外
周面に雄ネジを刻設し、図3に示す有底円筒状の防護キ
ャップ5をこのロックナット3にネジ嵌合して、当該防
護キャップ5を上記燃料制限ボルト1に套嵌し、防護キ
ャップ5で燃料制限ボルト1のボルト頭部2を覆う。
【0020】図1及び図3に示すように、上記防護キャ
ップ5の天井壁6に円形の調整穴7をボルト頭部2に対
向状に開け、ボルト頭部2と防護キャップ5の天井壁6
との間に微調整許容隙間8を空ける。また、上記防護キ
ャップ5の側周壁10のうちの天井壁6から開口部11
寄りに離れる裾部12を、締め付け工具により当該ロッ
クナット3にかしめ付け、防護キャップ5をロックナッ
ト3を介して燃料制限ボルト1に抜け外れ不能に固着す
る。尚、上記防護キャップ5は1mm以上の肉厚で、鉄
又は鋼などのような強度のある硬質部材(具体的には、S
PCC製)から構成する。
【0021】そこで、本実施例1のガスエンジンのミキ
サーの燃料制限ボルトの微調整許容型改竄防止装置の機
能を説明する。図1に示すように、作業者は、防護キャ
ップ5の円形の調整穴7からドライバー21を挿入する
と、燃料制限ボルト1のボルト頭部2を防護キャップ5
の許容隙間8の範囲内で簡単に回動して、燃料制限ボル
ト1を微調整操作できる。また、防護キャップ5に円形
の調整穴7を開け、これをロックナット3に固定するだ
けなので、構造を簡略化できる。
【0022】しかも、防護キャップ5を有底円筒状に形
成し、防護キャップ5の裾部12をロックナット3にか
しめ付けるので、防護キャップ5はロックナット3に強
固に固着できるうえ、円筒状の外周面のために回動操作
工具の係合が困難であり、防護キャップ5の材質を硬質
部材で形成して変形も困難であるため、上記微調整操作
を許容する以外は、ガスエンジンの出荷後に燃料制限ボ
ルト1の改変操作を確実に排除できる。
【0023】図4は本発明の実施例2を示し、防護キャ
ップ5の全体を有底円筒状に形成する上記実施例1に代
えて、防護キャップ5の側周壁10のうちの天井壁6寄
りを6角ボルト状に形成したものである。本実施例2で
は、上記実施例1の機能に加えて、防護キャップ5の上
寄り部を6角ボルト状に形成するので、ロックナット3
に防護キャップ5を楽にネジ嵌合できる。
【0024】尚、本発明の改竄防止装置は、上記実施例
のようなガスエンジンのミキサーの燃料制限ボルトに限
らず、例えば、ディーゼルエンジンの燃料制限ボルト、
調速レバーの高速・低速調整ボルト、或は、ハイアイド
ル調整ボルトなどにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示すガスエンジンのミキサ
ーの燃料制限ボルトの微調整許容型改竄防止装置の縦断
面図である。
【図2】同ミキサーの外観図である。
【図3】実施例1の防護キャップの斜視図である。
【図4】実施例2の防護キャップの斜視図である。
【図5】ガスエンジンにおける空燃比と排気中のCO、
NOx、HCの成分の発生量との関係図である。
【図6】先行技術を示す説明図であり、図6Aは気化器
のニードル弁の微調整許容型改竄防止装置を示す要部拡
大図付き縦断面図、図6Bは同改竄防止装置の分解斜視
図である。
【図7】従来技術を示す流量調整ボルトの微調整許容型
改竄防止装置の要部斜視図である。
【符号の説明】
1…燃料制限ボルト、2…ボルト頭部、3…ロックナッ
ト、4…支持壁、5…防護キャップ、6…防護キャップ
の天井壁、7…防護キャップの調整穴、8…微調整許容
隙間、10…防護キャップの側周壁、11…防護キャッ
プの開口部、12…防護キャップの裾部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−312120(JP,A) 特開 昭58−102816(JP,A) 実開 昭61−1711(JP,U) 実開 昭57−58736(JP,U) 実開 昭56−171414(JP,U) 実開 昭53−109521(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 3/10 F02M 59/44 F16B 39/12 F16B 41/00 F16B 37/14 F02D 1/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの外部に臨む支持壁(4)で燃料
    制限ボルト(1)を支持し、燃料制限ボルト(1)に有底筒
    状の防護キャップ(5)を套嵌し、防護キャップ(5)で燃
    料制限ボルト(1)のボルト頭部(2)を覆い、防護キャッ
    プ(5)の天井壁(6)に調整穴(7)をボルト頭部(2)に対
    向状に開け、ボルト頭部(2)と防護キャップ(5)の天井
    壁(6)との間に微調整許容隙間(8)を空けたエンジンの
    燃料制限ボルトの微調整許容型改竄防止装置において、 上記防護キャップ(5)を有底円筒状に形成し、防護キャ
    ップ(5)の調整穴(7)を円形に開口し、 防護キャップ(5)を燃料制限ボルト(1)のロックナット
    (3)にネジ嵌合し、防護キャップ(5)の側周壁(10)を
    当該ロックナット(3)にかしめ付けることを特徴とする
    エンジンの燃料制限ボルトの微調整許容型改竄防止装
    置。
  2. 【請求項2】 防護キャップ(5)を有底円筒状に形成す
    る代わりに、防護キャップ(5)の側周壁(10)のうちの
    天井壁(6)寄りを6角ボルト状に形成することを特徴と
    する請求項1に記載のエンジンの燃料制限ボルトの微調
    整許容型改竄防止装置。
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