JP2881540B2 - 気化器のパイロットスクリュー装置 - Google Patents

気化器のパイロットスクリュー装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機関に供給される混合
気の量及び濃度を調整、制御する気化器に関し、その内
特に絞り弁より機関側の吸気路に開口する低速燃料系に
連なるパイロットアウトレット孔の有効開口面積を、気
化器本体に螺着されたパイロットスクリューのテーパー
針弁部によって調整制御するとともにパイロットアウト
レット孔の有効開口面積をパイロットスクリューにて調
整した後において、パイロットスクリューに固着された
制限部材にてパイロットスクリューの回転を一定回転範
囲内に規制する気化器のパイロットスクリュー装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】気化器のパイロットスクリュー装置は、
パイロットスクリューを回転してパイロットスクリュー
のテーパー針弁部にてパイロットアウトレット孔の有効
開口面積を基準となる気化器に対して正確に調整、制御
した後において、パイロットスクリューの回転を一定回
転範囲内に規制して調整しうることが要求される。これ
は、パイロットアウトレット孔より機関に向けて供給さ
れる低速混合気を、機関へ気化器を装着した後におい
て、個々の機関に最適に適合させること、及び機関の使
用過程における機関の慣らし状況に応じて最適に適合さ
せること、更には使用環境温度及び気圧状況に応じて最
適に適合させること、より必要となるもので、低速混合
気の過薄及び過濃を防止し、機関の運転性、有害排気ガ
ス成分の排出、及び燃料経済性を良好に維持する鑑定よ
り行なわれる。
【0003】第1の従来の気化器のパイロットスクリュ
ー装置は以下により構成される。例えば実開昭55−1
42650号公報に示される。気化器本体に設けたパイ
ロットスクリュー支持ボスには、その先端部よりパイロ
ットアウトレット孔、ネジ孔が同芯に連設され、低速燃
料系に連なるパイロットアウトレット孔は絞り弁より機
関側の吸気路内に開口する。パイロットアウトレット孔
を含むネジ孔内にはパイロットスクリューが螺着して配
置され、パイロットスクリューの先端に設けたテーパー
針弁部がパイロットアウトレット孔内に配置され、パイ
ロットスクリューの後端に設けた回転力付与手段を含む
調整部はパイロットスクリュー支持ボスの外側方に向け
て突出する。パイロットスクリューは、パイロットスク
リューの後端の調整部に設けた回転力付与手段をして回
転させることによってテーパー針弁部がパイロットアウ
トレット孔の適正なる有効開口面積を制御する。このよ
うにパイロットスクリューの回転位置が適正に調整され
たパイロットスクリューは、その回転を一定回転範囲内
において規制されるよう調整部に制限部材が圧入されて
一体的に固着されるもので、この制限部材に設けたツマ
ミ部はパイロットスクリュー支持ボスに設けた係止突部
に対応して配置される。而して、パイロットスクリュー
はツマミ部が係止突部に対接する迄の間における一定回
転範囲内において正逆回転しうるもので、この範囲内に
おいて低速混合気の量を可変調整し得る。
【0004】又、第2の従来例は実開昭54−1364
25号公報に示される。これには機関のアイドリングに
おける空燃比を調整すべく、アイドル調整ネジを設けた
気化器において、調整ネジを外壁で覆い、調整ネジ頭部
を二段に設け、調整後において頭部上段のみを切断ある
いは折ったものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来の気化器に
よると、制限部材はパイロットスクリュー支持ボスより
突出して配置されるもので、この制限部材に無用な外力
が加わった際において、制限部材がパイロットスクリュ
ーに圧入されているとはいえ、制限部材がパイロットス
クリューの調整部より外れる恐れが有る。制限部材に無
用な外力が加わるとは、制限部材をパイロットスクリュ
ーの調整部より意識的に取り外すようペンチ等の工具を
用いて機械的に外力を加える場合である。このように、
制限部材に無用な外力が加わることによって制限部材が
パイロットスクリューの調整部より外れることによる
と、パイロットスクリューの調整部の回転力付与手段
(具体的にはマイナス溝)は直接的に外方に露出するこ
とに成る。以上によると、パイロットスクリューは、回
転力付与手段としてのマイナス溝内にマイナスドライバ
ーを挿入することによって回転可能な状態となるもの
で、このようにパイロットスクリューの回転に対する制
限機能が無くなることは、低速混合気の調整が無制限に
行なうことができ機関の運転性、排気ガス特性更には燃
料経済性、の点より好ましいものでない。
【0006】又、第2の従来技術によると、気化器の製
造工程におけるパイロットスクリュー調整後において、
パイロットスクリューの回転調整は全くできないもの
で、これによると機関へ気化器を装着した状態、あるい
は機関の慣らし運転状態、更には使用環境状態、におい
て適正なる低速混合気の調整ができないものである。
【0007】本発明は、かかる点に鑑み成されたもの
で、制限部材が装着されたパイロットスクリューにおい
て、制限部材に無用なる外力が加えられることのない通
常状態にあっては、パイロットスクリューの回転を制限
部材にて一定回転範囲内において調整可能とし、一方、
パイロットスクリューの制限部材に無用な外力が加わっ
た状態において、それ以後のパイロットスクリューの回
転を不能なる状態とし、機関の運転性、排気ガス特性、
燃料経済性、を良好に維持することのできる気化器のパ
イロットスクリュー装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明になる気化器のパイ
ロットスクリュー装置は前記目的達成の為に、絞り弁よ
り機関側の吸気路に開口する低速燃料系に連なるパイロ
ットアウトレット孔の有効開口面積を、気化器本体に螺
着されたパイロットスクリューによって調整制御すると
ともにパイロットアウトレット孔の有効開口面積を調整
した後において、パイロットスクリューに固着された制
限部材にてパイロットスクリューの回転を一定回転範囲
内に規制する気化器のパロットスクリュー装置におい
て、気化器本体のパロットスクリュー支持ボスには、絞
り弁より機関側の吸気路に開口するパイロットアウトレ
ット孔と、パイロットアウトレット孔に連なるネジ孔
と、ネジ孔に連なり、ネジ孔より大径をなしてパイロッ
トスクリュー支持ボスの外側端面に開口する拡大孔と、
を同芯に穿設するとともに前記パイロットスクリュー支
持ボスの一部には、パイロットスクリュー支持ボスより
突出する係止突部を、設け;パイロットスクリューに
は、パイロットアウトレット孔の有効開口面積を調整す
るテーパー針弁部と、テーパー針弁部に連なり、ネジ孔
に螺着されるネジ部と、ネジ部に連なり、ネジ部より大
なる外径を有するとともに拡大孔内に挿入され得る拡大
鍔部と、を同芯に設け、拡大鍔部の外側端面には、外側
端面を横断するマイナス溝と、マイナス溝の溝巾より大
なる直径を有し拡大鍔部内に向けて穿設される挿入孔
と、を設け;制限部材には、パイロットスクリューの拡
大鍔部の挿入孔内に挿入されて一体的に固着される固着
部と、固着部より長手軸心方向に延びるとともに固着部
の直径より小なる直径を有する縮小径部と、縮小径部よ
り長手軸心方向に沿って延びるとともに長手心芯方向に
直交する側方に向かって延びるツマミ部と、を設け、パ
イロットスクリュー支持ボスのネジ孔にパイロットスク
リューのネジ部を螺着してパイロットアウトレット孔の
有効開口面積をテーパー針弁部にて調整した状態におい
て、パイロットスクリューの拡大鍔部を拡大孔内に臨ん
で配置するとともに拡大孔内に縮設せるスプリングにて
拡大鍔部に弾性力を付与して支持し、更にパイロットス
クリューの拡大鍔部の挿入孔には、制限部材の固着部の
外側端面を拡大鍔部の外側端面に略一致させた状態にて
固着部を挿入して一体的に固着するとともに制限部材の
ツマミ部を係止突部に対して正逆回転方向に間隙をもっ
て対応して配置したものである。
【0009】
【作用】パイロットスクリューの拡大鍔部のマイナス溝
に回転力を付与することによって、パイロットスクリュ
ーを回転しテーパー針弁部にてパイロットアウトレット
孔の適正なる有効開口面積が制御される。かかる状態に
おいて、パイロットスクリューの拡大鍔部の挿入孔内に
制限部材の固着部を挿入するとともに一体的に固着し、
これによって制限部材のツマミ部を係止突部に対応して
配置する。パイロットスクリューは、制限部材のツマミ
部が係止突部に当接する間の一定回転範囲内において回
転可能なるもので、混合気量はこの一定範囲内において
調整できる。
【0010】制限部材に無用な外力が加えられると、制
限部材の縮小径部はこの外力に耐えることができなくな
り縮小径部は折損し、縮小径部を含むツマミ部はパイロ
ットスクリューより脱落する。これによると、拡大鍔部
を含むパイロットスクリューはパイロットスクリュー支
持ボス内に挿入されて配置されるとともに拡大鍔部のマ
イナス溝を含む挿入孔内に制限部材の固着部が残存する
のでパイロットスクリューの拡大鍔部をつかむことがで
きず、又パイロットスクリューのマイナス溝内にマイナ
スドライバーを挿入して回転させることができないの
で、パイロットスクリューに回転力を付与することがで
きず、パイロットスクリューは一定位置に保持される。
従って、パイロットスクリューが無用に回転されること
による運転性、排気ガス特性、燃料経済性、が阻害され
ることがない。
【0011】
【実施例】本発明になる気化器のパイロットスクリュー
装置の一実施例を図により説明する。気化器本体1につ
いて図1,図2及び図3,図4にて説明する。気化器本
体1は内部を吸気路2が貫通するとともに該吸気路2は
絞り弁軸3に取着された絞り弁4にて開閉制御される。
低速燃料と低速空気との混合気よりなる低速燃料系5は
バイパス孔6、パイロットアウトレット孔7を介して吸
気路2内へ吸出されるもので、バイパス孔6は絞り弁4
の低開度時における絞り弁4の端部に対応して吸気路2
内へ開口し、パイロットアウトレット孔7は絞り弁4よ
り機関側(図において絞り弁4より下方)の吸気路2A
内に開口する。以上は公知の構造である。
【0012】8は、気化器本体1に設けられたパイロッ
トスクリュー支持ボスであり、パイロットスクリュー支
持ボス8の外側端面8Aの一部には外側端面8Aより更
に右方に向かって突出する係止突部8Bが設けられる。
そして、パイロットスクリュー支持ボス8には以下の構
造が設けられる。特に図3,図4にて説明する。すなわ
ち、前述したパイロットアウトレット孔7は図3におい
て左方に設けられて絞り弁4より機関側の吸気路2Aに
開口し、低速燃料系5を介して低速混合気が供給され
る。9はネジ孔であり、パイロットアウトレット孔7に
連なり、更にこのネジ孔9より図において右方へネジ孔
9の直径より大径Aをなす拡大孔10がパイロットスク
リュー支持ボス8の外側端面8Aに開口する。これらパ
イロットアウトレット孔7、ネジ孔9、拡大孔10はパ
イロットスクリュー支持ボス8に同芯に穿設される。
【0013】次に図5,図6にてパイロットスクリュー
20について説明する。パイロットスクリュー20は図
5において、左方にテーパー針弁部21が形成され、テ
ーパー針弁部21に連なって右方に向けてネジ部22が
形成され、更にネジ部22の右端にネジ部22のネジ径
より大なる外径Bを有するとともにパイロットスクリュ
ー支持ボス8の拡大孔10内に挿入される拡大鍔部23
が形成される。これら、テーパー針弁部21、ネジ部2
2、拡大鍔部23は同芯に形成される。拡大鍔部23の
外側端面23Aには、外側端面23Aを横断するマイナ
ス溝23Bと、マイナス溝23Bの溝径Cより大径Dを
有する挿入孔23Cが拡大鍔部23内の長手軸心方向に
向かって穿設される。(挿入孔23Cは外側端面23A
よりマイナス溝23Bを通ってテーパー針弁部21の方
向に向かって穿設される。)このマイナス溝23B内に
マイナスドライバーを挿入して回転することによってパ
イロットスクリュー20に回転力が付与される。
【0014】次に図7,図8によって制限部材30につ
いて説明する。31は図7において左方に設けられた固
着部であって、パイロットスクリュー20の挿入孔23
C内に挿入されて一体的に固着される。32は固着部3
1の外側端面31A(固着部31の右端)より長手軸心
方向の右方に向かって延びるとともに固着部31の外径
より小なる直径Eを有する縮小径部であり、更に33は
縮小径部32より長手軸心方向に沿って右方に延びると
ともに長手軸心方向に直交する側方に向かって延びるツ
マミ部である。制限部材30は以上の通り固着部31、
縮小径部32、ツマミ部33によって形成される。
【0015】前述したパイロットスクリュー20は次の
ように気化器本体に螺着される。すなわち、パイロット
スクリュー20のネジ部22がパイロットスクリュー支
持ボス8のネジ孔9に螺着され、パイロットスクリュー
20のマイナス溝23B内にマイナスドライバーを挿入
して回転することによってパイロットスクリュー20を
その長手軸心方向に沿って進退させ、もってテーパー針
弁部21をしてパイロットアウトレット孔7の有効開口
面積を適正に調整して制御する。かかるパイロットスク
リューの調整完了状態にあって、パイロットスクリュー
20の拡大鍔部23はパイロットスクリュー支持ボス8
の拡大孔10内に臨んで(拡大孔10内にあること)配
置され、拡大鍔部23の外側端面23Aは、パイロット
スクリュー支持ボス8の外側端面8Aの近傍に配置され
る。尚、パイロットスクリュー20の拡大鍔部23の外
側端面23Aはわずかにパイロットスクリュー支持ボス
8の外側端面8Aより外側方へ突出しても良い。又、パ
イロットスクリュー支持ボス8の拡大孔10内にはパイ
ロットスクリュー20の螺着時にスプリングSが縮設し
て配置され、このスプリングSはパイロットスクリュー
20の拡大鍔部23の左端23Dを右方へ弾性的に付勢
し、もってパイロットスクリュー20のユルミが防止さ
れる。以上によってパイロットスクリュー20のテーパ
ー針弁部21によるパイロットアウトレット孔7の有効
開口面積は適正に制御された。
【0016】かかる状態において、パイロットスクリュ
ー支持ボス8の外側端面8Aの近傍に位置するパイロッ
トスクリュー20の拡大鍔部23の外側端面23Aに開
口する挿入孔23C内に制限部材30の固着部31を、
接着剤を塗布して挿入し、これによって制限部材30は
パイロットスクリュー20に一体的に固着された。(制
限部材30を調整部24に固着する手段は上記接着剤を
用いる方法に限定されない)而して、パイロットスクリ
ュー20の挿入孔23C、マイナス溝23B内には制限
部材30の固着部31が挿入されて配置され、制限部材
30の固着部31の外側端面31Aはパイロットスクリ
ュー20の拡大鍔部23の外側端面23Aの近傍にあ
り、制限部材30の縮小径部32はパイロットスクリュ
ー20の拡大鍔部23の外側端面23Aより外側方に位
置する。そして、制限部材30のツマミ部33はパイロ
ットスクリュー支持ボス8の係止突部8Bに対し、正逆
回転方向において各々間隙X,Yをもって配置される。
この状態は、図1,図2に示される。以上によって、パ
イロットスクリュー20のテーパー針弁部21によるパ
イロットアウトレット孔7の有効開口面積の調整、制御
と、パイロットスクリュー装置の全ての組みつけ調整作
業が終了した。
【0017】次にその作用について説明する。運転者あ
るいは整備にたずさわる作業者等が低速混合気量を調整
する際、運転者は制限部材30のツマミ部33をもって
回転する。これによると、図2において制限部材30の
ツマミ部33が係止突部8Bに当接する迄の間、時計方
向にXだけ回転しうるもので、制限部材30に固着され
たパイロットスクリュー20もまた制限部材30と同期
的に回転する。ここでパイロットスクリュー20のネジ
部22に右ネジがきられている場合、テーパー針弁部2
1はその時計方向の回転に見合ってパイロットアウトレ
ット孔7の有効開口面積を減少させて低速混合気量を減
少する。
【0018】次に、運転者等が制限部材30を図2にお
いて反時計方向に回転すると、制限部材30のツマミ部
33が係止突部8Bに当接する迄の間、反時計方向にY
だけ回転しうるもので、制限部材30に固着されたパイ
ロットスクリュー20もまた制限部材30と同期的に回
転する。ここでパイロットスクリュー20のネジ部22
に右ネジがきられている場合、テーパー針弁部21はそ
の反時計方向の回転に見合ってパイロットアウトレット
孔7の有効開口面積を増加させて低速混合気量を増加す
る。以上によって、低速混合気量の調整は、一定範囲内
においてのみ適正に調整しうるものであり、燃料経済
性、有害排気ガスの排出特性を良好に維持しつつ機関の
運転性の向上を達成しうる。
【0019】次に運転者等が制限部材30によるパイロ
ットスクリュー20の一定回転範囲内の規制を意識的に
解除せんとした際について説明する。 (かかる行為は本来やってはならないことではある。)
かかる際において、運転者等は、制限部材30を取り外
す為に制限部材30に対し、ペンチ、ドライバー等の工
具を用いて制限部材30に大なる外力を加えることにな
る。これによると、制限部材30に強度が他の部位より
弱い部分としての縮小径部32を予め設けたこと及びこ
の縮小径部32が拡大鍔部23の外側端面23Aより外
側方に位置するので、制限部材30に大なる外力が加え
られるとこの縮小径部32にて確実に破断が生じ、制限
部材30はこの縮小径部32より折損してパイロットス
クリュー20より脱落する。この状態は図9,図10に
示されるもので、パイロットスクリュー20の拡大鍔部
23はパイロットスクリュー支持ボス8の拡大孔10内
に臨んで配置されてパイロットスクリュー支持ボス8の
外側端面8Aより拡大鍔部23の外側端面23Aは突出
しない。又、パイロットスクリュー20の挿入孔23C
内には、制限部材30の折損後において制限部材30の
固着部31が挿入されて残存するものであり、マイナス
溝23Bを含む挿入孔23Cは制限部材30の固着部3
1によって埋められる。
【0020】以上の如く、パイロットスクリュー20の
拡大鍔部23がパイロットスクリュー支持ボス8の拡大
孔10内にあること、及びパイロットスクリュー20の
マイナス溝23Bを含む挿入孔23C内に固着部31が
埋設されていること、によると、パイロットスクリュー
20に対しその外径を工具にてくわえて回転力を付与す
ることができないこと、及びマイナス溝23B内にマイ
ナスドライバーを挿入して回転力を付与することができ
ないこと、よりパイロットスクリュー20を回転させる
ことが不能となり、パイロットスクリュー20を回転さ
せることによって異常に低速混合気を濃くしたり、ある
いは薄くしたりすることができるものでなく、燃料経済
性、有害排気ガズ成分の排出特性を悪化させて機関の運
転性を阻害させることを抑止できる。
【0021】又、特に縮小径部32をパイロットスクリ
ュー20の拡大鍔部23より外側方にある制限部材30
に設けたことによると、縮小径部32を含む制限部材3
0が脱落した後において、パイロットスクリュー20に
弾性力を付与して一側へ押圧するスプリングSは依然と
して拡大孔10内にあって拡大鍔部23を一側へ押圧す
ることができるので、振動によってパイロットスクリュ
ー20がゆるんだりあるいはスプリングSとともに脱落
することがない。更に、制限部材30に無用な外力を加
えた際、拡大鍔部23より外側方の制限部材30の縮小
径部32にて折損するので、パイロットスクリュー20
の拡大鍔部23、ネジ部22に大なる力が作用し、これ
らの部分の変形を抑止することができ、パイロットスク
リュー20を正規品(制限部材30を備えた新規品)に
交換する際、そのメンテナンス作業を容易に行なうこと
ができるものである。
【0022】
【発明の効果】以上の如く、本発明になる気化器のパイ
ロットスクリュー装置によると、制限部材の通常操作時
には、制限部材のツマミ部が係止突部に当接する迄の一
定回転範囲内においてパイロットスクリューの正逆回転
を可能として低速混合気量の調整を一定範囲内において
可能とし、一方、制限部材に無用なる外力を加えた際に
は、制限部材に設けた縮小径部にて、制限部材をパイロ
ットスクリューより脱落させ、パイロットスクリューの
もっとも外側にある拡大鍔部を拡大孔内に臨んで配置す
るとともにパイロットスクリューのマイナス溝を含む挿
入孔内に制限部材の固着部を埋設して残存させたのでパ
イロットスクリューに対して回転力を付与することがで
きないものであり、低速混合気量を一定に維持しうる。
従って、低速混合気量が大きく変わって燃料経済性、有
害排気ガス成分の排出特性が悪化して機関の運転性が阻
害されることがない。又、縮小径部を制限部材に設けた
ことによると、制限部材の脱落後にあってもスプリング
によってパイロットスクリューを弾性的に支持すること
ができパイロットスクリューにユルミを生じさせること
がない。更にはパイロットスクリューの曲がり変形を抑
止できるのでパイロットスクリューのメンテナンスを容
易に行なうことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる気化器のパイロットスクリュー装
置の一実施例を示す縦断面図。
【図2】図1のパイロットスクリュー部分の要部右側面
図。
【図3】図1における気化器本体の要部縦断面図。
【図4】図3の右側面図。
【図5】図1におけるパイロットスクリューの正面図。
【図6】図5の右側面図。
【図7】図1における制限部材の正面図。
【図8】図7の右側面図。
【図9】図1において縮小径部、ツマミ部を含む制限部
材がパイロットスクリューより脱落した状態を示す縦断
面図。
【図10】図9のパイロットスクリュー部の右側面図。
【符号の説明】
1 気化器本体 2A 機関側の吸気路 7 パイロットアウトレット孔 8 パイロットスクリュー支持ボス 8A パイロットスクリュー支持ボスの外側端面 8B 係止突部 9 ネジ孔 10 拡大孔 20 パイロットスクリュー 21 テーパー針弁部 22 ネジ部 23 拡大鍔部 23A 外側端面 23B マイナス溝 23C 挿入孔 30 制限部材 31 固着部 32 縮小径部 33 ツマミ部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絞り弁より機関側の吸気路に開口する低
    速燃料系に連なるパイロットアウトレット孔の有効開口
    面積を、気化器本体に螺着されたパイロットスクリュー
    によって調整制御するとともにパイロットアウトレット
    孔の有効開口面積を調整した後において、パイロットス
    クリューに固着された制限部材にてパイロットスクリュ
    ーの回転を一定回転範囲内に規制する気化器のパイロッ
    トスクリュー装置において、気化器本体1のパイロット
    スクリュー支持ボス8には、絞り弁4より機関側の吸気
    路2Aに開口するパイロットアウトレット孔7と、パイ
    ロットアウトレット孔7に連なるネジ孔9と、ネジ孔9
    に連なり、ネジ孔9より大径Aをなしてパイロットスク
    リュー支持ボス8の外側端面8Aに開口する拡大孔10
    と、を同芯に穿設するとともに前記パイロットスクリュ
    ー支持ボス8の一部には、パイロットスクリュー支持ボ
    ス8より突出する係止突部8Bを、設け;パイロットス
    クリュー20には、パイロットアウトレット孔7の有効
    開口面積を調整するテーパー針弁部21と、テーパー針
    弁部21に連なり、ネジ孔9に螺着されるネジ部22
    と、ネジ部22に連なり、ネジ部22より大なる外径B
    を有するとともに拡大孔10内に挿入され得る拡大鍔部
    23と、を同芯に設け、拡大鍔部23の外側端面23A
    には、外側端面23Aを横断するマイナス溝23Bと、
    マイナス溝23Bの溝巾Cより大なる直径Dを有し拡大
    鍔部23内に向けて穿設される挿入孔23Cと、を設
    け;制限部材30には、パイロットスクリュー20の拡
    大鍔部23の挿入孔23C内に挿入されて一体的に固着
    される固着部31と、固着部31より長手軸心方向に延
    びるとともに固着部31の直径より小なる直径Eを有す
    る縮小径部32と、縮小径部32より長手軸心方向に沿
    って延びるとともに長手軸心方向に直交する側方に向か
    って延びるツマミ部33と、を設け、パイロットスクリ
    ュー支持ボス8のネジ孔9にパイロットスクリュー20
    のネジ部22を螺着してパイロットアウトレット孔7の
    有効開口面積をテーパー針弁部21にて調整した状態に
    おいて、パイロットスクリュー20の拡大鍔部23を拡
    大孔10内に臨んで配置するとともに拡大孔10内に縮
    設せるスプリングSにて拡大鍔部23に弾性力を付与し
    て支持し、更にパイロットスクリュー20の拡大鍔部2
    3の挿入孔23Cには、制限部材30の固着部31の外
    側端面31Aを拡大鍔部23の外側端面23Aに略一致
    させた状態にて固着部31を挿入して一体的に固着する
    とともに制限部材30のツマミ部33を係止突部8Bに
    対して正逆回転方向に間隙をもって対応して配置したこ
    とを特徴とする気化器のパイロットスクリュー装置。
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