JPH0143316Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、安楽用のフラツトシートを形成する
ことのできる自動車のシート装置に関するもので
ある。

（従来技術） 自動車の座席シートでは、シートクツシヨンの
後部側が前部よりもくぼむ構成とされ、座席シー
トを着座シート状態から安楽用のフラツトシート
状態に切換えるようにしたものがある。

従来から、安楽用のフラツトシートを形成する
ことのできる自動車のシート装置として、たとえ
ば、実開昭57−137542号公報に開示されているも
のがある。この従来のものは、シートクツシヨン
の一部を分割してくぼみ部分を後部クツシヨンと
し、この後部クツシヨンをシートクツシヨンの底
部に設けた上下動操作機構によつて上下動させる
と共に、シートバツクを傾倒動させて、着座用シ
ート状態から安楽用フラツトシート状態に切換る
際にくぼみをなくしていわゆるフルフラツトシー
ト状態に近づけるようにしたものである。

ところで、この従来のものは、座席シートを着
座シート状態から安楽用フラツトシート状態に切
換えた際にいわゆるフルフラツトシートを形成す
ることはできるが、シートバツクの傾倒動操作と
後部クツシヨンの上下動操作とを別別に行なわな
ければならないためにその切換えが不便である。

また、別途、上下動機構を設けねばならないた
めに高価でもある。

（考案の目的） 本考案は上記従来技術が有する問題点に鑑みて
なされたもので、着座用シート状態と安楽用フラ
ツトシート状態との間で簡便に切換えを行うこと
ができるようにした自動車のシート装置を提供す
ることにある。

（考案の構成） 本考案の特徴は、シートバツクの傾倒動に連動
させて後部クツシヨンを持ちあげる構成とするこ
とにより、フラツトシートを形成することができ
るようにしたところにある。また、シートバツク
の上部に設けられているヘツドレストをそのシー
トバツクの背面側に退避可能の構成とし、ヘツド
レストの取外しの手間も省けるようになつてい
る。

（実施例） 第１図、第２図において、１はフロア、２はリ
ヤシート、３はフロントシートであつて、フロン
トシート３は、シートクツシヨン４とシートバツ
ク５とから構成されている。シートクツシヨン４
はシートクツシヨン本体６と後部クツシヨン７と
からなる分割構成とされており、８は心材として
のシートクツシヨン本体フレーム、９は心材とし
ての後部クツシヨンフレームである。後部クツシ
ヨン７は、ヒンジ部材１０を介してシートクツシ
ヨン本体に回動可能に連結されている。シートバ
ツク５はヒンジ部材１１を介してシートクツシヨ
ン本体に回動可能に連結されており、１２は心材
としてのスチールパイプである。ヒンジ部材１１
はシートバツク５の幅方向に延びる構成とされ、
その両端部はシートクツシヨン本体６に固定さ
れ、スチールパイプ１２はヒンジ部材１１を支点
に回動する構成とされ、シートバツク５は、ヒン
ジ部材１１を支点に矢印Ａ方向に後方に向かつて
傾倒動可能とされている。スチールパイプ１２の
自由端部には、ブラケツト１３が取り付けられて
おり、シートバツク５の上部にはヘツドレスト１
４が設けられている。ヘツドレスト１４は支持ア
ーム１５によつて支持されており、支持アーム１
５はブラケツト１３に取り付けられたヒンジ部材
１６を支点にして回動可能とされており、ヘツド
レスト１４は第３図に示すようにシートバツク５
の背面側に退避可能とされており、１７は支持ア
ーム１５を案内する案内溝である。

第１図にはフロントシート３が着座シート状態
にあつて、かつ、ヘツドレスト１４がレスト位置
にある状態が示されており、第２図にはフロント
シート３がフラツトシート状態にあつて、かつ、
ヘツドレスト１４が退避位置にある状態が示され
ており、シートバツク５を矢印Ａ方向に傾倒動さ
せてフラツトシート位置まで倒したときに、ヘツ
ドレスト１４がリヤシート２の前端に衝突しない
ようにされており、リヤシート２の前端下部には
ヘツドレスト受部材１８が設けられ、フラツトシ
ート位置においてヘツドレスト１４を介してシー
トバツク５を支持するようにされている。なお、
第１図において、矢印Ｂはヘツドレスト１４の回
動方向を示す。

シートバツク５の上端部には、ヘツドレスト１
４をレスト位置にロツクするロツク機構が設けら
れており、第４図、第５図において、１８はロツ
ク機構の一部を構成するプルタイプボタン、１９
はこのプルタイプボタン１８とスナツプ係合する
係合部材、２０はストツパ部材であつて、スチー
ルパイプ１２の上端はシートバツクの幅方向に延
設されてその延設端部にはストツパ部材支持部２
２が形成されており、ストツパ部材２０は支持ア
ーム１５に係合してヘツドレスト１４をレスト位
置に維持するものであり、係合部材１９とストツ
パ部材支持部２２との間には付勢スプリング２３
が介装され、プルタイプボタン１７を矢印Ｃ方向
に付勢しており、プルタイプボタン１７を矢印Ｃ
方向に操作すると、付勢スプリング２３の付勢力
により支持アーム１５とストツパ部材２０との係
合が解除されて、ヘツドレスト１４の退避位置へ
の回動が可能となるものである。

支持アーム１５にはブラケツト２４が設けら
れ、ブラケツト２４にはヒンジ部材２５が設けら
れ、ヒンジ部材２５には操作ロツド２６が連結さ
れてブラケツト２５に対して回動可能とされ、ヒ
ンジ部材１１には案内筒２７がブラケツト２８を
介して取り付けられて案内筒２７はヒンジ部材１
１に対して回動可能とされ、操作ロツド２６は案
内筒２７に向かつて延びてこれに案内され、その
先端は係合端部２９とされて、後部クツシヨン７
の後端に形成された係合部３０と係合するように
されている。ここでは、操作ロツド２６はヘツド
レスト１４に連動して進退する構成とされ、ヘツ
ドレスト１４を矢印Ｂ方向にシートバツク５の背
面側に回動させると、操作ロツド２６がそのヘツ
ドレスト１４に連動して下方に突き出され、そこ
で、シートバツク５を傾倒動させて第１図に示す
着座シート状態から第２図に示すフラツトシート
状態になるように倒すと、操作ロツド２６の係合
端部２９が係合部３０に進入して後部クツシヨン
７をヒンジ部材１０を支点にして上方に回動さ
せ、これにより、シートクツシヨン本体６と後部
クツシヨン７とシートバツク５とで協働してフラ
ツトシートを形成するものであり、操作ロツド２
６はシートバツク５の傾倒動に連動して後部クツ
シヨン７を上方に持ち上げる係合部材として機能
するものである。ここで、係合部３０は凹所構成
とされており、後部クツシヨン７の持ち上げの際
に、後部クツシヨン７の後端とシートバツク５の
下端とが近づいてその距離が縮まり、その係合部
３０の奥部３０Ａと係合端部２９の先端とが当接
して、操作ロツド２６に後退方向の無理な力が加
わらないように、その奥部３０Ａは深く形成され
ている。ここでは、係合端部２９は案内筒２７か
ら突出する構成とされているが、ヘツドレスト１
４がレスト位置にあるときにはシートバツク５内
に退避させておく構成とすることもでき、このほ
うが見栄えの観点からは望ましい。

第６図は本考案に係る自動車のシート装置の変
更例を示すもので、操作ロツド２６をロツド２６
Ａと係合ロツド２６Ｂとの分割構成とし、案内筒
２７と係合ロツド２６Ｂとの間にスプリング３１
を介装し、係合ロツド２６Ｂには後退許容孔３２
を形成して、係合ロツド２６Ｂの先端が係合部３
０の奥部３０Ａに突き当たる構成とした場合であ
つても、係合ロツド２６Ｂを案内筒内に退避でき
る構成として、操作ロツド２６に後退方向の無理
な力が加わらないようにしたものである。

（考案の効果） 本考案は以上説明したように、シートバツクの
傾倒動に連動して後部クツシヨンを持ち上げるよ
うにしたから、着座シート状態からいわゆるフル
フラツトシート状態への切換えを簡便に行うこと
ができるという効果を奏する。また、ヘツドレス
トをシートバツクの背面側に退避させるようにし
たので、ヘツドレストの取外しも不要となり、そ
の手間も省ける効果も奏する。さらに、安価に製
作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車のシート装置の着
座シート状態を示す側面図。第２図は本考案に係
る自動車のシート装置のフラツトシート状態を示
す側面図。第３図は本考案に係る自動車のシート
装置のシートバツクとヘツドレストの拡大斜視
図。第４図は本考案に係る自動車のシート装置の
シートバツク上部の詳細構成図。第５図は第４図
のＸ−Ｘ線に沿う断面図。第６図は本考案に係る
自動車のシート装置の変更例図。 ３……フロントシート、４……シートクツシヨ
ン、５……シートバツク、６……シートクツシヨ
ン本体、７……後部クツシヨン、１４……ヘツド
レスト、２６……操作ロツド（係合部材）、２９
……係合端部、３０……係合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートクツシヨン本体部と後部クツシヨンとに
   分割され、該後部クツシヨンが前記シートクツシ
   ヨン本体部にヒンジ結合されて上方に回動可能と
   されているシートクツシヨンと、 前記シートクツシヨンにヒンジ結合されて後方
   に向かつて傾倒動可能とされたシートバツクと、 前記シートバツクの上部に、その背面側に退避
   可能に設けられたヘツドレストと、 前記後部クツシヨンの後端部に形成された係合
   部と、 前記シートバツクに設けられ、かつ、前記ヘツ
   ドレストを背面側へ移動させ、さらに前記シート
   バツクの傾倒動によつて前記係合部と係合され、
   前記シートクツシヨン本体部と前記後部クツシヨ
   ンとが協働してフラツトシートを形成するように
   前記後部クツシヨンを回動させる係合部材と、 からなることを特徴とする自動車のシート装置。