JPH0142643B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、例えば、ペーパーポツト苗箱の各ポ
ツト内に、確実に、所望数粒ずつの種子を自動的
に播種し得るペーパーポツト苗箱用播種装置とし
たものである。

（従来技術） 従来、田植機用の土付苗は、バラ蒔きした土付
苗から、条播した土付苗を使用するように進歩し
てきた。そして、最近ではペーパーポツト苗とい
つて、紙材料で形成されたペーパーポツトに、１
粒ずつ蒔いた土付苗が出現している。この土付苗
は、従来のものに比べて、茎が太く丈夫であると
ころから、冷害に強い結果が確認されている。

（発明が解決しようとする課題） したがつて、かなり普及しているが、小さいポ
ツトに、１粒ずつ、確実に、蒔ける装置はこれま
でなかつたので、ペーパーポツト苗箱自動的に種
籾を播種できる装置はなく、ペーパーポツト苗の
作成は大変だつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、この点を解決したもので、ペーパー
ポツト苗箱の水平移送台１の上方位置に、上方か
らみたときに軸心方向が移送方向と平行で外周面
に螺旋溝１８を形成した螺旋ロール１７を多数並
設した前側ロールＡを設け、前側ロール群Ａに続
いて上方からみたとき軸心方向が移送方向と平行
で外周面に螺旋溝１８を形成した螺旋ロール１７
を多数並設した後側ロール群Ｂを近接して設け、
前記ロール群Ａとロール群Ｂは、側方からみる
と、その軸心方向がＶとなるように設け、前側ロ
ール群Ａはペーパーポツト苗箱の左右方向の奇数
場所に、後側ロールＢはペーパーポツト苗箱の左
右方向の偶数場所にそれぞれ播種できるようにし
たペーパーポツト苗箱用播種装置、及び前記前側
ロール群Ａと後側ロール群Ｂの各低い部分に供給
部を形成したペーパーポツト苗箱用播種装置とし
たものである。

（実施例） 一実施例を図より説明すると、１は収納ケース
２用の水平移送台で、移送方向に長く形成され、
所望の位置に設けた支脚３により床上に支持され
る収納ケース２内にはペーパーポツト苗箱４が収
納される。５はペーパーポツト苗箱４のポツトで
ある。ペーパーポツト苗箱４は、水溶性の紙のよ
うな材料で形成されているもので、多数のポツト
５を形成している。好適には左右方向に16個ぐら
いのポツト５が並設され、前後方向には17個ぐら
いのポツト５が並設されたものを２枚収納ケース
２内に嵌合させて使用する。

水平移送台１の供給側６に寄つた上方位置に
は、覆土供給装置７が設けられる。覆土供給装置
７はホツパー８と繰出ベルト９等とにより形成さ
れ、ペーパーポツト苗箱４のポツト５内に覆土１
０を供給する。１２はペーパーポツト苗箱４を収
納ケース２内に押圧するフリーローラーである。
ペーパーポツト１２の移送方向側には、播種装置
１３を設ける。

播種装置１３は、種籾供給ホツパー１４、ロー
ル群Ａ，Ｂを有する点播装置１５，１６より形成
される。前記ロール群Ａ，Ｂの各螺旋ロール１７
は、その外周面に、矢印イの向に進む螺旋溝１８
を形成する。

螺旋溝１８は、一条螺旋でも条螺旋でも差し支
えなく、実験結果では三条螺旋が好適であつた。
螺旋ロール１７は、終始同一直径に形成する。１
９は螺旋ロール１７の螺旋山部である。

隣接する螺旋ロール１７，１７は、上方からみ
ると、それぞれの螺旋ロール１７，１７が僅かの
狭隙をもつて、山部１９と山部１９、螺旋溝１８
と螺旋溝１８が合致した状態で回転し、かつ、螺
旋ロール１７の軸心方向と収納ケース２の移送方
向とが平行になるように並設される。並設された
各螺旋ロール１７の互いの螺旋溝１８は、左右側
から合わさつて一つの嵌合溝２０を形成するが、
嵌合溝２０の大きさは、種子２１よりは小さく形
成する。

前側ロール群Ａに続いて同様に形成した後側ロ
ール群Ｂを近接して設け、前記ロール群Ａ，Ｂ
は、並設された螺旋ロール１７と螺旋ロール１７
との間の狭隙の上面に、〓状の種子移動溝２２を
それぞれ形成する。すなわち、螺旋ロール１７
は、その軸心方向に対して左右方向に複数本並設
されるが、螺旋ロール１７の本数は、種子移動溝
２２の数が、螺旋ロール１７の下方を通過するペ
ーパーポツト苗箱４のポツト５の数の１／２なる
ようにする。例えば、本実施例では、ペーパーポ
ツト苗箱４のポツト５の数が16個であるから、種
子移動溝２２の数は「８」となり、したがつて、
螺旋ロール１７の本数は９本となる。

しかして、前記ロール群Ａ，Ｂの各種子移動溝
２２は、各螺旋ロール１７の下方を通過するペー
パーポツト苗箱４の一列置きのポツト５の位置の
真上になるように設ける。すなわち、前側ロール
群Ａではペーパーポツト苗箱の左右側の奇数場所
に、後側ロールＢはペーパーポツト苗箱の左右側
の偶数場所にそれぞれ播種できるように、前記ロ
ール群Ａ，Ｂは、互いの種子移動溝２２の位置を
ポツト５の１個分の幅だけ左右方向に、前側ロー
ル群Ａの各螺旋ロール１７と後側ロール群Ｂの各
螺旋ロール１７の位置がずれるようにして、水平
移送１に設ける。

前記ロール群Ａ，Ｂの各螺旋ロール１７は、始
端部２３が低くｈに、種子が落下する終端部２４
を高くＨに形成し、側方からみると、その軸心方
向がＶとなるように設け、低い始端部２３を種子
供給側とし、前記ロール群Ａ，Ｂの始端部２３の
上方に種籾ホツパー１４の各落下口２５を開口さ
せる。

並設した螺旋ロール１７の始端部２３と終端部
２４との間で、種子移動溝２２の上方位置には、
始端部２３より終端部２４に向けて種子移動溝２
２を移動する種子を均す回転ブラシ３０を設け
る。回転ブラシ３０は、モーターにより、始端部
２３側に種子を掃き戻すように回転させる。

前記各螺旋ロール１７は吸引装置３１に取付け
る。吸引装置３１は、その吸引ケース３２に前記
螺旋ロール１７の中間軸部３３と後端部３４を軸
着して架設し、吸引ケース３２の左右側のいずれ
か一方の側板３５に吸引口３６を開口させて形成
する。吸引口３６の外側には図示していない吸引
機のホースを接続する。吸引装置３１は前記嵌合
溝２０を上から下へ吸引風が吹抜けるようにし
て、種子移動溝２２を移動する種子を下方に吸引
して種子が直立して嵌合溝２０に吸着されるよう
にするものである。

２６は吸引ケース３２より突出した螺旋ロール
１７の先端軸部であり、螺旋ロール１７の先端軸
部２６にはスプロケツト２７が取付けられ、各ス
プロケツト２７にはチエーン２８を巻回して、各
螺旋ロール１７を回転させる。２９は地面であ
る。

３７は螺旋ロール１７の終端部２４の下方に設
けた種子落下口、３８は前記ロール群Ａ，Ｂの吸
引ケース３２の間に左右方向に設けた回転軸で、
回転軸３８の回転が、プーリー３９、ベルト４
０、プーリー４１を介して前記回転ブラシ３０を
回転させる。４２は前記各スプロケツト２７に回
転を伝えるスプロケツト４３を先端に固着した回
転軸であり、回転軸４２の中間部には前記回転軸
３８の先端に取付けた傘歯車４４に噛合う傘歯車
４５を固着する。

播種装置の前方にはモーター４６が設けられ、
モーター４６の下手側には床土供給装置４７が設
けられる。床土供給装置４７はホツパー４８と繰
出ベルト４９と土供給量調節装置５０等により形
成される。

水平移送台１には収納ケース２を移動させる案
内ロール５１を複数設ける。案内ロール５１はチ
エン５２によりモーター４６と連結され等速回転
させる。なお、前記案内ロール５１は案内ベルト
により形成してもよい。

（作 用） 次に作用を述べる。

水平移送台１の供給側６にペーパーポツト苗箱
を嵌合した収納ケース２を載置すると、案内ロー
ル５１により移送され、覆土供給装置７の下方で
ペーパーポツト苗箱４のポツト５内に覆土１０が
供給され、更に前進して、播種装置１３の下方に
至る。

並設された各螺旋ロール１７の互いの螺旋溝１
８、山部１９は、それぞれ左右一致した状態で回
転し、各螺旋ロール１７，１７の間の上面には、
それぞれ種子移動溝２２が形成され、種子移動溝
２２の底には螺旋溝１８と螺旋溝１８の二つが合
わさつた嵌合溝２０が形成される。そして、螺旋
ロール１７の先端軸部２６に取付けられたスプロ
ケツト２７をチエン２８により回転させると、各
螺旋ロール１７は、同時に左回転（または右回
転）するから、該種子移動溝２２の嵌合溝２０は
一致した状態で矢印イの方向に進行する。しかし
て、収納ケース２が播種装置１３の下方に差し掛
くると最初は点播装置１５によりペーパーポツト
苗箱４の左右方向の奇数箇所のポツト５内に種子
２１を供給し、点播装置１５では左右方向の偶数
箇所のポツト５内に種子２１を供給しない。そし
て、収納ケース２が点播装置１６の下方に進むと
偶数箇所のポツト５内への種子２１の供給が行な
われる。

しかして、螺旋ロール１７の下方には吸引装置
３１が設けられ、該装置３１の吸引口３６から空
気を吸引すると、嵌合溝２０を通して上から下へ
吸引風が吹抜け、種子移動溝２２を移動する種子
を下方に吸引するから、種子２１は嵌合溝２０に
直立した状態で嵌り、かつ、嵌つたまま外れるこ
となく種子移動溝２２をイ方向に移動し、種子落
下口３７より、ペーパーポツト苗箱４のポツト５
内に一粒ずつ落下する。

このとき、回転ブラシ３０は、余分な種子を
（嵌合溝２０に嵌つていない種子）始端部２３側
に掃き出すように回転しているから、回転ブラシ
３０の回転により始端部２３側に掃き戻される。

この場合の種子２１の落下は、一条螺旋では各
螺旋ロール１７が一回転すると、１粒落下し、二
条螺旋では各螺旋ロール１７が一回転すると、２
粒落下し、多条螺旋では各螺旋ロール１７が一回
転すると、多粒落下する。

したがつて、モーターによる各螺旋ロール１７
の回転速度を、設計的に与えられた速度に調節し
ておくと、例えば、丁度下方を通過するペーパー
ポツト苗箱４のポツト５の中心に、１粒ずつ落す
ことが可能になる。

しかして、収納ケース２が案内ロール５１によ
りさらに前進して、床土供給装置４７により床土
が供給され、播種が完了する。

（効 果） すでに述べたように、田植機用の土付苗は、バ
ラ蒔きした土付苗から、条播した土付苗を使用す
るように進歩してきた。そして、最近ではペーパ
ーポツト苗といつて、紙材料で形成されたペーパ
ーポツトに、１粒ずつ蒔いた土付苗が出現してい
る。この土付苗は、従来のものに比べて、茎が太
く丈夫であるところから、冷害に強い結果が確認
されている。したがつて、かなり普及している
が、小さいポツトに、１粒ずつ、確実に、蒔ける
装置はこれまでなかつたので、ペーパーポツト苗
の作成は大変だつた。

しかるに、本発明は、ペーパーポツト苗箱の水
平移送台１の上方位置に、上方からみたときに軸
心方向が移送方向と平行で外周面に螺旋溝１８を
形成した螺旋ロール１７を多数並設した前側ロー
ル群Ａを設け、前側ロール群Ａに続いて上方から
みたとき軸心方向が移送方向と平行で外周面に螺
旋溝１８を形成した螺旋ロール１７を多数並設し
た後側ロール群Ｂを近接して設け、前記ロール群
Ａとロール群Ｂは、側方からみると、その軸心方
向がＶとなるように設け、前側ロール群Ａはペー
パーポツト苗箱の左右方向の奇数場所に、後側ロ
ールＢはペーパーポツト苗箱の左右方向の偶数場
所にそれぞれ播種できるようにしたペーパーポツ
ト苗箱用播種装置、及び前記前側ロール群Ａと後
側ロール群Ｂの各低い部分に供給部を形成したペ
ーパーポツト苗箱用播種装置としたものであるか
ら、１粒ずつ、確実に、ペーパーポツト苗箱の小
さいポツトに自動的に種籾を播種でき、ペーパー
ポツト苗の作成が容易になる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の縦断側面図、第２図は要部斜視
図、第３図は要部縦断側面図である。 符号の説明、１……水平移送台、２……収納ケ
ース、３……支脚、４……ペーパーポツト苗箱、
５……ポツト、６……供給側、７……覆土供給装
置、８……ホツパー、９……繰出ベルト、１０…
…覆土、１２……フリーローラー、１３……播種
装置、１４……種籾供給ホツパー、１５……前側
の点播装置、１６……後側の点播装置、１７……
螺旋ロール、１８……螺旋溝、１９……螺旋山
部、２０……嵌合溝、２１……種子、２２……種
子移動溝、２３……始端部、２４……終端部、２
５……落下口、２６……先端軸部、２７……スプ
ロケツト、２８……チエン、２９……地面、３０
……回転ブラシ、３１……吸引装置、３２……吸
引ケース、３３……中間軸部、３４……後端部、
３５……側板、３６……吸引口、３７……種子落
下口、３８……回転軸、３９……プーリー、４０
……ベルト、４１……プーリー、４２……回転
軸、４３……スプロケツト、４４，４５……傘歯
車、４６……モーター、４７……床土供給装置、
４８……ホツパー、４９……繰出ベルト、５０…
…土供給量調節装置、５１……案内ロール、５２
……チエン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ペーパーポツト苗箱の水平移送台１の上方位
   置に、上方からみたとき軸心方向が移送方向と平
   行で外周面に螺旋溝１８を形成した螺旋ロール１
   ７を多数並設した前側ロール群Ａを設け、前側ロ
   ール群Ａに続いて上方からみたとき軸心方向が移
   送方向と平行で外周面に螺旋溝１８を形成した螺
   旋ロール１７を多数並設した後側ロール群Ｂを近
   接して設け、前記ロール群Ａとロール群Ｂは、側
   方からみると、その軸心方向がＶとなるように設
   け、前側ロール群Ａはペーパーポツト苗箱の左右
   方向の奇数場所に、後側ロールＢはペーパーポツ
   ト苗箱の左右方向の偶数場所にそれぞれ播種でき
   るようにしたペーパーポツト苗箱用播種装置。 ２ 特許請求の範囲第１項のペーパーポツト苗箱
   用播種装置において、前記前側ロール群Ａと後側
   ロール群Ｂの各低い部分に供給部を形成したペー
   パーポツト苗箱用播種装置。