JPH0438361B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、例えば、ポツトシート苗箱の各ポツ
ト内に、確実に、所望数粒ずつの種子を播種し得
る播種装置としたものである。又、例えば、移動
機に取付けられた播種装置で、野菜の種子を、確
実に、所望数粒ずつ点播して、播種後、間引きな
どを行う必要が全然ない播種装置に係るものであ
る。

（従来技術） 従来、田植機用の土付苗は、バラ蒔きした土付
苗から、条播した土付苗を使用するように進歩し
てきた。そして、最近ではポツトシート苗といつ
て、紙材料で形成されたポツトシートに、１粒ず
つ蒔いた土付苗が出現している。この土付苗は、
従来のものに比べて、成育が良好で茎が太く丈夫
であるところから、冷害に強い結果が確認されて
いる。又、従来は、例えば、移動機に取付けられ
た野菜の播種装置により、広大な圃場に播種する
ものも公知である。

（発明が解決しようとする課題） 前記ポツトシートの小さいポツトに、１粒ず
つ、確実に、蒔ける装置はこれまでなかつたの
で、ポツトシート苗の作成は大変だつた。

又、移動機に取付けられた野菜の播種装置によ
り、広大な圃場に播種するものは、この播種作業
そのものは簡単であつたが、その後の間引作業
は、極めて大変であつた。

（課題を解決するための手段） 本発明は、この点を解決したもので、外周面に
送り螺旋溝３，４を形成した左右一対の水平また
は傾斜軸心螺旋ロール１，２を、互いの螺旋溝
３，４が合致して嵌合溝７を形成するように並設
して前記螺旋ロール１，２の間の上面に種子移動
溝１４を形成し、前記螺旋ロール１，２の下方に
は前記螺旋ロール１，２の間隙を通して種子８を
吸引することにより前記移動溝１４内の種子８を
嵌合溝７内に吸着させる吸引装置１９を設け、前
記嵌合溝７は、種子８が吸引装置１９で吸引され
ることにより長手方向を直立させた状態で嵌合
し、かつ、種子８が長手方向を直立させた状態で
も、下方には通り抜けない大きさに形成した播種
装置としたものである。

（実施例） 本発明の一実施例を図により説明すると、１は
左側の螺旋ロール、２は右側の螺旋ロールであ
り、螺旋ロール１，２の外周面には、外螺旋ロー
ル１，２が左回転（または右回転）すると、矢印
イの方向に進む螺旋溝３，４が形成されている。

螺旋溝３，４は、一条螺旋でも多条螺旋でも差
し支えなく、実験結果では三状螺旋が好適であつ
た。螺旋溝３，４は、第１図では同方向である
が、反対螺旋でも実施可能である。

５は螺旋ロール１側の螺旋山部、６は螺旋ロー
ル２側の螺旋山部である。

前記螺旋ロール１，２は、ともに終始同一直径
に形成され、且つ、山部５と山部６、螺旋溝３と
螺旋溝４が合致した状態で回転する。

螺旋ロール１の山部５と螺旋ロール２の山部６
は、僅かの狭隙をもつて並設され、その間の上面
に、状の種子移動溝１４を形成する。螺旋溝３と
螺旋溝４は、二つが左右側から合わさつて一つの
嵌合溝７を形成するが、嵌合溝７の大きさｔは、
種子８が吸引装置で吸引されることにより長手方
向を直立させた状態で嵌合し、かつ、種子８が長
手方向を直立させた状態でも、下方には通り抜け
ない大きさとするため、種子８の幅Ｔと前記嵌合
溝７の大きさｔを対比したときＴ＞ｔに形成す
る。

９は左側の螺旋ロール１の軸、１０は右側の螺
旋ロール２の軸であり、軸９，１０にはスプロケ
ツト１１が取付けられ、スプロケツト１１にはチ
エン１２を巻回して、回転させる。

前記螺旋ロール１，２は、始端部１３が低くｈ
に、終端部１５が高くＨ形成される。１６は地面
である。

始端部１３と終端部１５との間で、種子移動溝
１４の上方位置には、始端部１３より終端部１５
に向けて種子移動溝１４を移動する種子を均す回
転ブラシ１７を設ける。該回転ブラシ１７のブラ
シ１８は、短かくとも螺旋ロール１，２の半径よ
り長く形成し、種子移動溝１４を移動する余分な
種子（嵌合溝７に嵌つていない種子）を始端部１
３側に掃き戻すように回転させる。

前記螺旋ロール１，２の下方には吸引装置１９
を設ける。吸引装置１９は前記嵌合溝７を上から
下へ吸引風が吹抜けるようにして、種子移動溝１
４を移動する種子を下方に吸引して種子が直立し
て嵌合溝７に吸着されるようにするものである。
嵌合溝７の下方位置に吸引ケース２０を取付け
る。吸引ケース２０のいずれか一方の側板２１に
吸引口２２を開口させ、吸引口２２の外側に接続
部２３を形成し、図示していない吸引機のホース
を接続する。吸引ケース２０の前板２４、後板２
５のそれぞれの上端部は、螺旋ロール１，２外周
面と同じ半円弧形状の状に形成し、螺旋ロール
１，２の種子移動溝１４以外から吸引しないよう
にする。

（作用） 次に作用を述べる。

左側螺旋ロール１と右側螺旋ロール２の軸９、
軸１０に取付けられたスプロケツト１１を、チエ
ン１２により回転させると、左側螺旋ロール１と
右側螺旋ロール２は、同時に左回転（または右回
転）する。そして螺旋溝３，４と山部５，６はそ
れぞれ左右一致した状態であるから、左側の螺旋
ロール１と右側の螺旋ロール２の間の上面には、
種子移動溝１４が形成され、種子移動溝１４の下
方には螺旋溝３と螺旋溝４の二つが合わさつた嵌
合溝７が形成される。そして、該種子移動溝１４
の嵌合溝７は一致した状態で矢印イの方向に進行
する。

しかして、螺旋ロール１と螺旋ロール２の下方
には吸引装置１９が設けられ、該装置１９の吸引
口２２から空気を吸引すると、嵌合溝７を通して
上から下へ吸引風が吹抜け、種子移動溝１４を移
動する種子８を下方に吸引する。

前記嵌合溝８は、直立した状態の種子８を吸着
する大きさに形成されているから、吸引された種
子８のうち横向き状態のものは、回転している螺
旋ロール１，２により横向き状態のバランスが崩
されて更に吸引され、向きの変えようのない直立
した状態で嵌合溝７に嵌合する。

このとき、嵌合溝は、嵌合溝７内に吸着された
種子８が直立した状態のときであつても、下方に
落下しない大きさに形成しているから、吸引装置
１９によりかなり強力に吸引されることにより種
子８は直立し、そして下方に吸い込まれることが
ない。したがつて、種子８は嵌合溝７に芽を下に
て整然と嵌り、かつ、吸着されたまま外れること
なく種子移動溝１４をイ方向に移動する。

種子移動溝１４の嵌合溝７に嵌合しない余分の
種子は、吸引装置１９により吸引されていないか
ら、回転ブラシ１７のブラシ１８の始端部１３側
に掃き戻す回転により、簡単に、始端部１３側に
掃き戻される。

この場合の種子８の落下は、一条螺旋では螺旋
ロール１，２が一回転すると、１粒落下し、二条
螺旋では螺旋ロール１，２が一回転すると、２粒
落下し、多条螺旋では螺旋ロール１，２が一回転
すると、多粒落下する。

したがって、モーターによる螺旋ロール１，２
の回転速度を、設計的に与えられた速度に調節し
ておくと、例えば、丁度下方を通過するポツトシ
ートの中心に、１粒ずつ落すことが可能になる。

又、圃場の場合は、例えば、10cmおきに、正確
に、１粒ずつの野菜の種子を落して欲しいという
要求が出されるが、この場合は、機体前進速度
と、螺旋ロール１，２の回転速度を完全に同期さ
せることにより、簡単にこれも可能になる。

（効果） すでに述べたように、本発明は例えば、ポツト
シート苗箱の各ポツト内に、確実に、所望数粒ず
つの種子を播種し得る播種装置としたもの、又、
例えば、移動機に取付られた播種装置で、野菜の
種子を、確実に、所望数粒ずつ点播して、播種
後、間引きなどを行なう必要が、全然ない播種装
置に係るものであり、外周面に送り螺旋溝３，４
を形成した左右一対の水平または傾斜軸心螺旋ロ
ール１，２を、互いの螺旋溝３，４が合致して嵌
合溝７を形成するように並設して前記螺旋ロール
１，２の間の上面に種子移動溝１４を形成し、前
記螺旋ロール１，２の下方には前記螺旋ロール
１，２の間隙を通して種子８を吸引することによ
り前記移動溝１４内の種子８を嵌合溝７内に吸着
させる吸引装置１９を設け、前記嵌合溝７は、種
子８が吸引装置１９で吸引されることにより長手
方向を直立させた状態で嵌合し、かつ、種子８が
長手方向を直立させた状態でも、下方には通り抜
けない大きさに形成した播種装置としたものであ
るから、 イ 嵌合溝７の下部に吸引装置１９を設け、下部
から、嵌合溝７内に吸着されるように種子を吸
引するから、種子は直立した状態で係合し、し
たがつて、芽出し種子の芽を傷めない。

ロ 嵌合溝７は、種子が下方に落下しない大きさ
に形成しているから、吸引装置１９によりかな
り強力に吸引されても種子は下方に吸い込まれ
ることがなく、したがつて、種子８は嵌合溝７
に整然と嵌り、かつ、吸着されたまま外れるこ
となく種子移動溝１４をイ方向に移動され、終
端部１５より１粒ずつ落下させうる。

ハ したがって、モーターによる螺旋ロール１，
２の回転速度を、設計的に与えられた速度にし
ておくと、例えば、丁度下方を通過するポツト
シートの中心に、１粒ずつ落すことが可能にな
る。

ニ 圃場の場合は、例えば、10cmおきに、正確
に、１粒ずつの野菜の種子を落して欲しいとい
う場合は、機体前進速度と、螺旋ロール１，２
の回転速度を完全に同期させることにより、簡
単に可能になる。

という効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部の斜視図、第２図は要部の平面
図、第３図は要部の縦断側面図、第４図は要部の
縦断側面図、第５図は要部の拡大図である。 符号の説明、１……左側の螺旋ロール、２……
右側の螺旋ロール、３……螺旋嵌合溝、４……螺
旋嵌合溝、５……山部、６……山部、７……嵌合
溝、８……種子、９……軸、１０……軸、１１…
…スプロケツト、１２……チエン、１３……始端
部、１４……種子移動溝、１５……終端部、１６
……地面、１７……回転ブラシ、１８……ブラ
シ、１９……吸引装置、２０……吸引ケース、２
１……側板、２２……吸引口、２３……接続部、
２４……前板、２５……後板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外周面に送り螺旋溝３，４を形成した左右一
   対の水平または傾斜軸心螺旋ロール１，２を、互
   いの螺旋溝３，４が合致して嵌合溝７を形成する
   ように並設して前記螺旋ロール１，２の間の上面
   に種子移動溝１４を形成し、前記螺旋ロール１，
   ２の下方には前記螺旋ロール１，２の間隙を通し
   て種子８を吸引することにより前記移動溝１４内
   の種子８を嵌合溝７内に吸着させる吸引装置１９
   を設け、前記嵌合溝７は、種子８が吸引装置１９
   で吸引されることにより長手方向を直立させた状
   態で嵌合し、かつ、種子８が長手方向を直立させ
   た状態でも、下方には通り抜けない大きさに形成
   した播種装置。