JPH0418803B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、例えば、ボール紙のような材料で製
造したポツトシート苗箱の各ポツト内に、確実に
所望数粒ずつ自動的に播種し得る播種装置とした
ものである。

また、本発明は、例えば、トラクターで圃場に
野菜の種子を、確実に所望数粒ずつ所定間隔で自
動的に播種し得る播種装置としたものである。

（従来技術） 従来、田植機用の土付苗は、バラ蒔土付苗か
ら、条播土付苗を使用するように進歩してきた。
そして、最近ではポツトシート苗といつて、紙材
料で形成されたポツトシート苗箱に、１枚ずつ蒔
いたポツトシート土付苗が出現している。この土
付苗は、従来のものに比べて、茎が太く丈夫であ
ることから、冷害に強い結果が確認されている。

（発明が解決しようとする課題） しかし、ポツトシート苗箱の小さい各ポツト
に、１粒ずつ、確実に蒔ける装置はこれまでなか
つたので、ポツトシート苗の作成は大変だつた。

また、従来の圃場における野菜の種子の播種
は、その後の間引きが大変であつた。

（課題を解決するための手段） 本発明は、外周面に種子１９を移送する螺旋溝
１７を形成した螺旋ロール１６を多数並設し、螺
旋ロール１６間に〓状の種子移動溝２０を形成
し、該移動溝２０の一方を始端部２１に他方を終
端部２２に形成し、螺旋ロール１６の下方に吸引
装置２５を設けたものにおいて、前記移動溝２０
の終端部２２に、種子１９の落下シユート３０を
設けた播種装置、および、前記螺旋ロール１６の
下側に吸引ケース２６を設け、吸引ケース２６の
側壁を合成樹脂壁３１とし、該合成樹脂壁３１に
種子１９の落下シユート３０を設けた播種装置、
および、前記落下シユート３０は、合成樹脂壁３
１面にコ状溝を形成し、該合成樹脂壁３１の外方
に設けた金属フレーム３７により前記コ状溝を包
囲してロの字状の形状に形成した播種装置とした
ものである。

（実施例） 実施例図により説明すると、１はポツトシート
苗箱４を嵌合させた収納ケース２を移送する水平
移送台であり、移送方向に長く形成し、所望の位
置に設けた支脚３により床上に載置する。収納ケ
ース２内にはポツトシート苗箱４を上方から嵌合
させて収納する。５はポツトシート苗箱４の各ポ
ツトである。ポツトシート苗箱４は、水溶性の紙
のような材料で形成され、縦横に多数のポツト５
を形成し、好適には左右方向に16個ぐらいのポツ
ト５が並設され、前後方向には34個ぐらいのポツ
ト５を並設している。

水平移送台１の供給側６の上方位置には、覆土
供給装置７を設ける。覆土供給装置７は、ホツパ
８と繰出ベルト９等により形成され、ポツトシー
ト苗箱４のポツト５内に覆土１０を供給する。１
１はポツトシート苗箱４を収納ケース２内に押圧
するフリーローラである。フリーローラ１１の移
送方向側には、播種装置１２を設ける。

播種装置１２は、種籾供給ホツパ１３、前後に
並設したロール群Ａ，Ｂ等により形成される点播
装置１４，１５より形成される。前記ロール群
Ａ，Ｂの各螺旋ロール１６は、その外周面に、矢
印イの方向に進む螺旋溝１７を形成する。

螺旋溝１７は、一条螺旋でも多条螺旋でも差し
支えなく、実験結果では三条螺旋が好適であつ
た。１８は螺旋ロール１６の螺旋山部である。隣
接する螺旋ロール１６，１６は、上方からみる
と、僅かの狭〓をもつて、山部１８と山部１８
と、螺旋溝１７と螺旋溝１７とがそれぞれ合致し
た状態で回転し、かつ、螺旋ロール１６の軸心方
向と収納ケース２の移送方向とが平行になるよう
に並設される。１９は種子である。

前側ロール群Ａに続いて同様に形成した後側ロ
ール群Ｂを近接して設け、前記ロール群Ａ，Ｂ
は、並設された螺旋ロール１６と螺旋ロール１６
との間の狭〓の上面に、〓状の種子移動溝２０を
それぞれ形成する。螺旋ロール１６の本数は、種
子移動溝２０の数が、螺旋ロール１６の下方を通
過するポツトシート苗箱４のポツト５の数の1/2
になるようにし、本実施例では、ポツトシート苗
箱４のポツト５の数が16個であるから、種子移動
溝２０の数は「８」となり、したがつて、螺旋ロ
ール１６の本数は９本となる。

しかして、前記ロール群Ａ，Ｂの各種種子移動
溝２０は、各螺旋ロール１６の下方を通過するポ
ツトシート苗箱４の一列置きのポツト５の位置の
真上になるように、互いの種子移動溝２０の位置
をポツト５の１個分の幅だけ左右方向にずれるよ
うに、前側ロール群Ａの各螺旋ロール１６と後側
ロール群Ｂの各螺旋ロール１６を移送台１に設け
る。種子移動溝２０の最低部には、前記螺旋ロー
ル１６の螺旋溝１７，１７により種子嵌合溝を形
成する。

前記ロール群Ａ，Ｂの各螺旋ロール１６間の種
子移動溝２０は、一端を始端部２１に、他端を終
端部２２に形成する。前記螺旋ロール１６はその
中心に軸２４′が挿通しており、該軸２４′の一方
の突出部２４は吸引装置２５の外壁である薄鉄板
製の側壁２５′に軸着され、該軸２４′の他方の突
出部２８は金属フレーム３７に軸着される。突出
部２８は前端大径部２７と、前端中径部２８′と、
前端小径部２９を有する。

前記種子移動溝２０の終端部２２には、落下シ
ユート３０を設ける。該シユート３０は合成樹脂
壁３１で形成し、合成樹脂壁３１は前記吸引ケー
ス２６の終端部２２側の側壁３２の外面に取付け
る。合成樹脂壁３１の内側の上端部３３は、螺旋
ロール１６のロール部２３の下面の形状に合致さ
せた半円弧状の形状に形成し、ロール部２３の先
端が近接して回転する。前記上端部３３は、前記
吸引装置２５の吸引風が洩れないようにするため
のものである。

合成樹脂壁３１の外方には係合部３４を形成
し、係合部３４には螺旋ロール１６の前端大径部
２７を係合させるように、前端大径部２７の形状
に合致させた半円弧状に形成する。係合部３４の
左右両側部３５に種子落下口３６を形成し、種子
落下口３６の下方に合成樹脂壁３１の外面にコ状
溝の落下シユート３０を形成する。落下シユート
３０は合成樹脂壁３１の外方を金属フレーム３７
により包囲してロの字状の形状に形成し、落下シ
ユート３０の溝底は半円弧状に切欠いて形成す
る。落下シユート３０は多数並設した螺旋ロール
１６の本数と同数並設して一体的に形成する。し
たがつて、落下シユート３０は種子移動溝２０と
同数形成される。

落下シユート３０の下端部５４は、ポツトシー
ト苗箱４のポツト５の真上に位置し、ポツト５の
上面すれすれの高さに形成する。また、トラクタ
ーに使用する場合は圃場の泥土すれすれの高さに
形成する。しかして、合成樹脂壁３１は着脱自
在、もしくは、伸縮自在に形成し、落下シユート
３０の下端部５４をポツトシート苗箱のポツトの
上面、圃場の泥土の高さに、高さ調節自在に形成
することもある。

前記金属フレーム３７には螺旋ロール１６の前
端中径部２８′を軸止し、前端小径部２９は吸引
ケース２６より突出させてスプロケツト３８が取
付けられ、各スプロケツト３８にはチエン３９を
巻回して、各螺旋ロール１６を同方向に回転させ
る。

螺旋ロール１６は始端部２１が低くｈに、終端
部２２を高くＨ形成し、側方からみると、その軸
心方向が、両端が高くなるように設け、低い始端
部２１側を種子供給側として、前記ロール群Ａ，
Ｂの始端部２１の上方に種籾供給ホツパ１４の各
落下口４０を開口させる。

各螺旋ロール１６の下方に設けた前記吸引装置
２５の、吸引ケース２６の左右側のいずれか一方
の側板４１に吸引口４２を開口させる。吸引口４
２の外側には図示していない吸引機のホースを接
続する。吸引装置２５は前記種子移動溝２０を上
から下へ吸引風が吹抜けるようにし、種子移動溝
２０を移動する種子１９を下方に吸引して種子が
直立して種子移動溝２０の前記嵌合溝に吸着され
るようにする。

並設した螺旋ロール１６の始端部２１と終端部
２２との間で、種子移動溝２０の上方位置には、
始端部２１より終端部２２に向けて種子移動溝２
０を移動する種子を均す回転ブラシ４３を設け
る。回転ブラシ４３は、モータにより、始端部２
１側に種子を掃き戻すように回転させる。

４４は地面、５５は回転ブラシ４３の外方に設
けた種子受箱であり、芒のある種子を回転ブラシ
４３の先端に付着させ共回りさせて排除するため
のものであり、５６は回転ブラシ４３の高さを調
節する調節ネジ、５７は回転ブラシ４３を取付け
支持する回動アーム、５８は回転ブラシ４３の軸
端に固定したプーリ、５９は駆動軸５９′に固定
したプーリ、６０は回転軸で、先端にスプロケツ
ト６１を固着し、前記チエン３９を掛け回して螺
旋ロール１６を回転させる。

前記螺旋ロール１６の始端部２１側の上面には
ガイド４５を設ける。ガイド４５は種子移動溝２
０から隣接する種子移動溝２０に、螺旋ロール１
６の回転により種子が移動しないようにするため
のもので、合成樹脂により形成し、螺旋ロール１
６の回転上昇側の上面を覆うように形成する。ガ
イド４５の下面は、螺旋ロール１６の上面に合致
させて半円弧状に形成し、螺旋ロール１６の上面
すれすれに僅かな間〓を有して多数本並設し、そ
の基部を横杆４６に固着して一体的に形成し、該
横杆４６を前記吸引ケース２６に取付ける。

播種装置の移送方向の前方にはモータ４７が設
けられ、モータ４７の前方には床土供給装置４８
が設けられる。床土供給装置４８はホツパ４９と
繰出ベルト５０と土供給量調節装置５１等により
形成される。

水平移送台１には収納ケース２を移動させる案
内ロール５２を複数設ける。案内ロール５２はチ
エン５３によりモータ４７と連結される。なお、
前記案内ロール５２に変えて案内ベルトとしても
よい。

（作用） 次に作用を述べる。

水平移送台１の供給側６にポツトシート苗箱４
を嵌合した収納ケース２を載置すると案内ロール
５２により移送され、覆土供給装置７の下方では
ポツトシート苗箱４のポツト５内に覆土１０が供
給され、更に前進して、播種装置１２の下方に至
る。

該播種装置１２の各螺旋ロール１６の互いの螺
旋溝１７、山部１８は、それぞれ左右一致した状
態で回転し、各螺旋ロール１６，１６の間の上面
には、それぞれ種子移動溝２０が形成され、種子
移動溝２０の底には左右の螺旋溝１７が合わさつ
た嵌合溝が形成される。そして、螺旋ロール１６
の軸２４′に取付けられたスプロケツト３８をチ
エン３９により回転させると、各螺旋ロール１６
は、同時に左回転（または右回転）するから、該
種子移動溝２０の嵌合溝は一致した状態で矢印イ
の方向に進行する。

しかして、収納ケース２が播種装置１２の下方
に差し掛かると最初は前側点播装置１４によりポ
ツトシート苗箱４の左右方向の奇数箇所のポツト
５内に種子２０を供給し、収納ケース２が点播装
置１５の下方に進むと偶数箇所のポツト５内への
種子２０の供給が行なわれる。

しかして、螺旋ロール１６の下方には吸引装置
２５が設けられ、該装置２５の吸引口４２から空
気を吸引すると、種子移動溝２０の嵌合溝を通し
て上から下へ吸引風が吹抜け、種子移動溝２０を
移動する種子１９を下方に吸引するから、種子２
０は嵌合溝に直立した状態で嵌り、かつ、嵌つた
まま外れることなく種子移動溝２０をイ方向に移
動する。

種子移動溝２０の終端部２２まで移動した種子
は、種子落下口３６より、一粒ずつ落下し、種子
落下口３６の下方の落下シユート３０内を移動し
て、落下シユート３０の下端部５４はポツトシー
ト苗箱４のポツト５の真上に形成しているから、
案内ロール５２により丁度下方を通過するポツト
シート苗箱４のポツト５の中心に、一粒ずつ種子
１９を落下させる。

ホツパから種子移動溝２０に種子を供給する
と、螺旋ロール１６の回転により、隣接する種子
移動溝２０に種子が移動してしまうが、多数本並
設した各螺旋ロール１６の上面に並設したガイド
４５を形成し、壁となつているから、種子は隣接
する種子移動溝２０には移動せず、各種子移動溝
２０均等に種子が供給されることになる。

回転ブラシ４３は、余分な種子を（嵌合溝１９
に嵌つていない種子）始端部２１側に掃き出すよ
うに回転しているから、回転ブラシ４３の回転に
より始端部２１側に掃き戻される。

この場合の種子２０の落下は、一条螺旋では各
螺旋ロール１６が一回転すると、１粒落下し、二
条螺旋では各螺旋ロール１６が一回転すると、２
粒落下し、多条螺旋では各螺旋ロール１６が一回
転すると、多粒落下する。

したがつて、モータによる各螺旋ロール１６の
回転速度を、設計的に与えられた速度に調節して
おくと、例えば、丁度下方を通過するポツトシー
ト苗箱４のポツト５の中心に、１粒ずつ落すこと
が可能になる。

しかして、収納ケース２が案内ロール５２によ
りさらに前進して、床土供給装置４８により床土
が供給され、播種が完了する。

（効果） 本発明は、外周面に種子１９を移送する螺旋溝
１７を形成した螺旋ロール１６を多数並設し、螺
旋ロール１６間に〓状の種子移動溝２０を形成
し、該移動溝２０の一方を始端部２１に他方を終
端部２２に形成し、螺旋ロール１６の下方に吸引
装置２５を設けたものにおいて、前記移動溝２０
の終端部２２に、種子１９の落下シユート３０を
設けた播種装置、および、前記螺旋ロール１６の
下側に吸引ケース２６を設け、吸引ケース２６の
側壁を合成樹脂壁３１とし、該合成樹脂壁３１に
種子１９の落下シユート３０を設けた播種装置、
および、前記落下シユート３０は、合成樹脂壁３
１面にコ状溝を形成し、該合成樹脂壁３１の外方
に設けた金属フレーム３７により前記コ状溝を包
囲してロの字状の形状に形成した播種装置とした
から、 イ 小さいポツトに、一粒ずつ確実に種子が落下
する。

ロ 種子落下口３６の下方に落下シユート３０を
設けたから、種子１９を正確に誘導できる。

ハ 落下シユート３０は、合成樹脂壁３１面にコ
状溝を形成し、該合成樹脂壁３１の外方に設け
た金属フレーム３７により前記コ状溝を包囲し
てロの字状の形状に形成しているから、合成樹
脂壁３１を金属フレーム３７に取付けるだけ
で、各落下シユート３０を簡単に形成すること
ができ、各落下シユート３０の間隔も合成樹脂
壁３１の樹脂成形するだけで正確にすることが
できる。

という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の縦断側面図、第２図は播種装置
の斜視図、第３図は播種装置の縦断側面図、第４
図は落下シユートの斜視図、第５図は落下シユー
トの平面図、第６図は落下シユートの背面図であ
る。 符号の説明、１……水平移送台、２……収納ケ
ース、３……支脚、４……ポツトシート苗箱、５
……ポツト、６……供給側、７……覆土供給装置
７、８……ホツパ、９……繰出ベルト、１０……
覆土、１１……フリーローラ、１２……播種装
置、１３……種籾供給ホツパ、１４……前側の点
播装置、１５……後側の点播装置、１６……螺旋
ロール、１７……螺旋溝、１８……螺旋山部、１
９……種子、２０……種子移動溝、２１……始端
部、２２……終端部、２３……ロール部、２４…
…突出部、２４′……軸、２５……吸引装置、２
５′……側壁、２６……吸引ケース、２７……前
端大径部、２８……突出部、２８′……前端中径
部、２９……前端小径部、３０……落下シユー
ト、３１……合成樹脂壁、３２……側壁、３３…
…上端部、３４……係合部、３５……左右両側
部、３６……種子落下口、３７……金属フレー
ム、３８……スプロケツト、３９……チエン、４
０……落下口、４１……側板、４２……吸引口、
４３……回転ブラシ、４４……地面、４５……ガ
イド、４６……横杆、４７……モータ、４８……
床土供給装置、４９……ホツパ、５０……繰出ベ
ルト、５１……土供給量調節装置、５２……案内
ロール、５３……チエン、５４……下端部、５５
……種子受箱、５６……調節ネジ、５７……回動
アーム、５８……プーリ、５９……プーリ、５
９′……駆動軸、６０……回転軸、６１……スプ
ロケツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外周面に種子１９を移送する螺旋溝１７を形
   成した螺旋ロール１６を多数並設し、螺旋ロール
   １６間に〓状の種子移動溝２０を形成し、該移動
   溝２０の一方を始端部２１に他方を終端部２２に
   形成し、螺旋ロール１６の下方に吸引装置２５を
   設けたものにおいて、前記移動溝２０の終端部２
   ２に、種子１９の落下シユート３０を設けた播種
   装置。 ２ 特許請求の範囲第１項のものにおいて、前記
   螺旋ロール１６の下側に吸引ケース２６を設け、
   吸引ケース２６の側壁を合成樹脂壁３１とし、該
   合成樹脂壁３１に種子１９の落下シユート３０を
   設けた播種装置。 ３ 特許請求の範囲第１項のものにおいて、前記
   落下シユート３０は、合成樹脂壁３１面にコ状溝
   を形成し、該合成樹脂壁３１の外方に設けた金属
   フレーム３７により前記コ状溝を包囲してロの字
   状の形状に形成した播種装置。