JPH0368643B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば、ペーパーポツト苗箱の各ポ
ツト内に、確実に、所望数粒ずつの種子を自動的
に播種し得る播種装置としたものである。

また、本発明は、例えば、トラクターで野菜の
種子を、確実に、所望数粒ずつ自動的に播種し得
る播種装置としたものである。

従来、田植機用の土付苗は、バラ蒔きした土付
苗から、条播した土付苗を使用するように進歩し
てきた。そして、最近ではペーパーポツト苗とい
つて、紙材料で形成されたペーパーポツトに、１
粒ずつ蒔いた土付苗が出現している。

この土付苗は、従来のものに比べて、生育が茎
が太く丈夫であるところから、冷害に強い結果が
確認されている。したがつて、かなり普及してい
るが、小さいポツトに、１枚ずつ、確実に、蒔け
る装置はこれまでなかつたので、ペーパーポツト
苗の作成は大変だつた。

また、圃場における野菜の種子の播種は、間引
きが大変であつた。

本発明は、この点を解決し、特殊な螺旋ロール
を用いて正確な播種をなすようにし、この場合、
螺旋ロール間に形成される播種溝より種子が移動
しないようにガイドを設け、また、ガイドは一部
で連結して取付け容易とし、また、前記ガイドは
合成樹脂で製造して製造容易にしたものであり、
外周面に螺旋溝１７を形成した螺旋ロール１６を
多数並設して該螺旋ロール１６間にγ状の種子移
動溝２１を形成し、該移動溝２１の一方を始端部
２２に他方を終端部２３に形成して始端部２２に
種子２０を供給し終端部２３より落下させて播種
するように構成したものにおいて、前記移動溝２
１の始端部２２の上面には、種子２０が隣の種子
移動溝２１に横移動することを防止するガイド３
６を設けた播種装置、および、前記ガイド３６
は、主として螺旋ロール１６の回転上昇側３９を
被覆するように設けた播種装置、および、前記ガ
イド３６は隣接する各種子移動溝２１のそれぞれ
の全部に設け、各ガイド３６は一部で連結して一
体的の一個の部材とした播種装置、および、前記
ガイド３６は合成樹脂により形成した播種装置と
したものである。

実施例図により説明すると、１は収納ケース２
の水平移送台で、移送方向に長く形成され、所望
の位置に設けた支脚３により床上に支持される。
収納ケース２内にはペーパーポツト苗箱４が収納
される。５はペーパーポツト苗箱４のポツトであ
る。ペーパーポツト苗箱４は、水溶性の紙のよう
な材料で形成されているもので、多数のポツト５
を形成している。好適には左右方向に16個ぐらい
のポツト５が並設され、前後方向には34個ぐらい
のポツト５が並設されている。

水平移送台１の供給側６に寄すた上方位置に
は、覆土供給装置７が設けられる。覆土供給装置
７は、ホツパー８と繰出ベルト９等とにより形成
され、ペーパーポツト苗箱４のポツト５内に覆土
１０を供給する。１１はペーパーポツト苗箱４を
収納ケース２内に押圧するフリーローラーであ
る。フリーローラー１１の移送方向側には、播種
装置１２を設ける。

播種装置１２は、種籾供給ホツパー１３、前記
ロール群Ａ、Ｂ等を有する点播装置１４，１５よ
り形成される。前記ロール群Ａ、Ｂの各螺旋ロー
ル１６は、その外周面に、矢印イの方向に進む螺
旋溝１７を形成する。

螺旋溝１７は、一条螺旋でも多条螺旋でも差し
支えなく、実験結果では三条螺旋が好適であつ
た。螺旋ロール１６は、終始同一直径に形成す
る。１８は螺旋ロール１６の螺旋山部である。

隣接する螺旋ロール１６，１６は、上方からみ
ると、それぞれの螺旋ロール１６，１６が僅かの
狭隙をもつて、山部１８と山部１８、螺旋溝１７
と螺旋溝１７が合致した状態で回転し、かつ、螺
旋ロール１６の軸心方向と収納ケース２の移送方
向とが平行になるように並設される。並設された
各螺旋ロール１６の互いの螺旋溝１７は、左右側
から合わさつて一つの嵌合溝１９を形成するが、
嵌合溝１９の大きさは、種子２０よりは小さく形
成する。

前側ロール群Ａに続いて同様に形成した後側ロ
ール群Ｂを近接して設け、前記ロール群Ａ、Ｂ
は、並設された螺旋ロール１６と螺旋ロール１６
との間の狭隙の上面に、γ状の種子移動溝２１を
それぞれ形成する。すなわち、螺旋ロール１６
は、その軸心方向に対して左右方向に複数本並設
されるが、螺旋ロール１６の本数は、種子移動溝
２１の数が、螺旋ロール１６の下方を通過するペ
ーパーポツト苗箱４のポツト５の数の1/2になる
ようにする。例えば、本実施例では、ペーパーポ
ツト苗箱４のポツト５の横の数が16個であるか
ら、種子移動溝２１の数は「８」となり、したが
つて、螺旋ロール１６の本数は９本となる。

しかして、前記ロール群Ａ、Ｂの各種子移動溝
２１は、各螺旋ロール１６の下方を通過するペー
パーポツト苗箱４の一列置きのポツト５の位置の
真上になるように設ける。すなわち、前側ロール
群Ａではペーパーポツト苗箱４の左右側の奇数場
所に、後側ロールＢはペーパーポツト苗箱４の左
右側の偶数場所にそれぞれ播種できるように、前
記ロール群Ａ、Ｂは、互いの種子移動溝２１の位
置をポツト５の１個分の幅だけ左右方向に、前側
ロール群Ａの各螺旋ロール１６と後側ロール群Ｂ
の各螺旋ロール１６の位置がずれるようにして、
水平移送台１に設ける。

前記ロール群Ａ、Ｂの各螺旋ロール１６は、始
端部２２が低くｈに、種子が落下する終端部２３
を高くＨ形成し、側方からみると、その軸心方向
が、両端が高くなるように設け、低い始端部２２
を種子供給側として、前記ロール群Ａ、Ｂの始端
部２２の上方に種籾供給ホツパー１４の各落下口
２４を開口させる。

並設した螺旋ロール１６の始端部２２と終端部
２３との間で、種子移動溝２１の上方位置には、
始端部２２より終端部２３に向けて種子移動溝２
１を移動する種子を均す回転ブラシ２５を設け
る。回転ブラシ２５は、モーターにより、始端部
２２側に種子を掃き戻すように回転させる。

前記各螺旋ロール１６は吸引装置２６に取付け
る。吸引装置２６は、その吸引ケース２７に前記
螺旋ロール１６の中間軸部２８と後端部２９を軸
着して架設し、吸引ケース２７の左右側のいずれ
か一方の側板３０に吸引口３１を開口させて形成
する。吸引口３１の外側には図示していない吸引
機のホースを接続する。吸引装置２６は前記嵌合
溝１９を上から下へ吸引風が吹抜けるようにし
て、種子移動溝２１を移動する種子を下方に吸引
して種子が直立して嵌合溝１９に吸着されるよう
にするものである。

３２は吸引ケース２７より突出した螺旋ロール
１６の先端軸部であり、螺旋ロール１６の先端軸
部３２にはスプロケツト３３が取付けられ、各ス
プロケツト３３にはチエン３４を巻回して、各螺
旋ロール１６を同方向に回転させる。３５は地面
である。

前記螺旋ロール１６の始端部２２側の上面には
ガイド３６を設ける。ガイド３６は種子移動溝２
１から種子が飛ださないようにするためのもの
で、螺旋ロール１６の回転上昇側３９側を覆う傾
斜面３７と、回転下降側５０を覆う傾斜面３８の
二面を有し、回転上昇側３９を覆う傾斜面３７
は、回転上昇側３９の殆ど全部を覆うように幅を
広くし、かつ移動方向にも長く形成し、もつて、
種子２０と回転上昇側３９とは殆ど接触しないよ
うにする。回転下降側５０を覆う傾斜面３８は、
回転下降側５０を略半分ほど覆う状態に形成し種
子２０を種子移動溝２１に誘導する。ガイド３６
の下面は、螺旋ロール１６の上面に合致させて半
円弧状に形成し、螺旋ロール１６の上面すれすれ
に僅かな間隙を有して形成する。ガイド３６の先
端部４０は略45゜に傾斜αさせてブラシ２５の先
端軌跡に合致させて該先端部４０を回転ブラシ２
５の下方まで突出させて形成する。ガイド３６
は、合成樹脂により形成し、多数本並設した各螺
旋ロール１６の上面に並設し、その基部を横杆４
１に固着して一体的に形成し、該横杆４１を前記
吸引ケース２７に取付ける。

４２は螺旋ロール１６の終端部２３の下方に設
けた種子落下口である。

播種装置の前方にはモーター４３が設けられ、
モーター４３の下手側には床土供給装置４４が設
けられる。床土供給装置４４はホツパー４５と繰
出ベルト４６と土供給量調節装置４７等により形
成される。

水平移送台１には収納ケース２を移動させる案
内ロール４８を複数設ける。案内ロール４８はチ
エン４９によりモーター４３と連結され等速回転
させる。なお、前記案内ロール４８は案内ベルト
により形成してもよい。

次に作用を述べる。

水平移送台１の供給側６にペーパーポツト苗箱
４を嵌合した収納ケース２を載置すると案内ロー
ル４８により移送され、覆土供給装置７の下方で
ペーパーポツト苗箱４のポツト５内に覆土１０が
供給され、更に前進して、播種装置１２の下方に
至る。

並設された各螺旋ロール１６の互いの螺旋溝１
７、山部１８は、それぞれ左右一致した状態で回
転し、各螺旋ロール１６，１６の間の上面には、
それぞれ種子移動溝２１が形成され、種子移動溝
２１の底には螺旋溝１７と螺旋溝１７の二つが合
わさつた嵌合溝１９が形成される。そして、螺旋
ロール１６の先端軸部３２に取付けられたスプロ
ケツト３３をチエン３４より回転させると、各螺
旋ロール１６は、同時に左回転（または右回転）
するから、該種子移動溝２１の嵌合溝１９は一致
した状態で矢印イの方向に進行する。しかして、
収納ケース２が播種装置１２の下方に差し掛かる
と最初は点播装置１４によりペーパーポツト苗箱
４の左右方向の奇数箇所のポツト５内に種子２０
を供給し、点播装置１４では左右方向の偶数箇所
のポツト５内に種子２０を供給しない。そして、
収納ケース２が点播装置１５の下方に進むと偶数
箇所のポツト５内への種子２０の供給が行なわれ
る。

しかして、螺旋ロール１６の下方には吸引装置
２６が設けられ、該装置２６の吸引口３１から空
気を吸引すると、嵌合溝１９を通して上から下へ
吸引風が吹抜け、種子移動溝２１を移動する種子
を下方に吸引するから、種子２０は嵌合溝１９に
直立した状態で嵌り、かつ、嵌つたまま外れるこ
となく種子移動溝２１をイ方向に移動し、種子落
下口４２より、ペーパーポツト苗箱４のポツト５
内に一粒ずつ落下する。

このとき、ホツパーから種子移動溝２１に種子
を供給すると、螺旋ロール１６の回転により、隣
接する種子移動溝２１に種子が移動してしまう
が、前記螺旋ロール１６の始端部２２側の上面に
は、螺旋ロール１６の回転上昇側３９の傾斜面３
７を幅広く被覆し、かつ移動方向に長く被覆する
ガイド３６を形成してあるので、ガイド３６が案
内となつて、種子は隣接する種子移動溝２１の方
向には移動せず、各種子移動溝２１内で均等に移
動を開始する。

回転ブラシ２５は、余分な種子を（嵌合溝１９
に嵌つていない種子）始端部２２側に掃き出すよ
うに回転しているから、回転ブラシ２５の回転に
より始端部２２側に掃き戻される。

この場合の種子２０の落下は、一条螺旋では各
螺旋ロール１６が一回転すると、１粒落下し、二
条螺旋では各螺旋ロール１６が一回転すると、２
粒落下し、多条螺旋では各螺旋ロール１６が一回
転すると、多粒落下する。

したがつて、モーターによる各螺旋ロール１６
の回転速度を、設計的に与えられた速度に調節し
ておくと、例えば、丁度下方を通過するペーパー
ポツト苗箱４のポツト５の中心に、１粒ずつ落す
ことが可能になる。

しかして、収納ケース２が案内ロール４８によ
りさらに前進すると、床土供給装置４４により床
土が供給され、播種が完了する。

すでに述べたように、田植機用の土付苗は、バ
ラ蒔きした土付苗から、条播した土付苗を使用す
るように進歩してきた。そして、最近ではペーパ
ーポツト苗といつて、紙材料で形成されたペーパ
ーポツトに、１粒ずつ蒔いた土付苗が出現してい
る。この土付苗は、従来のものに比べて、生育が
２，３日は早くなることから、冷害に強い結果が
確認されている。したがつて、かなり普及してい
るが、小さいポツトに、１粒ずつ、確実に、蒔け
る装置はこれまでなかつたので、ペーパーポツト
苗の作成は大変だつた。

しかるに、本発明は、この点を解決したもの
で、外周面に螺旋溝１７を形成した螺旋ロール１
６を多数並設して該螺旋ロール１６間にγ状の種
子移動溝２１を形成し、該移動溝２１の一方を始
端部２２に他方を終端部２３に形成して始端部２
２に種子２０を供給し終端部２３より落下させて
播種するように構成したものにおいて、前記移動
溝２１の始端部２２の上面には、種子２０が隣の
種子移動溝２１に横移動することを防止するガイ
ド３６を設けた播種装置、および、前記ガイド３
６は、主として螺旋ロール１６の回転上昇側３９
を被覆するように設けた播種装置、および、前記
ガイド３６は隣接する各種子移動溝２１のそれぞ
れの全部に設け、各ガイド３６は一部で連結して
一体的の一個の部材とした播種装置、および、前
記ガイド３６は合成樹脂により形成した播種装置
としたものであるから、ガイド３６が壁となつ
て、種子は隣接する種子移動溝２１に移動せず、
各種子移動溝２１に均等に種子が供給されるか
ら、１粒ずつ、確実に、ペーパーポツト苗箱の小
さいポツトに自動的に種籾を播種でき、ペーパー
ポツト苗の作成が容易になる効果を奏する。ま
た、前記ガイド３６は主として螺旋ロール１６の
回転上昇側３９を被覆するように設けたので、始
端部２２に供給された種子２０に対して、種子移
動溝２１の最低部に種子を案内するように作用す
るから、一層作用が顕著になる。隣接する種子移
動溝２１の全部に取付け、各ガイド３６は一部で
連結して一個の部材としたから、取付けが容易で
ある。また、前記ガイド３６は、合成樹脂で製造
したから、製造が容易になるという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の縦断側面図、第２図は要部斜視
図、第３図は要部平面図、第４図は要部縦断側面
図、第５図は要部平面図、第６図は要部縦断背面
図、第７図はガイドの側面図である。 符号の説明、１…水平移送台、２…収納ケー
ス、３…支脚、４…ペーパーポツト苗箱、５…ポ
ツト、６…供給側、７…覆土供給装置、８…ホツ
パー、９…繰出ベルト、１０…覆土、１１…フリ
ーローラー、１２…播種装置、１３…種籾供給ホ
ツパー、１４…前側の点播装置、１５…後側の点
播装置、１６…螺旋ロール、１７…螺旋溝、１８
…螺旋山部、１９…嵌合溝、２０…種子、２１…
種子移動溝、２２…始端部、２３…終端部、２４
…落下口、２５…回転ブラシ、２６…吸引装置、
２７…吸引ケース、２８…中間軸部、２９…後端
部、３０…側板、３１…吸引口、３２…先端軸
部、３３…スプロケツト、３４…チエン、３５…
地面、３６…ガイド、３７，３８…傾斜面、３９
…回転上昇側、４０…先端部、４１…横杆、４２
…種子落下口、４３…モーター、４４…床土供給
装置、４５…ホツパー、４６…繰出ベルト、４７
…土供給量調節装置、４８…案内ロール、４９…
チエン、５０…回転下降側。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外周面に螺旋溝１７を形成した螺旋ロール１
   ６を多数並設して該螺旋ロール１６間にγ状の種
   子移動溝２１を形成し、該移動溝２１の一方を始
   端部２２に他方を終端部２３に形成して始端部２
   ２に種子２０を供給し終端部２３より落下させて
   播種するように構成したものにおいて、前記移動
   溝２１の始端部２２の上面には、種子２０が隣の
   種子移動溝２１に横移動することを防止するガイ
   ド３６を設けた播種装置。 ２ 特許請求の範囲第１項のものにおいて、前記
   ガイド３６は、主として螺旋ロール１６の回転上
   昇側３９を被覆するように設けた播種装置。 ３ 特許請求の範囲第１項のものにおいて、前記
   ガイド３６は隣接する各種子移動溝２１のそれぞ
   れの全部に設け、各ガイド３６は一部で連結して
   一体的の一個の部材とした播種装置。 ４ 特許請求の範囲第１項のものにおいて、前記
   ガイド３６は隣接する各種子移動溝２１のそれぞ
   れの全部に設け、各ガイド３６は一部で連結して
   一体的の一個の部材とし、かつ、前記ガイド３６
   は合成樹脂により形成した播種装置。