JPH0142269Y2

JPH0142269Y2 -

Info

Publication number: JPH0142269Y2
Application number: JP1980049762U
Authority: JP
Priority date: 1980-04-11
Filing date: 1980-04-11
Publication date: 1989-12-12
Also published as: JPS56150031U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、操作時間に遅れを生せず、且つ、設
置面積が大きくならないしや断器に関するもので
ある。

従来のしや断器、特に、ガス絶縁変電所等に用
いられるしや断器は、例えば、添付図面第１図及
び第２図に示すような構造を有していた。すなわ
ち、図において、符号１はＡ相の、２はＢ相の、
３はＣ相のしや断器であり、それぞれのしや断器
１，２，３は、しや断装置４と、これが収納され
ると共に絶縁ガス封入されたタンク５と、しや断
器を操作する操作機構６と、これを収納すると共
にタンク５を支持して接地させているハウジング
７とから構成されており、しや断装置４は、消弧
室８を有する可動接触子９と、可動接触子９が移
動接触して電路を閉じる、導体１０に結合されて
いる固定接触子１１と、可動接触子９に接触しゆ
う動して電路を形成している導体１０′と、導体
１０′をタンク５から絶縁すると共に支承する絶
縁支持筒１２と、可動接触子９に結合してこれを
移動させて開動作、閉動作を行なわさせる絶縁ロ
ツド１３と、絶縁ロツド１３にタンク５内に設け
られたレバー１４を介して作動を伝達する、タン
ク５を貫通した軸１５と、軸１５を回動させる、
操作機構６に連結のタンク５外に配置されたレバ
ー１６とから構成されている。

なお、軸１５と、軸１５のタンク５の貫通部と
の間には、消弧室８が内蔵され、絶縁ガスが封入
されているタンク５を、操作機構６のある大気中
から気密にするための密封装置である回転シール
１７が設けられている。

従来装置はこのように構成されているために、
レバー１６を操作機構６によつて作動させ、この
作動力をレバー１４に伝達する際には、軸１５に
ねじり応力が発生し、従つて、軸１５が大きなね
じり剛性を持たない限り、軸１５はねじれ、その
結果、操作機構６の作動に対して、絶縁ロツド１
３すなわち可動接触子９の作動が遅れ、従つて、
開極時間の短縮や消弧能力に重大な影響を与える
という欠点を有している。これは、ねじりによる
力の伝達が、引張り構造における場合に比べて、
発生するたわみが大きいことにより遅れるもので
あつて、コイルばね、トーシヨンバーに例をとる
までもなく、明らかなところである。

更に、軸１５のタンク貫通部には回転シール１
７が必須であり、また、そのために、レバー１６
は消弧室８の中心より大きくずれ、従つて、操作
機構６をしや断器の中心線近くに配置することが
困難となり、操作機構６がタンク５よりはみ出
し、その結果、ハウジング７の幅が大きくなつ
て、各相しや断器１，２，３の相間間隔も小さく
することが困難となり、従つて、しや断器の設置
占有面積が大きくなるようになる。特に、ガス絶
縁変電所のような場合、他の断路器等の機器の相
間間隔にも影響を及ぼし、全体として大きな設置
占有面積が必要となり、所要用地費及び製造費の
面においても、きわめて不経済となる欠点を、併
せて有していた。

本考案はこのような従来の欠点を除去したしや
断器を得ることを、その目的とするものであつ
て、そのために、操作機構と可動接触子との間の
作動伝達系の軸部が、タンクを貫通する部分にお
いて、そこに設けられた軸動シールを貫通して軸
方向にしゆう動すると共に、このしゆう動方向が
可動接触子の移動方向及び操作機構の出力軸の移
動方向とほぼ同一平面内にあることを特徴とする
ものである。

以下、本考案をその実施例を示す添付図面に基
づいて説明する。

まず、第１実施例を示す第３図及び第４図にお
いて、消弧室８が形成されている可動接触子９に
連結された絶縁ロツド２０の下端には軸部２１が
設けられており、この軸部２１がタンク５の下部
のフランジ部を貫通すると共に、フランジ部との
間に、タンク５とハウジング７との間を気密に保
つ密封装置である軸動シール２２が設けられてお
り、また、軸部２１の下端は、ハウジング７内に
設けられた操作機構６の出力軸２３に連結された
レバー２４にピン止めされている。もちろん、ピ
ン止めの機構は、公知の、例えば、ピンと長穴と
の組合わせ等により、軸部２１が真直に上下動す
るようにされている。なお、軸部２１と出力軸２
３、又はこれに結合の軸部２５との連結は他の公
知のいかなる手段でもよい。このようにして、軸
部２１のタンク貫通部、すなわち、軸動シール２
２は可動接触子９の移動方向と同心にされてい
る。

このように、本考案においては、密封装置を、
機能的、効率的に遥かに回動シールよりもすぐれ
た軸動シールとすることができ、且つ、操作装置
６から可動接触子９に至る作動力伝達経路中、す
べて引張り及び圧縮応力のみで、ねじり応力を生
じさせないようにしたために、作動の遅れを生ず
ることもなく、更に、操作装置６を導体１０，１
０′の方向に設け、しかも、消弧室８の中心線上
に設けることができたために、第４図に示すよう
に、ハウジング７をタンク５の幅内に納めること
ができ、従つて、相間間隔も小さくすることがで
き、加えて、タンク内にある軸部２１以外の作動
伝達系は全てハウジング内に設けられているの
で、従来タンク内に設けられていたレバー１４等
が必要なくなり操作機構の構造も簡単となる。そ
の結果、開極、閉極作動に遅れも生じず、しか
も、用地費、製造費の低い操作機構の保守の容易
なしや断器が得られる効果を有している。

本考案におけるしや断器は、以上のように構成
されるために、上記したような多くの効果を有す
るが、これをまとめると次のとおりである。すな
わち、 (1) しや断器操作の作動伝達系には、主として引
張り力又は圧縮力しか加わらず、ねじり力が加
わらないために、たわみの発生が少なく、操作
機構の操作力に対し、応答の良い動作が可動接
触子に伝えられ、開極時間の短縮が図れる。特
に、電力需要の増大に伴い、大容量しや断器が
要求されるが、同時に、高速しや断も必要とな
り、本考案による開極時間の短縮や操作力の応
答性の良さからくるしや断性能の向上は、これ
ら大容量しや断及び高速しや断にとつて、きわ
めて重要な効果を付与することになる。

(2) ガス絶縁変電所では、設備全体の設備面積を
小さくする必要上、相間間隔を小さくすること
が必要であるが、軸動シールをタンク形しや断
器に使用して軸方向に軸を移動するようにした
ために、操作機構の出力軸と可動接触子と軸動
シールを貫通する各軸部が同一平面内を移動す
ることができるようになり、従つて、操作機構
がタンクに対して偏倚せず、その結果、相間間
隔も小さくなつて設置占有面積も小さくなつて
用地費も低下し、また、設備の製造費も低下す
る効果を有している。これは、一部碍子形しや
断器に軸動シールを使用しているものである
が、この場合には相間間隔には問題はなく、タ
ンク形しや断器の作動系において、タンクに軸
動シールを配設したことにより、この効果を生
ずるものである。なお、本考案は、しや断器に
限らず、しや断器や接地装置等にも適用でき、
また、同様の効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のしや断器の３相並置した場合の
一部断面正面図、第２図はその−線による断
面図、第３図は本考案の第１実施例の縦断面図、
第４図はその左側面図である。４……しや断装置、５……タンク、６……操作
機構、７……ハウジング、８……消弧室、９……
可動接触子、１２……絶縁支持筒、１３，２０…
…絶縁ロツド、１７……回転シール、２１，２５
……軸部、２２……軸動シール、２３……出力
軸。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

可動接触子を一部に形成する消弧室、該消弧室
を囲み、且つ上記消弧室と絶縁されると共に接地
されているタンク、上記可動接触子と接続され、
上記可動接触子の移動方向に伸びると共に上記タ
ンクを貫通する作動伝達系の軸部、該軸部が上記
タンクを貫通する部分に設けられた軸動シール、
上記可動接触子の移動方向と直角方向にしゆ動す
る操作機構の出力軸、上記作動伝達系の軸部と上
記操作機構の出力軸とを連結し、上記操作機構の
出力軸のしゆう動により上記可動接触子を移動方
向に移動させるレバーを備え、上記レバーが上記
可動接触子の移動方向及び上記操作機構の出力軸
のしゆう動方向とほぼ同一平面内にあることを特
徴とするしや断器。