JPH0142227B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、模様縫い機能を有するジグザグミシ
ンの制御装置、特に模様縫いにおける自動糸切り
後の制御の改善に関するものである。

〔従来の技術〕

メモリに記憶した模様データに従い電気的アク
チユエータにより針振りを行つて模様縫いを行
い、かつ、針が下位置から上位置に移動する間に
糸を切断する糸切り装置付きの従来のジグザグミ
シンにおいては、模様縫いモードを選択したとき
は、操作の便宜上、自動的に針棒が上（位置）停
止し、糸切り時には、ミシンを一回転して、その
間に糸切りしてから上位置に停止するのが一般的
である。

この種ミシンにおいて、例えば第３図に示すボ
タンホール等のサイクル縫いや、第４図に示すよ
うな三角形等のワンポイント模様縫いを選択し
て、その縫いが完了後、糸切り操作により針が下
位置から上昇する間に糸切りを行うので、次のサ
イクル縫いや、ワンポイント縫いの第１針目の模
様データが、糸切りのためのミシン１回転により
読み出されて使われてしまうために、それぞれの
第１針目からは縫い初めることができなかつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記のように、サイクル縫いやワンポイント縫
い終りがミシン上停止の場合、その後に自動糸切
りをかけると、糸切り作動に主軸（上軸）が一回
転する必要があり、その時に次の模様縫いの第１
針データが読込まれてしまうため、そのまま次の
模様をスタートすると、その模様の第２針目から
縫いを開始することになるため、所定の完全模様
が得られないことになる。すなわち、第３図およ
び第４図において、それぞれＬで示す第１針目模
様が欠如することになる。また、第５図は、針棒
のリフト曲線Ｃの一例を示す図で、TDP、BDP
はそれぞれ針棒上死点と下死点、TSは上停止位
置を示す。糸切りを行うと、主軸信号が針振り信
号パルスS_Sを、次に送り信号パルスS_Fを図示位相
角度で送出するために、模様発生演算が歩進して
しまい、糸切り完了後に上停止する。すなわち、
上下糸の切断は、針が下から上位置に上昇する間
に行われ、針が上下動するときの針板下方に位置
する間（第５図斜線区間）に次の模様の針振りデ
ータが読み込まれてしまうためである。

本発明は、以上のような従来装置の問題点にか
んがみてなされたもので、前記の欠点を解消し、
サイクル縫いやワンポイント縫いの後に自動糸切
りを行つた場合、つぎの模様縫い時に第１針目か
らスタートして完全な模様パターンが得られるよ
うな制御装置の提供を目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

このため、本発明においては、サイクル縫いワ
ンポイント模様等において針棒が上停止している
ときに、糸切りレバーをONしてミシンが回転送
り区間となつたとき、模様縫い発生用の制御装置
の演算を禁止、送り量（ピツチ）および針振り量
共に前模様縫い時終了時のままとするように構成
したものである。

〔実施例〕

以下に本発明を実施例の図面に基づいて説明す
る。第１図は、本発明による制御装置の一実施例
の回路ブロツク図、また第２図はその動作フロー
チヤートである。第１図において、１はミシンの
メインモータ、１ａはその駆動回路、２は針振り
用ステツピングモータ、２ａはその駆動回路、３
は送り（ツチ）用ステツピングモータ、３ａはそ
の駆動回路であ。また、４は模様縫いモード選択
スイツチで、図例のようにそれぞれボタンホール
４ａ、三角形４ｂ、犬４ｃ等の種々の模様パター
ン選択スイツチが含まれている。また、５はワン
ポイントスイツチ、６は糸切り一針スイツチ、７
は糸切りスタートスイツチ、８は針振り、送り用
の発光ダイオード、フオトトランジスタ等を利用
する主軸検出器、８ａはそれ用のスリツトを有す
る検出円板（遮弊板）、９は停止用の前記８と同
様の主軸検出器、９ａはそれ用のスリツトを有す
る検出円板（遮弊板）で、前記構成部分はすべて
制御演算用のマイクロコンピユータ１０に接続さ
れている。また１１は定位置停止用のソレノイド
で、マイクロコンピユータ１０からの指令によつ
て作動する。このソレノイド１１は、従来公知の
慣性停止手段によつてもよい。

前記ワンポイントスイツチ５は、ミシン回転中
にONすると、その模様の最後でミシンは上停止
し、一度ONすると模様のスタートからエンドま
での１サイクルの縫いを行うように構成されてい
る。

また、模様縫いモード選択スイツチ４中のボタ
ンホール縫い４ａは、細部の相異を除きほぼワン
ポイント機能で行われる。

また、自動糸切り機構については、例えば特開
昭54−83561号公報等に一例が開示されているの
で詳細は省略するが、ミシンの回転中は安全ソレ
ノイドONにより機能的にロツクされ、糸切りレ
バーは作動されないように構成され、糸切りの回
転速度は一定の低速度に設定されている。

以上のような回転構成において、マイクロコン
ピユータ１０は、それぞれ所定の模様パターン発
生演算や、本発明の目的に沿つて、第２図動作フ
ローチヤートに示すようなシーケンスを実行／制
御するように構成されている。各動作のシーケン
スは、図に明示されているので、冗長を避けるた
め逐次的詳細説明は省略するが、要は、ステツプ
２０においてワンポイントサイクル模様が選択さ
れると、ステツプ２１において、この模様が完了
して上位置停止し、その後ステツプ２２において
糸切りスタートスイツチ７（第１図）をONする
と、ミシン回転送り区間になつたときに、ステツ
プ２３において模様発生演算を禁止して、ステツ
プ２４において前の針振り量のままの位置に保持
して、次の模様のスタートを正規の第１針から開
始させるようにし、ステツプ２５において糸切り
を完了して上停止させる。

第１図の制御装置ブロツク回路において、第２
図に示すような動作シーケンスを実行させるため
の実際の回路詳細は、いずれも既存の従来技術に
よつて容易に実現し得るものであるため詳細回路
図は省略する。

また、本実施例における各スイツチ類、主軸検
出器類、定位置停止ソレノイド等は、それぞれ特
定のものを例示したが、いずれもそれのみに限定
されるものではないことはもちろんである。

〔発明の効果〕

以上説明してきたように、この発明によれば、
サイクル縫いやワンポイント縫いの後、自動糸切
りを行つたとき、つぎの模様縫いが所定の第１針
からスタートするように構成したため、従来例の
ように第１針目が欠如することなく、完全な模様
パターンが得られるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による制御装置の一実施例の
回路ブロツク図、第２図はその動作フローチヤー
ト、第３図はサイクル縫いのボタンホールの説明
図、第４図は、三角形のワンポイント縫いの説明
図、第５図は、針棒のリフト曲線の一例図であ
る。 １……メイン（ミシン）モータ、２……針振り
モータ、３……送りモータ、４……模様縫いモー
ド選択スイツチ、４ａ……ボタンホール（サイク
ル縫い）選択スイツチ、４ｂ……三角形（ワンポ
イント縫い）選択スイツチ、５……ワンポイント
スイツチ、６……糸切り一針スイツチ、７……糸
切りスタートスイツチ、８，９……主軸検出器、
１０……マイクロコンピユータ、１１……定位置
定置ソレノイド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 自動糸切り装置を備え、模様縫いモードを選
   択したときに針棒が上位置停止するよう構成され
   たジグザグミシンにおいて、サイクル縫いおよ
   び／またはワンポイント縫いにおける自動糸切り
   中の模様発生演算の歩進を禁止する制御手段を設
   け、つぎの模様パターンが所定の第１針目からス
   タートするよう構成したことを特徴とするジグザ
   グミシンの制御装置。