JPH0142221Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、円筒状の商品すなわち缶・瓶容器等
を搬送する自動販売機の商品搬送路に関するもの
である。

従来の技術 第１図から第３図は従来の自動販売機の商品搬
送路を示している。この従来例を図面を参考に説
明する。

図において、１ａ，１ｂ，１ｃは商品収納棚
で、各商品収納棚は投入口商品案内板２と相対向
する多数の円弧状の案内板３と下端に設けられる
商品搬出機構４と商品通路規制部材５が両側の側
板６により挾持されて形成しており、商品収納棚
１ａの下方には商品搬送路７が側板６にビス８で
固定されている。商品収納棚１ｂの下方には商品
走行案内板９が側板６に取り付けられ、商品搬送
路７の近辺まで伸びている。また、商品収納棚１
ａと商品搬送路７の間にはガイド板１０が側板６
に取り付けられている。１１は商品搬送路７の一
対の側板で、前後方向に一定間隔を持ち、商品搬
送路７の上部より下部に伸びるガイドレール１
２，１３が取り付けられている。この一対の側板
１１とガイドレール１２，１３により通路１４が
形成され、この通路１４の奥部（第５図右側）に
は片側が一対の側板１１に取付けられた支持ピン
１５により支持された平面状の姿勢制御板１６が
通路１４の上部より下部に一定間隔で多数段配置
されている。１７はバネで前記通路１４を閉じる
方向に前記姿勢制御板１６を常時押している。１
８は商品取出口に商品を導く商品案内板で、通路
１４の下方に後側より前側の商品取出口１９の方
へ傾斜して取付けられている。

次に上記従来例の動作について説明する。商品
収納棚１ａ，１ｂに収納された商品が搬出される
と、各々ガイド板１０、商品走行案内板９を通り
商品搬送路７の上部より横向きの姿勢ときには傾
いた姿勢で落下してくる。この時姿勢制御板１６
がないと商品Ａは商品搬送路７の上部より商品案
内板１８まで自然落下状態となり、落下時の衝撃
は大きく商品Ａの変形やフオーミング（泡立ち）
の原因となる。また商品搬送路７に傾いた姿勢で
落下してきた商品Ａは自然落下途中で徐々に傾き
を増しガイドレール１２，１３と商品案内板１８
の間で縦に止まつてしまい、商品取出口１９まで
出てこない場合がある。これらを防止するために
通路１４内に姿勢制御板１６を多数段設けるので
あるが商品搬送路７の上部より落下した商品Ａは
通路７の最上部に取り付けられた姿勢制御板１６
に当たり、商品Ａは自重でこの姿勢制御板１６を
回動し、落下して次の姿勢制御板１６に達する商
品Ａは上記動作を繰り返し、商品案内板１８に搬
送される。そして商品Ａは商品案内板１８上を転
動し、商品取出口１９まで導かれる。

考案が解決しようとする課題 しかしながら上記従来例においては、商品Ａが
傾いて商品搬送路に落下してきた場合、姿勢制御
板１６で商品の落下姿勢を横に直すことができ
ず、商品通路内を落下していく間に商品Ａの傾き
が徐徐に大きくなり（自然落下と同じ状態）第３
図想像線で示す様に商品Ａが通路１４内で縦方向
になつて落下して最下部の姿勢制御板１６と商品
案内板１８の間で縦方向に商品Ａが止まつてしま
う欠点があつた。これは傾いた商品Ａの先端が、
姿勢制御板１６に当たり先端に姿勢を水平にしよ
うとする力が働くが、姿勢制御板１６は平面状で
あるため、当接した商品Ａの先端が滑り小さな力
しか働かず姿勢を水平にするまでに至らないの
で、商品Ａはそのままの姿勢が徐々に傾きを増し
姿勢制御板１６上を通過してゆくためである。

本考案は、上記従来例の欠点を除去するもので
あり、商品が通路内で縦方向にならず、安定した
転動姿勢を保つことを目的とするものである。

課題を解決するための手段 本考案は、上記目的を達成するために、通路内
に上方より下方へ多段にわたり一端部軸支して設
け、商品の自重により回動する多数の姿勢制御板
と、この姿勢制御板を通路が閉塞される方向へ付
勢するバネと、商品取出口に商品を導く通路の下
端に設けた商品案内板とを備え、姿勢制御板の先
端部を商品の落下方向と逆方向へ折曲したもので
ある。

作 用 本考案は、上記した構成により商品が傾いて落
下しようとしても姿勢制御板の折曲部で傾いた商
品の先端の落下が妨げられるため水平姿勢とな
り、安定した転動姿勢を保つことができる。

実施例 以下に本考案の一実施例を第４図、第５図を参
考に説明するが、従来と同一構成については同一
番号を付してその詳細な説明を省略する。

２０は姿勢制御板で、前記支持ピン１５が貫通
するカール部２１が一端に形成されている。そし
てこの姿勢制御板２０は、前記通路１４内に位置
しており、バネ１７の力でこの通路１４が閉塞も
しくは狭める方向に維持されている。この姿勢制
御板２０の先端側は前記通路１４を落下する商品
の落下方向と逆方向に折曲して、商品の筒方向と
姿勢制御板２０とが接触するようにしている。次
に上記実施例の動作について説明する。商品収納
棚１ａ，１ｂより搬出された商品は商品搬送路７
に落下してくる。この時の商品Ａの落下姿勢は真
横のときも傾いている（縦方向に）ときもある。
真横に落下してきたとすると商品Ａは最上部の姿
勢制御板２０に当たり、自重で前記姿勢制御板２
０を回動し、真横の姿勢のまま次の姿勢制御板２
０に移動する。この動作を繰り返し商品Ａは商品
案内板１８に搬送される。もし商品搬送路７の上
部より傾向いて落下してきたとすると、商品Ａは
通路１４の最上部に取り付けられた姿勢制御板２
０に当たり、商品Ａは自重で前記姿勢制御板２０
を回動し、落下して次の姿勢制御板２０に達する
が、その時、姿勢制御板２０の先端が折り曲げら
れているため、傾いた商品Ａ（第５図想像線）の
先端A₁が姿勢制御板２０に当たると、先端A₁は
姿勢制御板２０表面を滑ろうとするが、折曲面ａ
部で滑ろうとするのを抑制する比較的大きな力が
働き、先端A₁の移動速度より後端A₂の移動速度
が速くなり先端A₁に後端A₂が追いつき商品Ａの
姿勢が水平（第５図実線）となるため、商品Ａは
傾くことなく安定した姿勢で落下し次の姿勢制御
板２０に達する。この動作を繰り返し商品Ａは通
路１４内で縦方向になることなく安定した転動姿
勢を保つて商品案内板１８に搬送される。従つて
最下部の姿勢制御板２０と商品案内板１８の間に
商品Ａが縦方向に止まることはなくなる。

次に他の実施例について第６図で説明する。２
２は姿勢制御板で、その先端部を商品の落下方向
と逆方向へ湾曲した円弧状に折曲したものであ
る。この場合も、第５図のようにしたものと同一
の効果が得られる。したがつて傾いた商品（第６
図想像図）が落下してきて、商品Ａの先端A₁が
落下しようとしても、姿勢制御板２２の先端が折
曲により商品の落下方向と逆方向の湾曲した円弧
状となつているため、円弧状の折曲面ｂ部で抵抗
となり落下が妨げられ水平姿勢となり（第６図実
線）、商品Ａは傾くことなく安定した姿勢で落下
し次の姿勢制御板２２に達する。この動作を繰り
返し商品Ａは通路１４内で縦方向になることもな
く安定した転動姿勢を保つて商品案内板１８に搬
送されるのである。

考案の効果 本考案は上記実施例より明らかなように姿勢制
御板の先端が商品の落下方向と逆方向へ折り曲げ
られているため、商品が傾いて落下しようとして
もこの先端側が移動方向への抵抗となるため商品
は水平姿勢となり、商品の縦方向に落下するのを
防ぎ安定した転動姿勢を保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の商品搬送路を示す自動販売機の
側面図、第２図は従来の姿勢制御板の斜視図、第
３図は同第１図の商品搬送路の動作説明図、第４
図は本考案の一実施例における商品搬送路の側面
図、第５図は姿勢制御板の斜視図、第６図は他の
実施例を示す姿勢制御板の斜視図である。 Ａ……商品、１４……通路、１７……バネ、１
８……商品案内板、２０，２２……姿勢制御板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 商品収納棚に収納された筒状の商品を商品取
   出口に案内する自動販売機の商品搬送路におい
   て、筒状の商品を上方より下方へ案内する通路
   と、この通路内に上方より下方へ多段にわたり
   一端部を軸支して設け、商品の自重により回動
   する多数の姿勢制御板と、この姿勢制御板を前
   記通路が閉塞される方行へ付勢するバネと、前
   記商品取出口に前記商品を導く前記通路の下端
   に設けた商品案内板とを備え、前記姿勢制御板
   の先端部を商品の落下方向と逆方向へ折曲した
   自動販売機の商品搬送路。 (2) 姿勢制御板は、その先端部を商品の落下方向
   と逆方向へ湾曲した円弧状に折曲した実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の自動販売機の商品
   搬送路。