JPH0140299Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はブラシ装置の構造を改良した整流子電
動機に関する。

〔考案の技術的背景〕

第１図および第２図に従来例が示されており、
同図中１は電動機フレーム、２は整流子３を有す
る電機子、４はフレーム１に固定されたブラシ装
置である。このブラシ装置４は、絶縁材料製の取
付けベース５、筒状のブラシホルダ６、ブラシ
７、端子キヤツプ８、圧縮コイルばね９、および
ピグテイル１０により構成されている。そして、
取付けベース５の後端側にはブラシ挿入部５ａが
設けられ、この挿入部５ａは第２図のようにブラ
シホルダ６の後端６ａを露出させて略真直ぐに形
成されている。

ブラシ装置４の電動機フレーム１への取付け
は、まず、予めブラシホルダ６が支持された取付
けベース５を上記フレーム１にねじ止めした後、、
ピグテイル１０を介して電気的に接続されたブラ
シ７と端子キヤツプ８との間に予め圧縮コイルば
ね９を挾設してなる組立てを、ブラシ７を先にし
てブラシ挿入部５ａに差込み、次で端子キヤツプ
８を取付けベース５に装着して、行つている。

〔背景技術の問題点〕

以上の構造の従来例によれば、ブラシ装置の電
動機フレームへの取付けが面倒で、この装置の所
期の性能が損われ易い欠点があつた。すなわち、
ブラシホルダ６への上記ブラシ７等の差込み時に
おいて、圧縮コイルばね９は圧縮されながら挿入
されるために、このばね９が自由に撓むことは不
可避である。このため、ブラシ挿入部５ａとブラ
シホルダ６の後端との間に形成される段部（ブラ
シ挿入部５ａの奥端および上記後端６ａ）に圧縮
コイルばね９が引掛つて、取付けベース５と端子
キヤツプ８との間に、上記ばねが挾まつてブラシ
装置の取付けが完了されることがある。そうする
と、ブラシ７に正常なばね圧を加えることができ
ない。また、ピグテイル１０も撓み得るから、上
記ばね９の撓みに伴つてこのばね９にピグテイル
１０の中間部がはさまることがある。そうする
と、ブラシ７を所定の有効長さまで使用できなく
なる。

〔考案の目的〕

したがつて本考案の目的は、電動機フレームへ
のブラシ装置の取付けが容易で、かつこの装置が
所期の性能を確実に発揮できるようにした整流子
電動機を提供することにある。

〔考案の概要〕

すなわち本考案に係る整流子電動機は、取付け
ベース、ブラシホルダ、ブラシ、端子キヤツプ、
圧縮コイルばね、ピグテイル、スリーブを有した
ブラシ装置を備え、上記ブラシホルダは筒状をな
し、このブラシホルダはその後部側を上記取付け
ベースに挿入して設けられ、電動機フレームを貫
通してこのフレームに固定される上記取付けベー
スは絶縁材料製であつて、この取付けベースは上
記電動機フレーム外に位置されるブラシ挿入部を
有し、このブラシ挿入部は、その前端で上記ブラ
シホルダの後端を被うとともに、上記ブラシホル
ダの後端開口に連なつて形成され、上記ブラシ挿
入部の相対向する少なくとも一対の内面をテーパ
面で形成し、このテーパ面間の間隔を上記ブラシ
ホルダの後端開口に向かうにつれて次第に狭く形
成し、上記ブラシを上記ブラシホルダ内に移動可
能に収納し、上記ピグテイルを上記ブラシの後端
と上記端子キヤツプとを接続して設け、上記端子
キヤツプを上記取付けベースの後端部に上記ブラ
シ挿入部の後端開口を被つて装着し、上記圧縮コ
イルばねを上記ブラシと上記端子キヤツプとの間
に挟設し、上記スリーブを上記圧縮コイルばね内
に収納し、このスリーブ内に上記ピグテイルを通
したことを特徴とする。

この特徴を有する整流子電動機によれば、取付
けベースのブラシ挿入部に形成したテーパ面によ
り、ブラシおよび圧縮コイルばねをブラシホルダ
の後端開口内に円滑に導いて案内できるととも
に、テーパ面の前端側でブラシホルダの後端を被
つたことにより引掛かり部をなくしたから、自由
に撓む圧縮コイルばねを引掛かりをなくして差込
むことができる。このことに加えて、圧縮コイル
ばねの内側に配設したスリーブで、圧縮コイルば
ねが自由に撓む傾向を硬いスリーブ程抑制でき
る。したがつて、これらの要因によりブラシ装置
の電動機フレームへの取付けを頗る容易に行え
る。これとともに、圧縮コイルばねが引掛かつた
状態でブラシ装置の取付けが完了されることがな
いので、ブラシに対して正常なばね圧を加えるこ
とができる。そして、上記スリーブが圧縮コイル
ばねの内側に収納されていることによつて、ブラ
シ装置の取付け時にピグテイルの中間部が圧縮コ
イルばねに挾まれることを防止できる。このた
め、ブラシを所定の有効長さまで圧縮コイルばね
により押圧して使用できるものである。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例を第３図から第６図を参
照して説明する。

第３図は例えば電気掃除機用の電動送風機を示
し、これは整流子電動機１１に、フアン１２、整
流板１３、およびフアンケーシング１４等からな
る送風機部１５を設けて構成されている。

整流子電動機１１は、継鉄を兼ねるとともに内
周面に界磁１６を装着した電動機フレーム１７と
界磁１６を貫通して回転自在に上記フレーム１７
に軸支された電機子１８と、この電機子１８に支
持された整流子１９と、上記フレーム１７に固定
されたブラシ装置２０とを具備して構成されてい
る。なお、第３図中２１は雑音防止用のコンデン
サである。

そしてブラシ装置２０は、以下に詳述する取付
けベース２２、ブラシホルダ２３、ブラシ２４、
金属製の端子キヤツプ２５、圧縮コイルばね２
６、ピグテイル２７、およびスリーブ２８とから
構成されている。取付けベース２２は合成樹脂等
の絶縁材料製で、これは金属製の筒状ブラシホル
ダ２３の後部側を一体に支持した状態で、ねじ２
９により上記フレーム１７に固定されるようにな
つている。ブラシホルダ２３は、その後端の折曲
げ係止部２３ａと中間の切起し係止部２３ｂによ
つて取付けベース２２に取付け支持されている。
そして、取付けベース２２には電動機フレーム１
７外に位置するブラシ挿入部３０が形成されてい
る。この挿入部３０はブラシホルダ２３の後端開
口につらなつて形成されている。しかも、この挿
入部３０の相対向する一対の内面は、ブラシホル
ダ２３に向かうにつれてブラシ挿入部３０を次第
に狭くするテーパ面３０ａで形成されている。さ
らに、ブラシ挿入部３０のブラシホルダ２３側の
前端は、ブラシホルダ２３の後端を上記折曲げ係
止部２３ａを除いて被つている。この状態は第５
図および第６図に示されている。またブラシ２４
はブラシホルダ２３内に移動可能に収納されてお
り、かつ端子キヤツプ２５は取付けベース２２の
後端部にブラシ挿入部３０の後端開口を被つて装
着されている。これらブラシ２４の後面と端子キ
ヤツプ２５とはピグテイル２７で電気的に接続さ
れている。さらに圧縮コイルばね２６は、ブラシ
２４と端子キヤツプ２５との間に挾設されてい
て、ブラシ２４を整流子１９に押し付けるように
なつている。またスリーブ２８は、ピグテイル２
７を貫通させて圧縮コイルばね２６の内側に配設
されている。このスリーブ２８は、金属等の硬質
性スリーブであつても、軟かい樹脂等の軟質性ス
リーブのいずれであつてもよい。

上記構造のブラシ装置２０は電動機フレーム１
７への取付け前においては、予め取付けベース２
２とブラシホルダ２３とが一体に組立てられ、か
つブラシ２４、端子キヤツプ２５、圧縮コイルば
ね２６、、ピグテイル２７、およびスリーブ２８
が一体に組立てられている。

次に、ブラシ装置２０の電動機フレーム１７へ
の取付けを説明する。まず、ブラシホルダ２３を
支持した取付けベース２２を、電動機フレーム１
７にねじ２９により固定する。次に、他の部品２
４〜２８の組立てを、ブラシ２４を先にしてブラ
シ挿入部３０に挿入して取付けベース２２に固定
する。この固定は端子キヤツプ２５を取付けベー
ス２２に装着することで行われ、以上でブラシ装
置の取付けが完了される。そして、このブラシ装
置の取付けにおいて、圧縮コイルばね２６の自由
な撓みがスリーブ２８で抑えられるとともに、ブ
ラシ２４および圧縮コイルばね２６は、ブラシ挿
入部３０のテーパ面に案内されて、引掛かること
なくブラシホルダ２３内に差込まれるから、作業
が頗る容易であり、そしてピグテイル２７はスリ
ーブ２８により圧縮コイルばね２６にはさまれる
こともない。

なお、本考案は第７図に示したように、ブラシ
２４の後面に支持突部２４ａを突設し、これにス
リーブ２８の前端部を嵌着固定して実施してもよ
い。なお、この構造以外の点は上記第１実施例と
同一の構造である。このようにすれば、より組立
て作業性を向上できる。

また、本考案は上記両実施例に制約されるもの
ではなく、考案の要旨に反しない限り、電動機フ
レーム、取付けベース、ブラシ挿入部、テーパ
面、ブラシホルダ、ブラシ、端子キヤツプ、圧縮
コイルばね、ピグテイル、スリーブ等の具体的な
構造、形状、位置、材質等は、種々の態様に構成
して実施できることは勿論である。

〔考案の効果〕

以上説明した本考案は上記実用新案登録請求の
範囲に記載の構成を要旨とするから、圧縮コイル
ばねの取付けベース等への引掛かりを防止できる
とともに、円滑にブラシホルダ内に案内して導入
でき、これによりブラシ装置の電動機フレームへ
の取付けを容易にできる効果があり、しかもピグ
テイルの圧縮コイルばねへの挾み込みも防止でき
る効果があり、したがつてこれらによりブラシ装
置に所期の性能を確実に発揮させることができる
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来例を示し、第１図は
一部の縦断側面図、第２図は取付けベースの正面
図である。第３図から第６図は本考案の一実施例
を示し、第３図は一部を断面した電動送風機の側
面図、第４図は要部の縦断側面図、第５図は第４
図中−線に沿う断面図、第６図は取付けベー
スの正面図である。第７図は他の実施例の一部を
示す縦断側面図である。 １７……電動機フレーム、２２……取付けベー
ス、２３……ブラシホルダ、２４……ブラシ、２
５……端子キヤツプ、２６……圧縮コイルばね、
２７……ピグテイル、２８……スリーブ、３０…
…ブラシ挿入部、３０ａ……テーパ面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 取付けベース２２、ブラシホルダ２３、ブラシ
   ２４、端子キヤツプ２５、圧縮コイルばね２６、
   ピグテイル２７、スリーブ２８を有したブラシ装
   置２０を備え、 上記ブラシホルダ２３は筒状をなし、 このブラシホルダ２３はその後部側を上記取付
   けベース２２に挿入して設けられ、 電動機フレーム１７を貫通してこのフレーム１
   ７に固定される上記取付けベース２２は絶縁材料
   製であつて、 この取付けベース２２は上記電動機フレーム１
   ７外に位置されるブラシ挿入部３０を有し、 このブラシ挿入部３０は、その前端で上記ブラ
   シホルダ２３の後端を被うとともに、上記ブラシ
   ホルダ２３の後端開口に連なつて形成され、 上記ブラシ挿入部３０の相対向する少なくとも
   一対の内面をテーパ面３０ａで形成し、 このテーパ面３０ａ間の間隔を上記ブラシホル
   ダ２３の後端開口に向かうにつれて次第に狭く形
   成し、 上記ブラシ２４を上記ブラシホルダ２３内に移
   動可能に収納し、 上記ピグテイル２７を上記ブラシ２４の後端と
   上記端子キヤツプ２５とを接続して設け、 上記端子キヤツプ２５を上記取付けベース２２
   の後端部に上記ブラシ挿入部３０の後端開口を被
   つて装着し、 上記圧縮コイルばね２６を上記ブラシ２４と上
   記端子キヤツプ２５との間に挟設し、 上記スリーブ２８を上記圧縮コイルばね２６内
   に収納し、 このスリーブ２８内に上記ピグテイル２７を通
   したことを特徴とする整流子電動機。