JPS585406Y2 - 小型直流モ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、小型直流モータ、特にそのブラシホルダ部
の構造に特徴を有する小型直流モータに関するものであ
る。

一般に小型直流モータにあっては比較的大出力、長寿命
のものでは、カーボン板等にリード線を設けたブラシを
別体のスプリングによってコミュテータに圧接する構造
にしている。

例えば樹脂製ホルダにブラシをスライド可能に収納する
とともにその後方にスプリングを収納し、そのホルダの
後部に嵌着した押え板によってスプリングをバックアッ
プするようにしている。

ところが、このものでは部品点数が多く構成が複雑にな
るうえ、ホルダと押え板とにそれぞれ嵌合部を設けると
いう複雑な形状で金型コストも高く、シかも組立てに手
間を要するなどの欠点がある。

また、押え板のホルダに対する係合力の関係で弾性力の
大きいスプリングを用いる場合は信頼性が低いものとな
るという問題もある。

これに対し、ブラシホルダを金属製の簡単な構造にして
絶縁材製ブラケットに装着することが考えられる。

つまり、金属板などの折曲によって所望の形状、強度を
有するものを比較的容易に得ようとしている。

しかし、このものでは円筒状の金属製フレームを用いる
場合、そのフレームとプラスホルダとが非常に接近した
配置となるため、それらの間にブラシの摩耗粉が入り込
んで漏電を生じる危険があり、したがってブラシホルダ
の外周部に円筒状の絶縁材製スペーサを介在するなどの
手段が必要になり、結局構成部材が増加する問題がある
。

なお、ブラシホルダとフレームとの間隔を大きくすれば
スペーサが不要であるかも知れないが、これで゛はフレ
ーム内のスペースが狭められ、また、使用するブラシの
摩耗方向長さが制限される問題がある。

この考案はこのような問題を解決するためになされたも
ので、部品構成が簡単で、組立てを容易に行なえるとと
もに、スプリングの保持に対する信頼性が高く、かつ、
何よりも絶縁対策が確実で、しかも使用するブラシの摩
耗方向長さを十分長くすることができる小型直流モータ
を提供するものである。

以下、この考案の一実施例を第１図〜第３図を参照して
説明する。

円筒状の金属製フレーム１の端部に円盤状の絶縁材製ブ
ラケット２を取付けている。

このブラケット２に段付き係止孔３と位置決め突起４を
設け、さらにこのブラケット２の盤面上にリード線５を
設けた板状ブラシ６およびそのブラシ６をブラケット２
の軸心部に配置されるコミュテータ７方向に押圧するス
プリング８を収納する金属製のコ字形ブラシホルダ９を
配設し、このブラシホルダ９の両端の取付は片９ａに設
けた位置決め孔１０ａを上記位置決め突起に貫挿して位
置決めし、さらにまた、ブラシホルダ９の両端に突出し
た取付は脚１０ ｂを上記係止孔３に挿通して段の外側
で゛捩曲け゛ることによって固着している。

また、ブラケット２の周縁部はブラシホルダ９の外周部
を少し隙間を介して覆う状態で保持壁１１を突設してお
り、この保持壁１１のブラシホルダ後方部にあけた係合
孔１２およびこの係合孔１２の両側に設けた凹部１３に
、この係合突部１４および両端を係合させて保持壁１１
の内周面とほぼ面一になるような円弧板状の、つまり円
筒の一部分形状の絶縁材製スペーサ１５を嵌合できるよ
うにしており、これにヨッて、スペーサ１５をブラシホ
ルダ９の外周部とフレーム１との間に介在させスプリン
グ８を直接押圧できるようにしている。

つまり、上記ブラシホルダ９はスペーサ１５と対向する
側、すなわち、コミュテータと反対側を開口しており、
このスペーサ側開口部からブラシホルダ９に板状ブラシ
６およびスプリング８を装入したのち、上記スペーサ１
５を、前部をブラシホルダ９に対向させてブラケット２
に取付け、そのスペーサ１５で、ブラシホルダ９の後部
から突出状態にあるスプリング８を保持するようにして
いる。

これは、またスプリング８から言えは゛スフプリング８
によってスペーサ１５を保持壁１１に押付け、その係合
孔１２とスペーサ１５の係合突部１４の係合によってス
ペーサ１５を抜外れ不能にブラシホルダ９の外周部に固
定しているものである。

なお、板状ブラシ６のリード線５はブラシホルダ９にあ
けた窓孔１６を介してそのブラシホルダ９の取付は片９
ａの一方に設けたリード線保持部１７に保持するように
している。

このような構成であれば、スペーサ１５はフレーム１と
ブラシホルダ９との間の絶縁およびスプリング８の保持
という両件用を行なえるので、ブラシホルダ自体にスプ
リングを保持するような従来の重複した構成の簡略化が
図れるとともに、これによってブラシホルダ９をスペー
サ１５側が開口するだけの簡単な形状にできるので比較
的成形し易い金属製ブラシホルダ９がさらに楽に成形で
きるようになる。

また、ブラシホルダ９に板状ブラシ６およびスプリング
８をスペーサ側開口部から装入したのち、そのスプリン
グ８を押えるようにしてブラケツｌ−２にスペーサ１５
を取付ければよいがら、その組立ても極めて容易に行な
える。

したがって、構成簡単で組立て容易であるから、製作能
率がよく、量産を図るうえも効果的である。

しかも、スプリング８を保持するスペーサ１５はブラケ
ット２の円筒状保持壁１１の内周面にほぼ面一状態に装
着できるようにしているので、つまりスプリング８の後
端部を円筒壁の内側に直接当接する状態で保持するもの
であるから、そのスプノング８の弾性が大きくても確実
に保持することができ、信頼性が高い。

さらに、金属製ブラシホルダ９と金属製フレーム１との
間に絶縁材製スプーサ１５を介在させているから、たと
えブラシの摩耗粉がそれらの間に堆積しても短絡のおそ
れが全ったくなく、何よりも絶縁効果は確実である。

加えて、スプリング８を直接押圧するスペーサ１５を保
持壁１１の内周面とほぼ面一状態に嵌合できるようにし
たから、ブラシホルダ９の外周部に余計な空間を設ける
必要がなく、またその分だけ板状ブラシ６を長いものに
することができ、いわば絶縁スペースの有効利用が可能
となる。

なお、上記実施例ではスペーサ１５を円弧板状、つまり
円筒の一部分形状にして、ブラケット２の円筒状保持壁
１１の内側に嵌着することによって全体として円筒状に
なるようにしているが、必ずしもそのようなものに限ら
ず、例えば第４図〜第６図に示すように、スペーサ１５
ａを直接、円筒状に形成し、このスペーサ１５ａをその
一部に設けた取付は片１９の孔２０にブラケツ）２ａの
取付は突起２１を挿通し、溶着することによってブラケ
ット２ａに取付け、そのスペーサ１５ａのブラシホルダ
９に対向する一部によってスプリング８を保持するよう
にしてもよい。

このような構成でも、上記実施例と全ったく同一の効果
が得られるものである。

なお、スペーサ１５，１５１の取付けは嵌着あるいは溶
着といった上記実施例の手段に限らず、ビス止めその他
適宜変形できるのは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図はこの考案の一実施例を示すもので、第
１図は組立て状態を一部断面して示す斜視図、第２図は
組立て後の状態を示す部分断面図、第３図は第２図のＩ
ＩＩ −ＩＩＩ線部分断面図、第４図〜第６図はこの考
案の他の実施例を示すもので、第４図は平面図、第５図
は第４図のＶ−ｖ線拡大断面図、第６図は組立て後の状
態を示す部分断面図である。 １・・・・・・フレーム、２，２ ａ・・・・・・ブラ
ケット、６・・・・・・板状ブラシ、７・・・・・・コ
ミュテータ、８・・・・・・スプリング、９・・・・・
・ブラシホルダ、１５，１５ ａ・・・・・・スペーサ
。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 その盤面上に、板状ブラシをスプリングの弾圧によりコ
   ミュテータ方向に押圧するようにした金属性ブラシホル
   ダを配設させた、保持壁を有する円盤状の絶縁材製ブラ
   ケットを備えた小型直流モータであって、 上記ブラシホルダに対応した上記ブラケットの保持壁の
   一部に嵌合凹部を設け、この嵌合凹部に上記スプリング
   を直接押圧する絶縁材製スペーサを、その装着時に上記
   保持壁内周面とほぼ面一状態になるように嵌合させたこ
   とを特徴とする小型直流モータ。