JPH0135317Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車塔載用カセツト式テーププレー
ヤーの（テープ）カセツト挿入排出機構に関す
る。従来この種のカセツト式テーププレーヤーに
おいてはカセツトの挿脱に際してカセツトが水平
に挿入されまた水平に排出される方式が通常使用
されておりこの場合カセツト挿入時にはカセツト
の押込み操作の中途において機械的又は電気的に
カセツトを牽引する機能、所謂スロツトイン方式
を備えるものが多用されている。牽引された後カ
セツトはそのホルダー共々垂直に降下され、つい
で磁気ヘツド並びにピンチローラ等が側方からカ
セツトに向つて弾接するものである。本考案はこ
の種の形式のプレーヤーにおいて機器を薄型化す
るのに従来カセツト挿入排出機構の一部がカセツ
トホルダーの上面に配されていたものを、出来る
限りカセツトの側方に移動させた場合に不可欠と
なる新規な構造を提供することを目的とするもの
である。

本考案の構成をその実施例を示す図面について
説明すると、第１図はその平面を示し、１は器
枠、２はその両側にＬ字状に折曲した側板、３は
その上に磁気ヘツド４とピンチローラー５を備え
図示しない機構により図面上左右に摺動自在に案
内６されたヘツドプレート、７はヘツドプレート
に植設された駆動ピンである。８はカセツト支持
枠でその中をカセツトが挿入、排出されるもので
ありこれは左右の側板２に回動自在に軸支１０さ
れた作動板９とその他端で蝶番式に連結されてい
る。即ち１３は作動板の他端、１４はそこに設け
た挿入孔、１５はカセツト支持枠からの切起し片
であり前記挿入孔に挿入され、前記作動板の他端
はカセツト支持枠の膨出部にもぐり込んでいる。
（第６，７図参照）そしてこの作動板９は左右の
側板２に対して軸支１０されて回動自在に装着さ
れており、カセツト支持枠の上面から延出した腕
１６と器枠からの突部１８との間に強力なスプリ
ング１７が張架されている。その結果何らの抵抗
もない場合には第７図に示すように他端１３に吊
下げられたカセツト支持枠８を器枠の方向即ち下
降位置に弾性的に付勢することになる。そしてカ
セツト支持枠の上昇位置は作動板９の一側方に植
設され、後述する操作レバー等によつて扛上され
る駆動ピン１１によつてもたらされる。１９はカ
セツト支持枠のほぼ中央部分にカセツトの挿入方
向に穿設した溝である。２０は器枠の側板２上で
一定範囲を前後摺動自在に案内２１された排出レ
バー、２２は排出レバー、２０上に重ねられて同
じように一定範囲を摺動案内２１されたスライダ
ーであり、排出レバー２０の一端の折曲片２３と
スライダー２２の中間に設けた切起し２４との間
にスライダースプリング２５を張架してある。排
出レバー２０の後端部２５′は側板上の軸２６で
回動自在に軸支された反転レバー２７の一端部２
７′に臨んでいる。この反転レバー２７の他端部
にはピン２８が植設され、これは側板上に摺動自
在に案内２９された反転板３０と長孔３１係合し
ている。更に反転板３０の他端の折曲片３２と反
転板軸Ａ３３との間に反転板スプリング３４が張
架され反転板３０を常時矢印Ａの方向に付勢して
いる。３５は反転板３０の一部を延長した舌片、
３６は器枠上に回動自在に軸支３７されたエジエ
クトアームでありその一端３８と前記舌片３５と
の間に反転バネ３９が懸架されている。エジエク
トアームの他端４０にはローラー４１が設けてあ
る。４２はスライダー２２の一部から延長された
ストツパーＡでこれはカセツトの装着時のエジエ
クトアームの一端３８と衝合しエジエクトアーム
のそれ以上の回動を阻止している。４３は側板に
設けたストツパーＢで、これは第５図に示したカ
セツトのエジエクト時におけるエジエクトレバー
の更なる回動を阻止するのに働く。４４は排出レ
バーからＬ字状に延長されたＬ字片でそこにはヘ
ツドプレート３の駆動ピン７と、排出レバーの押
圧時に衝合してヘツドプレートを図示しない弾性
材に抗して矢印Ｃ方向へ移動せしめるカム部４５
を備えた開口部が設けてある。尚４６は金属の弾
性薄板からなる牽引レバー、４７は同じく弾性薄
板からなるカセツト牽引レバーでこれらは連結軸
４８で回動自在に連結されておりこの連結軸４８
はカセツト支持枠の案内溝１９をカセツトの挿脱
方向に沿つて摺動するものである。そして４９は
カセツト牽引レバー４７の先端に固定されたカセ
ツト引掛部でカセツトのリール孔に係合する。

以上の如き構成において次に作用を説明する。
先ず第１図はカセツトが装填されてカセツト支持
枠が下降位置にある状態を示すが、エジエクトア
ーム３６が反転バネ３９によつて矢印Ｄ方向へ付
勢されており、その一端３８がストツパーＡ４２
に衝合してそれ以上の回動を阻止されている。ま
たカセツト支持枠は第６図のような下降位置にあ
り従つてヘツドプレート３は図示しない弾性材に
よつて第１図に示したように左方へ付勢されてい
る。いまこの状態からカセツトを排出すべく排出
レバー２０を矢印Ｂ方向へ押圧していくと先ず第
一に、排出レバーのカム部４５がヘツドプレート
駆動ピン７と衝合するのでヘツドプレート３が矢
印Ｃ方向へ移動をする。その後、カセツト支持枠
駆動ピン１１を傾斜部５１によつて押し上げてい
く。及び第４図に示すようにその先端部２５′が
反転レバー２７の一端２７′を押圧し反転板３０
を矢印Ｅ方向へ摺動させる。更に排出レバーの肩
部５２がスライダー２２のストツパーＡの根元５
３へ衝合して反転レバーを回動させる終盤のスト
ロークでわずかに反転レバーの摺動方向と逆方向
即ち排出レバーと同一方向へスライダー即ち、ス
トツパーＡを移動させる。以上の一連の動作によ
つて反転バネ３９の二つの支点が交叉することに
なり反転バネは反転し、第５図に示すようにエジ
エクトアームは矢印Ｆ方向へ回動しストツパー４
３へ衝合するまでローラー４１によつてカセツト
５０を排出する。この場合反転板３０は反転板ス
プリング３４を伸張して摺動していたものである
から、反転バネ３９の反転後、排出レバー２０の
押圧を解除すると、反転板は第２図に示した元の
位置へ復帰する。

一方カセツトを第５図の状態から挿入開始をす
ると、エジエクトアーム３６は時計方向へ回動を
始める。ここで反転バネ３９の他の支点は反転板
の舌片３５に対して第５図矢印Ｇ方向の付勢力と
なるので反転開始時において反転板の摺動は起ら
ず、また反転後も反転板の係止方向なので固定点
となる。その結果エジエクトアームの全回動の中
途で反転バネ３９の支点が交叉し、以後カセツト
５０を押圧しなくても反転バネの反力により牽引
レバー４６及びカセツト牽引レバー４７を介しカ
セツト引掛部４９がカセツト５０をカセツト支持
枠内へ引張り込むことになる。

またエジエクトアームの反転後その一端３８が
スライダーと一体のストツパーＡ４２に衝合しそ
のストツパーＡ４２を第４図矢印Ｅ方向へ押圧す
る。スライダー２２は前記したように排出レバー
２０の押圧時にそれとともに前進し、排出レバー
の傾斜部５１によつて押し上げられたカセツト支
持枠の駆動ピン１１をスライダー２２の棚部５４
で支えていてその状態はスライダースプリング２
５によつて維持されているが、ストツパーＡ４２
をエジエクトアーム３６の一端３８が前記の如く
その回動の終盤で押圧するのでスライダーは許容
範囲だけスプリング２５に抗して変位して棚部５
４が駆動ピン１１から外され、従つてカセツト支
持枠が降下するに至るものである。

ここで反転バネは従来カセツト支持枠等と重畳
させて使つている場合には比較的径の大きいもの
を使用し得たが本考案の構成では機器の厚みを増
加させない目的から各構造を重合させず並列的に
配置する関係で反転バネの可動面を大きくとれな
い。一方カセツトの挿入量又は排出量は変らない
訳であるから所要のストローク量を得るために一
部拡大機構を用いたり、その他の対策が必要とな
つてくる。本考案ではエジエクトアーム３６に拡
大機能を持たせ先ず第一にカセツト挿入時の牽引
作用に充分なストロークを得る反転バネの位置を
反転板の非摺動時の位置においた。そしてカセツ
トの排出時においてはエジエクトアームがカセツ
トを排出のための押圧を始める以前即ちエジエク
トアームの回動開始以前にヘツドプレートが充分
カセツトから後退しかつカセツト支持枠が上昇し
ていなければならず、更にその後直ちにエジエク
トアームが回動を開始するのでないと排出レバー
の押圧ストロークが長くなつてしまい具合が悪
い。そこで上記ヘツドプレート、エジエクトアー
ムの充分な移動後反転バネが反転するように反転
直前の位置まで反転板側の支点を移動しておくた
めに反転レバーを排出レバーで回動させ、排出レ
バーの押し切り寸前までのストロークで前記の２
つの部材の移動をほぼ完了させるようにした。こ
の場合構造的には反転レバーに直接反転バネの一
端を連絡しても同様の効果が期待できる。尚排出
レバー２０の肩部５２がスライダーのストツパー
Ａ４２の根元５３に衝合して排出レバーの残りの
ストロークで反転バネのエジエクトアーム側の支
点の位置を後退させるので前記反転板側の舌片３
５と確実に交叉するのに補助的に機能し反転バネ
３９の反転を歯切れ良くするものである。

一方エジエクトアーム３６は軸３７を中心とし
て水平回動をするがカセツト支持枠は上昇位置と
下降位置と高低差を有するのでカセツト５０を牽
引するカセツト牽引レバーＡはその高低差に追随
しなければならず、尚且つエジエクトアーム３６
の回動に伴う水平方向への円弧運動をも許容しな
ければならない。ここで機器の薄形化を図る目的
をも考慮すると牽引レバー４６、及びカセツト牽
引レバー４７は弾性を有する極めて薄い板材であ
ればよい。そしてこの牽引レバー４６及びカセツ
ト牽引レバー４７は連結軸４８で相互に回動自在
に軸支されるとともにこの連結軸４８がカセツト
支持枠８の溝１９に摺動案内されている。更にカ
セツト牽引レバー４７はその先端にカセツト引掛
部４９を支持しながら溝１９内を滑動するもので
ある。

本考案は以上詳記したようにテープカセツトを
そのプレイ時を挿入及び排出時において水平方向
で降下位置と上昇位置とをとる形式であつて且つ
カセツト挿入時にカセツトが自動的に牽引される
機構を備えるテーププレーヤーにおいて、機器の
薄形化を図るためカセツトの牽引機構をカセツト
支持枠等と重合させないようにカセツトと並列的
に配置した水平回動をするエジエクトアームに弾
性を有する薄片をカセツトの牽引レバーとしてカ
セツト支持枠に摺動案内するようにしかつカセツ
トの排出時にはエジエクトアーム自体でカセツト
を押し出し、カセツトの挿入時にはその挿入スト
ロークの後半をエジエクトアームを含む反転機構
による牽引レバーの牽引作用でカセツトの装填を
行うようにしたので極めて薄形のカセツト式テー
ププレーヤーを得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本考案の実施例を示し、第１図
は要部の平面図、第２図は右側面、第３図は側面
分解図、第４図は排出レバーを押圧したときの右
側面図、第５図はカセツト排出時のエジエクトア
ームの状態図、第６図はカセツトの装填状態の左
側面、第７図はカセツト排出時の状態図。 図中１は器枠、８はカセツト支持枠、１９は摺
動溝、２０は排出レバー、３６はエジエクトアー
ム、３９は反転バネ、４６は牽引レバー、４７は
カセツト牽引レバー及び４８は連結軸である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カセツトの支持枠にカセツトを装填したときそ
   の支持枠を下降位置に、カセツトを排出するとき
   上昇位置に変位させる機構と、カセツトの後方位
   置に並列的でかつ回動自在に軸支され、かつカセ
   ツトの装填時と排出レバーの押圧時に器枠に装備
   された反転バネを含む反転機構によつて反転回動
   をするエジエクトアームとを有するカセツト式テ
   ーププレーヤーのカセツト挿入排出機構において
   前記エジエクトアームの先端に回動自在に弾性材
   からなる牽引レバーを軸支し、その牽引レバーの
   他端には、カセツト引掛部をその先端に有するカ
   セツト牽引レバーを更に回動自在に軸支するとと
   もに、その軸支部とカセツト牽引レバーを前記カ
   セツト支持枠に設けた摺動溝に摺動案内したこと
   を特徴とするカセツト式テーププレーヤーのカセ
   ツト挿入排出機構。