JPH0134145B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、釣竿、ゴルフクラブシヤフト等の積
層管の製造方法に関する。

従来上述積層管の製造方法としては、テーパ付
き芯金に、樹脂を含浸したプリプレグを捲回し、
その上部にセロフアンテープ又はシート等を捲き
締めし、所定温度で硬化させた後、脱芯金する方
法と、上記方法と同様、芯金にプリプレグを捲回
し、これを雌型内に圧入し、加熱硬化させた後、
離型、脱芯金する方法等が知られている。

しかし、前者によると、テーピング、テープ除
去作業が必要であり、又テープやシートの捲き締
め跡が残るばかりか捲き締め時に変形し易い為
に、外径研磨、センターレス加工、塗装、ガイド
及び口金装着の為の外径加工等が必要であり、又
外径を研磨するので均一な肉厚を得るのが困難で
ある等の問題点を有している。

又後者によると、雌型は割型である為、脱型
後、表面に型合わせ跡がどうしても残り、上述方
法ほどではないが表面仕上げが必要であつて、非
能率的である問題点を有している。

そこで本発明は上述従来方法の問題点に鑑みて
検討の結果、芯金と外型を用いる新規な積層管製
造方法を得たものであつて、ガラスクロス等に熱
硬化性樹脂を含浸したプリプレグクロス及びシー
ト等をテーパ付き芯金に捲回し、これを強圧にて
加圧し、外径を通常成形寸法よりも縮径した後、
外周に速硬化性樹脂層を塗布又は浸漬により層成
して素材を形成し、一方上記熱硬化性樹脂が加熱
され硬化又はゾル化する温度で急激に収縮する熱
収縮弾性材からなつて、軸線方向へ鋼線埋設して
ある熱収縮性チユーブを、上記素材と同一外径を
有するテーパ付き芯金に嵌挿し、加熱することに
より所定寸法に収縮させ、脱芯金して外型を形成
し、該外型に離型剤を塗布した後上記素材を芯金
と共に所定圧力で圧入することにより加圧し、こ
れを所定温度で加熱して硬化させた後、離型、脱
芯金することを要旨とするもので、その目的とす
るところは、表面の仕上げ加工が不要で、かつボ
イド及びピンホールのない高品質の積層管を能率
良く製造できることにある。

以下本発明方法を製造工程順に詳述する。

先ず第１図に示したように、ガルスクロスに熱
硬化性樹脂を含浸したプリプレグクロス及びシー
ト２を離型処理したテーパ付き芯金１に所定圧力
で捲回し、これを強圧にて加圧することにより内
部の残留空気を排出すると共に、通常成形サイズ
よりも外径を僅かに縮径し、然る後、これが表面
に、上記プリプレグクロス及びシート２に含浸し
た樹脂とは異なるゲルコート樹脂又はポリウレタ
ン樹脂等の速硬化性樹脂（80〜100℃、10分の条
件下で硬化し、表面硬度２〜3H、着色可能なも
の）の層３を塗布又は浸漬により第２図に示した
如く層成し、素材４を得る。

次いで、芯金１と共に素材４を第５図に示した
如く外型５に挿入し、所定圧力で定位置まで圧入
することにより加圧したならば、これを100〜150
℃の所定温度で加熱し、上記プリプレグクロス及
びシート２を硬化させ、然る後、芯金１と共に素
材４を外型５から引き抜くか、又は押出して脱型
し、次いで、素材４から芯金１を引き抜きしたな
らば、これを所定寸法に切断して積層管を得る。

こゝで、上記外型５には次のようにして成形し
たものが用いられる。

まず、上記プリプレグクロス及びシート２に含
浸された熱硬化性樹脂は80〜120℃で加熱され軟
化又はゾル状となるから、上記加熱温度で急激に
収縮する材質、例えば架橋ポリエチレン等の熱収
縮性弾性材５ａからなり、その軸線方向に複数本
の鋼線５ｂを埋設した第３図に示す熱収縮性チユ
ーブ５ｃを内径が上記素材４の外径の1.2倍にな
るように形成する。ここで上記熱収縮性チユーブ
５ｃは、上記素材４を挿入して加熱する際に、随
時収縮して加圧力が作用するように予め上記素材
４の95％まで収縮可能な状態に設定されたもので
あつて、該熱収縮性チユーブ５ｃに内圧と熱を加
えて、上記素材の外径の1.2倍まで拡径し、拡径
したままで常温まで温度を下げることにより素材
外径1.2倍の内径となるように形成される。

次いで、第４図に示したように上記素材４と同
一外径寸法に加工したテーパ付き芯金６に嵌挿さ
せ、この内径が芯金６の外径と同一寸法になるま
で上記温度で加熱して収縮させる。然る後、芯金
６を引き抜きし、所定寸法切断し、第５図に示し
たように前後、及び中間部に保護金具７…を外装
して形成される。

ここで、上記熱収縮性チユーブ５ｃは、上記素
材４を上述のように所定圧力で圧入する時又はそ
れを引き抜く時にかかる軸線方向への圧縮力によ
り屈曲しないように軸線方向に鋼線５ｂを内装し
てあつて、芯金６と同様のテーパを有してその径
大部と径小部では同一肉厚に形成してある。

又、上記外径５の内部は、予め離型剤にて離型
処理しておくことはもとよりであるが、その離型
剤には、上記芯金１における離型剤よりも離型性
の優れたものを使用し、離型、脱芯金に際して、
先ず芯金１と共に素材４が外径５から引き抜きさ
れ、然る後、素材４から芯金１を引き抜きできる
ようにしてある。

更に、外型５に素材４を芯金１と共に圧入する
ことにより加圧した後の加熱は、炉中で温度100
〜150℃で約２時間行なう。

以上説明したように本発明に係る釣竿等積層管
の製造方法によれば、熱硬化性樹脂を含浸したプ
リプレグクロス及びシート２を芯金１に捲回し、
強圧にて加圧し外径を通常成形寸法より縮小させ
た後、外周に速硬化性樹脂層３を任意に層成し、
これを一体に成形した外型５に圧入することによ
り加圧し、所定温度で加熱し硬化させた後離型、
脱芯金して成形するものであるから、従来例の如
く、表面にテープ及びシート等の捲き締め跡や割
型による型合わせ跡を生じるものではなく、従つ
て、テーピングや表面仕上げ加工が不要となるこ
とは勿論のこと、特に本発明方法によると、鋼線
５ｂを軸線方向へ埋設した熱収縮性チユーブ５ｃ
で形成した外型５を用いているから、素材４を外
型５に圧入又は引き抜く時の圧縮力に耐え得る強
度を有しており、又、素材４を外型に圧入後加熱
することにより外型が随時収縮する為、圧入した
素材４のプリプレグクロス及びシート２を加圧す
る力が作用し、もつて、表面は鏡面で、かつ内部
にボイドやピンホールのない緻密で高品質の積層
管を生産性良く製造することができる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明に係る釣竿等積層管の製造方
法における製造工程を示したもので、第１図は熱
硬化性樹脂を含浸したプリプレグクロス及びシー
トと、それを捲回する為の芯金の側面図、第２図
は芯金にプリプレグクロス及びシートを捲回した
後縮径し、表面に樹脂層を層成した素材を示す側
面図、第３図は外型成形用の鋼線入り熱収縮チユ
ーブの縦断側面図、第４図は上記チユーブを芯金
に嵌挿し縮小させた状態の縦断側面図、第５図は
素材を芯金と共に外型に圧入した状態を示す縦断
側面図である。 １…素材成形用の芯金、２…プリプレグクロス
及びシート等、３…速硬化性樹脂層、４…素材、
５…外型、５ａ…熱硬化性弾性材、５ｂ…鋼線、
５ｃ…熱収縮性チユーブ、６…外型成形用の芯
金。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガラスクロス等に熱硬化性樹脂を含浸したプ
   リプレグクロス及びシート等をテーパ付き芯金に
   捲回し、これを強圧にて加圧し、外径を通常成形
   寸法よりも縮径した後、外周に速硬化性樹脂層を
   塗布又は浸漬により層成して素材を成形し、一方
   上記熱硬化性樹脂が加熱され、軟化又はゾル化す
   る温度で急激に収縮する熱収縮性弾性材からなつ
   て軸線方向へ鋼線を埋設してある熱収縮性チユー
   ブを、上記素材と同一外径を有するテーパ付き芯
   金に嵌挿し、加熱することにより所定寸法に収縮
   され、脱芯金して外型を成形し、この外型に離型
   剤を塗布した後上記素材を芯金と共に所定圧力で
   圧入することにより加圧し、これを所定温度で加
   熱して硬化させた後離型、脱芯金することを特徴
   とする釣竿等積層管の製造方法。