JP2530808Y2 - 管状体 - Google Patents
管状体Info
- Publication number
- JP2530808Y2 JP2530808Y2 JP1990036913U JP3691390U JP2530808Y2 JP 2530808 Y2 JP2530808 Y2 JP 2530808Y2 JP 1990036913 U JP1990036913 U JP 1990036913U JP 3691390 U JP3691390 U JP 3691390U JP 2530808 Y2 JP2530808 Y2 JP 2530808Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tubular body
- sheet material
- prepreg
- coating
- thermosetting resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Laminated Bodies (AREA)
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
- Fishing Rods (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は管状体に関し、詳しくは、芯材にシート状の
プリプレグを巻き付け、焼成して成る管状体の改良に関
するものである。
プリプレグを巻き付け、焼成して成る管状体の改良に関
するものである。
管状体の例として釣り竿に用いられるものを挙げる
と、この種の管状体ではマンドレルと称される金属製の
芯材にシート状のプリプレグを巻き付け、この外面に熱
収縮性のテープ材を巻き付けた状態で焼成することによ
り、プリプレグのゲル化を経て硬化を行うと共に、テー
プ材の収縮によりプリプレグを芯材に締付けて成形が為
されている。
と、この種の管状体ではマンドレルと称される金属製の
芯材にシート状のプリプレグを巻き付け、この外面に熱
収縮性のテープ材を巻き付けた状態で焼成することによ
り、プリプレグのゲル化を経て硬化を行うと共に、テー
プ材の収縮によりプリプレグを芯材に締付けて成形が為
されている。
尚、このように成形が完了すると、芯材を抜き取り、
テープを取り去り、両端部を切断することで管状体が得
られる。
テープを取り去り、両端部を切断することで管状体が得
られる。
ここで、以上のような従来技術によって得られる管状
体に塗装を行うことについて考えるに、この管状体に直
接塗装を行った際には、塗料の硬化時の収縮、あるい
は、管状体の素材の熱膨張率と塗膜の熱膨張率との違い
により、塗膜に「しわ」やクラックを発生させることも
ある。
体に塗装を行うことについて考えるに、この管状体に直
接塗装を行った際には、塗料の硬化時の収縮、あるい
は、管状体の素材の熱膨張率と塗膜の熱膨張率との違い
により、塗膜に「しわ」やクラックを発生させることも
ある。
又、前述のように焼成によって得られる管状体では、
管状体の表面にピンホールを発生させることも多く、こ
のようにピンホールが発生した場合には、ピンホールを
埋めるための下塗処理を行っているのが現状であり、前
述した「しわ」やクラックの発生と共に改善の余地があ
る。
管状体の表面にピンホールを発生させることも多く、こ
のようにピンホールが発生した場合には、ピンホールを
埋めるための下塗処理を行っているのが現状であり、前
述した「しわ」やクラックの発生と共に改善の余地があ
る。
本考案の目的は、塗装後には「しわ」やクラックを発
生させ難く、又、下塗処理を行わずとも滑らかな塗面を
形成できる管状体を合理的に構成する点にある。
生させ難く、又、下塗処理を行わずとも滑らかな塗面を
形成できる管状体を合理的に構成する点にある。
本考案の特徴は、強化繊維と熱硬化性樹脂とからなる
プリプレグの外面に、前記熱硬化性樹脂のゲル化を経て
硬化するまでの温度と同程度の温度で軟化高粘性状態に
ある熱可塑性樹脂製のシート材を重ね合せて管状に成形
して成る点にあり、その作用、及び、効果は次の通りで
ある。
プリプレグの外面に、前記熱硬化性樹脂のゲル化を経て
硬化するまでの温度と同程度の温度で軟化高粘性状態に
ある熱可塑性樹脂製のシート材を重ね合せて管状に成形
して成る点にあり、その作用、及び、効果は次の通りで
ある。
つまり、管状体の外面が、熱硬化性樹脂をゲル化後硬
化させる際に軟化状態にある熱可塑性樹脂のシート材で
被覆されるので、この管状体に塗装を行い塗料の硬化に
よる収縮を生じた場合、あるいは、プリプレグを焼成し
た後の素材の熱膨張率と塗膜の熱膨張率との違いから、
この素材と塗膜との間に相対的な伸長、あるいは、収縮
を生じた場合であっても、素材と塗膜との間のシート材
が弾性変形することで塗膜には応力を作用させることが
少ない。
化させる際に軟化状態にある熱可塑性樹脂のシート材で
被覆されるので、この管状体に塗装を行い塗料の硬化に
よる収縮を生じた場合、あるいは、プリプレグを焼成し
た後の素材の熱膨張率と塗膜の熱膨張率との違いから、
この素材と塗膜との間に相対的な伸長、あるいは、収縮
を生じた場合であっても、素材と塗膜との間のシート材
が弾性変形することで塗膜には応力を作用させることが
少ない。
しかも、熱硬化性樹脂をゲル化後硬化させる際にシー
ト材は柔軟性とともに粘性を残しているので、シート材
が熱硬化性樹脂に食い込むように融着するとともに、硬
化処理後塗装すると、塗料とシート材とが融着する。し
たがって、シート材に対して管状体と塗料とが夫々剥離
しがたい結び付きを得ることができ、曲げ荷重が作用し
た場合にも、シート材と管状体、或いは、塗料とシート
材との間で層間剥離現象が起こることが少ない。
ト材は柔軟性とともに粘性を残しているので、シート材
が熱硬化性樹脂に食い込むように融着するとともに、硬
化処理後塗装すると、塗料とシート材とが融着する。し
たがって、シート材に対して管状体と塗料とが夫々剥離
しがたい結び付きを得ることができ、曲げ荷重が作用し
た場合にも、シート材と管状体、或いは、塗料とシート
材との間で層間剥離現象が起こることが少ない。
又、シート材が熱硬化性樹脂に食い込むように融着す
るので、ピンホールが発生しても、シート材がピンホー
ルを覆いそのピンホールを埋めるための補修作業を必要
といない。
るので、ピンホールが発生しても、シート材がピンホー
ルを覆いそのピンホールを埋めるための補修作業を必要
といない。
従って、硬化時に収縮する塗料を用いても、又、焼成
後の素材と異なる熱膨張率の塗膜が形成されても、塗膜
に「しわ」やクラックを発生させ難く、それでいて、シ
ート材は素材だけでなく塗料とも融着が良好であり、剥
離しにくいだけでなく、素材にピンホールが発生して
も、下塗処理を行わずに滑かで、剥離し難い塗面を形成
できる管状体が合理的に構成されたのである。
後の素材と異なる熱膨張率の塗膜が形成されても、塗膜
に「しわ」やクラックを発生させ難く、それでいて、シ
ート材は素材だけでなく塗料とも融着が良好であり、剥
離しにくいだけでなく、素材にピンホールが発生して
も、下塗処理を行わずに滑かで、剥離し難い塗面を形成
できる管状体が合理的に構成されたのである。
特に、本考案では管状体の外面に柔軟なシート材(膜
体)が形成されるので、外部から衝撃力が作用した場合
でも素材を傷め難く、又、この管状体を握った場合に
は、膜体の弾性変形により手触りが良好で、しかも、管
状体が破砕しても、破片の飛散を抑制できるという効果
も奏する。
体)が形成されるので、外部から衝撃力が作用した場合
でも素材を傷め難く、又、この管状体を握った場合に
は、膜体の弾性変形により手触りが良好で、しかも、管
状体が破砕しても、破片の飛散を抑制できるという効果
も奏する。
以下、本考案の実施例を図面に基いて説明する。
第3図及び第4図には当該管状体の製造行程の一部を
拡大して表している。
拡大して表している。
即ち、この行程では、まず、金属製の芯材(1)に、
芯材(1)の長手方向と直交する方向に炭素繊維を引き
揃えたプリプレグ(2)を1プライ巻き付けると共に、
この外面に芯材(1)の長手方向に沿って炭素繊維を引
き揃えたプリプレグ(3)を2プライ巻き付け、この外
面に芯材(1)の長手方向と直交する方向に炭素繊維を
引き揃えたプリプレグ(4)と、熱可塑性で柔軟なシー
ト材(5)とを、該シート材(5)が最外層となるよう
巻き付け、この後、この外面に熱収縮性のテープ(6)
を巻き付ける。
芯材(1)の長手方向と直交する方向に炭素繊維を引き
揃えたプリプレグ(2)を1プライ巻き付けると共に、
この外面に芯材(1)の長手方向に沿って炭素繊維を引
き揃えたプリプレグ(3)を2プライ巻き付け、この外
面に芯材(1)の長手方向と直交する方向に炭素繊維を
引き揃えたプリプレグ(4)と、熱可塑性で柔軟なシー
ト材(5)とを、該シート材(5)が最外層となるよう
巻き付け、この後、この外面に熱収縮性のテープ(6)
を巻き付ける。
尚、このシート材(5)はウレタン製の薄膜で成り、
又、夫々プリプレグ(2),(3),(4)は一方向に
引き揃えた炭素繊維(C)‥にエポキシ樹脂(E)を含
浸させたものである。
又、夫々プリプレグ(2),(3),(4)は一方向に
引き揃えた炭素繊維(C)‥にエポキシ樹脂(E)を含
浸させたものである。
次に、130℃〜140℃の温度で所定時間焼成処理するこ
とで、プリプレグ(2),(3),(4)のゲル化、外
層のプリプレグ(4)の外面へのシート材(5)の融
着、テープ(6)の収縮を行って成形が完了する。
とで、プリプレグ(2),(3),(4)のゲル化、外
層のプリプレグ(4)の外面へのシート材(5)の融
着、テープ(6)の収縮を行って成形が完了する。
そして、この成形が完了した後には芯材(3)を抜き
取り、テープ(6)を取去ることで第1図及び第2図に
示すように、管状体が完成するのである。
取り、テープ(6)を取去ることで第1図及び第2図に
示すように、管状体が完成するのである。
尚、シート材(5)に用いられるウレタンは焼成時に
おいても比較的粘性が高く、プリプレグ(2)に用いら
れるエポキシ樹脂(E)は80℃〜100℃の温度におい
て、粘性が大きく低下した後、温度上昇により硬化する
性質を有することから、この焼成時には、第2図に示す
ようにシート材(5)がプリプレグ(4)の表面に喰い
込む形態となって界面での密着性が向上すると共に、ウ
レタン、エポキシ樹脂(E)夫々の相溶性が高いことに
起因してプリプレグ(4)の外面に対してシート材
(5)が極めて良好な状態で融着する。
おいても比較的粘性が高く、プリプレグ(2)に用いら
れるエポキシ樹脂(E)は80℃〜100℃の温度におい
て、粘性が大きく低下した後、温度上昇により硬化する
性質を有することから、この焼成時には、第2図に示す
ようにシート材(5)がプリプレグ(4)の表面に喰い
込む形態となって界面での密着性が向上すると共に、ウ
レタン、エポキシ樹脂(E)夫々の相溶性が高いことに
起因してプリプレグ(4)の外面に対してシート材
(5)が極めて良好な状態で融着する。
因みに、この相溶性とは、濡れ性に類似した性質で、
界面において2種の素材の混和の程度を表す性質であ
る。
界面において2種の素材の混和の程度を表す性質であ
る。
更に、このように成形後のプリプレグ(2),
(3),(4)を竿素材(M)と称し、シート材(5)
を膜体(5)と称すると、この管状体に膜体(5)が熱
可塑性であることから、熱を加えることで、膜体(5)
の表面の多少の成形が可能であり、熱を加えて部品等の
融着も行え、又、膜体(5)の表面に塗膜(7)を形成
した場合には、膜体(5)の弾性等により、その塗面が
滑かで剥離し難いものとなる。
(3),(4)を竿素材(M)と称し、シート材(5)
を膜体(5)と称すると、この管状体に膜体(5)が熱
可塑性であることから、熱を加えることで、膜体(5)
の表面の多少の成形が可能であり、熱を加えて部品等の
融着も行え、又、膜体(5)の表面に塗膜(7)を形成
した場合には、膜体(5)の弾性等により、その塗面が
滑かで剥離し難いものとなる。
本考案は上記実施例以外に加熱によって、融着する種
類の樹脂材同士の組合せであるなら、プリプレグ、シー
ト材夫々の材質はどのようなものであっても良い。
類の樹脂材同士の組合せであるなら、プリプレグ、シー
ト材夫々の材質はどのようなものであっても良い。
又、本考案は、このように成形された管状体を釣り竿
以外に用いても良い。
以外に用いても良い。
尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】 図面は本考案に係る管状体の実施例を示し、第1図は該
管状体の断面図、第2図は第1図のII-II線断面図、第
3図は製作時においてシート材を巻付ける状態の拡大
図、第4図は製作時においてテープを巻付ける状態の拡
大図である。 (1)……芯材、(4)……プリプレグ、(5)シート
材。
管状体の断面図、第2図は第1図のII-II線断面図、第
3図は製作時においてシート材を巻付ける状態の拡大
図、第4図は製作時においてテープを巻付ける状態の拡
大図である。 (1)……芯材、(4)……プリプレグ、(5)シート
材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 23:00
Claims (1)
- 【請求項1】強化繊維と熱硬化性樹脂とからなるプリプ
レグ(4)の外面に、前記熱硬化性樹脂のゲル化を経て
硬化するまでの温度と同程度の温度で軟化高粘性状態に
ある熱可塑性樹脂製のシート材(5)を重ね合せて管状
に成形して成る管状体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990036913U JP2530808Y2 (ja) | 1990-04-04 | 1990-04-04 | 管状体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990036913U JP2530808Y2 (ja) | 1990-04-04 | 1990-04-04 | 管状体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03126466U JPH03126466U (ja) | 1991-12-19 |
JP2530808Y2 true JP2530808Y2 (ja) | 1997-04-02 |
Family
ID=31543564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1990036913U Expired - Lifetime JP2530808Y2 (ja) | 1990-04-04 | 1990-04-04 | 管状体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2530808Y2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS612924B2 (ja) * | 1977-06-15 | 1986-01-29 | Bankaa Reemo Corp Za |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS612924U (ja) * | 1984-06-13 | 1986-01-09 | リョービ株式会社 | 釣竿等の積層管 |
-
1990
- 1990-04-04 JP JP1990036913U patent/JP2530808Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS612924B2 (ja) * | 1977-06-15 | 1986-01-29 | Bankaa Reemo Corp Za |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03126466U (ja) | 1991-12-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |