JPH0133479Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本案は溶着性が無いか又は悪い熱可塑性の硬質
フイルム、例えば２軸延伸をしたポリプロピレン
樹脂フイルム（以下OPPフイルムと称す）を材
料とした包装用袋に関するものである。

〈従来の技術〉 此種袋は、材料フイルムが展開時における保形
性、即ちセロハンの様に「パリツ」とした保形性
があると共に防湿性に優れているため、海苔等の
偏平で且つ湿気を嫌う物品の包装用として広く使
用されている。

而して従来の此種袋は、第４図に示す如く、物
品１を収容する収納胴部２の上方を開口側とし
て、これに仮封着部を３を設けると共に下方側は
封着部４として接着剤等で封着してあり、且つ上
記収納胴部２はその中央に封着部５を形成してこ
の封着部５により材料フイルムが合掌状に接着さ
れている。

上記仮封着部３は、袋の開口部分を接着剤等で
仮に封着したものであり、従つて袋を開封した後
は消失する。

〈考案が解決しようとする課題〉 従来の袋は、この様に開口側が開封後において
は開放状態となるため、開封後には袋の開口側を
捻回状に一括してこれをゴム輪で緊締し、以つて
物品１の脱出と外気の侵入を防止する必要があ
る。しかしながら、この様にして袋の開口端を閉
止しても、袋の材料が硬質フイルムであるから、
一括した開口部には隙間が多くて外気が侵入し易
すく、又開口部は物品１に近い箇所で開封されて
いて侵入した外気に接し易すいから、開封後には
早期に内部の物品１が湿気で変質してしまうと云
う問題がある。

〈課題を解決するための手段〉 本案袋においては、袋の開口部には折返し稜縁
２２を介して折返し部２０が設けられており、又
上記折返し部２０には、開封により消滅する開口
用の封着条面２１が形成されている。

上記折返し稜縁２２は、折返し部２０を折返し
た後に加熱押圧して形成し、これにより折返し稜
縁２２の対向する内面２２１，２２２が溶着され
る事なく気密に接合される。

〈作用〉 本案袋はこの様なものであるから、封着条面２
１を剥離した後は、折返し部２０が折返された状
態で存在すると共に、折返し稜縁２２の内面２２
１，２２２が接合しているから、これにより外気
の侵入が防止される。

〈実施例〉 以下に本案袋を添付図面につき説明すると、第
１図は本案袋を後方よりみた斜視図で、１０は偏
平な袋本体、２０は折返し部、３０は海苔等の収
容物品である。

上記袋本体１０は例えばOPPフイルムを材料
として作られており、OPPフイルムの両側縁を
合掌接合せしめると共に、この接合縁１１を袋本
体１０の背面中央に位置せしめた構成である。

更に上記袋本体１０は下底部分に上記接合縁１
１と直交する封着条面１２を形成してこれにより
収納胴部１３の下辺を封着している。

上記収納胴部１３は上記海苔３０を収容する様
に採寸されており、この収納胴部１３の上方開口
側には折返し部２０が袋本体１０と１体的に形成
されている。

上記折返し部２０は、袋本体１０の収納胴部１
３の上方から袋本体１０の後方へ折返されてお
り、その折返し端部には接合縁１１と直交する開
口用の封着条面２１が形成されていて、この封着
条面２１は開封後に消失する。

上記折返し部２０と袋本体１０との間には折返
し稜縁２２が形成されており、この折返し稜縁２
２は折返し部２０を袋本体１０から折返すと共に
押圧加熱して形成されており、これによつて折返
し部２０は常時袋本体１０へ重合する様に姿勢決
めされていると共に折返し稜縁２２の対向する内
面は溶着される事なく気密に接合せしめられてい
る。

上記接合縁１１と上下の封着条面１２，２１は
夫々OPPフイルムの重合する内面に接着剤を塗
付すると共に、これを加熱押圧して形成したもの
であり、これによつて各部分は熱接着されてい
る。本案袋はこの様なものであるから、折返し部
２０の封着条面２１を剥離して袋を開口した後に
も、折返し稜縁２２が袋本体１０の開口端を封隙
して外部湿気の内部侵入を阻止する。

即ち上記折返し稜縁２２は、第２図に示す如
く、折返し部２０の折返し時には対向する内面２
２１，２２２が密に接合して間隙を閉塞するた
め、これによつて自動的に外気を遮断する事が出
来るからである。

以上の処において上記折返し部２０は、第３図
に示す如く、内方（又は外方）へ折返すと共に、
これを押圧加熱して補助用の折返し稜縁２３，２
４を重複形成しても良く、かくすれば各稜線２
３，２４が夫々封隙効果をもたらすから、外気の
袋本体１０内への侵入を更に良好に遮断する事が
出来る。

上記実施例では合掌状接合縁１１を備えた包装
用袋を示したが、此種袋には両側部分を接合する
構成のものがあるから、実施例の構成に限定され
るものではない。

〈考案の効果〉 本案袋はこの様なものであるから、これを使用
すれば下記効果を得る事が出来る。

折返し部２０は常時折返し稜縁２２によつて折
返されているから、袋本体１０の封隙状態を常時
自動的に維持する事が出来、従つて封隙洩れの虞
れがない。

収納胴部１３の開口側に折返し部２０が設けら
れていて、この折返し部２０が、第２図に示す如
く、狭い空隙２０′を形成するため、この空隙２
０′により外気の侵入を抑止出来ると共にこの様
にして量的に規制された外気を上記折返し稜縁２
２で遮断する様に構成されているから、袋本体１
０の収納胴部１３に対する外気の侵入を有効に阻
止する事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案袋の斜視照、第２図は同上袋の要
部を示す縦断側面図、第３図は同上袋の他の実施
例を示す要部の斜視図、第４図は従来袋の斜視図
である。 図中１０は袋本体、１３は収納胴部、２０は折
返し部、２２は折返し稜縁、３０は収容物品とし
ての海苔を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 溶着性が無いか又は悪い熱可塑性樹脂の硬質
   フイルムを材料とし、且つ内部に偏平な形状の
   収容物品を収納するために収納胴部を形成した
   偏平な包装用袋において、上記収納胴部の上方
   開口側に折返し稜縁を介して折返し部を形成す
   ると共にこの折返し部には開口用の封着条面を
   設け、上記折返し稜縁は折返し部を袋本体と重
   合する様に折返すと共に折返し後に加熱押圧し
   て形成し、上記折返し稜縁の対向する内面が溶
   着される事なく気密に接合する事で外気を遮断
   する様に構成した包装用袋。 ２ 上記折返し部を更に折返すと共に折返した後
   に加熱押圧して補助用の折返し稜縁を形成した
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の包装用
   袋。 ３ 上記熱可塑性樹脂フイルムが２軸延伸をした
   ポリプロピレン樹脂フイルムである実用新案登
   録請求の範囲第１項又は第２項記載の包装用
   袋。