JPH0133403B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は振動部品供給機、いわゆるパーツフイ
ーダにおける部品の整数装置に関する。

公知のようにパーツフイーダはらせん状のトラ
ツクを形成させたボール（受皿）及びこのボール
にねじり振動力を与える駆動部を具備しており、
ボール内に供給された部品はねじり振動力を受け
てらせん状のトラツクを登つて行き、トラツクの
排出端から一個宛排出される。一個宛排出された
部品は例えばシユートを通つて次工程へと導かれ
るのであるが、この一個宛排出のためには、少な
くとも、トラツクの排出端近くでは部品を重なら
ずに移送させることが必要である。ボールの中央
部に供給された部品はトラツクの巾に応じて２列
になつたり、３列になつたりしながらあるいは重
なつてトラツクを上昇して行くのであるが、これ
一列にする前か後で、重なりをとるために従来
種々の整送装置が開発されている。

例えば長方形状の板部材を部品の移送方向に向
つてボールの径内方向に傾斜させ、かつその下縁
がトラツクの移送面から所定の距離ｄだけ上方に
あるように隙間をもつてトラツクの側壁部に固定
させたものがある。上記所定の距離ｄの大きさよ
りは小さいが1/2ｄよりは大きい厚さの板状部品
が重なつて上流側よりこの板部材に至ると、重な
つている部品は板部材に案内されてボールの内方
へと落下させられ、最下方の部品だけが隙間を通
つて下流側へと導かれる。すなわち、単層にして
下流側に導かれる。然るに部品の種類を変更し、
しかもその厚さが1/2ｄ以下になると、上記の板
部材の配設では２枚重なつた部品でもそのまゝ隙
間を通過し、下流側へ導かれる。すなわち、単層
にして下流側に導くことはできない。従つて、こ
のような場合には板部材の配設を変更し、下縁と
トラツクの移送面との距離がこのときの部品の厚
さよりは小さいが、この厚さの倍よりは小さくな
るようにトラツクの側壁部への固定位置を変更し
なければならない。このために何らかの固定位置
変更手段が必要となる。あるいは、巾の異なる板
部材に変更しなければならない。いづれにしても
面倒な作業を必要とし、部品の種類の切換に迅速
に対処することができない。

本発明は上記問題に鑑みてなされ、整送すべき
部品の種類を変更する場合でも、面倒な作業を必
要とせず、迅速にこれに対処して単層にして下流
側に部品を導くことができる振動部品供給機にお
ける部品の整送装置を提供することを目的とす
る。この目的は本発明によれば、らせん状のトラ
ツクを形成させた受皿及びこの受皿をねじり振動
させる駆動部を具備する振動部品供給機におい
て、前記トラツクの移送路の上方に部分的に突出
し、円弧状の側面を有する突出部を備えかつ上下
両面に相異なる深さの段部を形成させたブロツク
を前記トラツクの移送路との間に部品の重なりを
排除するように該ブロツクと前記トラツクの移送
路との間に相異なる２つの所定の間隙を形成させ
るように前記トラツクの側壁部に上下に反転可能
に取り付けたことを特徴とする部品の整送装置に
よつて達成される。

上記のような構成によれば、ブロツクを反転さ
せてトラツクの側壁部に取り付けるだけで該ブロ
ツクとトラツクの移送路との間に異なつた所定の
間隙を形成させることができるので、厚みの異な
つた種類の部品に変更するような場合でも迅速に
これに対処して該ブロツクで同様な案内作用を受
け、単層にして下流側へ導くことができる。

以下、本発明の詳細につき図示した実施例に基
づいて説明する。

第１図及び第２図から明らかなように本実施例
によるパーツフイーダは皿状のボール１と公知の
駆動部２から成つており、この駆動部２はケース
３によつてカバーされている。パーツフイーダ全
体は防振ゴム４によつて基礎上に支持される。駆
動部２は公知のようにボール５に固定された接極
子５、ベース６、接極子５とベース６とを結合す
る複数の傾斜配置した板ばね７、及び電磁石８か
ら成つており、電磁石８のコイルに半波整流した
交流を通じるとねじり振動力を発生し、ボール１
はこの振動力を受けて矢印Ａで示すようにねじり
振動を行う。

ボール１は駆動部２の接極子５に溶接される
か、ボール１の底部９の中央に形成した孔９ａに
ボルトを挿通するかして固定される。ボール１に
は反時計方向にらせん状のトラツク１０が形成さ
れており、その底部９に投入された部品はねじり
振動力を受けてトラツク１０の始端１０ａから上
昇し、トラツク１０に沿つて移送され、排出端１
０ｂから排出される。この排出端１０ｂにはシユ
ートが接続されるが図示省略されている。

トラツク１０には各々適当な間隔をおいて４つ
の単列整送部１１、２つの単層整送部１２及び排
出端１０ｂ近くに単層・単列整送部１３が設けら
れている。単列整送部１１はトラツク１０の移送
路に形成される円弧状でかつ階段状の切欠部によ
つて構成される。この切欠部１１は２段で構成さ
れる。

単層・単列整送部１３は上述の切欠部１１、こ
れと一体的に形成された補助用の円弧状切欠部１
１ｃ、及びブロツク１４から成つている。ブロツ
ク１４はほゞ半円柱形状であつて、ボール１の周
壁部に形成された円弧状の凹所１ａに嵌合してお
り、ねじ１５によりボール１に対して固定され
る。またブロツク１４の上面及び下面には段部１
４ａ，１４ｂが形成され、これらの高さは異なつ
たものとされている。従つて、このブロツク１４
の上下を逆さまにしてねり１５によりボール１に
対して固定した場合には、第５図に示すようにト
ラツク１０の移送面からこの段部１４ａ又は１４
ｂの面までの距離ｈは異なつた値となり、これに
よりこの単層・単列整送部１３により処理し得る
部品の種類を多くしている。なお、上述の段部１
４ａ，１４ｂはブロツク１４の円弧状の面側に形
成され、この面側が単列整送部１１に対向するよ
うにブロツク１４がボール１に対して固定され
る。なお、また、トラツク１０の移送面は第５図
に示すように外方に向つて若干下向き傾斜してい
る。

本発明の実施例によるパーツフイーダは以上の
ように構成されるが、次にこの作用について説明
する。

整送すべき部品は例えばチツプ抵抗ｍであつて
２×１×0.5mm程度の大きさできわめて小さい部
品であるとする。部品ｍは矢印方向に移移送さ
れ、単列整送部１１に至ると、内側の列の部品ｍ
は上段の円弧状切欠部１１ａに向かつて落下する
が、外側の列の部品ｍはトラツク１０の隘路部を
通つて更に前進する。なお、部品ｍはねじり振動
力による遠心力作用を受けて常に外方へと付勢さ
れながら移送されるので、外側の列の部品ｍはト
ラツク１０の側壁部と接しており、内側の列の部
品ｍは外側の列の部品ｍと接している。

上段の切欠部１１ａに落下した部品ｍは、更に
下段の切欠部１１ｂに落下し、次いで下側部分の
トラツク１０に落下する。このように部品ｍは段
階的に落下するので、下側部分のトラツク１０に
は比較的静かに落下し、移送面との衝突によりバ
ウンドして更に下側部分のトラツク１０に落下す
るということがない。すなわち段階１１ａ，１１
ｂがクツシヨンの働らきをして落下のエネルギー
を小さく抑えて、下側部分のトラツク１０に部品
ｍを落下させる働らきをする。また上段及び下段
の切欠部１１ａ，１１ｂにおいては、ねじり振動
力による遠心力作用で、円弧状の側壁部に部品ｍ
が押されながら、このガイド作用を受けてこの段
で停帯することなく下段へと落下させられる。

以上のようにして単列整送部１１により部品ｍ
は一列で整送されることになるが、トラツク１０
の行程の長さ及び部品の供給速度によつては再び
２列になることがある。これは部品ｍの各々が必
ずしも均等な搬送力を受けるとは限らず、また同
列内で部品ｍが干渉し合うことがあるからであ
る。従つて、場合によつては単列整送部１１の数
を更に増加させてもよく、また１つであつてもよ
い。

次に、単層・単列整送部１３について第４図及
び第５図を参照して説明する。こゝでは部品ｍの
重なりが排除されると共に、複数列が単列に整送
される。内側の列として移送されてきた部品ｍは
補助的な切欠部１１ｃに落下し、次いで上段切欠
部１１ａ下段切欠部１１ｂ、下側部分のトラツク
１０へと落下する。この場合には、落下の段数は
整送部１１より更に一段増え、より静かに下側部
分のトラツク１０に落下することになる。

外側の列として、かつ重なつて移送されてきた
部品ｍはブロツク１４の円弧状周壁部に当接して
前進を阻止されるが、この円弧面にガイドされて
上段の切欠部１１ａへと落とされる。次いで、ね
じり振動力の作用を受けて上述したように下段の
切欠部１１ｂ、下側部分のトラツク１０へと落と
される。他方、下側の部品ｍは第５図に示すよう
に、ブロツク１４とトラツク１０との隙間ｈを通
つて、そのまゝ前進する。このようにして部品ｍ
の重なりは排除され、更に単列に整送されること
になる。この整送部１３では上述の整送部１２と
異なつて、重なつていた部品ｍは積極的に下側部
分のトラツク１０へと落とされるので、整送部１
２より確実に部品ｍの重なりを排除することがで
きる。すなわち、この場合には部品ｍのトラツク
１０上の移送密度には全く関係なく確実に部品ｍ
の重なりが排除される。単層・単列整送部１３よ
りトラツク１０の排出端１０ｂまでは、所望の間
隔をおいて部品ｍは進行し、排出端から１個宛、
ほゞ一様な速さで次工程へと供給される。

以上述べたように本実施例のブロツク１４によ
れば部品を単層にして下流側に導く作用があるが
部品の種類を変更して厚みが変わり、図示のよう
に段部１４ａを下方にしてボール１の側壁部に固
定していては隙間ｈを、単層でも通過できないと
きには、ねじ１５をゆるめブロツク１４を反転さ
せ段部１４ｂ側を下方にして円弧状の凹所１ａに
嵌合させ、再びねじ１５により固定するだけで異
なつた厚さの部品に対処することができる。仮に
段部１４ｂを下方にしてブロツクを取りつけた場
合の段部１４ｂとトラツク１０の移送面との距離
をＨ（第５図のｈより大）とすれば段部１４ａで
は厚さｔがh/2＜ｔ＜ｈなる部品に適用できた
が、段部１４ｂではH/2＜ｔ＜Ｈなる部品に適用
できる。すなわち、これにより単層にして整送す
ることができる部品の種類を増大させることがで
きる。

また、ブロツク１４は円弧状の突出部を有する
ので、上下反転しても円弧状の凹所への取付が容
易であり、重なつている部品ｍを側方へと排除す
るガイド作用は反転しても均等に得られる。

また、ブロツク１４の側壁部を円弧状としたの
で、例えばエンドミルにより一本の丸棒から簡単
かつ迅速に加工し得るという効果もある。すなわ
ち、加工作業能率の点からもブロツク１４の側壁
部の形状が円弧状であることは大きな利点のある
ところである。

以上、本発明の実施例について説明したが、勿
論、本発明はこれに限定されることなく、本発明
の技術的思想に基づいて種々の変形が可能であ
る。

例えば、以上の実施例ではブロツク１４と円弧
状切欠１１ａ，１１ｂとの結合により単層・単列
整送部１３が構成されたが、第６図に示すように
単にブロツク１４だけを設けるようにしてもよ
い。この場合、外方の部品で重なつた部品を積極
的に下側トラツク１０部分に落下させる作用はな
いが、部品の重なりは確実に排除される。この排
除された部品は内方の列の部品として移送される
か、内方の列で再び重なつた場合はm′で示すよ
うにブロツク１４の円弧状側壁面に沿つてガイド
され、このトラツク部分で部品の密度が小さくか
なりの間隔があるときには外方の列に割り込むこ
とができる。すなわち、部品m′は外方の列での
重なりを排除された後、迂回して外方の列に戻る
ことができる。なお、内方の列の部品はこの後に
単列整送部１１を設け、これによつて排除すれば
よい。

なお以上の変形例ではトラツク１０の巾を部品
ｍの巾の２〜３倍の大きさとしたが部品ｍの巾に
ほぼ等しくし、ブロツク１４の円弧状の突出部の
突出量とほゞ等しくするようにしてもよい。この
場合には下流側に部品を複数列で単層にして導く
ことはできないが、多種類の部品の単層整列作用
及び厚さの異なる部品の切換えに迅速に対処する
ことができるという効果は失われない。

本発明の振動部品供給機における整送装置は、
以上述べたようにトラツクの移送路の上方に部分
的に突出し円弧状の側面を有する突出部を備えか
つ上下両面に相異なる深さの段部を形成させたブ
ロツクを前記トラツクの移送路との間に部品の重
なりを排除するように該ブロツクと前記トラツク
の移送路との間に相異なる２つの所定の間隙を形
成させるように前記トラツクの側壁部に上下に反
転可能に取り付けたので、厚さの異なる単層整列
されるべき供給部品の種類の切換えを迅速に行な
うことができる。また、ブロツクを取付ける部分
のトラツクの巾が部品の複数列分あれば、下流側
には単層にしかつ複数列で導くことができ、また
重なつた部品を直下方のトラツク部に導くために
トラツクに円弧状の階段状の切欠きを形成し、こ
れに対向してブロツクを取り付けた場合には、重
なつた部品をこの円弧状切欠きに確実に導くこと
ができるなど種々の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例による振動部品供給機
の一部破断側面図、第２図は同斜視図、第３図は
同平面図、第４図は同供給機における単層・単列
整送部の作用を説明するための部分拡大斜視図、
第５図は第４図の−Ｖ線方向断面図、及び第６
図は本発明の実施例の変形例を示す部分拡大斜視
図である。 なお、図において、１……ボール、２……駆動
部、１０……トラツク、１３……単層・単列整送
部、１４……ブロツク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ らせん状のトラツクを形成させた受皿及びこ
   の受皿をねじり振動させる駆動部を具備する振動
   部品供給機において、前記トラツクの移送路の上
   方に部分的に突出し、円弧状の側面を有する突出
   部を備えかつ上下両面に相異なる深さの段部を形
   成させたブロツクを前記トラツクの移送路との間
   に部品の重なりを排除するように該ブロツクと前
   記トラツクの移送路との間に相異なる２つの所定
   の間隙を形成させるように前記トラツクの側壁部
   に上下に反転可能に取り付けたことを特徴とする
   部品の整送装置。