JPS636447B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は循環式振動部品供給機に関する。

循環式振動部品供給機は通常リニアパーツフイ
ーダとも呼ばれ、最近種々の構造のものが開発さ
れているが、いづれにおいても部品を一方向に移
送する第１トラフと；この第１トラフに近接して
並設され部品を前記一方向とは逆方向に移送する
第２トラフとを具備し、第１トラフ内に設けられ
た部品整送手段で整送された部品は第１トラフか
ら外方に排出し、整送されなかつた部品は第２ト
ラフに戻して第１トラフ、第２トラフ内を循環す
るようにしている。

然るに取り扱われる部品は小型の電子部品であ
ることが多く、その供給能率を上げるべく種々の
構成が提案されているが更に供給能率を向上する
ことが望まれている。また平面的に見ると、一方
のトラフが他方のトラフから突出していて全体と
して安定感に乏しい、しかも振動は全体として一
様でない。

本発明は上述の問題に鑑みてなされ、従来より
部品供給能率を一段と向上させ、しかも全体の構
成に安定感を与えると共にコスト低下をも図るこ
とができる循環式振動部品供給機を提供すること
を目的とする。この目的は本発明によれば、部品
を一方向に移送するように振動し、移送方向に向
つて上昇する第１部品整送用移送路、該第１部品
整送用移送路に沿つて延在するが移送方向に向つ
て水平の、又は前記第１部品整送用移送路より小
さい角度で上昇する第１部品循環用移送路、及び
前記第１部品整送用移送路上に又は該移送路に近
接して設けられた第１部品整送手段を備えた第１
トラフと；該第１トラフに近接して並設され、部
品を前記一方向とは逆方向に移送するように振動
し、移送方向に向つて上昇する第２部品整送用移
送路、該第２部品整送用移送路に沿つて延在する
が移送方向に向つて水平の、又は前記第２部品整
送用移送路より小さい角度で上昇する第２部品循
環用移送路、及び前記第２部品整送用移送路上に
又は該移送路に近接して設けられた第２部品整送
手段を備えた第２トラフとを具備し、前記第１部
品整送手段及び前記第２部品整送手段で整送され
た部品はそれぞれ前記第１部品整送用移送路及び
前記第２部品整送用移送路より外方に排出され、
整送されなかつた部品は前記第１部品循環用移送
路の終端部から前記第２部品循環用移送路の始端
部及び前記第２部品整送用移送路の始端部に導
き、かつ前記第２部品循環用移送路の終端部から
前記第１部品循環用移送路の始端部及び前記第１
部品整送用移送路の始端部に導いて前記第１トラ
フ及び前記第２トラフ内を循環させるようにした
ことを特徴とする循環式振動部品供給機によつて
達成される。

以下、本発明の実施例について図面を参照して
説明する。

第１図及び第２図において、２つのトラフ１
Ａ，２Ａは同一の形状であつて反対方向に向けて
相互に近接して並設されている。第２図に示し、
後に詳述する駆動部によりトラフ１Ａ，２Ａはそ
れぞれ矢印ａ方向及びｂ方向に振動し、一方のト
ラフ１Ａ内の部品は左方向に移送され、他方のト
ラフ１Ｂ内の部品は右方向に移送される。各トラ
フ１Ａ，１Ｂには整送部品排出用トラツク２ａ，
２ｂが一体的に形成されており、外側すなわち相
反する側には側壁部３ａ，３ｂを有するが内側す
なわち相対する側には側壁部がなく開口してい
る。

各トラフ１Ａ，１Ｂは部品移送方向に関し水平
な部品循環用移送路４ａ，４ｂ、及びこれに沿つ
て延在し、かつ移送方向に向つて上昇する部品整
送用移送路５ａ，５ｂを有している。各トラフ１
Ａ，１Ｂの始端部、すなわち一方のトラフ１Ａに
ついては右端部、他方のトラフ１Ｂについては左
端部では部品循環用移送路４ａ，４ｂと部品整送
用移送路５ａ，５ｂとは同一レベルにあり第３図
に示すように移送方向に向つて水平である。部品
整送用移送路５ａ，５ｂは昇り口６ａ，６ｂより
上昇し始め、こゝから部品が各移送路４ａ，５ａ
及び４ｂ，５ｂに分岐する。部品整送用移送路５
ａ，５ｂ及び部品循環用移送路５ａ，５ｂは第４
Ａ図、第４Ｂ図に示すように移送路全体にわたつ
て移送方向とは直角で外方に向つて若干下向きに
傾斜しており、部品整送用移送路５ａ，５ｂは狭
路として形成され、部品循環用移送路４ａ，４ｂ
は広路として形成されている。本実施例では板状
の部品ｍがトラフ１Ａ，１Ｂ内に多量に投入され
るが（なお第４Ａ図、第４Ｂ図では図をわかり易
くするために実際には更に高密度で部品が存在す
るが、散在的に示すものとする）、この部品ｍは
長方形の板状であつて、部品整送用移送路５ａ，
５ｂの巾は部品ｍの長さの半分よりは小さいが、
その巾にほゞ等しい。

部品整送用移送路５ａ，５ｂ上には、又はこれ
に近接して部品整送手段７ａ，７ｂが設けられて
いる。

第１図及び第３図では概念的に図示されている
が、これは適用される部品の目的とする整送状態
に応じて種々の公知の手段が適用可能である。例
えば、第７図、第８図、又は第９図、第１０図に
示す手段であつてもよい。部品整送用移送路５
ａ，５ｂは部品整送手段７ａ，７ｂより下流側で
終端部近くでは第５図にも示すように曲路８ａ，
８ｂとなつており、これにより部品のオーバフロ
ー状態が防止される。整送部品排除用トラツク２
ａ，２ｂには部品整送用移送路５ａ，５ｂに整列
して溝９ａ，９ｂが形成されている。また部品循
環用移送路４ａ，４ｂの終端部にはテーパ状の部
品ガイド壁が形成されており、これにより一方の
トラフから他方のトラフへの部品の案内をする。

次に、第２図を参照して本リニアパーツフイー
ダの駆動部について説明する。

各トラフ１Ａ，１Ｂの底面にはそれぞれ板ばね
取付ブロツク１１ａ，１１ｂが固定され、これら
は共通の固定ベース１２に前後一対の傾斜配置し
た板ばね１３ａ，１３ｂにより結合される。固定
ベース１２上には電磁石１５が固定され、その左
右のヨーク部に相互に独立したコイル１６ａ，１
６ｂを巻装させている。これらヨーク部に対向す
るように可動コア１４ａ，１４ｂが板ばね取付ブ
ロツク１１ａ，１１ｂに固定されている。

次に第７図〜第１０図を参照して、部品整送手
段７ａ，７ｂの具体例について説明する。

第７図及び第８図の例では部品整送用移送路５
ａ，５ｂに弧状の切欠き３０が形成される。これ
によりこの部分で移送路５ａ，５ｂの巾は狭くな
り、移送方向に関し横に向いていた部品は下方の
部品循環用移送路４ａ，４ｂに落下させられる。
なお、第１図〜第５図に示す実施例では移送路５
ａ，５ｂの巾を部品ｍの長さの半分より小さくし
ているので、このような部品ｍに対しては切欠き
３０は不要であるが、長さが更に小さい部品に対
しては有効となる。また重心が片側に片寄つてい
るような部品を整送するような場合にも有効とな
る。

第９図及び第１０図の例ではワイパー部材３１
がトラフ１Ａ，１Ｂの両側壁部３ａ，３ｂに固定
される。ワイパー部材３１は移送路５ａ，５ｂの
上方に斜めに延在し、移送路５ａ，５ｂからの高
さｈは板状の部品ｍの厚さよりは大きいが、その
２倍よりは小さい。従つて、重なつてこゝに至つ
た部品ｍのうち最下方の部品ｍはこの下方を通過
するが、上方の重なつている部品m′は面３１ａ
に案内されて部品循環用移送路４ａ，４ｂに落下
させられる。すなわち、この手段では部品の重な
りが除去される。

その他、公知の種々の部品整送手段が、部品の
形状や整送目的に応じて適用可能である。更に代
表的な例を挙げれば、本出願人が先に提案した特
願昭57−127839号（特開昭59−17416号）で開示
した部品整送装置がある。

本発明の実施例によるリニアパーツフイーダは
以上のように構成されるが、次にこの作用につい
て説明する。

コイル１６ａ，１６ｂに交流を通電するとトラ
フ１Ａ，１Ｂは矢印ａ方向、ｂ方向に振動し、ト
ラフ１Ａ，１Ｂ内に多量に投入された部品ｍは右
方向及び左方向に移送される。すなわち、一方の
トラフ１Ａ内では左方向に移送され、部品整送用
移送路５ａを上昇する部品ｍのうち、第４Ａ図に
示すように横方向を向いた部品ｍは部品循環用移
送路４ａへと落下するが、第４Ｂ図に示すように
長手方向を移送方向に向けた部品ｍはそのまゝ移
送路５ａ上を進行する。部品整送手段７ａでは整
送目的に応じて部品が選別もしくは姿勢矯正さ
れ、整列されて該手段７ａから部品ｍが出てく
る。例えば第９図、第１０図に示す手段の場合に
は一層で部品ｍが出てくる。非整送部品は部品整
送手段７ａから下方の部品循環用移送路４ａに落
下する。整送部品ｍは曲路８ａ、排出トラツク２
ａの溝９ａを通つて外部に供給される。もし、オ
ーバフローの状態に達せんとすると曲路８ａで部
品ｍ同志が押し合いオーバフロー分の部品ｍが下
方に落下する。

一方のトラフ１Ａの部品循環用移送路４ａ上の
部品ｍは終端部に至ると曲路８ａを形成する側壁
部及びガイド壁１０ａに案内されて部品ｍは他方
のトラフ１Ｂの始端部へと導かれる。このとき第
４Ａ図、第４Ｂ図に示すように移送路４ｂ，５ｂ
は外方に下向きに傾斜しているので重力作用も加
わつて充分一様に移送路４ｂ，５ｂに分配され
る。部品整送用移送路５ｂを上昇する部品ｍは長
手方向を移送方向に向けて部品整送手段７ｂに当
り、一方のトラフ１Ａの部品整送手段７ａによる
作用と同じ作用を受ける。整列した部品は、曲路
８ｂ、整送部品排出用トラツク２ｂの溝９ｂを通
つて外部に供給される。部品循環用移送路４ｂに
分岐した部品及び部品整送用移送路５ｂから落下
した部品は終端部に至ると曲路８ｂを形成する側
壁部及びガイド壁１０ｂの案内作用を受けて一方
のトラフ１Ａの始端部に導かれる。

本実施例は以上のような作用を行うので、両ト
ラフ１Ａ，１Ｂから整送部品が供給され、従来と
比べ約２倍の部品供給速度が得られる。

また本実施例のトラフ１Ａ，１Ｂ及び部品整送
手段７ａ，７ｂは全く同一の構成であるので、一
種類のトラフを製造するだけで済み従来よりコス
トを低下させることができる。また平面的にも、
側面的にも全く対照的であるのでデザイン的にも
安定感があり、しかも両トラフ全体の振動が一様
化する。

以上、本発明の実施例について説明したが勿論
本発明はこれに限定されることなく本発明の技術
的思想に基づいて種々の変形が可能である。

例えば、以上の実施例では各トラフ１Ａ，１Ｂ
の部品循環用移送路４ａ，４ｂを部品の移送方向
に関し水平としたが、第６図に４a′，４b′で示す
ように部品整送用移送路５ａ，５ｂより傾斜角は
小さいが移送方向に向つて上昇させてもよい。こ
のようにすれば、両トラフ１Ａ，１Ｂの始端部と
終端部との間に始端部の方が低くなる段差がつけ
られ部品の一方のトラフから他方のトラフへの案
内がより容易となる。

また以上の実施例では両トラフ１Ａ，１Ｂ及び
部品整送手段７ａ，７ｂを全く同一としたが場合
によつては相互に異ならせてもよい。例えば、一
方のトラフ１Ａの部品循環用移送路４ａは水平で
あるが、他方のトラフ１Ｂの部品循環用移送路４
b′は上昇させてもよい。また部品整送手段７ａ，
７ｂを相互に異ならせて、それぞれのトラフ１
Ａ，１Ｂから異なつた整送状態で部品を取り出し
てもよい。従来はこのような場合、２台のリニア
パーツフイーダを必要としたが、本変形例では一
台のリニアパーツフイーダで済み、しかも従来の
リニアパーツフイーダ各１台とほゞ同じ供給能力
が各トラフから得られるので同じく２台使用した
場合には約２倍の供給能力が得られることにな
る。

例えば、部品整送手段７ａ，７ｂが部品表裏検
出手段と部品排除手段とから成るとすれば、一方
のトラフ１Ａからは表向きの部品が、他方のトラ
フ１Ｂからは裏向きの部品が得られることができ
る。

また以上の実施例では電磁石１５を固定ベース
１２上に設けたが、本発明は一方のトラフに電磁
石を固定させたタイプのリニアパーツフイーダに
も適用可能である。

以上述べたように本発明の循環式振動部品供給
機によれば従来より部品の供給能力がほゞ倍加さ
れ、しかも製造コストの低下を可能とするもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例によるリニアパーツフ
イーダの平面図、第２図は同側面図、第３図は第
１図における−線方向側面図、第４Ａ図及び
第４Ｂ図は部品と共に示す第１図における−
線方向断面図、第５図は第１図における一方のト
ラフの終端部分を示す拡大斜視図、第６図は本実
施例の変形例を示す第３図と同様な側面図、第７
図、第８図は第１図における部品整送手段の具体
例を示す部分平面図、部分側面図、及び第９図、
第１０図は第１図における部品整送手段の他具体
例を示す部分平面図、部分側面図である。 なお図において、１Ａ，１Ｂ……トラフ、２
ａ，２ｂ……整送部品排出用トラツク、４ａ，４
ｂ，４a′，４b′……部品循環用移送路、５ａ，５
ｂ……部品整送用移送路、７ａ，７ｂ……部品整
送手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 部品を一方向に移送するように振動し、移送
   方向に向つて上昇する第１部品整送用移送路、該
   第１部品整送用移送路に沿つて延在するが移送方
   向に向つて水平の、又は前記第１部品整送用移送
   路より小さい角度で上昇する第１部品循環用移送
   路、及び前記第１部品整送用移送路上に又は該移
   送路に近接して設けられた第１部品整送手段を備
   えた第１トラフと；該第１トラフに近接して並設
   され、部品を前記一方向とは逆方向に移送するよ
   うに振動し、移送方向に向つて上昇する第２部品
   整送用移送路、該第２部品整送用移送路に沿つて
   延在するが移送方向に向つて水平の、又は前記第
   ２部品整送用移送路より小さい角度で上昇する第
   ２部品循環用移送路、及び前記第２部品整送用移
   送路上に又は該移送路に近接して設けられた第２
   部品整送手段を備えた第２トラフとを具備し、前
   記第１部品整送手段及び前記第２部品整送手段で
   整送された部品はそれぞれ前記第１部品整送用移
   送路及び前記第２部品整送用移送路より外方に排
   出され、整送されなかつた部品は前記第１部品循
   環用移送路の終端部から前記第２部品循環用移送
   路の始端部及び前記第２部品整送用移送路の始端
   部に導き、かつ前記第２部品循環用移送路の終端
   部から前記第１部品循環用移送路の始端部及び前
   記第１部品整送用移送路の始端部に導いて前記第
   １トラフ及び前記第２トラフ内を循環させるよう
   にしたことを特徴とする循環式振動部品供給機。 ２ 前記第１トラフと前記第２トラフとは同一形
   状である前記第１項に記載の循環式振動部品供給
   機。 ３ 前記第１部品整送手段と前記第２部品整送手
   段とは同一の手段である前記第２項記載の循環式
   振動部品供給機。