JPH0132581Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車の側部開口を開閉自在に覆うド
アの構造に関するものである。

（従来技術） 自動車のドア構造は従来から種々のものが提案
され、実用に供されている。自動車のドアは、通
常、ドアボデイ本体一部と、窓枠部と、この窓枠
部に取り付けられるウインドガラスとからなり、
このウインドガラスは開閉自在となつている。ウ
インドガラスを開閉自在とした場合、窓枠部にガ
ラスランチヤンネルを設けてウインドガラスを閉
めた時、ウインドガラス端部このガラスランチヤ
ンネルに当接してシールを行なうようになつてい
ることが多い。

このガラスランチヤンネルは、例えば実開昭56
−174698号に開示されているように、窓枠部の内
縁にウインドガラスと当接するように設けられて
いる場合がほとんどである。このように構成した
場合、窓枠の外側面はウインドガラス外面より外
方に突出する、すなわち、ウインドガラス外面と
ドア外面とに段差が生じるのが避け難い。

一方、最近では、車の走行時の空力特性が重視
されるようになつており、自動車の外面の凹凸を
できる限り少なくして空気抵抗を減らそうとして
いる。ドアの構造も例外ではなく、上記のような
ウインドガラス外面とドア外面に段差が生じるよ
うな構造はできる限り避けて、フラツシユサーフ
エス化を図りたいという要望が強い。フラツシユ
サーフエス化を図ることができれば、ドアの外面
を通る空気流の乱れが小さくなり、走行抵抗の減
少や風切音の減少を図ることができるのである。

（考案の目的） 本考案は以上のような事情に鑑みてなされたも
ので、ウインドガラスをドア外側面に近ずけて配
することができ、ドアのフラツシユサーフエス化
が図れるような自動車のドア構造を提供すること
を目的とするものである。

（考案の構成） 本考案の自動車のドアは、インナーパネルがド
アボデイ本体内側部と窓枠部を一体に形成し、ア
ウターパネルがドアボデイ本体外側部を形成し、
レインフオース部材が窓枠部を補強するように構
成されていて、窓枠部外周縁がレインフオースメ
ント部材外周縁と接合して、車体巾方向外方に延
びるガラスランチヤンネル取付フランジを形成し
ていることを特徴とするものである。

（実施例） 以下、図面により本考案の実施例について説明
する。

第１図から第４図は本考案による自動車のドア
の１例を構成する各部品を示す斜視図である。第
１図に示すように、インナーパネル１は窓枠部１
ａとドアボデイ本体内側部１ｂとが一体に成形さ
れてできており、このインナーパネル１に、ウイ
ンドガラスのガイドレール２が取り付けられる。
インナーパネル１の窓枠部１ａには第２図に示す
レインフオースメント部材３が取り付けられて、
この窓枠部１ａが補強される。さらに、この窓枠
に第３図に示すウインドガラス４が取り付けられ
る。このウインドガラス４はドア内側に取り付け
られたレギユレータハンドル５を乗員が操作する
ことによりワイヤ６を介してレギユレータ７によ
り上下動され、窓の開閉がなされようになつてい
る。このレギユレータ７等を挾むようにドアボデ
イ本体外側部を形成するアウターパネル８がイン
ナーパネル１のドアボデイ本体内側部１ｂと合わ
さつて取り付けられる。

以上の各部品が接合組立てられて、第５図に示
すようなドア１０が作られる。このドア１０は、
インナーパネル１の窓枠部１ａとレインフオース
メント部材２とが接合してできた窓枠１１と、イ
ンナーパネル１のドアボデイ本体内側部１ｂとア
ウターパネル８とが合わさつてできたドアボデイ
本体１２とからなり、窓枠１１の前部付け根（Ｄ
部）にはドアミラー１３が装着されている。

第６図は、第５図のドアを車体に取り付けた状
態で矢印Ａ−Ａに沿つて切断した断面図であり、
ルーフパネルアツパ２１とルーフパネルロア２２
とで車体のルーフ構成され、ルーフパネルアツパ
２１のドア上端部上方にはレインレール２４が接
合されている。両ルーフパネル２１，２２の下端
は合わさつて接合され、この部分にはドアウエザ
ーストリツプ２３が取り付けられていて、ドア１
０が閉められた時、車室内外のシールを行なう。
ドア１０の窓枠部１１は、インナーパネル１にレ
インフオースメント部材３が車体外方から取り付
けられてできている。インナーパネル１の外縁と
レインフオースメント部材３の外縁は重なつて車
体巾方向外方を向いて接合されて、ガラスランチ
ヤンネル取付フランジ９ａを形成し、ここに芯金
１２を有するガラスランチヤンネル１１が取り付
けられている。さらに、インナーパネル１の内縁
とレインフオースメント部材３の内縁は重なつて
下方を向いて接合されてウインドウエザーストリ
ツプ取付フランジ９ｂを形成し、ここにウインド
ウエザーストリツプ１３が取り付けられる。した
がつて、ウインドガラス４は閉められた時には内
側面をウインドウエザーストリツプ１３によりシ
ールされ、上端がガラスランチヤンネルに当接す
る。このように構成すると、ガラスランチヤンネ
ル１１外側面とウインドガラス４の外側面との段
差を小さくでき、ドア外面のフラツシユサーフエ
ス化が図れる。

第７図は、第５図のドアを矢印Ｂ−Ｂに沿つて
切断した断面図であり、センターピラーインナ２
４とセンターピラーアウタ２３とで構成された車
体に対してドア１０が閉められた状態を示してい
る。両センターピラー２３，２４の前端接合部に
はドアウエザーストリツプ２３が取り付けられて
いて、ドア閉の時のシールを行なう。第６図と同
様に、インナーパネル１の外縁とレインフオース
メント部材３の外縁とが接合して車体巾方向外方
に延びるガラスランチヤンネル取付フランジ９ａ
を形成し、インナーパネル１の内縁とレインフオ
ースメント部材３の内縁が接合して車体前方に延
びるウインドウエザーストリツプ取付フランジ９
ｂを形成し、各取付フランジ９ａ，９ｂにそれぞ
れガラスランチヤンネル１１およびウインドウエ
ザーストリツプ１３が取り付けられる。

第８図は、第５図のドアを矢印Ｃ−Ｃに沿つて
切断して示す断面図である。インナーレインフオ
ースメント１４により補強されたインナーパネル
１とアウターパネル８とによりドアボデイが形成
され、インナーパネル１の車室内側はトリム１５
により覆われている。インナーパネル１の上端部
を覆うトリム１５の上端部には水切りインナ１６
が接着され、アウターパネル８の上端部にはベル
トラインモール１７が取り付けられていて、水切
りインナ１６とベルトラインモール１７に挾まれ
てウインドガラス４が位置する。

第９図は、第５図のドアの窓枠前部付け根（Ｄ
部）を示す斜視図、第１０図は矢印Ｆ−Ｆに沿つ
た断面図である。ドアミラー装着孔を有する。ア
ウターパネル８と、インナーレインフオースメン
ト１４により補強されたインナーパネル１とによ
りドアボデイが構成される。この時、アウターパ
ネル８の前端とインナーパネル１の前端が接合さ
れ、インナーレインフオースメント１４はインナ
ーパネル１にスポツト溶接等されて接合されると
ともにその前端部は車体巾方向外方に延びガラス
ランチヤンネル取付フランジを形成し、ここにガ
ラスランチヤンネル１１が取り付けられる。

第１１図は、第５図のドアの窓枠部後部付け根
を示す斜視図、第１２図は矢印Ｇ−Ｇに沿つた断
面図である。インナーパネル１がレインフオース
メント部材３により補強され、インナーパネル１
の後縁とアウターパネル８の後縁がスポツト溶接
等により接合されている。そして、レインフオー
スメント部材３はインナーパネル１に接合される
とともにその外縁にはガラスランチヤンネル１９
が取り付けられている。

第１３図は本考案のドアにおけるウインドガラ
ス開閉のためのガイド系を示す正面図である。ウ
インドガラス４はガラスランチヤンネルに沿つて
案内され、且つウインドガラス４に取り付けられ
たガイド４ｂがガイドレール２に沿つて案内され
て上下する。この上下動は、乗員によるレギユレ
ータハンドル６の操作によつて行なわれ、レギユ
レータハンドル６の操作がワイヤ６を介してレギ
ユレータ７に伝えられて、このレギユレータ７に
よりウインドガラス４の上下動がなされる。ウイ
ンドガラス下端部には２個のガラスストツパ４
ｃ，４ｄが取り付けられており、矢印Ｈ−Ｈでの
断面を示す第１４図に表わしたように、ウインド
ガラスが上動するとウインドガラス４に取り付け
られたガラスストツパ４ｄが、インナーレインフ
オースメント１４に取り付けれたインナーストツ
パ２５に当接して、ウインドガラス４が外れない
ようにしている。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によればガラスラ
ンチヤンネル取付フランジを車体巾方向外方に延
びるよう形成し、ガラスランチヤンネルを車体外
方から取り付けるようにしているので、ウインド
ガラス外側面とドア外側面の段差を小さくできフ
ラツシユサーフエス化が図ることができ、走行時
の空気抵抗の減少および風切音の減少等を図るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第４図はそれぞれ本考案による自動
車のドアの１例を構成する各部品を示す斜視図、
第５図は本考案による自動車のドアの１例を示す
斜視図、第６図から第８図はそれぞれ第５図のド
アを矢印Ａ−Ａ，Ｂ−Ｂ，Ｃ−Ｃに沿つて切断し
て示す断面図、第９図は第５図のドアの窓枠前部
付け根（Ｄ部）を示す斜視図、第１０図は第９図
の矢印Ｆ−Ｆに沿つた断面図、第１１図は第５図
のドアの窓枠後部付け根（Ｅ部）を示す斜視図、
第１２図は第１１図の矢印Ｇ−Ｇに沿つた断面
図、第１３図は本考案のドアにおけるウインドガ
ラス開閉のガイド系を示す正面図、第１４図は第
１３図の矢印Ｈ−Ｈに沿つた断面図である。 １……インナーパネル、３……レインフオース
メント部材、４……ウインドガラス、７……レギ
ユレータ、８……アウターパネル、１０……ド
ア、１１……ガラスランチヤンネル、１３……ウ
インドウエザーストリツプ、１５……トリム、２
３……ドアウエザーストリツプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドアボデイ本体内側部と窓枠部が一体成形され
   たインナーパネルと、前記窓枠部の全域を覆いこ
   の窓枠部を補強するレインフオースメント部材
   と、ドアボデイ本体外側部を形成するアウターパ
   ネルとから構成され、 前記窓枠部の外周縁には該窓枠部と前記レイン
   フオースメント部材の接合によつて形成された車
   体巾方向外方に延びるガラスランチヤンネル取付
   フランジが設けられていることを特徴とする自動
   車のドア。