JPH0132119Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、手動操作する自動車の変速レバー
装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

自動車の手動用変速レバーは、ドライバのシー
トの直ぐ横にほぼ直立状態に設置したフロアチエ
ンジ方式が大部分である。変速操作は、大多数の
パターンにおいては、中立位置から横に動かすこ
とによつてトランスミツシヨンギア機構のシフト
しようとするギアをセレクトし、各セレクト位置
で縦（前後）に動かして所要のギアシフトをする
ように設定されている。この変速レバーの縦横へ
の揺回運動は、変速操作を円滑にするためには一
点を中心に正確に動くことが望ましく、従来にお
いて、特開昭57−157320号公報記載の自動車用変
速機の操作装置のようにいろいろな変速レバー装
置が採用されているが、構造および機能上一長一
短があつた。

例えば、特開昭57−157320号公報記載の変速レ
バー装置は、変速レバー軸支用横軸（第２軸）
と、リンク等を支持する縦軸（第２軸）とが、異
なる面内に形成され、位置を異にして配置されて
いるので、変速レバー装置の高さが大きくなり、
小型コンパクト化が図れず、重量が増大したり、
変速レバー装置を操作したシフト時の荷重バラン
スが良くない等の問題があつた。

〔考案の目的〕

この考案は、ケーブルを介してトランスミツシ
ヨンギア機構を遠隔操作するものにおいて、構造
簡潔で、強度高く、正確、円滑に作用し、シフト
時の荷重バランスが優れた小型でコンパクトな自
動車の変速レバー装置を提供するものである。

〔考案の実施例〕

以下この考案の実施例を示す図に就いて詳しく
説明する。

符号１は装置枠を示し、基板２，２によつて自
動車のフロアの所定の場所に固定される。矢印は
自動車の進行方向を示す。先ずヨーク３がその端
面を前後方向の縦軸４，４によつて揺回自在に装
置枠１に軸支される。ヨーク３の中央部には縦軸
４，４の軸心と直交する軸心の横軸５が固定さ
れ、変速レバー６を揺回自在に軸支する。従つて
変速レバー６は一点を中心に縦軸に揺回できる。
この変速レバー６には、下方へ延びる下部アーム
７の下端に、縦方向に配置されたトランスミツシ
ヨンギア機構のシフト用ケーブル８の前端を連結
し、変速レバー６を中立位置から前または後方へ
揺回させることによつてギアをシフトするように
なつている。なお、９はヨーク３を一定位置すな
わち変速レバー５を横方向の中立位置に保持する
スプリングである。

次に上記シフト用ケーブル８と並列して、トラ
ンスミツシヨンギア機構のセレクト用ケーブル１
０が配置される。またその前端部には、横軸５と
平行な支軸１１によつて揺回自在に装置枠１に軸
支されたＬ字状のベルクランク１２が設けられ、
その下方へ延びる下アーム１２ａの下端を上記セ
レクト用ケーブル１０に連結する。ベルクランク
１２が揺回することによつて下アーム１２ａが前
後し、ギアをセレクトする。ベルクランク１２は
後方へ延びる他方の縦アーム１２ｂを有し、縦ア
ーム１２ｂには、上下に平行する水平方向のガイ
ド面１３，１３を形成した切欠１４がある。前記
横軸５はヨーク３を貫通してベルクランク１２近
くへ延びる横アーム１５が突設され、横アーム１
５の先端には、球形のユニバーサルジヨイント１
６によつてスライドピース１７が支持されてい
る。このスライドピース１７を前記ベルクランク
縦アーム１２ｂの切欠１４のガイド面１３，１３
にスライド自在に挾持させる。変速レバー６を横
方向に操作すると横アーム１５が縦軸４，４を中
心に上下に揺回し、スライドピース１７を介して
ベルクランク１２を正逆揺回して前記のようにト
ランスミツシヨンギア機構をセレクトする。

こうして、変速レバー６を横に動かしてシフト
しようとするギア列をセレクトし、その位置で縦
に動かしてシフト操作する。図中１８はそのセレ
クト、シフトのパターンを示す。シフト操作が行
われた時は、そのシフトを解かない限りセレクト
操作できないようにする機構は別個に設けられて
いる。

〔考案の効果〕

この考案に係る自動車の変速レバー装置は、以
上のように構成されたもので、変速レバー軸支用
横軸とヨークを支持する縦軸とが同一平面内に直
交して配置され、変速レバー装置の高さを相対的
に低くして装置の小型・コンパクト化を図ること
ができ、軽量化することができる。また、断面コ
字状ヨークは前後端が縦軸で軸支され、コ字状ヨ
ークの中央に変速レバーが位置するため、シフト
時の荷重バランスを良好に保つことができる。

さらに、この自動車の平行レバー装置は、を介
してトランスミツシヨンギア機構を遠隔操作する
ものにおいて構造簡潔で正確、円滑にケーブルを
制御することができる。プレス加工のヨークに横
軸および横アームを溶着して製作されるので、加
工費、コストが低く、しかも剛性高く耐久性に勝
れる。また横アームとベルクランクの結合にスラ
イドピースと球形ユニバーサルジヨイントを用い
たので、互に縦横直角に交叉する軸回りの２つの
部材の揺動運動を無理なく円滑に連係させること
ができ、ベルクランクをプレス加工し、スライド
ピースは合成樹脂によつて成形させることで、生
産性よく、低コストで提供できるなど、変速レバ
ー装置として実用的効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す変速レバー装
置の一部切欠いた平面図、第２図は同一部縦断し
た側面図である。 １……装置枠、３……ヨーク、４……縦軸、５
……横軸、６……変速レバー、７……下部アー
ム、、８……シフト用ケーブル、１０……セレク
ト用ケーブル、１１……支軸、１２……ベルクラ
ンク、１２ａ……下アーム、１２ｂ……縦アー
ム、１３……ガイド面、１４……切欠、１５……
横アーム、１６……球形ユニバーサルジヨイン
ト、１７……スライドピース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 装置枠に断面コ字状のヨークを前後の縦軸廻り
   に揺回自在に軸支し、前記ヨークの中央部に変速
   レバー軸支用横軸を、前記縦軸と直交する同一平
   面内で固設し、前記横軸に変速レバーの下部を上
   記横軸廻りに揺回自在に軸支して変速レバーを縦
   横に揺動自在に支持し、この変速レバーの下方へ
   延びる下部アームの下端にトランスミツシヨンギ
   アのシフト用ケーブルの先端を連結すると共に、
   上記ヨークの側方に下方および縦方向に延びるベ
   ルクランクを上記横軸と平行な支軸廻りに揺回自
   在に装置枠に軸支し、ベルクランクの下アーム下
   端にトランスミツシヨンギアのセレクト用ケーブ
   ル先端を前記シフト用ケーブルと平行関係を保つ
   ように連結し、前記ベルクランクの縦アームには
   水平方向のガイド面を有する切欠を備え、前記横
   軸をベルクランク方向に延長させた横アームの先
   端に、球形ユニバーサルジヨイントを介してスラ
   イドピースを支持し、このスライドピースを上記
   ベルクランク縦アームの切欠内にスライド自在に
   挟持させたことを特徴とする自動車の変速レバー
   装置。